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「ユニコーンを生み出すためにVCはどう変わるのか?」9回シリーズ(その4)では、グロービス・キャピタル・パートナーズの仮屋薗さんが日本のスタートアップ・エコシステムの変化を解説します。「24年間VCに携わってきて以来初めての状況」と語るその変化とは?ぜひご覧ください!
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2019 ゴールド・スポンサーのfor Startups, Inc.様にサポートいただきました。
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【登壇者情報】
2019年9月3〜5日開催
ICCサミット KYOTO 2019
Session 4F
ユニコーンを生み出すためにVCはどう変わるのか?
Supported by for Startups, Inc.
(スピーカー)
朝倉 祐介
シニフィアン株式会社
共同代表
仮屋薗 聡一
株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ
代表パートナー
志水 雄一郎
フォースタートアップス株式会社
代表取締役社長 CEO
永田 暁彦
リアルテックファンド 代表 /
株式会社ユーグレナ 取締役副社長
村田 祐介
インキュベイトファンド
代表パートナー
(モデレーター)
宮宗 孝光
株式会社ドリームインキュベータ 執行役員 /
DIMENSION株式会社 代表取締役
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▶「ユニコーンを生み出すためにVCはどう変わるのか?」の配信済み記事一覧
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最初の記事
1. ユニコーン創出のために考えるべき「6つの要素」とは?
1つ前の記事
3.「ユニコーン創出セッション」登壇者紹介②:フォースタートアップス志水さん/リアルテックファンド永田さん
本編
宮宗 様々なベンチャー企業を見ていらっしゃる方々の知見をどのようにして業界全体へと注入できるかは重要な鍵だと思っています。
一方で、先ほどもファイナンスの話題が上がりましたが米国等に比較するとまだまだな点があるのは否めません。そこで2つ目の問として、この設問を設けました。
「注目されている動向とその理由とは?」です。
トップで実績を出されている皆さんは、グローバルから個社に至るまで様々な動きを見ていらっしゃると思うのですが、実際に今どのような動向に着目されているのか、お聞きしたいと思います。
1996年からこのマーケットを見ていらっしゃる、この中で一番長い経験をお持ちの仮屋薗さんから、ぜひお話をお聞かせいただきたいと思います。
ガラパゴスだった日本のエコシステムがいよいよオープンに
グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー 仮屋薗 聡一さん
仮屋薗 先ほど、ファイナンスにまつわる起業家と産業のエコシステムのお話しをさせていただきました。
今の動向で注目しているのは、ガラパゴスであった日本のエコシステムが、いよいよファイナンスも起業も、本当にオープンになるタイミングであるということです。
特にファイナンスについては、機関投資家の流入はもとより、海外の投資家、これはVCのみならず、PEファーム、それからヘッジファンドも、とうとう日本のスタートアップへの投資を進めてきています。
これにはいくつかテーマがあって、グロースへの投資とテクノロジーに対する投資が挙げられます。もしくは、アクイジション(買収)に興味を示されることも多くなってきました。
こうした状況は、私が24年間VCに携わってきて以来、初めてのことです。これまでのVCでは海外の機関投資家からお金を集められない状況がずっと続いていましたが、昨年あたりからその潮目が変わりました。
ですから今年は、この機会をいかに活かすのか、しっかりと海外の投資家からお金を得て、そして海外と繋がっていき、世界に向かって進捗を示せるかどうか、そうしたグローバルな観点も重要だと思っています。
JVCAは、来年2020年に世界ベンチャーキャピタル協会の世界大会を東京で開催します。
来年は、世界のVCがますます日本に注目するタイミングになっていくのではないかと思っています。
宮宗 ありがとうございます。
