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2月18日~21日の4日間にわたって開催されたICCサミット FUKUOKA 2019。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。第2回目は、開催前夜の2月18日、福岡市長も訪れたWITH THE STYLE FUKUOKAでのオープニング・パーティやスタッフ前夜祭の模様をお伝えします。ぜひご覧ください。
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをご覧ください。
新しいビジネス、産業創出を試みる福岡市
いよいよ開催前夜となる2月18日、福岡のWITH THE STYLE FUKUOKAでは、オープニング・パーティが始まろうとしていた。開始時間は19時。ゲストが続々と集まってくるなか、スタッフの間には緊張が走っていた。
福岡市長の高島宗一郎さんが6時55分頃、会場に到着するという情報が入っていたからである。高島さんの指揮のもと、福岡市は国家戦略特区の第一弾としてグローバル創業や雇用創出のスタートアップ特区として、他の自治体にない型破りな改革を続けている。
その結果、スタートアップ開業率は4年連続7%台、主要観光スポットのWi-Fi環境整備、スポーツイベントの誘致などを積極的に行い、人工増加率は東京を抜いて1位、地価上昇率は東京や大阪の約2倍に上昇している。政令指定都市で唯一5年連続で税収が伸び、直近の平成30年度「住みやすさ」の満足度が3年連続で97.1%、住み続けたいという回答も92.8%と、市民の支持も高い。参考までに東京都世田谷区の同調査ではそれぞれ82.5%、79.3%だ。
日本中でも、ICCサミットに集う方々ともっとも親和性の高そうな、リーダーシップにあふれ、イノベーティブな自治体の長である高島さんは、スマートニュース瀬尾さんのご紹介でスケジュールを縫って顔を出してくださることになった。
時間きっかり。高島さんが到着したという情報が入った。まずは控室でICC小林が挨拶させていただき、その後、会場へお連れすることになった。
福岡市長の高島さんが来場
会場はそんなことも知らず、早くも盛り上がっていた。今回、380名程度の参加を見込んでおり、2会場+αの会場をおさえていたのだが、開始前とは思えないほど来場いただいている。そのなかにLEXUSの工場見学に参加したGRAの岩佐さんを発見した。
岩佐さん 「製造はロボットがおそらく全部できるのだろうけれど、匠の技の領域をあえて残しつつ、ブランディングをしているのが見えました。そこがよかったですね。1つの作業工程で日本だと60秒、カナダだと250秒かかるものがあるそうです。そのぐらい宮田工場のオペレーションや仕組みのレベルが高い。最高でした」
興奮さめやらぬ面持ちだ。そこへ、高島市長がICC小林に誘導されて会場に入場した。
ICC小林 「重要審議があってご多忙ななか、福岡市長の高島さんにお越しいただきました!」
会場にいた人たちの注目が、一斉に壇上に集まる。拍手が起こった。
高島さん 「ICCで福岡にお越しのみなさんこんばんは!
