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「俺たちのHARD THINGS – 数々の苦難を乗り越えて「今」がある」【K17-1C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!10回シリーズ(その7)では、参加者からの質問に登壇者が答えました。会社が順調に成長している段階だと、創業者や経営者が何かをしなくても優秀な部下が事業を回してくれるようになります。そんな時どうするか?是非御覧ください。
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ICCサミットは新産業のトップリーダー600名以上が集結する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2017年9月5-7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2017
Session 1C
俺たちのHARD THINGS – 数々の苦難を乗り越えて「今」がある
(スピーカー)
秋好 陽介
ランサーズ株式会社
代表取締役社長
内山 幸樹
株式会社ホットリンク
代表取締役社長
松嶋 啓介
株式会社Accelaire 代表取締役
KEISUKE MATSUSHIMA 総料理長
横山 佳幸
株式会社Nagisa
代表取締役社長
(モデレーター)
井上 真吾
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
プリンシパル
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▶「俺たちのHARD THINGS-v3」の配信済み記事一覧
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最初の記事
【新】俺たちのHARD THINGS – 数々の苦難を乗り越えて「今」がある【K17-1C #1】
1つ前の記事
俺たちのHARD THINGS⑤ 買収した米国企業CEOとの意見の相違、そして業績低迷
本編
井上 冒頭申し上げたように質疑応答の時間にしたいと思います。
バラエティに富んだお話で、色々な「HARD THINGS」を聞かせていただきましたが、会場の皆さんから質問はございますか。
質問者(蔵元氏) お話ありがとうございます。BNGパートナーズの蔵元と申します。
業績の悪化や人が辞めるというは分かりやすい「HARD THINGS」です。
一方で、業績が良くなり、会社が自走しだして組織が自分の手を離れ始めると、創業者としての寂しさや自己の効力が下がっていく切なさがあるともよく聞きます。
そのようなご経験があれば、そのような気持ちとどう付き合ったのかを教えて頂きたいです。
いつか自分が必要になるフェーズがくると考える
内山 僕がアメリカ企業を買収して本当のグローバル企業になるという時にやったことは、グローバルで戦うための経営チームを作るということでした。
上場するまでの経営チームとは全く変わり、グローバル企業への挑戦に適したメンバーを揃えました。
そうすると皆が僕より優秀で、僕がやることがなくなりました。だから、筋トレをしたりアメリカに行ったりしています。
(会場笑)
内山 ただし、会社でやることがないというときはありましたが、僕の場合は喪失感というよりも「次のフェーズのあるタイミングで必ず自分が必要になるタイミングが来る。今はそのタイミングではない」という感覚を持っています。
そのために自分は今何ができるのかと考え、グローバルで戦える経営者になるためにスタンフォード大学に行ったりと、次に目を向けることができました。
そのために、あまり喪失感を感じずに済んだのだと思います。
後は筋トレです。
(会場笑)
筋トレをしていると筋肉が常に成長している高揚感があるので、次に何にチャレンジしようかという気持ちになれます。
20年後の会社を考える時間を割けるのは社長だけ
横山 僕は今、タイミング的に内山さんがいまお話された状態と同じことを感じたタイミングがありました。
経営管理部を入れると事業部が4つあるのですが、かなり権限委譲しています。
これまで私がプロダクトに関わってきて、かなりトップダウンだった組織から、フラットな組織に変わってきたときにそれを感じました。
10年後、20年後も成長し続ける組織を作っていくためには、ということをテーマにした時に、そのテーマを真剣に考える時間が割けるのは社長だけだと思います。
そのために如何に最強の組織を作るか、ということが僕が最近のテーマになっています。
それとは別に新しい事業を作るということももちろんありますが、僕もそのようなタイミングになっています。どこに舵をきるのかというタイミングです。
秋好さんもそのようなことがあったのではないかと思うのですが。
