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議論はいよいよ核心へ。VC業界の”ウィナー・テイクス・オール”構造の中で、次世代のキャピタリストを育てるには7〜10年かかるというグロービス今野さんの指摘。そして湯﨑さんが語る「裾野を広げるから高さが生まれる」という結論は、政策論議の枠を超えた普遍的な示唆に満ちています。登壇者3人の行動を呼びかけるメッセージまで、ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは中小企業基盤整備機構です。

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【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 7S
イノベーション政策に物申す! – 政策立案のキーマン x 前広島県知事・有力VC 公開討論会
Sponsored by 中小企業基盤整備機構
(スピーカー)
今野 穣
グロービス・キャピタル・パートナーズ
代表パートナー
中野 千亜希
中小企業基盤整備機構
九州本部 企業支援部 支援推進課長
湯﨑 英彦
広島県
前知事
(モデレーター)
石井 芳明
中小企業基盤整備機構
創業・スタートアップ支援部長
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石井 今野さんにお伺いしたいのですが、素晴らしいコーチやVCを増やしたいと思いますが、ベンチャーキャピタル業界の鉄則として、ウィナー・テイクス・オールですよね。
上位数パーセントのキャピタルで、上位数パーセントのパートナーがすごい力を持っていて、なかなかエマージングの人が出づらいところがあるような気がします。
例えばMidas Listを見ると、いまだにマイケル・モリッツのような人が出てきていて、若干語弊があるかもしれないですが、グロービスで言うと今野さんと高宮(慎一)さん、堀(義人)さん、それから、湯浅(エムレ 秀和)さんが出てこられていますが、その方たちはそのまま頑張り続けるわけですよね。
エマージングの人たちを出していくには、どのような工夫がいるのでしょうか?
VC育成には7〜10年を要する

今野 まず前提として、VCを育てるにはすごく時間がかかります。
7〜10年はかかると思います。
逆に言うと、石井さんのレーダーに入っていない人たちは、うちにも7〜8人います。
石井 います、います! 若手がすごくいい感じでいらっしゃって。
今野 とても優秀ですが、物理的に色々な経験、成功、失敗、あとは再現性みたいなものを考えた時に、1周回るのが7、8年なので、単純にその途上であるというのがひとつですね。
もうひとつ、逆に弊社の組織の人の育て方みたいな話に近いのかもしれませんが、上の下位互換をやっていても、そうなるわけです。
上がやっている同じ領域において、同じような投資をし続けようとしても、当然いいお話は上に行くことのほうが多いわけなので。
石井 「今野さんに話したい」と来ますよね。
今野 それは力学的には普通のことですよね。
そうなると、僕がやったのは、アソシエイトから上がっていったときに、上がやっていない新しい領域を自分で開拓しにいくとか。
石井 なるほど。
今野 上が(担当しているのは)40、50代の経営者になってきたから、僕は20代の起業家にアプローチするとか、いくらでもあります。
まさに、局地戦で戦うとか。
もしかしたら、「世界と日本」「日本と地域」「パートナーとアソシエイト」の構造は一緒かもしれないです。
石井 一緒ですね。
今野 ドミナントに対して、どうやって勝っていくのかという話です。
まさに領域の専門性だとか、ネットワークの独自性だとか、それを作りなさいと言っています。
石井 なるほど。
今野 それができたら、そこから広げていく形ですね。
裾野を広げるから高さが生まれる

湯﨑 僕がスタンフォードのビジネススクールを卒業したのが1995年ですが、その当時もちろんすでにベンチャーキャピタルがあって、KP(クライナー・パーキンス) やアクセルはもう著名になっていました。
USベンチャーがありましたが、その後インターネットが入ってきて、そこからベンチマークとかそういうものが出てきたのですよね。
石井 アンドリーセン・ホロウィッツもその頃ですよね。
湯﨑 はい。僕の同級生でベンチャーキャピタルに行った人は最初ほとんどいませんでしたが、この前、25年のリユニオンを27年目にやった時に、3分の1くらいはベンチャーキャピタルも含めたプライベートエクイティにいました。
3分の1は投資を受ける側、残りの3分の1は投資銀行やコンサルタントをやっていますとか、その他事業の先生をやっていますとか、そういう人たちなのですよね。
だから、その後、そこに参入がものすごく起きているのです。
今、日本の有力大学で、例えば東大は最近スタートアップに行く人が増えましたが、じゃあそんな割合になるかとか、あるいは卒業して20年、30年経ったところで割合がそんなに変わっているかと言ったら、そんなことは起きていないでしょう(笑)。
だから、もっとボリュームを作らなければいけないのだと思いますし、ボリュームを作っていくことがすごく大事です。
そこで、やはり発展しているのですよ。
石井 そこで良いコーチが出てきて成功例が出て、またボリュームが増える。
湯﨑 全ての人がジョン・ドーア(アメリカのベンチャーキャピタリスト)にならないし、全ての人がスティーブ・ジョブズではないし、スタートアップやベンチャーキャピタルの中にも当然ピラミッドがあります。
でも、裾野を広げるから高さが生まれるので、スタートアップ側も、ベンチャーキャピタル側も、とにかく今はまだ裾野をもっともっと広げるために何をすべきかということを、僕はやるべきではないかなと思います。
石井 なるほど。
政府のほうで、今「高さ」と言っているのですが、実は裾野をもっと広げないと高さは出てこないのかもしれないですね。
ありがとうございます。
そろそろまとめとなりますが、今日は湯﨑さんから失敗を恐れずチャレンジする、その一貫した取り組みのお話をお伺いできました。
今野さんの東京と地方、日本と世界、パートナーとアソシエイトの関係、このフレームはすごく大事だなと思いました。
僕らも政策を考える時にもう一度やろうと思いましたし、ぜひ皆さんにも考えていただけるといいかなと思います。
「イノベーション政策に物申す!」ということで、色々と楽しいお話、有意義なお話を聞かせていただきましたが、最後は、オーディエンスの方に向けて、一言ずつお願いしたいと思います。
今野さんからお願いします。
結果を出すため、2030年頃までが勝負

