2月17日〜20日の4日間にわたって開催されたICC FUKUOKA 2025。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。このレポートでは、開催前日に福岡の地に終結した運営スタッフによる前夜祭、Masa-1の模様をお伝えします。ぜひご覧ください。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
ICCサミットDAY0、スタッフ前夜祭

ICCサミットは、実は日曜日から始まっている。メイン会場でのプログラムは火曜日から始まるが、2月16日の日曜日は、芥屋ゴルフ倶楽部にてICCチャンピオンシップが開催され、運営スタッフのほとんどが移動しきて一部スタッフは会場や備品などの確認を行う。それならばみんな集まって、食事でもしようじゃないか、というのが前夜祭のはじまりである。
回を追う毎にグレードアップした会場は、登壇者たちの前夜祭が開かれるWITH THE STYLE。この前夜祭でスタッフたちは遠隔地に住むオンラインでしか会えていなかった仲間と対面で会い、いよいよ迫った本番を前に親交を深める。
ICC代表の小林 雅さんは数日前に思いついたアイデア、パーティー会場で人を見つけるための目印として風船を付けるというのを早速テスト運用している。背が高く目立つから不要ともいえるが、動くたびに赤いハートの風船がプカプカと揺れ、想定外の可愛い効果を生んでいる。

翌日からの会場運営のロープレとして動線に慣れておくという意味もあり、スタッフたちはEightを使って会場にチェックイン。翌日の会場設営準備よりリラックスした雰囲気でチームに入っていけるため、勤務やよほどの用事がない限り、ほとんどのスタッフが顔を揃えている。
誕生のきっかけは突然の発表から
そんな楽しい“プレ前夜祭”に緊張が走ったのは、1年前、この福岡でのこと。本番を2週間後に控え、準備も佳境に入ったというころ、ICC代表の小林さんが突然、Slackでこう発表した。

ICCの運営スタッフたちは、普段は会社で仕事をしていたり、学生だったりと本業の異なる人たち。そんな彼ら・彼女らがオンラインや対面で寸暇を惜しんで真剣に運営の準備をしている最中になんということかと、投稿には当惑のスタンプが素早く押されていった。

ICC参加で有給休暇をとるため仕事も佳境、マニュアルの読み込みやロープレなど運営準備も佳境、そのうえ漫才の準備!? そんなことをやっている暇はないとばかりに、スタッフは騒然とした。運営を第一にしたいと、エントリーを辞退するチームもいた。しかし小林さんはたたみかけた。

このタイミングでの無茶振りに紛糾しつつも、さすが多様なICC運営スタッフ、漫才ができるメンバー、お笑いをやっていたメンバーもいる。もちろん漫才なんかしたこともないというメンバーが大半だが、現役のコンビとして活動するキャロットケーキに導かれて、開催された第1、2回目は大成功のうちに終了、入賞チームは後日行われるチーム・カタパルトにもお呼びがかかった。

以下は過去の優勝者たちの写真である。



初回は開催してみないとわからないこともあり、登壇した各チームは相当緊張したようだ。Masa-1が終わった瞬間に「全部の力を使い果たした…」と崩れ落ちるメンバーもいて、翌日からの運営が心配されるほどだった。
第2回目Masa-1は、台風で1日早く多くのスタッフが京都入りした回である。そのアクシデントが奏功し、バリスタチーム随一のシャイガイ・田端 一樹さんが、新たなスターとして脚光を浴びるドラマがあった。小林さんが「これはいける」と確信を持ったのもこの回だろう。

第3回目のMasa-1エントリーは6組

ネーミングの「Masa-1」は説明するまでもなく、『M-1』へのリスペクトを込めたものである。発起人の名前を冠したこのアワード、優勝は賞金と小林さんのお墨付き鮨店でディナー、2位にも賞金が審査員長から与えられる。
ICCを知れば知るほど笑える内輪ネタ満載のこの企画、前夜祭だけでなく運営スタッフのクロージング・イベント「チーム・カタパルト」でも一部披露されていることもあり知る人ぞ知る人気コンテンツに成長しており、この日、ICCカップを終えた登壇者の方々が多数、審査員として来場した。










スタッフは期待に満ちた眼差しでステージを見つめる。今回Masa-1にチャレンジするのは「かやせいや」「磯ロマン」「アリラシ」「たけるんくるるん」「もちもちタバタバ」「くにってる」の6組。このために組成されたコンビや、過去のリベンジに挑むコンビもいる。6組の顔見せが終わり、いよいよネタ披露という段になると、会場は期待でいっぱいになった。