海外の機関投資家は、これまで個社個社に投資することはあまりなく、グロービスさんだけがVCファンドとして海外からの投資を取り入れてきたのですが、今後は開国ではありませんが、ガラパゴスが変わっていく潮目を迎えているということなのですね。
また、アクイジション(買収)に着目すると「技術」というキーワードも出てくるとのことでした。
ぜひその辺りも含めて、技術的なベンチャーを見ていらっしゃる永田さんに、現在着目されている動向をお伺いしたいと思います。
リアルテックを軸にした「東南アジア×日本」の可能性
リアルテックファンド 代表 / ユーグレナ 取締役副社長 永田 暁彦さん (写真右から2人目)
永田 まず仮屋薗さんの流れを汲むと、技術のソーシング、そしてアクイジションへの海外の大企業系からのニーズは相当高まっていますね。
か海外はかなり長い目で見ていながら、社会実装をしようと思ったときのスピードもとても早いです。
さらに日本のベンチャーがそちら側を向き始めているのも事実です。
宮宗 日本の大企業ではなく、海外の投資家やいわゆる大企業側に向き始めている、ということですか。
永田 そうです。特に技術系の創業チームは「自社をユニコーンにしたい」よりも「これを社会実装したい」という思いのほうがはるかに大きいです。技術には言語性がありませんし、その時に国がどうこうとか、そういう概念もありません。
「じゃあこれから、10億台のスマホにその技術を乗せよう」と言われたら、そちらを選ぶ企業はいくらでもいるわけです。
そうした変化が起こり始める可能性がある、というのがまず1つですね。
もう1つ。僕らは今はアジア、特に東南アジアに注目しています。バイオ系の技術は東南アジアが面白く、またユニークなドローン系企業も東南アジアやシンガポールから出て来ています。
彼らにとって、日本はすごく輝いている場所です。
日本のインターネット企業は「Googleと一緒にやりたい」と思いますが、アジアのリアルテックベンチャーからしてみると、日本にはSONY、HONDA、TOYOTAが憧れの先なのです。彼らの国にはそういう企業が身近にありません。ある意味、不足が生むとてつもない熱量があります。
そうなると、リアルテックを軸にして語学力も知性も勢いもある彼らとクロスする部分に、今後の可能性があるのではと考えています。
宮宗 ありがとうございます。今、「人」の話が出ましたが、志水さんが着目している傾向や動向はありますか。
「次世代に残すべき産業」はどのような産業か?
フォースタートアップス 代表取締役社長 CEO 志水 雄一郎さん
志水 インキュベイトファンドさんともよくご一緒させていただいているのですが、あえてヒューマンキャピタルのサイドから強調したいのは「優秀な人にはどんどん起業してもらいたい」ということです。
私たちは今、転職をしようと思っていながらもご自身の優秀さに気付かれていない方々へ、その優秀さを活かしてぜひご自身がオーナー、ファウンダーとなって起業しましょう、というプロデュースを仕掛けています。
大企業にお勤めの方、士業の方、場合によっては官公庁におられる方々が、 一人でも多くそうした挑戦のできる世の中を形成する方法を探る、というのが1つ目ですね。
2つ目としては、当然日本がしっかりと成長するためには、「どのチームを勝たせるか」へのフォーカスが大事であると同時に、これは少し個人的な思いもあるのですが、やはり日本人も地球人ですので、「将来を考えた場合、どうすれば地球が住みやすい場所になるのか。次世代のためにどんな時代を残すのか」という点も、とても重要になってきます。
HRにおいても、ただでさえ労働人口が減っている日本においてどこに人を張り、将来どういった産業・ビジネスを創るべきかを明確に考えていかないといけないと思っています。
それを今、事業に落とすべく取り組んでいます。
宮宗 面白い発想ですよね。
一人ひとりの起業が増えてきて欲しいという個人の観点と、一方で地球レベルでそれを考えた際に、どのように資源配分をして、より良い産業を創ることに繋げるか。そしてそれを、どう事業に落とすかという話でした。
フォースタートアップスではインキュベイトファンドさんと連携されているということでしたので、次は村田さんに、最近着目されている動向について ぜひお話をお伺いできればと思います。
(続)
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続きは 5. 公共インフラ、医療ヘルスケア等、巨大な「パブリック・セクター」に着目する起業家が増えている をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/尾形 佳靖/戸田 秀成/蒲生 喜子
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