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和える・HASUNA・ファクトリエが語る「創業資金の集め方」【A16-2 #9】

ICCx AIESEC 2016 Session 2 「社会課題を解決する起業家になる」

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「社会課題を解決する起業家になる」【A16-2】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!10回シリーズ(その9)は、創業時の資金調達について議論しました。是非御覧ください。

「ICCx AIESEC カンファレンス」は、NPO法人アイセック・ジャパン(AIESEC)とICCパートナーズが共同で開催した、AIESECに所属する大学生を対象としたカンファレンスです。当日は高い志を持った大学生250名が、ビジネスリーダー/社会起業家たちのパネルディスカッションと、質疑応答セッションに参加しました。

本年も、2017年9月15日(金)に「ICCx AIESEC 2017」を開催する予定です。参加を希望される方は、ぜひ全国25大学のAIESECの各委員会に所属ください。

Aiesec Logo


【登壇者情報】
2016年9月13日開催
ICCx AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス2016
Session 2
「社会課題を解決する起業家になる」

(スピーカー)
白木 夏子
株式会社HASUNA
代表取締役兼チーフデザイナー

矢島 里佳
株式会社和える
代表取締役

山田 敏夫
ライフスタイルアクセント株式会社
代表取締役

(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役

「社会課題を解決する起業家になる」の配信済みの記事

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【本編】

小林 残り10分になってしまいました。

最後の方まで質問できるか分かりませんが進みましょう。

次の方は男性ですね、ジュエリーをしそうな方ですが?

質問者 いえ、そんなセンスがないので(笑)。

立教大学の1年生の、◯◯と言います。お話ありがとうございました。

山田さんに質問があります。

起業する際や経営している間に、資金面等で、不安が必ず出てくるのではないかと思います。

そのような時、どの様に不安を払拭したのか?どの様な影響を受け、乗り越えることができたのか?ということをお聞きしたいです。

宜しくお願いします。

経営における「お金」の不安をどう乗り越えるか

山田 私は会社を作って5年目になるのですが、最初の2年半は、全部が追いついていない状況だったので、社員は私1人で、アパートで仕事をしていました。

華々しいことは何もなく、「無い袖は振れない」という状況で地に足をつけて取り組みしていました。

人に関しては、白木さんが先程話していたように、「この指止まれ」と言った時、手伝ってくれる人が必ずいると感じています。

それはありがたいことに、夜8時、9時からであったり、私は週末アルバイトをしなくてはならない状況だったので、週末であったり、5、6人が集まり手伝ってくれました。

大学時代や高校時代の友達だったり、社会人になってから出会った人であったりさまざまな人達がボランティアで手伝ってくれました。

物に関して、私は無知だったのでYシャツをようやく作ってもらえた工場で、製作のミニマムロットは400枚と言われました。

その400枚のYシャツを1枚5,000円で購入し、10,000円で販売するということを始めたのですが、実際に大きな段ボール箱13箱分の在庫が私の6畳の部屋に届くと、眠る時も真っ直ぐ横になれない程、山のように在庫を抱え自宅で保管することになりました。

でも、誰もファクトリエを知らないじゃないですか?

誰も知らないので、最初はその段ボールをスーツケースに入れ、色々な会社へ行き、行商を行いました。

「無料で着こなしセミナーを開催するので、最後に売らせて下さい」ということを続けました。

ただ無知だったので、Yシャツのサイズが9サイズある中で、全てのサイズを均等に作ってしまい、Mサイズだけが最初に完売してしまいました。

需要の少ないサイズばかりが残り、LLサイズに至っては山ほど在庫があったので、これをMサイズの方に提案として逃げられるというような状況でした。

「初回生産分すら売れない」ファクトリエ創業の苦悩と起死回生の”行商”

資金面に関しては、先程話した様に「無い袖は振れない」状況だったので、初年度からまじめに自分が食べていける程度をなんとか稼ごうと思い、少しずつ黒字化してきました。

起業する際、父に相談をしたのですが、自分で銀行へ行きお金を借りるように言われました。

父は昔堅気な九州男児なので、事業計画をきちんと出し、それが通るような事業であれば将来見込みがあるだろうし、通らなければ難しいのではないかという事でした。

今も同じ状況で、銀行から借入をし、それをきちんと返済していくという形で事業を行っています。

創業時は政策金融公庫さんから借入をしたのですが、事業内容をきちんと伝えれば、数百万円の借入は比較的受けやすいですし、そこから回していくということを自分で知る事も大切なのではないかと私は思っています。

この様な回答で大丈夫ですか?

