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ICC KYOTO 2023 リアルテック・カタパルトに登壇した、エイトノット木村 裕人さんのプレゼンテーション動画【後付け、カーナビ感覚の運行支援システムで海の安全性を高める「エイトノット」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2024は、2024年2月19日〜 2月22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはKOBASHI HOLDINGSです。
▶【速報】農作物のアップサイクルで、世界の農地を潤す「EF Polymer」がリアルテック・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2023)
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【登壇者情報】
2023年9月4〜7日開催
ICC KYOTO 2023
Session 7A
REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by KOBASHI HOLDINGS
木村 裕人
エイトノット
代表取締役CEO
HP | STARTUP DB | X(旧Twitter)Eight Knot Inc./きむら|船の自動運転 |エイトノット
カリフォルニア州立大学を卒業後、アップルジャパンを経て、デアゴスティーニ・ジャパン入社。世界で一番売れた二足歩行型コミュニケーションロボット「ロビ」をはじめとするロボティクス事業の責任者を務める。その後、バルミューダにて新規事業立ち上げを担当し独立。ロボティクス系スタートアップ企業のマーケティング、PR戦略や、大手メーカーの商品企画を手掛けたのち、2021年3月にエイトノットを設立。創業から半年で独自開発の自律航行技術を搭載した試作艇による実証実験を実施。2022年10月には小型船舶向け自律航行プラットフォーム「エイトノット AI CAPTAIN」を発表し、2023年1月には国内初となる自律航行船による水上タクシー事業を実施。社。SUP、ダイビングなどマリンアクティビティを介して、海の魅力に引き込まれる。一級小型船舶操縦士。
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木村 裕人さん 皆さん、こんにちは。エイトノットの木村と申します。
我々は船の自動運転の技術開発をしているスタートアップです。
創業約2年で自律航行船の社会実装に成功
皆さんは、自動車をはじめとするモビリティが自動化されたその先の未来を想像したことがあるでしょうか?
一般的には安全性や利便性の向上、そして自動運転を核とした新しいビジネスがたくさん起こってくると言われています。
我々はその「海版」を作ります。
そして、日本市場だけではなくグローバルでプラットフォーマーとして、その市場を獲っていくことを目指している会社です。
会社は2021年創業で、創業からまだわずか2年程度ですが、すでに瀬戸内海で社会実装までこぎつけることができています。
▶【全国初】船の自動運転技術開発スタートアップ 株式会社エイトノット、観光船事業者向けに自律航行システムを導入、国内で初めてとなる自律航行船による水上タクシーの営業開始(PR TIMES)
この背景には、チームとして、ロボティクスの開発の経験を積んできたチームと、船舶や海洋の専門家チームがタッグを組んだことによって、技術開発だけではなく、事業化、そして法規制の対応を総合的にすることができたのが、非常に大きな要因です。
カーナビ感覚で指定すれば目的地に滑らかに着岸
まずは我々の船舶の動画をご覧に入れたいと思います。
我々自身は、船を造っていません。
船に後付けできるシステムを作っています。
ご覧のように、カーナビのような感覚で目的地を指定するだけで、あとは全て自動で船舶は進んでいきます。
もちろん道中において様々な障害物や他の船をよける必要がありますので、ロボティクスを中心とした技術、先進技術を用いて安全に目的地まで航行することを実現しています。
そしてさらに着岸の際も非常に滑らかに着岸することができますので、高い評価をいただいています。
全国展開に向け準備は着々
我々は創業から約半年で広島県からのアクセラレーターの支援もありまして、プロトタイプ船を完成させました。
