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ICCカンファレンス CONNECTION 2016においてaugment5 Inc. 井野 英隆 氏、NOSIGNER株式会社 太刀川 瑛弼 氏、そしてPARTY 中村 洋基 氏の3名と、P&GやDeNAでマーケティングをリードしたBloom&Co.彌野 泰弘 氏をモデレーターとしてお迎えし、「クリエイティブの力で世界を動かす」をテーマに議論しました。4回シリーズ(その1)はPARTY 中村さんにこれまでの活動をご紹介頂き、その中で中村さんが考えるクリエイティブについてお話頂きました。 是非御覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
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登壇者情報
2016年6月25日開催
ICCカンファレンス CONNECTION 2016
Session 2
「クリエイティブの力で世界を動かす」
(スピーカー)
井野 英隆 augment5 Inc. Founder / Film Producer
太刀川 瑛弼 NOSIGNER株式会社 代表取締役
中村 洋基 PARTY Creative Director / Founder
(モデレーター)
彌野 泰弘 株式会社Bloom&Co. 代表取締役
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彌野 泰弘氏(以下、彌野) 皆さま、よろしくお願いいたします。Bloom&Co.(ブルーム・アンド・カンパニー)の彌野(やの)と申します。
僕の経歴を簡単にご説明させて頂きますと、消費財メーカーのP&Gに9年ほどおりまして、化粧品のSK-Ⅱ、ポテトチップスのPringles(プリングルズ)、髭剃りのBRAUN(ブラウン)といった消費財系のマーケティングを担当しておりました。
約9年間に渡り、P&G社にて日本、および、海外市場に向けたマーケティング担当。日本、シンガポール、ジュネーブにて、多国籍なチームメンバーとマーケティング戦略の策定・実行の指揮を取る。 2012年1月にDeNAに入社。執行役員 マーケティング本部 本部長として、パフォーマンスフォーカスのテレビCM、デジタルマーケティング、戦略PRなど、クロスメディアでの360°統合マーケティングを推進。手がけたCMの本数はネットサービスだけで100本を超える。 新規サービスのマーケティング視点での開発支援(コンセプト強化、UI/UX強化、集客機能の強化)や、DeNA社のコーポレートブランディングのために、DeNA社のロゴの刷新やグローバル拠点の名称統一、DeNA社のスポーツ事業を活かしたスポーツマーケティングも含め、全社のマーケティング活動を統括。2015年4月に株式会社Bloom & Co.を設立。ナショナルクライアントに加え、スタートアップ企業のマーケティングやブランディングを支援。
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その後、2012年1月から、3年ほどDeNAで、ゲーム、EC、その他、ヘルスケアなどの新規事業などの全社のマーケティングの責任者を担当しておりまして、去年の4月に独立しました。
今はスタートアップから大企業に至るまで、企業規模を問わず、色々な企業は、カテゴリーのマーケティングのアドバイザーを行っております。
前職のDeNA時代は、DeNAのリブランディングのために、企業ロゴの変更を行うやテレビCMなども過去に100本以上携わってきたなど、クリエイティブに関わることも多かったので、今日は面白いパネルディスカッションが出来ればと思っております。よろしくお願いいたします。
ご登壇者は有名な方々なので、皆さんご存知かと思いますが、まずは中村さんから自己紹介をお願いします。
PARTYの活動紹介
中村 洋基氏(以下、中村) PARTYの中村 洋基と申します。よろしくお願いいたします。
私は元電通で9年ほど広告クリエイティブをやった後独立して、PARTYという会社をつくりました。
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中村 洋基
PARTY
Creative Director / Founder
1979年生まれ。株式会社電通に入社後、初期はバナー広告で大量の作品をつくっていたが、その後、インタラクティブキャンペーンを主として手がけるテクニカルディレクターとして活躍。2011年、4人のメンバーとともにPARTYを設立。代表作に、「SLAM DUNK 10 days after」、サントリー「集中リゲイン」、地上波テレビとスマートフォンを連動させた「MAKE TV」、レディー・ガガの等身大試聴機「GAGADOLL」、トヨタ「TOYOTOWN」の全デジタルキャンペーン、「しずかったー」、涼宮ハルヒの憂鬱「Haruhi Hunting」、SCRAP、バーグハンバーグバーグとの共同企画「こんな男は絶対モテる!」など。広告以外にも、リアル脱出ゲームのデジタルプロジェクト「REGAME」、バスキュールとPARTYによるART&CODE スクール「BAPA」の中核メンバーとして参加。吉本興業の映像メディア「YNN」、トヨタのコンセプトカー「FV2」「FCV PLUS」のライブ演出なども手がける。国内外250以上の広告賞の受賞歴があり、審査員歴も多数。TOKYO FMのラジオ「澤本・権八のすぐに終わりますから。」毎週ゲストパーソナリティ。
