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目に見えるがん治療を目指し、世界初の「64Cu治療薬」を開発する「リンクメッド」(ICC FUKUOKA 2026)

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ICC FUKUOKA 2026 リアルテック・カタパルトに登壇いただき3位に入賞した、リンクメッド 吉井 幸恵さんのプレゼンテーション動画【目に見えるがん治療を目指し、世界初の「64Cu治療薬」を開発する「リンクメッド」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは 慶應イノベーション・イニシアティブ です。

【速報】放射性廃棄物を抑える核融合で、持続的な電力供給に貢献する「LINEAイノベーション」がリアルテック・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2026)


【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 7A
REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by 慶應イノベーション・イニシアティブ

吉井 幸恵
リンクメッド
代表取締役社長
公式HP

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構において、がんの放射線治療薬の研究開発に10年以上従事した後、研究開発を行ってきた放射性医薬品による『革新的な「見える」がん治療』を実現し、患者様、そのご家族、医療従事者の皆様に貢献するべく、2022年にリンクメッド株式会社を設立。放射性医薬品非臨床・臨床開発の経験を活かし、研究開発・事業開発を牽引。代表取締役社長。博士(理学)。


吉井 幸恵さん リンクメッドの吉井と申します。

今日はせっかく素敵な場を頂きましたので、初めに皆さんにご質問をしたいと思います。

皆さんの中で、ご本人、ご家族、お友達が、がんで苦しんでいる方がいらっしゃったら、挙手をお願いします。

(会場を見渡して)あまりおられないようですね。

治療薬があっても、なぜ、がんは「治りにくい」のか

現在、日本人の死因の第1位はがんで、たくさんの薬が開発されているにもかかわらず、なかなか治らないことが課題です。

なぜ、そういうことが起こるのでしょうか?

それは、治療薬使用前に、有効性と毒性を予測することができない。

また、モニタリングによって治療計画を最適化することも難しい。

こういったことが課題になっています。

これを解決するために、私たちは「真のTheranostics(※) 」、つまり診断と治療薬、“1つの薬で融合できるもの”を開発しています。

▶編集注:Theranosticsとは、治療(Therapy)と診断(Diagnostics)を融合させた造語。

世界初の「64Cu治療薬」開発企業に

その目的のために、私たちが注目し、開発しているのが、放射性同位元素の「64Cu」というものです。

この元素は、診断という意味では、PET画像診断で綺麗な画像が撮れます。

また、治療という意味では、新しい効果を生み出す治療効果が発揮できます。

こういった「唯一無二の元素」ということになります。

治療効果という意味では、β線の他にオージェ電子という新しい強いタイプの放射線を出しますので、これまで治療効果の低かったがんをターゲットに治療できます。

我々はこの64Cuを使った治療をした、初めての企業となりました。

現在、開発ステージとしては第III相試験に進んでおり、2028年には承認し、皆さんのお手元にこの薬を届けられると思っています。

これまでに、このプロジェクトで、80億円を調達しています。

私自身は研究者です。

この薬を開発した研究者で、皆さんにお届けしたいという思いで、リンクメッドを設立しました。

そして、タイトな連携関係を持つ専門家集団を形成しています。

“これまで治せなかったがん”への可能性

64Cuはオージェ電子とβ線の2つのミックス照射をすることで、幅広いがんを、広く、そして強く叩けるため、これまでは難しかったがんを治療できます。

こちらは、他の核種との比較になりますが、64Cuは安全性、薬剤設計、そして特に安く、コストを低く製造できる点でメリットがあります。

安全性については、すでに第I相試験が終わっており、腎毒性、肝毒性、脱毛もない非常に優れた治療であることを証明しています。

また64Cuはイオン半径が小さく、他の核種と比べて薬剤設計が簡単なので、既に色々な分子に応用しています。

低酸素状態にある多種多様ながんがターゲットの「64Cu-ATSM」

1号品は、第III相試験に進んでいます。

悪性脳腫瘍である膠芽腫に適用しています。

2号品は、抗EGFR抗体で、膵がんに適用して第I相試験中です。

本日は、第1号品の「64Cu-ATSM」という薬のご紹介をしたいと思います。

こちらの薬は低分子の薬ですが、低酸素環境下に置かれた多様ながんをターゲットにして治療することが可能です。

正常な組織や細胞は通過しますが、低酸素環境下に往々にしてなるがん細胞に入ると、特異的に還元されて集積します。

右上が、患者さんに実際に集積した写真です。

静脈投与ができて全身に広がり、脳のバリア機能である血液脳関門も通って、脳腫瘍を叩けます。

ここも、すごく優れた点になります。

すでに我々は第I相試験を終えており、毒性が認められないことを明らかにしています。

また、良好な結果も得られています。

18例の再発脳腫瘍患者さんで、76%において1年以上生存、そして11%の患者さんで腫瘍が全て消えました。

9例の非常に悪い脳腫瘍である膠芽腫の患者さんでも、1年生存率が伸びており、中央期間も伸びている良好な結果を得ています。

現在、第III相試験が進行中です。

アメリカでの第III相試験を準備

グローバル展開も進捗しており、現在この薬を世界の患者さんにお届けしたいと思い、アメリカにおいて第III相試験を準備しています。

そのための資金調達を、現在お願いしているところです。

我々の強みは、この64Cuを国内でGMP(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)製造できる施設をすでに建設したことにあります。

リンクメッド、千葉工場完成のお知らせ(PR TIMES) 

現在、日本の医療界で使われている放射性同位元素は全て輸入に頼っていて、リスクが高い状況が続いています。

これに対し、私どもは工場を造って安定供給に貢献していきたいと考え、取り組んでいる次第です。

現在、第III相試験を準備している関係で、パートナー企業を募集しています。

また、この薬は肺がんにも適用できます。

こういった関係で、グローバル企業のみならず、投資家の皆さんにも入っていただきたいと思い、活動を続けています。

最先端の科学を医療に届けるために

最後に、我々が最先端の科学を医療に届けるためには、人と人とのつながり、患者さんと研究者、そして、社会とのつながりが重要だと思います。

「Link for Life」を掲げ、頑張ってまいりますので、皆さんのご支援をいただきたいと思います。

ご清聴ありがとうございました。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/正能 由佳/小林弘美/戸田 秀成

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