そしてその後、実証実験や様々なユースケースでの実証を行い、今年2023年の1月に国内初の事例となる自律航行船による営業航行を実施しました。
さらに販売の体制を拡充するために船舶機器の専門商社と資本業務提携を結び、すでに全国へ我々の事業を展開する準備が整っています。
▶船の自動運転技術開発スタートアップ 株式会社エイトノット、舶用ディーゼルエンジンや航行支援機器の販売を行うセイカダイヤエンジン株式会社と資本業務提携を締結(PR TIMES)
テクノロジーによる安全・安心な運航支援
では、なぜ我々はこういった船舶の自動化に取り組んでいるのかを、少しお話しします。
1つ目が、小型船舶の用途は非常に多岐にわたっており、水上経済活動の基盤であるという、非常に重要な役割を担っているからです。
そして2つ目、非常に数が多い。
世界には3,300万隻の船がありますが、そのうちの98%は小型船舶です。
そして事故の原因に、小型船舶が7割以上絡んでいるという現実があります。
この事故の原因となっている理由が、ヒューマンエラーです。
なぜそれが起きているかというと、船長の長年の経験と勘に頼る運航、これを未だに続けているからこそ事故が減らない業界となっています。
我々はこれをテクノロジーによって安全・安心な運航支援を通じて、将来的には海の経済圏の創出までつなげていきたいと考えていますが、そこまでは一足飛びではいかないと、もちろん考えています。
そのために事業フェーズを区切って、当初は運航支援からスタートし、その後は燃費効率の改善に自律制御を使います。
さらにその先に無人化、自律化、そして規制緩和の働きかけもしながら、最終的には誰もが手軽に水上にアクセスできるような環境の提供を行っていきます。
既存船舶に後付け可能なシステムで海の安全性を高める
その運航支援に際して我々が今展開しているのが、「エイトノット AI キャプテン」です。
こちらは既存船舶に後付け、すなわちレトロフィットが可能なシステムとなっていますので、我々のターゲットとしては、まずは仕事で船を使っている方々の安全性を高めていく、そして暫定的な人材不足への解としての提供を開始しています。
国内で約10万隻ある船舶に対して、先ほど申し上げた通り、我々だけでは到底営業がしきれない。
そういうところで、船舶専門商社とのタッグを組みながら、全国展開をすでに始めています。
そして我々は冒頭に申し上げた通り、世界の海で戦っていくことを考えています。
汎用的な自律航行のソフトウェアを作って、様々なメーカーへ提供していくことで、それを実現したいと思います。
一口に汎用的な自律航行ソフトウェアと言っても、研究開発には非常にコストがかかります。
ただ、我々はすでにレトロフィット(既存の機械を復元し、新たな機能を追加すること)事業をやっています。
そこで得られた制御データを汎用システムにフィードバックすることによって、マネタイズをしながら、すでに汎用化へ向けた研究開発を進めていくところが、我々の大きな強みにもなります。
もちろん、その研究開発のプロセスのマネタイズもそうですし、その最中には様々な小型船舶独自の知財関係で特許出願中のものも出てきています。
しっかりとそういったところをプロテクトしながら、事業を進めていきます。
世界の海で経済圏創出を目指す
そして、我々は自律航行船のプラットフォーマーとして、グローバル市場を大きく獲っていきます。
冒頭申し上げた通り、グローバルには約3,300万隻の船があります。
そのうちのまずは10%を獲りにいくことを目標として掲げています。
この10%には意味がありまして、トヨタやフォルクスワーゲンといった自動車のトップメーカーのシェアが、だいたい10%程度です。
我々は自律航行の技術を使って、プラットフォーマーとして日本発の企業が世界を制するということを決意として、こちらの数字に込めています。
そしてその先には、自律航行船による新ビジネス、例えば遠隔モニタリングのサービスの提供や、24時間無人で走る水上タクシーを提供。
さらに、その周辺ビジネスにおいても、陸上の船長が誕生したり、自律航行船のメンテナンスサービスが必要になってくる、そうした新しいエコシステムを作ることが、我々の最終目標です。
我々は日本発、絶対に世界の海をエイトノットが制すという熱い決意を、この場をお借りしてさせていただき、しっかりと事業を進めていきたいと思っています。
ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成/小林 弘美