質問者 ありがとうございます。

「白木夏子」という自分への信用力はある

小林 白木さんは同じ質問についてどうですか?

創業時の資金調達はどうされましたか?

今までの世の中にないコンセプト、考え方だと思うので、最初苦労されたのではないかと想像するのですが。

白木 私は、前職が投資ファンドでしたので、そんなに悪くないお給料を頂いていたのですが、3年働いた中の2年が過ぎた段階で起業の準備に入り、自分の貯金を崩してダイアモンドや金を買う等、買付け費用に利用したりジュエリーの学校に通うなどしていたところ、いざ起業する段階で150万円しか手元に残ってない状態でした。

起業してからもウェブサイトを作り、アフリカに買付けへ行き、登記費用を払った所で貯金が底をつきました。

良かれと思い、私も銀行に借りに行ったのですが、私の銀行口座に何も入っていない状況を見て、「事業が身の丈に合ってないのではないですか」と全く相手にされませんでした。

その時は、銀行を出た後、道路に倒れそうになる位挫けました。

その後起業家の先輩方に相談した所、「あなたは、会社を立ち上げたばかりで会社の信用力はないけれど、「白木夏子」という自分への信用力はあるはずだから、それでお金を集めてきなさい」と言われました。

周りの友達や、前職の上司といった色々な方から合計で600万円を集め、それを元手に買付けを行い、ジュエリーを製作し、百貨店に営業に行き、そんな事をやりつつも2年目からはきちんと黒字化でき、その後は増収増益となっております。

小林 素晴らしいです。矢島さんはどうですか?

先輩方が切り拓いた道があったからこそ起業できた

矢島 私は学生起業だったので、ビジネスコンテストに出て、そこでいただいた優秀賞の賞金150万円でスタートしました。

私も最初の3年弱はほぼ一人で事業をしていたのですが、インターンをしたいというやる気のある学生さん達が自然と集まって下さり手伝ってくださいました。

始めは『徳島県から 本藍染の 出産祝いセット』だけでスタートしたのですが、桐箱が50個位積んである状況で、やはり寝る場所が無くなっていったので、先程の山田さんのお話しを、共感しながら聞いていました。

発注した桐箱が、自分の理想と違い角の削りが甘い状況だったので、最初の頃は、粉まみれになりながら桐箱を自分達で削り、きれいに整えて発送するということをしていました。

当時大学院に通っていたのですが、大学院に行きながらも出荷のことを考えている状況でした。

そんな時、配送センターがあるということを、ある会社の常務さんから教えて頂き、「里佳ちゃん一緒についておいで」と言ってくださり、配送センターの社長さんを紹介して下さいました。

その後、『「徳島県から 本藍染の 出産お祝いセット』は、その配送センターさんから送っていただくことになり、在庫も全て預かって頂き、現在もその配送センターから、全国に送られています。

本当に何も分からず「とにかく届けたい」という想いで始めたので、いろんな人から助けていただいたことがたくさんありますし、このような事を続けてきた中で、銀行さんからもお金を貸していただける様になりました。

今の時代は、若者の起業を応援してくれる、とても良い時代だと思います。

本当に想いがあり、やる気と具体的な事業計画があれば、年齢は関係なくお金を貸して頂ける時代です。

多分これが20年、30年前であれば、女性という事だけで貸して頂けなかったと思います。

20代前半で起業された、現在50代になる女性起業家の方から、銀行で借入をする最終段階になって、支店長さんから「お嬢さんに貸すお金はない」と言われた事があるというお話しを伺ったことがあります。

この様な話しを色々聞いているので、先輩方が一生懸命道を切り開いて下さったからこそ、こうして女性で、さらに学生であっても起業する機会を頂けたのだと思っています。

そして「起業家」という開拓の道もあったからこそ、今皆にチャンスが与えられているのだとも最近とても感じます。

私も皆に道を拓ける起業家になれるよう、頑張りたいと思います。

小林 素晴らしいですね。

時間となってしまったのですが、10分位伸ばしましょうか?

(続)

続きは 【最終回】AIESEC学生に起業家が贈る人生のアドバイス をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/鎌田 さくら

【編集部コメント】

今回登壇している方々はいわゆる”IT企業”の方でないため、在庫や、商品を手で修正するなどの苦労もあったのですね。登壇者3人とも人との縁が今の事業につながっているようです。(横井)

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