(会場から一斉に「こんばんは!」)
ようこそ福岡にお越しくださいました。ICCは福岡3回目開催ということで、非常に嬉しく思います。会場のなかには、知っている人もたくさんいます。
Co-Creation、みんなで産業を創っていこうというのがICCのテーマかと思うのですが、それが福岡の都市戦略でも強く思っていることであります。
みなさんの生み出すビジネスモデルやテクノロジーは、いまの法律ができたときに想定されていなかったものが多いです。シェアリングもそうだし、テクノロジー分野もどう判断したらいいのかわからないものが多いです。
福岡市は政令指定都市であり、プラス国家戦略特区で、国の法律も、福岡エリア限定で破っていこうという特権を持っています。そういう新しいビジネス、産業をまさに、都市として創っていこうというのが福岡市なわけです。
福岡市で、他ではできない規制を破るこんな新しいビジネスをやってみたいという提案、このテクノロジーでこういうサービスをやってみたいという提案、もしくは自分たちで全部やるから地元の調整だけしてくれというときなど、どこに連絡すればいいのかわからないということがありますよね。
福岡市にはmirai@(ミライアット)という窓口があります。そこに送ってくれたらあとの仕分けは全部こちらでやります。そこから生まれたシェアリングの携帯充電サービスを、明日リリースします。
ここにいる人は、海外にもガンガン行って、日本ではまだできないことが多いと歯がゆい思いをしている人が多いと思います。よその国の状況を見て、もしかして日本は今、後進国になってるの?と感じる人も多いのではと思います。
そういう想いを、民間ベースでプラス、行政も、政治も一緒になって打ち破っていけたらいいなと思います。今回のICCサミットでも、素晴らしいCo-Creationが生まれることを祈っています!」
多忙のためすぐに会場を出られるとのこと、コメントをいただく間もなく高島さんは会場を後にした。ICC小林にあとから聞くところによると「よくこんなすごい方々を福岡に集められましたね!」と感心していたそうである。しかしパーティ出席者に既知が多いとのこと、官民一体で改革を進めるリーダーの守備範囲の広さを垣間見る思いだ。
前夜祭にして、異常な熱気
バルコニーでのバーベキューが始まり、もう一つの会場を開放して、パーティは2会場となった。前夜祭というのに、会場はすでにすごい熱気である。セプテーニの佐藤さんを発見した。
佐藤さん「コミュニティは、だいたい規模を大きくすると質が下がるのだけど、ICCは維持しているのがすごいなと思います。今回は、クラウドワークスの吉田さんのピンチヒッターとして登壇することになり、急に登壇数が増えました(笑)。質を落とさないように頑張りたいと思います!」
興奮さめやらぬLEXUS見学ツアー
身振り手振りで大きく盛り上がっている一角がある。中心にいるのは楽天の小林正忠(セイチュウ)さんだ。
セイチュウさん 「彼らは独自の哲学があって、それに対してめちゃめちゃ真面目に、忠実に、自分たちがやれることを徹底してやり遂げている。それがあるにも関わらず、常にベストを疑って、もっといいものがあるというふうに、さらに上を目指していく。
34万坪の工場の中に8500人の人がいて、その一人ひとりが誰一人緩むことなく、改善していこうというマインドセットになっているのが、肌で感じられる。
言うもの簡単だし、書くのも簡単だけど、本当にやっているのがよくわかる。本当にきれいだし、徹底されているし、我々のもてなし方もふくめ、たとえばいってみりゃ、一銭にもならない見学かもしれないのに、それにあそこまで全力で対応できるというのは本当にすごい」
LEXUS生産ライン 見学ツアーの感想を熱く語っている。
セイチュウさん 「8人で見学したなかに誰もレクサスオーナーはいなくて、買うサインをするわけではないけれども、質問したことに対してすべて懇切丁寧に解説していただいて。
案内をしてくださる方も、技術者でも営業でも本体の人間でもないのに、愛をもって熱をもって、よくこんな工程を覚えられますねと経営者がびっくりするくらい自分の言葉でTOYOTAウェイを語っていました。みんなからの質問が終わらなかったです」
今回初参加のセイチュウさんは、プレイベントのパネル・ディスカッションにもご参加いただき、まるで以前からいたように、この場に馴染んでいる。岩佐さんも語っていたように、日本とカナダの工場の作業時間の差に、セイチュウさんも注目していた。
