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「ミドリムシでジェット機を飛ばす」”バイオ燃料屋”への進化を目指すユーグレナ【KT16-1B #2】

ICC TECH 2016 Session1B

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「技術シーズの事業化のケーススタディ 「エクスビジョン & ユーグレナ」」【KT16-1B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!9回シリーズ(その2)は、ユーグレナ永田さんに、ANA等と共同で発表した国産バイオ燃料計画についてお話頂きました。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております


2016年9月8日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016 「ICC TECH」
TECH Session 1B
技術シーズの事業化のケーススタディ 「エクスビジョン & ユーグレナ」

(スピーカー)
永田 暁彦
株式会社ユーグレナ
取締役 財務・経営戦略担当
リアルテックファンド 代表

森本 作也
エクスビジョン
COO

(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社 代表取締役

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【本編】

永田 我々の会社の特徴は、研究開発でコストを10分の1、ワンオーダー(一桁)下げること、マーケティング力で売り上げを毎年倍増すること、そして成長過程ではかなりM&Aも駆使していて、研究開発型の企業でありながら、相当規模のファイナンスもしていることです。

この三位一体での成長が、我々が評価されている要素のひとつなのではないかと考えています。

キーワードとして燃料と食料を挙げていますので、燃料の動きがどうなっているかについては、常に情報発信をしています。

2015年12月、羽田空港のANA社の格納庫内で、横浜市、そして千代田化工、伊藤忠、いすゞ自動車、ANAと、国産バイオ燃料計画を発表しました。

ICC TECH 2016 Session1B資料:2016年12月 個人投資家向け説明会(2016年12月1日開催)の資料 P24 から引用

オリンピック開催までに必ず国産バイオ燃料で飛行機を飛ばします、ということを宣言しました。

ミドリムシ屋から、バイオ燃料の石油元売り屋へ

永田 国産燃料というのはどのようなものかというと、国内で生産または調達して、精製して、飛行機に提供しますよ、しかも国際標準規格のASTM規格に準拠した形で提供しますよ、というのが定義です。

神奈川県横浜市に実証プラントを建てます。

ICC TECH 2016 Session1B資料:2017年9月期 第1四半期決算説明資料(2017年2月10日開催)のP15より引用

今までの話を聞いていると、「なるほどね、ユーグレナがミドリムシの大量培養のためのプラントを造るのね」、というように聞こえるかもしれませんが、全く異なります。

これは何かというと、リファイナリープラントなのです。

石油の精製プラントと一緒で、ミドリムシから油を搾ると原油が出てくるのですが、その原油を精製するプラントです。これを建てました。

なぜかというと、日本にはバイオジェット燃料のための精製プラントがありません。つまりどれだけバイオ原油の開発をしてもバイオジェット燃料にすることができない、ということです。

普通であれば、この精製プラントは石油元売り企業などが建設するのですが、現状の石油業界においてはまだそにような状況になっておりません。

しかし私たちはベンチャーですので、とにかく前に進む必要がある、と。

ですので自分たちで精製までしてしまおうということで、プラントを建てることにしました。

いろいろありますが、これに来期(2017年9月期)50億円くらい投入しますが、それができるのも結局自分たちで稼いでいるからです。

しかも、50億投資したところで、実証プラントなので、利益は生みません。

それでも株主に約束をしている世界を実現するためには絶対に必要な施策なのです。結果的に実証プラントの発表によって株価はポジティブに反応しました。

そのような株主をどのように創り出していくかというのも重要な戦略で、これまで3年間をかけてやってきたことです。

ユーグレナCFOが実践する「ビジョンを実現する」投資家コミュニケーション術

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2019年から稼働し、我々がバイオマスを集めてきて、千代田化工が建設し、シェブロンがライセンスを提供して、ANAといすゞ自動車にバイオ燃料を提供するというプロジェクトです。