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東京に23名、ニューヨークに6名います。自分たちのことをクリエイティブラボと呼んでいますが、具体的にどんなことをやっているのかは、大きく3つの分類です。
まず、いわゆる広告キャンペーンです。例えば、クライアントさんから「新商品を出すので新しい広告キャンペーンをデジタルで作って下さい」という依頼に対して、キャンペーンを作ります。大体3~4ヶ月。
パートナーシップは、広告宣伝部だけではなく経営者ともお話をして、もっと大きな枠組で取り組むものです。1~2年くらいの規模です。
SUNSTARさんとIoT歯磨きみたいなものを出したり、窓の会社のYKK APさんと窓のコンセプトモデルを創る事業を始めたりと広告宣伝に限定しない事業を行っています。
「G・U・M PLAY」の紹介ムービー
で、その一方で、自主開発でプロトタイピングを幅広く行っています。
代表的なもの、最近手がけたものをいくつかご紹介します。1つ目はUNIQLO。UTというグラフィックTシャツのプロモーションをお手伝いしました。その中で打ち出したのが、「月額制のサブスクリプションモデルでTシャツを売ろう」ということです。
ジャンルの違う人たちにTシャツをキュレーションしてもらって、お客さんは人(ピッカー)を選ぶ、というコンセプトです。お客さんのもとに、ピッカーが選んだTシャツが、5~9月、1ヶ月に1枚ずつ届きます。
パートナーシップ、といわれるロングスパンでのプロジェクトでは、成田空港の第三ターミナルの空間デザインディレクションを手伝わせて頂きました。
プロジェクトでいつもやろうとしていることは、課題があってそれを解決するということです。第3ターミナルは、第1、第2ターミナルからすごく遠いのです。
さらに、LCC(ローコストキャリア)の航空会社のためのターミナルなので、予算もローコストのため、動く歩道などが作る予算がない。ここが課題でした。
それをどう解決するかということで、お客さんが自発的に、どんどん歩きたくなるような陸上競技場みたいなトラックを作るという全体設計を日建設計・良品計画と共に行いました。
また、フードコートの家具は、良品計画とコラボして、家具をデザインしてもらっています。安くて良いモノといえば、やっぱりMUJIです。
あとは、新規事業の中の1つのプロトタイピングで、Deeplooksというモノをローンチしました。これは何かと言いますと、顔の写真からディープラーニングを使って、「美しさ」を判定するAPIです。
このポイントは、本当に「人が判定したっぽい数字」が出るんですね。
かつてのプログラミングでの、人の顔を美しさの判定方法は、「肌のキメが細かい」「色が白い」「目がパッチリしている」「二重である」とか、要所要所の特徴点を人間が決めて、それを解析して、その合計点数を加点法か減点法で計算するようなものでした。
Deeplooksでは、特徴点の抽出自体をディープラーニングに任せています。たくさんの顔と、人間が行った評価値のデータをセットにして、ディープラーニング食わせた結果、美しい人の顔を見せると4.7点、というような数字が自動的に出るようになりました。コンピュータが、何で「美しい」ととらえているか、私たちにもわからないのですが、確かにそれっぽい数字が出るんです。
色んな使い方を想定していて、例えば、眼鏡のバーチャルシミュレーションで、この眼鏡をかけたら3.6点、別の眼鏡をかけたら3.7点、他をかけたら3.4点というように、客観的に人が美しさを判定したような数字を参考にすることができます。
彌野 面白いですね。クリエイティブなモノからAPIまで幅がありますね。クリエイティブを創るときに、特に気をつけていることや、特有のプロセスがあれば教えて下さい。
デザインは純粋に見てカッコいい、可愛いというものと、広告やマーケティングの目的では、売上・利益がちゃんと上がるためのデザインが必要ですよね。作り方が違うのかなとも思うのですが、どういう作り方をされていますか?
中村 自主開発みたいなモノが混ざるとちょっと異なるのですが、UTで言うと、大きな課題はTシャツを売るということです。その前に、もう少しブレイクダウンした課題があって、それを解決することで、大きな課題にアプローチ出来ると思っています。
例えば、ユニクロで言うと、グラフィックTシャルのUTは全部で1,200種類あります。とてもお客さんは選びきれないんですね。なので、それを選ばなくていいようにするにはどうすればいいかと考えると、その中のアプローチの1つとして提案したら、先方が採用したので実現したという話です。
基本的には、どういう課題を解決すると、物事が上手くいくようになるのかということ自体を、まずターゲティングするのが1番大事かなと思っています。
彌野さんから事前に頂いたメールに、「クリエイティブとは、何ですか?」という広義の質問がありましたが、僕にとってクリエイティブとは、創造的なことではなくて、節約するための方法で節約術なんですよね。
お金をたくさん使って、投資をすれば、お客さんは買うに決まっているのですが、そうではなくて、少ないお金でどうやって宣伝効果を上げるか、課題を解決するかということが、クリエイティブの根幹だと思っています。
彌野 有難うございます。
(続)
続きは「薪をくべ続けると、火が大きくなっていく」NOSIGNER太刀川 瑛弼氏が語る デザインによる防災支援をご覧ください。
https://industry-co-creation.com/management/4600
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/藤田 温乃
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