ICCサミット前の恒例イベント「カタパルト必勝ワークショップ&公開リハーサル」。2025年7月22日に、登壇を控えた23名のプレゼンターたちと、彼らのプレゼンをさらに磨くメンターたちがICCオフィスに集結し、ワークショップと公開リハーサルを行いました。カタパルト優勝・入賞経験者4名が自身のプレゼンの作り方を明かすワークショップではボイトレまで登場! プレゼンに確実に違いが生まれるこのワークショップの模様をぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
入賞者直伝! カタパルト必勝ワークショップ

ICC FUKUOKA 2025のスタートアップ・カタパルトで優勝したemomeの森山 穂貴さん、ソーシャルグッド・カタパルト2位のNEWLOCAL石田 遼さん、そしてガーディアン・カタパルト優勝のハイヤールー葛岡 宏祐さんと、カタパルト・グランプリで3位入賞、名プレゼンとして語り継がれるSHEの福田 恵里さんが、メンターとしてやってきたのは……、




ICC KYOTO 2025のカタパルトに挑むチャレンジャーたちのため。この日、集まった30名弱のチャレンジャーのために、第1部はICC小林 雅のモデレートでメンターたちによる、プレゼンの秘訣を学ぶワークショップが行われた。

まずはemome森山さんが登壇し、カタパルト当日の会場も大いに盛り上がったレクリエーションで集まったチャレンジャーたちをリラックスさせてから、レクチャーがスタート。

森山さんは10のテーマを設定し、カタパルトの結果がイコール事業への評価でないことや審査員からどう得点するか、自分の事業が今後にいかに成長するかを伝えること、前回のこの公開リハーサルの場で視座もギアも上がった経験を語った。小林によると、リハに訪れるたびにプレゼンを作り替えていたのが印象的だったそう。

「今日ここで優勝したプレゼンの型はハックされるので注意」と笑わせた葛岡さんは、7分という時間に対して「三幕構成」でシャープにしていくこと、過去プレゼンを見るときは自分の個性に合った人を探すこと、動画を使うなら前半にすること、スライドを自作すべき理由を語った。「当日プレゼンターの手元に置かれるタイマーはカウントダウン形式」というのも重要なTIPS!

福田さんは最初のリハーサルで投資家向け内容のプレゼンをしたところ、小林から「あざとさを捨てろ」と言われて衝撃を受け、「課題難易度×解決の革新性×実績×エモ」のうち、自分が何のカードを持っているかを考えてプレゼンを作り直したのだそう。入賞プレゼンは、採用時に見てもらうナーチャリング資料にもなっているとか。
グループ最下位から大逆転したメンターも登場!

石田さんは、この前回の公開リハーサルでなんと最下位だったところから奮起して2位入賞と大逆転を果たした、まさにここで「ギアを変えた」チャレンジャー。コンサル出身らしく、要点をわかりやすく箇条書きにして解説した。たとえばこんな感じだ。
・「7分のプレゼンで全て評価される」=自分も社員もどれだけ頑張っていても、自分がここでだめなプレゼンをしたら台無し
・「死ぬほど時間と労力をかける価値がある」=今までの3人の話で、ここまでやるのかと思っただろうが、その価値はあり、プレゼン後にいいことがたくさんあった
・「自分・人生・会社が変わる」=プレゼンにあたり、自分を振り返って苦しかったがその価値はあり、自分の殻を破れた
最下位から本番までの5週間、アドバイザーチームを作って自分のプレゼン動画を見てもらいフィードバックを5回行い、カタパルトの全編動画を見て優勝する人とそうでない人の差を理解し、ボイトレも5回行ったという。この石田さんはじめ先輩プレゼンターの話は動画ファイルで、登壇者にシェアされている。


今回初の試みとしては、「声」の勉強を続けている運営スタッフの田中 美咲さんによるボイストレーニング。口周りをほぐして、発声がしやすくなるエクササイズを紹介し、ICCオフィスはかつてないほどの大声で賑やかになった。
カタパルトのチャレンジャー23組の公開リハーサル