「Masa-1」スタート!
第1組目は、萱間朱里さん(F会場/備品管理チーム)・平井 聖也さん(カタパルトチーム)の「かやせいや」。出場を希望し、相方を探すなかで直前に合流したコンビだ。

第2組目は、Masa-1挑戦3度目の正直、優勝で有終の美を飾る意気込みの「磯ロマン」。福岡在住の森本 敦也さん(誘導統括)、人生の節目を2週間後に控えた磯依里子さん(控室GM/ Co-Creation Night/オンボーディングチーム)。多忙の中、遠隔でどう練習したのか、息ぴったりのネタを披露した。


第3組目はフレッシュなコンビ「アリラシ」。太田 有紗さん(カタパルトチーム)、五十嵐有花さん(カタパルト/オンボーディングチーム)は、ともに受付チームから志願して今回コンバートした初挑戦のカタパルト業務を体いっぱいに表現。五十嵐さんは、前回チーム・カタパルト優勝の猛者で、太田さんは錦城護謨の太田さんの娘である。

第4組目は、デザイン&イノベーションアワードチームの統括ながら、笑いへの貪欲さを見せる坂井健さんと上村 胡桃さん(C会場)の「たけるんくるるん」。坂井さんはコンビ希望のラブコールが殺到していた人気者だが、『ドラゴン桜』の桜木を演じきれない場面で笑いを呼ぶという結果に。


第5組目は、「もちもちタバタバ」の望月 佑滋さん(E会場サブ統括)と田畑 一樹さん(B会場)。前回優勝のピン芸人「たばてぃー」こと田畑さんは王座を守りきれるのか? コンビとなりどんなネタをと思われたが、その裏をかいて「たばてぃー」が2人になっただけの自虐ネタを繰り出した。


第6組目は、「くにってる」。石田 寛国さん(E.F会場全体統括)と照内 勇輝(F会場/オンボーディング)のコンビは、第1回目からのリベンジをかけた再登板。照内さんがさまざまなカタパルトの登壇者になりはちゃめちゃなプレゼンを展開、石田さんが突っ込むというオーソドックスなスタイル。


さすが定刻を死守する運営チーム、1組あたり2分の持ち時間をきっちり守り、スマホ投票が始まった。前回までは会場からの拍手で順位を決定していたが、こんなところでもアップデートを欠かさないのがICCである。
「磯ロマン」有終の美を飾る
結果発表は、まず運営チーム審査員の票が公開され、それにゲスト審査員の票が加算されて優勝が決まるというスリリングな「M-1」方式。ゲスト審査員の票が勝利の行方を左右するが、これは漫才を通して運営チームにどんな人がいるのかやその活動がどれだけ伝えられたかという意味も込められている。

優勝は、息をつかせぬネタの連打で爆笑の渦を巻き起こした「磯ロマン」。3回目の挑戦にして優勝をもぎ取った凸凹コンビは、会場の大喝采を浴びた。

第1回目も第2回目も森本さんと磯さんは全力でやり切ったものの結果につながらず、磯さんは2回目の夜に悔し泣きをしたという。


はじめは前夜祭の余興と思われ、「殿、ご乱心」と言われた企画であったが、全員真剣を体現した結果、「Masa-1」は運営チームみんなが心待ちにし、みんなで楽しみ、笑うコンテンツとなった。

優勝スピーチを求められた「磯ロマン」の森本さんは「ゴルフが終わってから2時間ぐらいずっと練習をしていました」と息の合った漫才の舞台裏を明かし、磯さんは「まだ挑戦していない、尻込んでいるみなさん? チャンスは貯金できない。チャンチョキ〜!」と勝利のフレーズでダメ押しをした。

出場者以外のメンバーもネタを必死に考え、演じて、楽しいコンテンツで盛り上がることで、運営チームのボルテージも団結力も一挙に上がる。ICCサミットが終わったあとのクロージングイベントでも「チーム・カタパルト」という、チーム毎による活動報告も兼ねるプレゼンバトルが開催されていて、ここでもチームは再び、全力を尽くして戦う。

集合写真のシャッターを切ると、これから始まる4日間への緊張と、気合いと、ワクワクが詰まっていてこんなに集合写真で笑顔が揃うチームはいないと思った。魅力的なコンテンツに、やる気あふれる団結力のあるチーム、きっとICC FUKUOKA 2025はいいものになると確信できた瞬間だった。
(終)
編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/原口 史帆/戸田 秀成