低コスト・一気通貫のロケット開発で宇宙産業の基幹産業化を目指す「インターステラテクノロジズ」(ICC FUKUOKA 2022) | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

低コスト・一気通貫のロケット開発で宇宙産業の基幹産業化を目指す「インターステラテクノロジズ」(ICC FUKUOKA 2022)

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ICC FUKUOKA 2022 カタパルト・グランプリに登壇いただき、見事4位に入賞した、インターステラテクノロジズ 稲川 貴大さんのプレゼンテーション動画【低コスト・一気通貫のロケット開発で宇宙産業の基幹産業化を目指す「インターステラテクノロジズ」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回300名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2022プラチナ・スポンサーのAGSコンサルティングにサポートいただきました。

【速報】ゴムの常識を変える「錦城護謨」と、サバ養殖を進化させる「フィッシュ・バイオテック」がカタパルト・グランプリ同率優勝! (ICC FUKUOKA 2022)


【登壇者情報】
2022年2月14〜17日開催
ICC FUKUOKA 2022
Session 6A
カタパルト・グランプリ
– 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング

稲川 貴大
インターステラテクノロジズ株式会社
代表取締役社長

1987年生まれ。東京工業大学大学院機械物理工学専攻修了。学生時代には人力飛行機やハイブリッドロケットの設計・製造を行なう。修士卒業後、インターステラテクノロジズへ入社、2014年より現職。経営と同時に技術者としてロケット開発のシステム設計、軌道計算、制御系設計なども行なう。「誰もが宇宙に手が届く未来を」実現するために小型ロケットの開発を実行。日本においては民間企業開発として初めての宇宙へ到達する観測ロケットMOMOの打上げを行った。また、同時に超小型衛星用ロケットZEROの開発を行なっている。


北海道南十勝、大樹町でロケット開発

稲川 貴大さん インターステラテクノロジズ株式会社の稲川と申します。

我々は、「誰もが宇宙に手が届く未来をつくる」というビジョン実現のために、民間でロケット開発をしている会社です。

北海道南十勝の大樹町という町に、本社を構えて開発を行っています。

北海道と東京、北海道室蘭市、福島の4か所に拠点を置いており、現在80人規模のメンバーで開発しているところです。

「ホリエモンの趣味」と言われることも

我が社の創業者であり取締役の堀江(貴文) 、ホリエモンがいるというところで、「ホリエモンロケット」と言われることもあるのですが、今日は皆さんにそのイメージを変えてもらいたい、これを伝えたいと思います。

ホリエモンに迫られロケット決意 東工大で鳥人めざす(NIKKEI STYLE キャリア)

「ホリエモンが趣味でロケットをやっている」と、どうしても思われる方がいるのですが、そうではなくて、今日私の話を聞いた皆さん一人一人に、ロケットは日本の次世代の基幹産業になると私は確信しているので、この可能性を少しでも感じてもらえればと思います。

世界の宇宙産業市場は2040年には100兆円規模に

世界で宇宙産業は、非常に成長する産業だと言われています。

現在40兆円規模なのですが、2040年には100兆円規模になるというふうに言われています。

宇宙大競争時代に 民間ビジネスが軌道(時事ドットコムニュース)

宇宙というのは空間なので、どう使われるのかというところが大事で、用途はたくさんあるのですが、特にピックアップするならば、「地球観測」という領域があります。

カメラだったりレーダーだったり、いろいろなセンサーで地球を見てあげて、それで先物取引や各事業を効率化しようということが言われています。

宇宙から丸見えの「地球ビッグデータ」は産業をここまで変える(DIAMOND online)

また、「通信事業」も非常に熱い領域です。

ブロードバンド、ナローバンドなど複数の周波数帯域で全地球規模のグローバルなキャリアを作ろうとすると、宇宙という空間は避けては通れないと言われています。

このような宇宙産業において、ロケットは「宇宙への輸送業」というのがビジネス的な立ち位置です。

「ゴールドラッシュ」に例えると、つるはしを売るような商売だと私は思っています。

どうやって輸送業としての価値を高めていくかというと、「早くて、安くて、どこへでも行ける輸送業」が求められているので、我々はそれを既存のロケットから変えていこうとしています。

今開発中のロケット「MOMO」と「ZERO」

プロダクトとしては、今2つの開発を行っています。

1つ目が、すでに事業化を行っている観測ロケットのMOMOです。

2つ目が、ZEROという再来年度に初号機の打ち上げを目指して一生懸命開発しているロケットです。

ZEROは小さい人工衛星を打ち上げるためのロケットで、この2つのプロダクトで輸送業をやっていこうと思っています。

ロケットの大きさは、種子島で打ち上げられている日本のJAXAのロケットやイーロン・マスクが率いるSpaceX という会社のロケットが、「大型ロケット」と言われるものです。