セイチュウさん 「宮田工場の人がカナダの工場で作業を見ると、止まって見えるらしい。たぶんカナダで63秒でやることを求めていないのです。楽天でもグローバルで展開したときに、それぞれにあったローカライズが必要なのだろうというのを感じました。日本を代表するグローバル企業の片鱗を肌で感じました。
TOYOTAに関する本はたくさん読んできましたが、やはりラインを実際に見て、肌で感じるのは素晴らしい貴重な体験だなと思いました。やはり現地現物です。
何よりも大事なのは、商品のクオリティであり、安全。一日の出荷量1915台を出すことよりも、完璧なものを出荷することがプライオリティが高いということが全員がわかっている。これが意外にできるようでできていないことです。
僕、3時間ぐらいいくらでも語れますよ! 今日行ったメンバー8人でパネル・ディスカッションをしたら、聞いている人何割かがLEXUSを買おうと思うんじゃないかな!? みんな空で言えるくらい数字が頭に入っていますよ!」
「感動したところ多すぎて困りません?」いつのまにか、小林さんの後ろに立っていたベースフードの橋本舜さん。今日参加した8人のうちの一人だ。
橋本さん 「よかったことを3つ上げると、1つ目は、社員さんすべてに思想やノウハウが徹底されていること。2つ目は、あの規模とシステマチックさが両立しているところ。3つ目は、完璧なのに改善し続けていることです。
TOYOTAはすごいと、大手メーカーの役員の方に言われたことがあります。そのすごいというのは、改善方式ではなくて、改善方式を教え込んだことがすごいと。改善方式はすぐに真似できるけれども、結局参入障壁は教育なんだということです」
セイチュウさん 「ラインを完全コピーしても、絶対に他社ではできない。頭だけでなく、心で理解しないと。それにしても……なんだろう、あんなに完璧なのに、ロボットがガンガンやっているのに、最後の最後は人。めちゃめちゃ人よりなんですよ」
橋本さん 「人間とAIの共生の姿をあそこで見事に表していますよね。宮田工場の人たちは、アメリカの人みたいに機械反対、機械は人間を殺す、と言わないと思う。結局思想の問題だと思います」
すでにセッションさながらの議論が宮田工場と往復の道のりで行われたそうだ。その後橋本さんは、楽天の北川拓也さんと小林さんが、子どものようにしゃがみこみ、車体についた傷を一生懸命探している写真を見せてくださった。
見学ツアーは、2月21日の午前と午後のあと2回を実施することになっている。少なくとも1回目は大成功、私たちが下見で受けた感動を、それ以上の感動と学びとして、受け取ってくださっていた。
▶下見ツアーレポートはこちら
【LEXUSのモノづくりの真髄を体験】LEXUS生産ライン 見学ツアーを一足早く体験してきました!
「この場所は、握手したい人だらけです」
さまざまな場所で会話が盛り上がるなか、ソラコムの玉川さんに今回のICCサミットについて楽しみにしていることをうかがった。
玉川さん 「今回はフルコミットで3個登壇して、木曜はLEXUSの工場に行きます。僕、オーナーなので行かなきゃいけないと思っていたので、楽しみです。もともとソラコムは未来創生ファンドに出資いただいていたので、そのつながりもあってLEXUSを購入して、気に入っています。見に行けるのがうれしいです。
僕らはスタートアップで、KDDIにM&Aされているので、スタートアップと大企業の両方の視点を持っています。今回、Hondaとのワイガヤのディスカッションにも参加しますが、大企業でどうイノベーションを起こすかという議論ができるのが、個人的に楽しみです。
ICCは毎回新しい取り組みがあるのがいいですよね。多くの参加者が登壇者というのもすごいです」
楽しそうな笑顔を見せていたのは日本マイクロソフトの澤 円さん。「時間と距離は絶対変わらないもの」という話をしている。最新の著書『あたりまえを疑え。 自己実現できる働き方のヒント』でも、それをいかに有意義に使うかを紹介しているが、そのなかでICCサミットに時間を割いていただく理由をお尋ねした。
澤さん 「ICCは来る意味があるから来ています。僕は空間を共有したい人に対してだけ、時間を使って距離を縮めてまで会いに行きます。握手やハグは、いないとできません。この場は、握手したい人だらけです」
そう話す間にも、次から次へと澤さんのところへ、握手やハグを求めてくる人が次々にやってくる。
澤さん 「ICCで会える人たちは、それぞれのフィールドですごく戦っていて、その合間に集まっている。超多忙な人たちにまとめて会える。来ないわけにはいかないでしょう?