(右から2人目)株式会社Nagisa 代表取締役社長 横山 佳幸氏
秋好 僕はエンジニアですし、どちらかというと全部自分でやりたかった派なので最初は喪失感だらけでした。
例えばトップページ1つとっても、僕の知らないところで変わっていたりすると非常に悲しいです。勝手に変えるなよ、という気持ちから変更に駄目出しをしてしまいました。
しかし、テストをすると僕が作ったものより結果が良くなったりします。
そのように最初は寂しかったのですが、できることが増えたという見方をすると嬉しいです。
1人でやっていた時にできたことが1だとすると、50人くらいでできることは、感覚的には3です。しかし、100人になると、10や20できるようになります。
今は30くらいできていると思います。
秋好 秋好という個人としては経理の帳簿から何から本当は全部やりたい思いがありますが、社長として見ると、経営としてやれることが非常に増えています。
ビジョンに近づいていますし、そこは立場を変えるとハッピーになれるので、そちらの立場で考えるようにします。
後は筋トレをしてごまかしています。
(会場笑)
横山 筋トレと言えば、大丈夫みたいな雰囲気になっていますね(笑)
井上 (笑)、ありがとうございます。
では、続いての質問をお願いします。
質問者(吉岡氏) ウィルゲートの吉岡です。貴重なお話ありがとうございます。
BtoBの事業領域ですと、グローバル展開する際の壁が大きいと思っています。
米国企業を買収して、その会社を通じてそこからグローバル展開の足場にされたと思います。
そのご経験を踏まえた上で、お伺いしたいです。
まだ海外展開していないBtoBの会社が、海外展開したい場合、どうアドバイスされますか。
最初に拠点を作った方がいいとか、買収した方が経営ボード等を含めて現地のタレントが揃うので効率的だ等、ご意見をお伺いしたいです。
買収企業の米国人社長の方をクビにされたというエピソード等も頂きましたし、1から価値観の合う仲間を海外でリクルーティングした方が良いのか、といったことも考えました。
ご意見をお伺いできればと思います。
BtoB企業の海外展開の始め方
内山 僕はまだM&Aをするという方法でやりきっているわけではないので、これがベストかは分かりませんが、とても良い手だと思っています。
例えば、いま自分が徳島にいるとして、徳島で日本のITを変えると言っておきながら、東京での人脈も情報もない中で田舎でやっていても、成功できるわけがありません。
やはり東京に出てきて、このようなカンファレンスで色々な人と会って情報をもらい、インスピレーションを得ます。
だから日本にいながらにして海外展開を0からやり、人脈を作るのは時間がかかりすぎると思います。
だから、僕はM&Aはグローバル展開するのに非常に重要な手段だと思っています。一瞬にして事業とサービスと人とお客さんを手に入れられるからです。
僕がやった上での反省点としては、買収した後その会社に飛び込んで入り込むことをしなかったことです。
それをとても反省しています。今は、やるべきだったと思っています。
今の事業の中で一番優秀な人を、買った会社に送り込むくらいの覚悟がいると思います。
井上 最初に買ったときにあまり踏み込めなかったというお話がありました。
やはり経営者として相手を尊重したいというジレンマといいますか、どこまで踏み込んで良いのかについては難しいところがあったのでしょうか。
内山 「自分たちは分かっていない」ということが分かっていました。
しかし、分かっていないからといって任せて放置していては駄目で、分かっていないからこそ教えてもらい、キャッチアップしていく必要があります。
そのときに僕たちが分かってくれば、相手の価値をさらに高められるということをキープしておかないといけません。
当時は、コンプレックスからとても遠慮してしまったと思います。
井上 任せるにしても分かった上で任せないといけないですね。分からないで遠慮して任せるというのは駄目だということですね。
内山 はい。
井上 ありがとうございます。では、続いての質問をお願いします。
(続)
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続きは 【問】経営幹部の感情やプライベートにどう向き合うか? をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/本田 隼輝
【編集部コメント】
社長も他の社員と同じ立場で獅子奮迅することも多いシーズ期やアーリー・スタートアップ期には忘れてしまいそうですが、会社の10年、20年後の将来を考えられるのは社長だけだということを、グロース・ステージ期などには思い出すことが大事なのですね。(横井)
続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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