今野 長時間ありがとうございました。
今、国にとってもスタートアップエコシステムにとっても、スタートアップそのものにとっても、とても大事なタイミングに来ていると思います。
いくつか理由がありますが、1つは国策との近接性で、スタートアップが取り扱うテーマときわめて近くなってきています。
なんなら国の成長と、もしかしたら安全に対してスタートアップが一番、良い意味での貢献度、影響度が高いのではないかと思っているという意味において、すごく大事な時期に来ています。
政府がオフィシャルにスタートアップに目を向けて、スタートアップ育成5か年計画から3、4年が経ち、そろそろ結果を出さなければいけないよねみたいな。
▶︎スタートアップ育成5か年計画(内閣官房)
いかに資本市場が大変であっても、これだけ資金が入ってきたら、どこかでやはり回して戻していかなければいけないみたいな話でいうと、すごくやりがいがある一方、2030年ぐらいまでが勝負だとすごく思っています。
ですので、今日ご参加いただいているような方々、一緒に登壇されている方々と結集して、本当に結果を出したいし、1つ事例が出ると、日本人は自分もできるかもしれないみたいに思うのですよね。
野茂(英雄)さんが行ったら自分も大リーガーになれるかもしれない、ヒデさんが行ったら自分もセリエAでプレーできるかもしれないみたいな話なので、一つでもいいからできるだけシンボリックな成功事例を作ることに自分も貢献したいと思っていますので、引き続きよろしくお願いします。
多様な支援が可能な中小機構

中野 ありがとうございます。
高さを出すところと特色を出していくところで、非常に学びの多いセッションで、私もすごく勉強になりました。
ありがとうございました。
地域でエコシステムに参画したり、色々な場で企業にお会いしたりする機会がたくさんありますが、その地域を変えたいというすごく強い思いを持って起業されている方がたくさんいらっしゃいます。
そういった裾野は、今「ローカルゼブラ」というキーワードで括られてはいますが、裾野が確実に広がっているというのは、地域の企業を見せていただいている中で実感としてあります。
そういった方々を丁寧に見ていきながら、高さが出るところは引き上げていくことを国としてもサポートしていきたいですし、その中で、地域で頑張っていく企業も確実にあるので、他のスタートアップ以外の支援もたくさん中小機構にはありますので、利用していただきたいと思います。
なかなかうまくいかずにピボットしなくてはいけないとか、事業をたたむとか、そういう企業も確実に出てくるとは思いますが、中小機構としてサポートしていきたいと思っております。
今日はありがとうございました。
石井 最後に、湯﨑さん、お願いします。
みんなで力を合わせて行動しよう
湯﨑 今野さんがおっしゃったように、今すごく大事な時期で、逆に言うとチャンスだと思います。
VCを育成するのに7〜10年かかり、2000年ぐらいから始まっていますから、ようやく26年で、2回りぐらいしているところだと思います。
これからどんどん加速していく可能性があるし、加速しつつあるし、それをしなければいけないということだと思うので、多くの方がスタートアップに参画をして、色々な形で、それこそみんなで力を合わせて動かしていくといいのではないかと思います。
今野 湯﨑さんは、次に何をするのですか?
石井 最後にすごいフリですね。
湯﨑 いやいや(笑)、僕もスタートアップのアイデアが1個あるのですよ。
今野 広島県代表として。
石井 広島県代表、日本代表、ということで、「イノベーション政策に物申す!」セッションをお送りしました。
すごくいいお話を今日聞かせていただいたと思うので、皆さん、そう思ったら行動に移して、みんなで動かしていきましょう。
ぜひよろしくお願いします。
今日はありがとうございました。

(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成

