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ICC KYOTO 2021 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき見事3位に入賞した、シコメルフードテック 西原 直良さんのプレゼンテーション動画【「シコメル」は、“仕込DX”で飲食店の負担を改善してレストラン・シェフ・お客、三方良しの世界をつくる】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2021 ダイヤモンド・スポンサーのノバセル にサポート頂きました。
▶【速報】“業界DX”で巨大市場が動く!オフィス不動産データプラットフォーム運営の「estie(エスティ)」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2021)
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【登壇者情報】
2021年9月6〜9日開催
ICC KYOTO 2021
Session 1A
STARTUP CATAPULT
スタートアップの登竜門
Supported by ノバセル
西原 直良
株式会社シコメルフードテック
代表取締役
1981年大阪生まれ。2002年に大阪府立大学経済学部を2回生の時に中退後、輸入食品卸売業の会社を創業する。創業3年目に製造業にも参入し、レシピを預かって製造するOEM受託販売に特化し、創業17年で常時外食店舗1300店舗と取引をする。2020年に市販向け冷凍食品事業も開始し、開始2年目にコンビニ、全国チェーンのドラッグストア、スーパーマーケットと取引をスタートさせる。
ただ、常時1300店舗の取引の内、半分以上の取引先がFAX、電話での受注。新商品の案内も見積書を作成、サンプル持参、など全くDX化されない業界と強く思うようになり、2019年に大阪の有力食品業を経営する事業者3社、テック会社1社と合弁で飲食、食品事業者の課題解決をするために株式会社シコメルフードテックを創業し、代表に就任する。2020年5月に1店舗からのセントラルキッチン受発注アプリ「シコメル」をスタートする。
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西原 直良さん 皆さんもご存知の通り、今、飲食店が大変苦労しています。
高い固定費に苦労する飲食店
しかし、飲食店はコロナ禍の前からずっと苦労していたのです。
飲食店の5年以内の廃業率は約80%で、首都圏の居酒屋は今回のコロナ禍で約1,000店舗以上が閉店となってしまいました。
▶3年以内の廃業率70%!飲食店が廃業する実態と理由、潰れない店の特徴(M&A総合研究所)
▶「大手居酒屋チェーン」店舗数調査 上場14社の店舗数、新型コロナ前から1000店超の減少(東京商工リサーチ)
原因は、固定費が高いことです。
人件費と家賃、その他の経費を合わせると、半分以上が固定費です。
コロナ禍により売上が2、3割下がる一方、全国的に人件費が上がり、加えて過重労働的かつ労働集約的な環境のため赤字体質になってしまいます。
これを何とかしたいと思い、コロナ禍前の2019年12月、僕はシコメルを創業しました。
「シコメル」で飲食店の仕込みを外部化
シコメルフードテック代表の西原と申します。
僕は2002年に大学を中退し、大阪で食品工場を開業しました。
飲食店向けサプライヤーとして、この道約20年です。
「シコメル」というのは変わった名前ですが、ほとんどの方に一度で名前を覚えてもらっています。
シコメルは、1店舗からのセントラルキッチンを実現する、飲食店向けの無料の受発注アプリです。
つまり、仕込を外部化するということです。
もう、無理なシフトを組んでお店で仕込をしなくてもいいのです。
セントラルキッチンに投資をするのも、やめてください。
▶セントラルキッチンの導入メリットは?稼働コスト、衛生管理、人件費など徹底検証(フーズチャネル)
そんなことをしなくても、優れた商品を、シコメルが納品します。
つまり、先ほど申した固定費、人件費を減らし、変動費化するということです。
飲食店と最適な製造工場をマッチング
フローとしては、まずレストランは、レシピをシコメルに提出します。
その後、シコメルが工場から試作品をお届けするので、試作品が完成すれば、スマホで発注するだけです。
お店の味が、2、3日で届きます。
従来の、FAXや電話での発注作業も、もう必要ありません。
ほぼ全てのジャンルの商品を、シコメルは再現します。
レシピがなくても、開発のお手伝いをすることもあります。