カタパルトの当日と同様、チャレンジャーへの拍手で始まった公開リハーサル。今回は3グループに分かれ、グループAとBが各8名、Cが7名の合計23名が7分間のプレゼンを行った。
この日の運営はカタパルト運営チームが担っている。プレゼンにあたってスライド投影やスライド内の動画再生の確認、マイク、司会、現物配布や投票集計など、すべての要素が含まれるこのワークショップは、チームにとって本番に近いリハーサルになる。裏側では膨大な量のSlackメッセージが飛び交っていた。




グループA

メンターはこのカタパルト必勝ワークショップでお馴染みの方々。写真左から、千葉道場ファンド ジェネラルパートナーの廣田 航輝さん、Dual Bridge Capital 代表パートナーの伊東 駿さん、アニマルスピリッツ 代表パートナーの朝倉 祐介さん、DIMENSION代表取締役社長の宮宗 孝光さん、THE GROWTH代表取締役の山代 真啓さん、リブ・コンサルティング 常務取締役COOの権田 和士さんが最前列に並び、フィードバックをする。

グループAは、グランプリ5名、スタートアップ、クラフテッド、リアルテックが各1名という8名。お米から乳製品を作るKinish、イベントやウェビナーの運営を支えるEventHub、料理人のプラットフォームシェアダイン、インバウンド向け体験プラットフォーム運営のJ-CAT、化学品の調査を自動化するSotas、2026年就航のジェイキャスエアウェイズ、異色の登壇道の駅とよはし、効率的な酵素開発の技術を持つdigzyme。
8組のプレゼンとフィードバックが終了すると、登壇者以外のメンターたちや参加者が、カタパルト当日さながらに投票を行った。(写真下のキャプションは、ICC KYOTO 2025での登壇カタパルト名、社名、登壇者名、この日のグループ毎投票結果順位と得票数)








グループB

グループBはスタートアップ4名、リアルテックとクラフテッドが各2名の顔ぶれ。スマホのハンズフリー認証Sinumy、法務・法律相談をAIで解決するKenRi、自動運転トラックのロボトラック、愛犬の「鼻紋」認証S’more(NoseID)、リンパ管再生技術で不妊に挑むLYMPHOGENiX、重度麻痺のリハビリにBMIで希望をもたらすLIFESCAPES、ものづくりのクリエイティブユニットTENT、大阪にサツマイモ農地を拡げるオオサカポテトがプレゼンを行った。








票は割れて、1位は断トツだったが、2位と3位は1点差、4位の8点が3人並ぶという結果に。この結果を見ると、1点確実にもぎ取ることの重要性がリアルに実感できたのではないだろうか。
グループC
ソーシャルグッドが4名、スタートアップ2名、クラフテッドとリアルテックが各1名の7名のグループC。東洋の芸術ルネッサンスを目指す丹青社、膵がんの早期診断技術Milk.、読書の楽しさを子どに伝えるYondemy、生物が住む自然資本を増やす青葉組、障がいを持つ人が楽しめるビーチを作る須磨ユニバーサルビーチプロジェクト、側弯症の早期発見SMILE CURVE、因果AIで科学的な意思決定プロセスを提供するhootfolio。







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約5時間続いた公開リハーサルで、メンターたちはほぼ休みなく23組のプレゼンを聞き、わかりにくいところや改善のアイデアを詳細にフィードバックした。彼らは、いずれかのカタパルトで審査員を務める。チャレンジャーたちのプレゼンが、当日の会場で驚くような成長を遂げていることを誰よりも楽しみにしている。
この日、順位が振るわなかったチャレンジャーたちにとって、前半の必勝ワークショップの石田さんの存在は、何よりも心強いものだっただろう。挽回のチャンスは自分にかかっていて、たとえ報われなかったとしてもやりきれば、事業にとって、自分にとって財産ができるのだ。
9月2日の午前9時、スタートアップ・カタパルトから始まる6つのカタパルトは会場からライブ中継の予定で、中継映像はアーカイブにて公開される。ここから必ず、社会を変えるような事業が生まれてくる。ぜひ当日も、アーカイブもご注目いただきたい。
(終)
編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成


