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社会を変える挑戦者たちが集結! 台風一過のチャレンジャーズ・ナイト

9月2日〜5日の4日間にわたって開催されたICC KYOTO 2024。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。このレポートでは、9月2日にフォーチュンガーデンで行われた、チャレンジャーズ・ナイトの模様をお伝えします。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミットFUKUOKA 2025は、2025年2月17日〜 2月20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。


台風がスタッフ移動を直撃したICC KYOTO 2024

ICC KYOTO 2024、終わってみればいつもどおり、たくさんの新しい出会いと刺激と学びの多い日々で終わるのだが、さかのぼること開催の数日前、私たちはかなり緊張していた。

ほとんどのスタッフは8月31日の日曜日に京都入りで、9月1日は朝から会場設営の予定だった。おそらく同様の予定をしていた参加者の方もいただろう。超低速の台風10号は残念ながら進路を変えず、9月1日に開催予定だったICCチャンピオンシップとICC丹後スペシャルツアーは中止となった。

ほとんどのスタッフが東海道新幹線を使って京都入りを予定し、台風のため飛行機という代替案もない。翌日は台風がさらに激しくなるかもしれない。そこで北陸新幹線の迂回ルートで、8月31日に京都入りをという運営スタッフ向けの呼びかけがICC代表の小林 雅からアナウンスされた。

台風が過ぎてしまえば多くの人が詰めかけるが、会場を設営できていなければ開催できない。そこで土曜日に移動を決めた私たちスタッフは、京都を目指すインバウンド客たちと一緒に満席の北陸新幹線を敦賀で降り、サンダーバードなどに乗り換えて京都入りした。

敦賀内の進み方を伝える情報共有の投稿

チケットの残席やチケット確保のリマインド、到着時間の共有、駅構内の進路や売店情報、車内の電波情報、遅延の情報などがリアルタイムで次々と共有され、開催前にこんなに運営チームのスラックが賑わったことはなかった。敦賀駅で落ち合った仲間たちの顔がどこか不安げだったことを覚えている。

カタパルトやアワードを作るスタッフ代表者の挨拶

8月31日のスタッフ前夜祭を経て、明けた9月1日は、早朝から少しずつ東海道新幹線が復旧し始めた。1時間に10〜15本のところが、2本という運転。夕方の18時には通常通りに戻ったが、カタパルトやアワードの参加者が集うチャレンジャーズ・ナイトの開始は19時である。

 スタッフたちは昼間にメイン会場で設営をし、予定通りの時間にフォーチュン・ガーデンに移動した。おそらく辿り着けない参加者のキャンセルも出るだろうなと予想していたが……。

予想以上の大盛況である。司会進行を務める福西 祐樹さんと佐伯 亜紗美さんは椅子に立って、カタパルトやアワードごとにテーブルに集まり、自己紹介をするように促しているが、それも必要ないくらいの勢いで、プレイベントやオンラインで交流した登壇仲間たちとのリアルな交流に、会場は大盛況・大音量となった。

スタートアップ、DX、グランプリ、リアルテック、クラフテッド、ソーシャルグッド、ガーディアンの合計7つのカタパルトと、フード&ドリンク、デザイン&イノベーション、ガーディアン、SAKEの4つのアワードに分かれたテーブルに、各カタパルトのナビゲーターや代表するスタッフが挨拶をした。

荒木 珠里亜さん(カタパルト/アワード・ナビゲーターなど) 去年のこの京都で、第1回SAKE AWARDの企画を担当しましたが、稲とアガベの岡住さんが初代優勝者で、その時のプレゼンに感動して色々お話ししていく中で、私は東京生まれ東京育ちですが、秋田県男鹿市に移住してしまいました。

私は本当に、ICCは人生を変える場だと思っています。チャレンジャーの皆さんの本気がぶつかり合う熱量の高まりが本当に大好きで、この場を本当に楽しみにしていました。もっともっと熱量を大きくして、明日からの勢いを思いきりつけるような場にできたらと思いますので、皆さん楽しんでください!

