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「モバイル動画メディアの今後を徹底議論」【K17-5B】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!8回シリーズ(その8)は、Facebook横山氏の質問に答え、AbemaTV・GYAOの強みや、ルトロン・ONE MEDIAが重視する指標について議論しました。是非御覧ください。
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2017年9月5日・6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 5B
モバイル動画メディアの今後を徹底議論
(スピーカー)
明石 ガクト
ワンメディア株式会社
代表取締役
荒波 修
株式会社GYAO
代表取締役社長
小池 政秀
株式会社サイバーエージェント
常務取締役
高松 雄康
株式会社オープンエイト
代表取締役兼CEO
(モデレーター)
坂本 達夫
AppLovin
Director, Business Development
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最初の記事
【新】モバイル動画メディアの今後を徹底議論!【K17-5B #1】
1つ前の記事
動画広告のプライシングのロジックや販売方法を教えて! 【K17-5B #7】
本編
坂本 その他にご質問ある方はいらっしゃいますでしょうか。今日は何でも答えてくれると思います。
ではお願いします。
質問者3(横山) Facebookの横山と申します。今日はありがとうございます。
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横山 直人
Facebook Japan
執行役員 新規事業兼パートナーシップ事業
2002年NTTドコモに入社し海外i-mode展開に従事。2009年よりGoogleにて、クラウドビジネス、モバイル、アンドロイド・ビジネス開拓を担当。2014年より現職にて新規事業及びパートナシップ事業を牽引。現在の注力分野はモバイル、VR/AR、ユーザーグロース。立教大学卒。ニューヨーク大学大学院卒。
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皆さんのプラットフォームもしくはメディアの考え方と方向性は非常に異なっており1つの質問は難しいので、分けて質問させて頂きたいと思います。
小池さんと荒波さんへの質問として、今コンテンツの企画だとか制作のプロセスを含めて非常に複雑になってきているというのはまさにその通りかと思います。
その中でNetflixやAmazonさんたちが日本の製作者と共に作っていくという姿勢でアプローチしてきていると思うのですが、ジャンルなどで自分たちの強み、もしくは付加価値だと考えるものがあれば教えて頂きたいです。
高松さんと明石さんには、今見ていらっしゃるKPI、つまり指標としてどの当たりを注視しているかと、その理由を是非教えて頂けたらと思います。
AbemaTV・GYAOの付加価値は?
坂本 ありがとうございます。では最初の質問からいきましょう。
小池 僕たちとしてはライブ、今見るべき理由のあるコンテンツをきちんと作っていくということで、亀田さんの番組(AbemaTV1周年記念企画「亀田興毅に勝ったら1000万円」)のようなものやニュースなどをきちんとやっていくことです。
あとは、アニメに関してもコメントを通して皆で一緒に共感しながら観るという、その空間づくりが大事だと思っています。
編成においては共感づくり、コミュニティ的には視聴環境とライブとしてのオリジナル番組、ここで勝負していきたいと今は思っています。
荒波 GYAOで言うと、今はテレビ番組の見逃し配信をさせて頂いています。そのため、視聴率をより上げるためのお手伝いはできるかと思っています。
その文脈で、テレビ局さんの番組作りに一部関わらせて頂くことはできるかと思っています。
AmazonさんやNetflixさんとはアプローチを変えたお付き合いをして頂きたいと思います。
坂本 今おっしゃって頂いたことは仮にAmazonやNetflixが同じことをやろうとしても負けないと思いますか。
小池 もともと僕たちのメディアは無料で開放していて、視聴習慣を作っていくメディアプラットフォームにしているので、場所と連動したコンテンツなので、あまり競合というよりは、全く別のものとしてユーザーに捉えて頂けるようにしたいです。
ど真ん中で戦っていくというよりはずらしていくことが大事だと思います。
荒波 GYAOの場合は株主構成が結構面白くて、大株主はヤフーなのですが、他は放送局のキー局5局さんと電博さんです。
そういった部分も活用できるかと思っていますし、もっと言えば大株主であるヤフーのサービスとの連携についてもまだまだやれることがあると思っています。
例えば検索の連携や、スマホのタイムラインからの誘導等、ユーザーさんのUXを阻害しない形でもっとGYAOに引っ張ってくる。
結果的に、コンテンツプロバイダーさん、あるいは放送居さんのコンテンツが観られるようになり、放送局さんの視聴率を上げるというお手伝いはできると思っています。
坂本 資本も含めたパートナーシップの力とヤフーという大きなプラットフォームとしても総合力ですね。
荒波 使えるものは使い倒そうと思っています。
坂本 ありがとうございます。では2つ目の質問で、高松さんと明石さんの見ているメトリクスとその理由をお願いします。
ルトロン・ONE MEDIAが重視するメトリクスとは?
