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止めたストップウオッチは残り1秒。全身全霊をかけ登壇するカタパルト挑戦者と「ともに産業を創る」を体現した瞬間(鷲田 諒)【スタッフレポート:スカラシップでICCに参加して】

ICCサミット KYOTO 2023 にスカラシップ制度を利用して参加した株式会社FLUXの鷲田 諒さんに、運営スタッフ参加の感想と、そこで学んだことについて聞きました。スタッフレポートとしてご紹介します。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回400名以上が登壇し、総勢1,000名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA  2024は、2024年2月19日〜22日 福岡県福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

ICCサミットは、宿泊・交通費など自己負担によるボランティアの運営スタッフで運営されています。優秀なメンバーがより多く参加してもらえるように、ICCサミット KYOTO 2018より、ICCサミット参加企業に支援していただく取り組みを始めました。遠方から参加する若手社会人・学生スタッフを対象に、スカラシップ制度として最大50%程度の宿泊・交通費を補助をしています。個人としてスカラシップを提供いただいている方々もいらっしゃいます。

運営スタッフに応募したきっかけや、なぜ応募したいと思ったかを教えてください

ICC KYOTO 2023 DAY0の準備開始で全ICC運営メンバーの前で挨拶する鷲田さん

ICC運営スタッフに応募したきっかけは、知人がFacebookで運営チームの募集を呼びかける投稿を偶然見かけたことです。

スタートアップ企業に勤めていることもあり、ICCについては以前から知っており、特にカタパルトは個人的にも好きなコンテンツのためYouTubeで見ていました。

しかし、ICC運営スタッフの大半がボランティアで構成されていることは知らず、知人の投稿を見て自らも応募できることを知りました。

ちょうど新しい挑戦をしたいと考えていたタイミングだったこともあり、気が付いた時には知人に連絡を取ったうえで、応募フォームを送っていました。

どのような気持ちで今回のICCサミットに臨みましたか?

ICC KYOTO 2023は運営スタッフとして2回目の参加です。

初参加は、2023年2月に開催されたICC FUKUOKA 2023です。

とにかく自分にできることにフォーカスして一生懸命にやりきろうと思っていた前回とは違い、今回は少し視野を広げて、登壇者とともにICCという場を、産業を共創していこうという気持ちで臨みました。

ICCサミットで学んだこと、気づいたこと、深く印象に残っている出来事、エピソードなど、実際に参加した時の感想を教えてください

カタパルト演台担当。登壇者と同じ気持ちで、一つひとつ準備をしっかりしていく。

一言で言えば、刺激的な体験になりました。

今回はICCのメイン会場であるA会場を担当しました。

前回も「誘導」という立場からA会場に関わったのですが、今回は「演台」と呼ばれるカタパルトの登壇者に最も近い距離で関わる役割を担当しました。

演台は、ピッチのリハーサル段階からピッチ本番で開始のストップウォッチを押し、ピッチを終え壇上から降りるまでを一貫してサポートするのが主な仕事です。

登壇者一人ひとりの機材接続はもちろん、あらゆるトラブルシューティングや対応まで幅広く対応します。

初参加の際に、私はピッチ後に審査員の方からコメントをいただくマイクランを担当しました。

その際に初動が遅れてしまい、1、2秒程度の無駄な空白をつくってしまい、後ほどリーダーに指摘されることがありました。

正直その時には自身のミスに対して、そこまで本気に向き合うことができませんでした。

どこかで、たかが1秒だと思っていたのかもしれません。

カタパルトはピッチの時間が7分間と決まっています。

そして公平なジャッジを行うために時間厳守を徹底しており、タイムオーバーは減点にも繋がります。

だからこそ登壇者は自らの、会社の想いを7分という時間に込めて、ピッチ本番に向け全身全霊をかけた準備をされてきます。

そして私たち演台は、ピッチ終了次第、壇上へ駆け上がり、まずはストップウォッチを止めます。

仮に私たちの動きが遅いことが原因でタイマーが鳴ってしまえば、登壇者等のそれまでの準備を軽視することにもなりますし、なにより産業を創ることを妨げてしまうことにもなりかねません。