安藤 輝人さん(カタパルト/アワード・ナビゲーター) 今回リアルテック・カタパルトと、リアルテック・ラウンドテーブルのナビゲーター、デザイン & イノベーション アワードのナビゲーターとガーディアン・カタパルトのナビゲーターを担当させていただきます。

僕は普段は人材サービスの会社で働いていて、今日は有給を取ってここに参加しています。ここにいる皆さんのどの取り組みも、社会を前に進めていくものだと思っていますので、僕もその一人として皆さんと一緒に最高の場を作っていきたいなと思っています。

豊島 里香さん(カタパルト・ナビゲーター) 今回は初めてナビゲーターに挑戦することになり、リアルテックやソーシャルグッド・カタパルトの皆様とご一緒させていただきます。ナビゲーター以外では演台チームという機材接続や登壇する皆様のステージ周りのサポートをするチームで、色々とやりとりさせていただくことが多いんじゃないかと思います。

人生が変わったという話がありましたが、私は新卒から2年間P&Gで働いて、ICCの社会を変えようとか新しいことをやろうという格好良い大人にたくさん出会ったこともあり、今は対極の環境にチャレンジしたいと、25人位の会社で働いています。今回、また人生が変わるんじゃないかとすごく楽しみにしていますので、皆さんと一緒にチャレンジする気持ちで頑張っていければと思います。

正能 由佳さん(カタパルト統括)明日のスタートアップ・カタパルトに始まり、3日目のガーディアン・カタパルトまで、合計で7つのカタパルトが行われます。カタパルトチームはICCの約150名いる運営チームの中でも26人と、大規模なチームです。その中で機材の接続やプロダクトの配布など、チームに分かれて色々サポートさせていただけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

阪上 結紀さん(カタパルト司会など) SAKE AWARDのナビゲーターとスタートアップ、カタパルト・グランプリ、ソーシャルグッド、クラフテッド、そしてガーディアン・カタパルトの司会も務めさせていただきます。

前でお話しさせていただく機会が多い立場として、雰囲気を作る、ICCのセッションの最初のオープニングで、一番最初に言葉を発するのは私ですので、そういった意味でも熱量を最高値にできるように頑張っていきたいと思います。この場の価値を最大化することがスタッフの役割、何かできることがあれば本当にささいなことでも気軽に話しかけていただければと思います。

本田 隼輝さん(ガーディアン・アワード統括)スタッフ歴はもう7年目になります。以前はカタパルトの運営チームで、4年前のICCサミットでカタパルト・グランプリに登壇していた企業のプレゼンを聞いてすごくいいなと思い転職して、今もその会社で働いています。

ガーディアン・アワードはまさに私が働いているようなフェーズの企業が多いです。産業の作り手として、いろいろな他の企業さんと切磋琢磨して学び合っていい企業、大きい企業になっていく、そういう場を作りたいとガーディアン・アワードに移り、昨年から統括になりました。どんどんいい場にしていきたいので、よろしくお願いします。

坂井 健さん(デザイン&イノベーションアワード統括) 健康の健と書いて「たける」と読むということで、先ほどスタッフの前でもそう話したところ、(小林)雅さんから「健康と言う前にお前はその腹をどうにかしろ」と言われてまいりました。(会場笑)

デザイン&イノベーションは2021年の京都から始まり、その時から今回までずっと関わっております。今回は11社出場いただきますが、その中で3社が初回の参加企業の再出場で、先ほど自己紹介の時に「同期ですね」なんて話がありました。これからもコミュニティができ上がるようにサポートさせていただけたらと思っております。

朴 理沙さん(フード & ドリンク アワード統括兼ナビゲーター)私は日本が世界で勝負している領域は今、食や技術系の領域だと思っていて、それに伴走して一緒に盛り上げていくような会社をやっています。そう思わせてくれたのはこのICCです。「ともに学び、ともに産業を創る。」という想いに共感して、皆さんそれぞれのチャレンジを一緒に伴走していきたいと思っています。

フード & ドリンクは今回14社が出展しています。南は沖縄、北は北海道まで、肉も魚も野菜もあって、今回はスイーツも多いです。東館のアワード会場は西館のメイン会場から歩いて3~5分ぐらいの場所ですが、いろんな地域から集った14社のブースに、ぜひ来ていただきたいです。味わってそこでストーリーを聞いたことが、また次につながっていくことを信じているので、ぜひ皆さんお越しください。

それぞれの登壇にかける想い

挨拶が終わると、運営スタッフも交えた形での本格的な懇親タイムとなった。

稲とアガベの岡住  修兵さん

SAKE AWARD初代王者、同じカタパルトで2度目の再登壇をする稲とアガベの岡住さんは、少々風邪気味。大丈夫と言いつつ軽く咳をしながら、一緒に登壇するクラフテッド・カタパルトの仲間を見つけると笑顔で仲間たちの輪に加わっていった。