それに比べて、我々は小さいロケットを開発しています。

輸送業というアナロジー(類比)で言うと、バスに乗るのかタクシーに乗るのかというような違いや、4tトラックを使うのか赤帽やバイク便を使うのかのような、そういう小さいものへのマーケットの違いがあるということです。

国内の民間企業で初めて宇宙に到達するロケットを開発

我々は独立系のベンチャー企業として、実績を積んできています。

2005年に企画として立ち上がって、2013年にインターステラテクノロジズが創業されて、これまで18基のロケットの打上げ実績があります。

HISTORY(インターステラテクノロジズ)

国内では民間企業単独で初めて宇宙空間に到達したロケットを開発したという実績も持っていますし、技術的な観点で言うと、日本国内の大手企業さんでロケットの技術を持っている会社はありますが、我々は国内で唯一の炭化水素燃料ロケットの技術を宇宙で実証しました。

また、世界で見ても「液体ロケット」で宇宙空間に到達したロケットというのは世界で4社目で、アメリカ以外の国では我々が初めてという実績を作りました。

民間ロケット 初の宇宙空間に|NHK

ロケットの燃料は何でできているのですか?(ファン!ファン!JAXA!)

このような実績を作った観測ロケットMOMOは、これまで7回の打ち上げを行っています。

実験ばかりしているわけではなくて、実際に輸送業としてお客様であるスポンサー34件が付いて打ち上げを行っています。

同クラスのロケットは国内外にあるのですが、費用を比較すると我々のロケットは数分の一の費用で打ち上げができます。

MOMO2号機の苦難を経て、3号機で宇宙到達

このような実績は作っているのですが、いきなりうまくいったわけではなくて、非常に苦労もしています。

初号機も部分的成功ということで一部失敗してしまいましたし、その後改良したMOMO2号機に関しても、打ち上げ直後に落下・炎上するという、我々にとっても大きな苦難を得て、3号機で大きく飛躍、成功したというところです。

「ホリエモンロケット」MOMO初号機、宇宙へ届かず 堀江貴文氏がリベンジ誓う(UPDATE)
北海道のベンチャー企業が開発した全長10メートルの観測ロケット「MOMO初号機」が7月30日に打ち上げられた。(HUFFPOST)

ホリエモンロケット2号機が炎上、打ち上げ直後に落下(朝日新聞DIGITAL)

昨年(2021年)の例で言うと、7月に2回の打ち上げを行いました。

小型ロケット初めての”2回連続”打ち上げ成功 3度目の宇宙空間到達目指し…1か月で2回 量産化に弾み(北海道ニュースUHB)

既存のロケットでは3~4カ月に1回だとか、下手すれば1年に1回、2年に1回というペースで打ち上げられるのですが、我々はひと月の間に2回打ち上げるという、高頻度なロケットの打ち上げで技術的な実証を行いました。

「早く」という面で言うと、一昨年(2020年)資金調達したのですが、その資金を工場や工作機械、そしてロケットの発射場、そして人にそれぞれ投資してきていて、しっかりとした態勢を作っているところです。

設計から打ち上げまで一気通貫開発、部品コストは既存の1/10

安いロケットを作るために、設計から打ち上げまで自社で一気通貫で行っているというのが、非常に大きなポイントです。

国内にロケットの会社はありますが、ここまで全部自社で賄っている会社は、我々以外ありません。

我々だけです。

ロケットを設計して、製造して、試験評価をして打ち上げる、それぞれの工程を自社で行っています。

「設計」という観点でいうと、例えば、ロケットエンジンや電子部品のコストは既存のものに比べて10分の1にしていこうという研究開発をやっています。

ロケットエンジンは自社で開発していますし、革新的な技術で低コスト化を実現しています。

また電子部品に関しても自社でハードウェア・ソフトウェア開発をしていますし、自動車業界や他の業界で使われているような民生部品を積極的に宇宙業界に取り入れたり、極端な例ではRaspberry Pi(ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータ)や汎用のLinuxボードを上手く使うといったこともやっています。

また、ものづくりも非常に重要で、自社で工場を持っています。

重要部品に関してはインハウスで製造していますし、自動車業界の「ものづくりの低コスト化」を社内にインストールするような活動も一生懸命行っています。

安くするには、部品点数を少なくすることも非常に重要なところですが、3Dプリンタなど、最新の技術は当然使うという方針でやっています。

高速開発で日本の次の基幹産業となることを目指す

また、ロケットの発射場は地面も非常に重要ですけれども、「北海道スペースポート計画」を立て、我々だけではなくて、いろいろな方々を巻き込んだプロジェクトで進めているところです。

北海道スペースポート(HOSPO)(スペースコタン)

LAUNCH COMPLEX(インターステラテクノロジズ)

自社工場から車で10分くらいの非常に近い射場でロケットの打ち上げをやっており、開発PDCAサイクルを高速で回しています。

「ホリエモンが趣味でロケットをやっている」というところから、「ロケットや宇宙産業は日本の次世代の基幹産業だ」と、ぜひ意識を変えていただければと思います。

ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸

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