明石 これはFacebookにおけるということですか。
質問者3(横山) いえ、全体の話です。
明石 弊社は視聴完了率を重視しています。
例えば、動画広告は今のJIAA(一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会)の規定だと2秒間で1 回再生です。それだとバナーよりも価値のある体験の仕方だと言い切れないと思います。
動画ならではのプレミアムを出して価値を伝えていくには時間を専有しないといけません。
そういう前提において、僕たちの動画の視聴完了率がとても低かったらブランドとの約束を果たせていないので、先ずは視聴完了率を見ます。Facebookにおいては関連度スコアがありますので、あれも非常に見ています。
要するに、僕たちのファンになっている人たちと、その動画がきちんと関連しているのかどうかという指標なのですが、横山さん、あれの最高得点は9か10でしたっけ?
質問者3(横山) 言えませんよ(笑)
(会場笑)
明石 僕らの最高得点は9点なので、9ではないかと勝手に思っていますが、やはり関連度スコアは8か9くらい取らないと良い結果になりません。
6点くらいだと失敗したと思い反省するようにしています。
坂本 ありがとうございます。
高松 弊社はとても複雑なKPIを持っているので、それぞれ違います。
まずは明石さんと一緒で完全視聴率がどれくらいあるかを各プラットフォーム別に見ています。基本的に駄目なコンテンツは10%代、良いコンテンツだと40%代です。
一次メディアが一番良くて50%を超えてきます。
Facebookでいうと平均は28%くらいですが、それをたたき出しているポイントとしてはエンゲージメントです。
弊社でいうと、これだけ色々なメディアが出てきた中でエンゲージメントが1位です。Facebookは凄くて、他社の動画エンゲージメントを全部観られます。
弊社は平均が20%、90万人くらいファンがいてずっとその位のエンゲージメントを出しています。そこを1つの指標にしています。
坂本 それは明石さんの同じ指標からすると高いと思われますか。
明石 非常に高いですね。「すっげぇ」です。
高松 結構これは高いです。各社の話は言えませんが、メディアを持っているところと比較して言えます。
僕たちはエンゲージメントだけでは1位だと思っています。
ただし、それだけでは食えないのがFacebookです(笑)
こんなに頑張っているのにメディアに一銭も入ってこないし、むしろ取っていかれるばっかりです(笑)
いくらつかっているのかと!!クライアントなのに、、、半分は冗談ですが(笑)
最初のセッションでも話しましたが、僕が各プラットフォームに期待しているのは基本的にはプロモーションの代替になります。
僕は一次メディアで勝負しようとしているので、そこへの誘導や転換率で見ています。
質問者3(横山) ありがとうございます。とても中期的な方向性が透けて見えるコメントがとても多く、
(会場笑)
大変勉強になりました。引き続きよろしくお願いします。
坂本 質問者も素晴らしいですね。
明石さん、まだ話されたいことはありますか。
明石 横山さんとは明日のセッションでこの対決の続きをしたいと思います。
▶ 後日書き起こします!(ICCパートナーズ 小林)
坂本 皆様お楽しみにということで(笑)
お時間も良いところに来ましたので最後に皆様から一言ずつ頂きたいと思います。
登壇者からのメッセージ
坂本 今回のセッションのテーマが「モバイル動画メディアの今後を徹底議論」なので、今後に向けた意気込み等を皆さんに一言ずつ語って頂いて締めたいと思います。
明石 動画といっても色々なジャンルがあると皆さん感じられたと思います。
動画とその映像の垣根が曖昧になってくるのが2018年だと思っていて、これまで「動画元年」と騒いでいましたがあれはもう古いと思っています。
短尺だけではない時間軸の中で、新しい時代の動画をどうやって見せていくのかというところを今後僕たちの会社は追求していきたいし、皆さん(他の登壇者)とも仲良くやっていきたいと思います。ありがとうございました。
荒波 GYAOの話で言うと、先ほどもお話した通りで、使ってもらう理由作りをしっかりとやっていきたいと思います。
また動画の市場そのものが今ようやく立ち上がり始めた段階だと思います。そのため、ここにいらっしゃる皆さんと削り合うのではなく、お互いに市場を創っていく動きができれば良いかと思います。
頑張ります。今日はありがとうございました。
小池 今日はありがとうございました。僕たちはスタートからお金をかけ過ぎだとか、無謀だと言われながらやってきたサービスなのですが、1年をやってくることで結構手応えを掴んでいます。
市場の後押しもありますが、持続的な成長の手応えは見えてきているので、後は先ほど言った黒船等に飲み込まれないくらいオリジナルなやり方で、大きなインパクトを創っていくのに終始する一年にしたいと思っています。
そこを頑張っていきます。よろしくお願いします。
高松 後発で始めた動画メディアが非常に良い成長をしている中で言うと、今日はお話ができませんでしたが、仕組みやテクノロジーの部分をもう少し今後強化するような動画メディアになっていきたいと思っています。
また、そのような発信も逆にしていきたいと思っています。
動画と言えば既存メディアの置き換えではなくて、そうではないウェブやテクノロジーの強みを生かした動画メディアであるということを今後オープンエイトとしてはやっていきたいと思っていますので、是非よろしくお願いします。
坂本 ありがとうございました。
それでは以上をもちまして本セッションは終了となります。
最後に、リスクを省みず踏み込んだ議論をして頂いた登壇者の皆様に今一度大きな拍手をお送り下さい。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸
【編集部コメント】
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