リアルテック・カタパルトの登壇者たち

ロゴパネルを持った撮影隊が各グループの撮影をスタートし、スタッフとともに記念撮影を行っていく。その合間に、登壇者たちにコメントを聞いた。

ガーディアン・アワード&カタパルトチーム

今回、ガーディアン・アワードのみならず、カタパルトの登壇もするマネーフォワードの杉田綾子さん(上写真の右から3人目)は、大学生時代からのICC運営スタッフ出身。前回登壇したでんでんさんこと山田 裕己さん(同写真右)は、のびのびと自分の思いを伝えて」とアドバイスを送ったという。

杉田さん「でんでんさんは前回悔しい思いをしたと思うので、それを無駄にせず、思いを引き継いで頑張りたいです。私はなぜマネーフォワードに入ったのかというところから振り返ってプレゼンを練ってきたので、明後日はそれをぶつけたいと思います!」

ヘラルボニーの松田 崇弥さん

カタパルト・グランプリで最後の登壇順となるヘラルボニーの松田 崇弥さんは、「今朝も1時間くらいプレゼンの練習をしましたが、まだ入り切っていないところがある。(双子の)文登が毎回、ソーシャルグッド・カタパルト優勝と言い続けていますが、カタパルト・グランプリで優勝できたら本物だなって思います。私は初ピッチですが頑張りたいと思います」。

カタパルト・グランプリの登壇者たち
DXカタパルトの登壇者たち
テラーノベルの蜂谷 宣人さん

スタートアップ・カタパルトに登壇するテラーノベルの蜂谷 宣人さんに話を聞いた。詳しくはスタートアップ・カタパルトのレポートでご紹介するが、日本のお家芸・漫画ビジネスを取り巻く大きな変化と、それに立ち遅れて世界でプレゼンスが弱まっている現状、蜂谷さんたちのプラットフォームでそれをいかに挽回していくかを伝える、と声に力を込めた。

スタートアップ・カタパルトのチーム

ソーシャルグッド・カタパルトに登壇するLivEQuality大家さん 岡本 拓也さん(下写真後列中央)は、前回同カタパルトで優勝した日本承継寄付協会の三浦 美樹さんの紹介。現在はシングルマザーが入居できるアフォーダブルハウジングを提供する事業に取り組んでいる。熱気あふれる会場にやや気圧され気味の様子だ。

ソーシャルグッド・カタパルトの登壇者たち

「私は名古屋で頑張っているのですが、ICCのようなキラキラした場に呼んでいただいても…と思いながら、せっかく機会を頂いたのでと面談でお話をしたら、『いいね』と言ってくださって、(小林)雅さんにそう言っていただけるのであれば頑張ってみようと。でも思ったより準備が大変でした(笑)」

一体感のあるアワードチーム

フード&ドリンクアワードのチーム

ガーディアンも含め、4つのアワードの参加者たちは、この日会場で設営を行っていたこともあり、和気あいあいとした一体感がある。知り合いの顔を見つけてカタパルト登壇者と入り混じりながらも、撮影が和やかに進んでいく。

インターナショナルシューズ 上田 誠一郎さん

インターナショナルシューズの上田さんは、ICC歴4年のベテランだが、毎回真剣に事業を語り、学ぶ姿勢が印象的なチャレンジャーの一人。デザイン&イノベーションアワードには第一回目以来の参加となる。

「ICCでお会いした人がきっかけでYUIMA NAKAZATOという、日本人で唯一パリコレのオートクチュールに参加するブランドの靴を作ることになったんです! 僕たちの作る靴がパリコレのランウェイを歩くことになるので本当に嬉しくて」と、嬉しい近況を教えてくださった。

デザイン&イノベーションアワードのチーム

SAKE AWARDのチームはさすが乾杯に慣れていて、お酒とともに会話を楽しんでいる。オンラインでは顔を合わせていたものの、リアルな乾杯は格別なのだろう。

SAKE AWARDのチーム

「皆さんの事業が、どれだけインパクトがあるか自覚してほしい」

盛り上がりも最高潮というなか、この夜、各地で開催しているパーティーを4会場はしごしてきたICC代表小林が会場に到着して、5回目のスピーチを始めた。

皆さんすでに飲んでるところですが乾杯してもいいですか? 乾杯!