ICC TECH 2016 Session1B資料:2016年9月期 第2四半期決算説明資料(2016年5月24日開催)のP17より引用

最大のポイントは、この部分(上の図の左側の四角の部分)にありまして、バイオマス油脂は、ユーグレナのものだけではないという点です。

日本中のバイオマス燃料を研究していた人たちは全員困っていたのです。

どれだけ原油を作っても日本にはバイオジェット燃料の製油所がないので、最終のジェット燃料にならないと。

千代田化工とシェブロンにお願いしたのは、ユーグレナだけの設備ではなく、日本中の人が使える設備にしてくれということです。

日本中のバイオマス屋さんが、ミドリムシを持ち込める設備にしたのです。

我々がミドリムシ屋さんから、バイオ燃料の石油元売り屋になったということです。

これは、我々のある種のピボットかもしれません。

川上から中流へ自分たちで進出したということです。

2019年から稼働させ、東京オリンピックの年(2020)から国産燃料で飛ばすことを最大の目標にしています。

ANA社は、とにかくそれをやりたいと。

更に国のルールを変えるためには、そのような大きなきっかけがないと難しいので、それを目標にして実施するということです。

2020年以降に、商業プラントに移行します。

商業プラントは大体400倍くらいのサイズのものを建てる予定です。

その規模のプラントを建てると、一気に商業性が出てくると思います。

そのようなことをやっている会社です。

国からも当然いろいろな支援をいただいて研究開発を行っています。

テクノロジー支援に特化したファンド会社を設立

永田 また、我々がずっと苦しんで、苦しんで、誰も資金を出してくれず、自分たちからミドリムシを買ってくださいと言わなくてはならない環境だったので、このような日本の研究開発の環境を変えようということで、自分たちでリアルテックファンドというテクノロジー支援に特化したファンド会社も設立しました。

参加企業は全て事業会社で、機関投資家はゼロです。

ICC TECH 2016 Session1B

ICC TECH 2016 Session1B
2017年5月12日発表「2017年9月期 第2四半期決算説明資料」のP43/P44から引用

次世代のテクノロジーを育成するファンドということで、日本最大級のファンドを1年前に設立して、今13社に出資をしています。

▶リアルテックファンド投資先7社がプレゼンテーションしました【最先端の筋電技術で身体を拡張するメルティンMMIがベストプレゼンター(ICCカンファレンス FUKUOKA 2017 CATAPULT -リアルテック特集 – )】をご覧ください。

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今日、共同代表を務めるリバネスの丸さんも来ています。

ICC TECH 2016 Session1B


丸 幸弘
株式会社リバネス
代表取締役CEO

1978年神奈川県横浜市生まれ。幼少期の4年間をシンガポールで過ごす。
東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。博士(農学)。

東京大学大学院在学中の2002年6月に理工系大学生・大学院生のみでリバネスを設立。日本で初めて、「最先端科学の出前実験教室」をビジネス化した。現在、大学・地域に眠る経営資源や技術を組み合せて新事業のタネを生み出す「知識製造業」を営み、世界の知を集めるインフラ「知識プラットフォーム」を通じて、200以上のプロジェクトを進行させる。2014年12月に東証一部に上場した株式会社ユーグレナの技術顧問、孤独を解消するロボットをつくる株式会社オリィ研究所、日本初の大規模遺伝子検査ビジネスを行なう株式会社ジーンクエスト、次世代風力発電機を開発する株式会社チャレナジー、腸内細菌ベンチャーの株式会社メタジェンなど、多数のベンチャー企業の立ち上げにも携わるイノベーター。

以上です。

最後にまとめると、我々は「バイオテクノロジーで昨日の不可能を今日可能にする」ということで研究開発をしている会社です。

資料:2017年9月期 第1四半期決算説明資料(2017年2月10日開催)のP35より引用

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/鈴木ファストアーベント 理恵

続きは 「ミドリムシ培養の”レシピ”は秘密」ユーグレナの”特許化しない”知財戦略 をご覧ください。

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【編集部コメント】

最後まで読んでいただきありがとうございます!記事の途中で参考記事としてユーグレナCFOが実践する「ビジョンを実現する」投資家コミュニケーション術を貼っておりますが、こちらもぜひ合わせてお読みください。ユーグレナの大型投資が株主にどう支えられているかがよく分かって理解が深まるかと思います。続編では、参加者からの質問に永田さんが答えていきます。ぜひご覧ください。(横井)

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