今回は、スタートアップ・カタパルトの審査員と、Session 5Bの『今さら聞けない! 経営者が身につけるべき「伝える力」「リーダーシップ」とは何か?』に登壇します。今回ヤフーの伊藤羊一さんと対立構造で議論しますが、実はお互いに結論は似ていたりするんですよね(笑)」
人は増え続け、料理は出されるそばからなくなっていく。会場側が用意したビール(よなよなエール)は、想定よりかなり速いスピードで消費され、別日のパーティ用まで前出しにしていくことになった。大音量の会話のために、会場のBGMがいつのまにか消されていた。
受付で記録したパーティ参加者は、想定を遥かに上回る421名となった。大盛況のオープニング・パーティは、翌日からの本番サミットの成功を予感させるのに十分なものだった。
スタッフ前夜祭での出し物は…
一方別会場で行われていたスタッフ前夜祭。オープニング・パーティの運営以外のスタッフと、展示企業のスタッフの方々30名が参加したこちらの会場もかなり盛り上がったようだ。運営に加えて新ミッションとして加わった各会場からの出し物は、各チーム無事にやり遂げていたようだ。終了後ヒアリングしてみると……。
飲料展示チーム 清水さん、柳林さん「ICCポーズのものまね」
ふたりの軽妙な漫才風掛け合いでスタート。ビールの話に始まり、Facebookでの運営チームのグループスレッドで毎日ICCパートナーズが投稿している、ランチ時の社員のICCポーズを鋭く分析。グーが遠い、ひじが上がり気味など、特徴をとらえたポージングに大盛り上がり。
受付チーム 相澤さん、能任さん「新元号を考える」
20の漢字の中から、ICC北原が2つ選び新元号を勝手に決定。選ばれた新元号を当てるクイズを出題。
勝手に決定した新元号、正解は「美創」。「創」の字が入っているところがICC風だ。アイデアあふれるクイズに拍手喝采がわいた。
会場担当チーム 三輪さん&各会場からのコラボで「ICCサミット、大変なことが起こったときの対処法」
たとえば、登壇者がかっこよすぎて鼻血が出てしまったときは、ティッシュを会場に用意してある、椅子が足りないときは、筋トレしているB会場の津田さんが椅子の代わりになる、など。「大丈夫、想定しています」のキャッチフレーズで、万全の運営体制をアピール。
メディアチーム 尾形さん、本田さん「メディアチーム元卓球部員が贈る 細かすぎて伝わらない『世界卓球』名プレーヤーものまねシリーズ」
出し物などを最も苦手とする黒子隊、メディアチームの二人による渾身のパフォーマンス。誰の理解も求めない真顔の実況&実演が、仲間たちの度肝を抜いた。「3日間やりきるという意気込みを見せてもらった」との感想も。自信を得た二人は「ネタはまだある」と不敵な笑み。
スピーカー誘導チーム 高井さん、佐藤さんによる「筋肉体操」
ICC小林が「筋肉体操だ!」と適当に言ったのを真に受け、前夜のプレ飲み会のときでも「やっぱり筋肉体操かなぁ…」と、真面目に悩んでいた佐藤さん。しかし写真を見る限り、みんなとても楽しそうに盛り上がっている。佐藤さん、よかったですね!
楽しんで、熱中することから学びが生まれる
オープニングパーティ会場から、スタッフ前夜祭に合流したころ、シメのスピーチが始まった。出し物の緊張感から解放されたせいか、みんな心底ホッとしたような笑顔になっている。前回MVPの今井さんにマイクが渡った。
今井さん 「VOYGE GROUPから来ました今井です。前回スピーカー誘導で、今回は会場担当なのですが、また違った景色が見えて、僕自身楽しんでいます。
僕からは、マニュアルに書いてないことをひとつだけ言います。それは、楽しむ心を持つことが大事ということです。
僕らが楽しまないと、お客さんも楽しめない。僕らが楽しもう、熱中しようとするからそこから学びができたり、お話ができたり、価値につながると思っています。僕が一番楽しめるという自信をもっています。僕より楽しんだ方が、今回MVPになると思います」
オープニングパーティから移動してきたICC小林が最後に一言。
ICC小林 「出し物って適当に言ったのに、がんばってやってくれて、なんかみんな、今回すごいね?どうもありがとう。
明日から本当に怒涛の数日間が始まります。体調だけは、無理しないようにしてください。集中力が問われる場面が続きます。今日のオープニングも非常に盛り上がったので、明日もいい雰囲気になると思います。明日からがんばっていきましょう!」
スタッフも本当にいい雰囲気だ。緊張感あるなか、笑顔でいこう、精一杯楽しんでやりきろうという気持ちでひとつになって、開催前夜が終わった。
(続)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子
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