お客様からは、「シコメルがないと店舗運営ができない、本当にいつもありがとう」という声をたくさん頂きます。
提携工場は、閑散期に売上が確保できます。
レストランは、もう仕込をしなくても良いのです。
シェフはシコメルを通じて、さらなる利益を獲得できます。
そしてシコメルは、商品が完成するまで完全無料です。
仕込み不要・安定した味で、解約率はほぼゼロ
業界構造上、労働基準法が厳格化されることから、新しいお客様がどんどん増えてくると思われますが、シコメルの解約率はゼロに近いのです。
その理由は、一度シコメルを導入すると人件費が下がり、お店で仕込をしなくてもよくなります。
そして、お店のアルバイト店員が仕込んだものよりもシコメルの提携工場が提供する商品のほうが、はるかに味がブレず、品質が優れているからです。
さらに、ミシュランシェフとも商品開発をしていますが、解約はゼロに近いです。
競合比較という観点では、僕の20年にわたるキャリアと、株主構成、提携工場の数から、商品の製造と供給には確信的な自信を持っています。
800点のレシピがすでに流通
既に2,000以上のレシピを全国のレストランから集め、そのうち800点を完成させ、世の中に流通させています。
この800点は、シコメルがなければ世の中に存在していなかった商品です。
そして工場側では、徹底した品質の保証と、単なるマッチングサービスにとどまらない供給サイドへのコミットメントをしており、今では1商品あたり2工場以上で製造するためのラインを確保しています。
3年以内に登録アカウント数20,000を目指す
売上については、来年(2022年)春には確実に、月商1億円、登録アカウント3,000の突破が見込まれています。
現在1,000のアカウント登録があり、それぞれの飲食店とお付き合いしていますが、まだ広告を出したことがありません。
今後、工場と物流とアプリのバージョンアップにさらに力を入れ、積極的に広告投資をし、3年以内に20,000の登録アカウント数獲得を目指します。
フランチャイズ加盟者を爆発的に伸ばした飲食店も
ここで一つ、事例のご紹介をします。
焼肉ホルモン食べ放題、レモンサワー飲み放題の、開業してまだ1年のレモホル酒場というお店があります。
このお店では全く仕込をしておらず、ほぼ全てシコメルから仕入れています。
お店では、ホルモンのパックを開けてタレをかけるだけ、スープを温めるだけ、カットサラダにドレッシングを混ぜるだけです。
アルバイト店員のみで運営し、この1年で店舗数は30にまで増える見込みです。
通常、焼肉店では肉を切る職人が必要なので人件費が20%以上かかるのですが、このレモホル酒場はシコメルの利用によって、人件費を12%まで減らすことができました。
先ほど申し上げたように、アルバイト店員が営業時間前にパックを開けるだけのオペレーションだからです。
そして、他チェーンよりも5ポイント以上高い営業利益率を確保でき、フランチャイズ加盟者を爆発的に伸ばすことができました。
シコメルと飲食店で新しい食文化を創る
今後の成長戦略は、レモホル酒場の事例のように、ほぼ全ての仕込、仕入れをシコメルから行い、展開する店舗をどんどん獲得することです。
その後、日本中の飲食店、食品工場向けに、無料の受発注アプリを公開します。
公開後は、受発注データを解析し、飲食店や食品会社に対して営業や仕入れサービスの効率化、原価率低減を実現するための月額課金モデルをリリースします。
そして、3年以内に売上100億円、登録アカウント20,000店を確実に達成したいと考えています。
日本の飲食店市場は年間25兆円であり、そのうちの食材費は30%、仕込や受発注にかかる人件費を10%だと仮定すると計40%となり、シコメルマーケットは10兆円規模だと考えています。
シコメルマーケットは無限大です。
先ほど申し上げた、仕込済商品数の800点を、我々は5年以内に10,000点以上にします。
その後シコメルは、レストランに納品するだけではなく、日本中、世界中の人々に仕込済商品を買ってもらえるようにし、レストランがイートイン売上以外の収益を得られるようにします。
シコメルとレストランは一緒に、新しい食文化を創っていくことになります。
シコメルを利用して、今までの労働集約的で過重労働的な、ブラックな労働環境の劇的な改善を実現してください。
そして皆さんが常連として、いつも家族や仲間と一緒に行く店を無くさない世の中を、シコメルと一緒に作ってください。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸
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