今回台風10号の影響で開催されないのではと思った人がいらっしゃると思うんですけれども、中止ということはまずない。ひとりでもやるぞ、という覚悟なんですが、今回はだいぶあせりました。2日以降は台風は通り過ぎると思うけど、準備の日に新幹線が運休して運営チーム100人が来られなかったら、どうするんだろうと本当にあせったんです。

そこでできるだけ早く来ること、東海道新幹線とか飛行機とか不確実性が高いのを一切やめて、1日前に北陸新幹線で来てもらうようにし、駅と直結していて雨に濡れないホテルグランヴィア京都を来られる人数分予約しました。そしたら京都に着いた瞬間にめちゃめちゃ晴れてて!(一同笑)

電話でいきなり数十人1泊予約、とか言ったら怪しいじゃないですか。でも一休.comは素晴らしくて、僕はダイヤモンド会員なのですが一人で何十人もの予約がオンラインで取れるんです。それで、皆さんのための準備ができました。

会社というのは、やっぱり産業を変えていくっていうことだと思うんですよね。

今回、プラスチックのリサイクルとか、気候変動関連のスタートアップがいらっしいますが、台風10号もそうですが、地球温暖化、いわゆる気候変動というものをダイレクトに感じるようになっていると思います。

最近僕自身は父をがんで亡くしまして、がんとか抗がん剤のようなものが早く実現しないかなと思ったり、さらにはアルツハイマーなど、社会や公衆衛生の課題解決に直結するようなもの、皆さん本当に早期に取り組んでいる方がいらっしゃいます。

皆さんに言いたいのは、皆さんの素晴らしいサービスは社会が待っているサービスなので、自分たちが成長したり早く世に出すということがどれだけインパクトがあるのか自覚してほしいということです」

経営を学び、社会や産業を変えていってほしい

「カタパルトを通じて優勝を目指すことも大事ですが、経営力を高めるスタートアップ・スクールのプログラムもあったりして、このICCの場は単にPRという短期的な場で使ってほしくないんです。優勝したら資金調達ができるんじゃないかと、みんな思うでしょ?

でもそれだけでは、意味がない!

いい会社は、資金調達なんてできるんですよ。重要なのは経営力! 経営者としての器を大きくし、社員を幸せにし、社会や産業を変えていくことが大事です。だからちゃんと経営を学んでやっていきましょう!

だから自分の能力を高めることに全力を尽くして、自分は日本を代表する、世界を代表する起業家になるという自信を深めることが社会を変えて、自分も変えるし、身の周りのことを幸せにすることになるんです。

ぜひICCの場を使っていただき、皆さんが社会を変えるステップアップになればと思います。

常に勝ち続ける組織こそが社会を変えていくんですよ。自分はハードシングスを乗り越えたとか、すごいとか、かわいそうと思ってる人が多いんじゃないですか? そんなの甘いですよ。もっとレベルの高い人はいっぱいいる。基準を高く、マネジメント力を高めましょう、それにはEVeMです(編集注※ICC KYOTO 2024のダイヤモンドスポンサー)、ということで乾杯!」

スピーチのなかで3回も乾杯を繰り返して、小林は次々とカタパルト登壇者を呼び集めた。岡住さんをはじめ、ソーシャルグッド・カタパルトに登壇するリディラバの安部 敏樹さん、DXカタパルトのCRISP宮野 浩史さん、カタパルトグランプリのEF Polymer下地 邦拓さん、ヘラルボニー松田 崇弥さんが、自分の事業を伝える意気込みを語った。

登壇が決まってから、おそらく優勝を目指して準備を重ねてきたカタパルトやアワードに参加するチャレンジャーたちは、改めて高い目標を確認したようだった。経営者は事業は当然のこと、組織、資金調達、PR……ほかにもやらなければいけないことがたくさんある。それを何のためにするのか?

個人の成功もあるだろうが、それは社会や産業をよりよくするためなのである。自分の事業は社会や産業に資するものなのである。この場にはそんな挑戦者たちが集まっている。優勝も1つの通過点にして、彼ら・彼女らは力強く事業を成長させていかなければならない。

今回も本当に成長を渇望する、レベルの高いチャレンジャーたちが、京都に集結した。この後に生まれていく数々のドラマは、続くレポートでお伝えしていく。

(終)

編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成

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