今回、ソーシャルグッドカタパルトではグッドバトンの園田さんが見事優勝されました。

私は園田さんの登壇を演台としてサポートさせていただきました。

園田さんは前日から会場を下見に来られるほど熱心にピッチに向けて一生懸命に準備をされていました。

そして迎えた本番直前、園田さんは私にこうお話しされました。

「6分50秒に収まるよう練習を繰り返してきました。オーバーすることはないはずなんです」

そして、園田さんのプレゼンが始まりました。

聞いているみんなが園田さんの熱いプレゼンにのめり込んでいく。人の心が動かされているのを感じると同時に、7分間はあっという間にすぎ、ピッチが終了。

その直後、私は急いで壇上に上がり、ストップウォッチを止めました。ストップウオッチが鳴らなかったことにとてもホッとしたのを覚えています。

裏に戻ってストップウォッチを確認すると、表示盤はなんと1秒を指してました。つまり、残り1秒でした。

この時は、震えました。

震えましたし、自分が少しでも役に立った気持ちになり、とても感動しました。

直前に話を伺った時に、これはかなり制限時間7分ギリギリになるぞ、と予想していました。

だからこそ、ストップウォッチが鳴らないでくれと祈りながら、終了した瞬間に迷いなく駆け上がった。

とにかく必死でした。

前回の私であれば、もしかするとこのタイマーは鳴っていたかもしれません。

そしてそれはもしかすると、カタパルトの結果を左右したかもしれません。

この体験は、私にとって「ともに産業を創る」というコンセプトを体現することができた瞬間の一つになりました。

自らにできることを一生懸命にやりきることが、産業を創るような大きなことに繋がりえるということを実感することができました。

本当にありがとうございました。

やり切った!全てのカタパルトを終え、達成感に満たされた笑顔いっぱいのA会場の仲間

運営スタッフとして参加してよかったことを教えてください。また、どんな人に参加をおすすめしたいですか?

スタッフとして参加してよかったことは数えきれないほどありますが、強いてあげるとすれば「真剣に生きる人や社会を変えるような会社・事業と出逢い、自らの視野を大きく広げることができること」です。

ICCに参加することはあくまで選択肢の一つにすぎませんが、「ともに学び、ともに産業を創る」というコンセプトへ強く共感し、それを体感してみたいという興味・関心が高い人にはぜひ参加を勧めたいです。

一方で、とにかく新しい人と出逢いたいというくらいの理由であれば、ICCではなくてもよいかもしれません。

ICCでの経験は、太く長く自分の人生に活かしていきたいと考えています。

ICCでの出逢いや体験したことはいますぐに何かに繋がらなくても、長い時間軸で捉えた時に活かせることもたくさんあると感じています。

ICCでの経験を、今後どのように生かしていきたいですか?

4日間ともに駆け抜けたA会場カタパルト演台チーム!

ICCでの経験は、太く長く自分の人生に活かしていきたいと考えています。

ICCでの出逢いや体験したことはいますぐに何かに繋がらなくても、長い時間軸で捉えた時に活かせることもたくさんあると感じています。

スカラシップ提供企業への感謝のメッセージをお願いします

個人支援スカラシップ支援者の楽天 小林 正忠(セイチュウ)さんと

改めてこの度は、個人スカラシップに選んでいただきありがとうございました。

今回、光栄なことに個人スカラシップという形で楽天グループ株式会社常務執行役員Chief Well-being Officerの小林 正忠さんにご支援をいただきました。

ご多忙にも関わらず、会期中には1時間近くも1on1でお話しさせていただく機会を設けていただき、さらには直筆のお手紙まで頂戴いたしました。

正忠さんとお話しさせていただく中で、

「なぜ本業なども忙しい中で、ICCスタッフとしての参加を継続することを決めたんですか」

と問われました。

私は、その理由は3つあることをお話ししました。

1. 前回のスタッフ参加を通し、ともに産業を創ることをさらに体現したため

2. ICCに関わる人たちから刺激を受けられるため

3. ICCという3rd Placeに身を置くことで客観的に自身を捉える機会とするため

これらの私の返答に対して正忠さんが「鷲田さんは新しい眼鏡をつくりにICCへ参加しているんですね」という風におっしゃっていたことがとても心に残っています。

ICCは「全員対等、全員真剣」をスタンダードとしており、日常ではなかなか出逢うことができないほど真剣な想いや熱量が凝縮した場です。

ICCに参加することで、自分の中にこれまでになかった着想やモノの見方・考え方を得られる感覚があり、それはスタッフとして継続して参加する理由の一つになっています。

「井の中の蛙にはなりたくない。大鷲のように大海・山脈を知るものでありたい。」

そういった想いから、スタッフとしてICCへ参加することを決意した約1年前。

当時の自分の原点に立ち返ったうえで、今回のICCに臨むことができました。

正忠さん、この度は貴重な機会をいただき本当にありがとうございました。

また、今後もお話しできることを非常に楽しみにしております。

スカラシップの存在は多くの優秀なICCスタッフが集うことにおいて、大きな意味をもたらしていると感じています。

今後ともICCサミット並びにスタッフの質の向上のためにあり続けていただけますと幸いです。

(終)

ご協力いただいたスカラシップ支援企業の

     (()内は支援回数)

そして、個人サポーターの皆さん、本当にありがとうございました。

編集チーム:小林 雅/北原 透子/浅郷 浩子

 

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