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ICCサミット KYOTO 2020 スタートアップ・カタパルト 総集編に登壇いただいた、WAmazing 加藤 史子さんのプレゼンテーション動画【インバウンド需要は必ず回復する! 観光産業の拡大に備え、100名超のチームを維持する「WAmazing」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2021は、2021年2月15日〜2月18日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2020 プレミアム・スポンサーのTokyo Prime にサポート頂きました。
▶【ICCサミット10回開催記念特別企画①】歴代スタートアップ・カタパルト優勝・入賞者が再登壇!ライブ中継もあります!(ICC KYOTO 2020)
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【登壇者情報】
2020年9月1〜3日開催
ICCサミット KYOTO 2020
Session 8A
第10回開催記念特別企画 STARTUP CATAPULT 総集編
Supported by Tokyo Prime
加藤 史子
WAmazing株式会社
代表取締役社長/CEO
慶應SFC卒業後、リクルートにてインターネットでの新規事業立ち上げに携わった後、観光産業と地域活性のR&D部門じゃらんリサーチセンターに異動。主席研究員として調査研究・事業開発に携わる。2016年7月、訪日外国人旅行者による消費を地方にもいきわたらせ、地域の活性化に資するプラットフォームを立ち上げるべくWAmazing株式会社を創業。
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加藤 史子さん WAmazing株式会社の加藤です。
2020年4月、訪日外国人旅行者数は昨年対比99.9%減に
WAmazingは訪日外国人向けプラットフォームサービスを提供しています。
皆さん、「あれっ?」と思いませんか?
そうです、2020年4月、訪日外国人旅行者数は、昨年対比99.9%減となりました。
日本が訪日外国人旅行者数の統計を取り始めたのは1964年からです。
前回の東京オリンピックが開催された年ですが、それ以来、過去最低、初めての数値となっています。
コロナ禍の後、インバウンド需要は回復するのか?
そこで、「コロナ禍の後、インバウンド需要は回復するのか?」
訪日インバウンド市場は必ず回復します。
ただし、ちょっと時期はまだ分からないというところです。
訪日外国人の75%は中国・韓国・台湾・香港からの観光客
その理由をお話しします。
こちらのスライドは、2017年と2018年の訪日外国人旅行者の国別の内訳です。
中国、韓国、台湾、香港までの4地域で75%を占めています。
日本に来ている外国人旅行者のほとんどがアジアの方です。
訪日インバウンド市場が必ず回復する理由
そして、訪日インバウンド市場は、「豊かさ×近さ×人口」、この3つの要素で構造的に増えていくと思われます。
この理由を少し説明します。
こちらのスライドは縦軸が「1人当たりの経済力、1人当たりGDP」、横軸が「訪日の容易さ、簡単さ、近さ」です。
新型コロナウイルス感染症の流行初期によく言われましたが、「旅行」は不要不急のものです。
経済力がある程度ある人、つまり衣食住に困っていない、満ち足りた人でなければ、「旅行に行きたい」「旅行に行こう」とはなりません。
ですから、縦軸にある「経済力」が大事になってきます。
そして、横軸にあるのは「近さ」です。
物理的に人間が移動するということが観光なので、近いかどうかで大きく変わります。
そして、母数となる人口を見ていただくと、一番左上の、「近くて、豊かな人たち」という4地域が、先ほどの75%を占めている訪日外国人市場であることにお気づきになると思います。
しかし中国は人口が14億人ですが、まだ0.6%しか来日していません。
パスポート保有率約1割の国です。
そして、世界第4位の人口を誇るインドネシアをはじめ、アジア諸国にはまだまだ人口が多い国があります。そして21世紀前半に最も経済成長するアジア諸国から一番近く、旅行先として目的地にしたい国が日本なので、必ず回復する市場であると考えています。
2030年、観光業がGDPナンバーワン産業になる可能性も
2020年6月に首相官邸で開催された、観光戦略実行推進会議に出席させていただきましたが、目の前で菅義偉官房長官(当時)も「(訪日外国人数を)2030年に6,000万人、(訪日外国人旅行消費額を)15兆円の目標は変更しない」と明言されていました。
そして、この2030年にインバウンド旅行者による消費額15兆円が達成された場合、現在の日本人による日本国内旅行消費額の20兆円と合わせると、合計35兆円の産業規模になります。
これは、日本のGDPの中で第1位、達成されればナンバーワン産業が観光業になります。
そして、スライド左の124万円というのは、日本人が1人当たり1年に旅行に消費する金額の平均値です。
こちらに対して、外国人旅行者は1回15万円を使っていますので、9人呼ぶことが出来れば、1人の人口減少の消費を補える、これが観光による地方創生の内訳です。
そして、「ペティ=クラークの法則」を聞いたことがありますでしょうか。
これは、国が発展するにしたがって、労働者の従事する産業の比率が第一次産業から第二次産業、第二次産業から第三次産業へと移り変わっていくというものです。
江戸時代の日本は、ほとんどの人が農業や漁業に従事していたようです。
しかし、今の日本は全労働者の7割以上がサービス産業に従事しています。
観光産業は地域に雇用と消費を生む
そして、観光産業はサービス産業です。
例えば第二次産業のメインである製造業の場合、日本で自動車を生産して、タイに輸出しているうちにタイに工場を造ったほうが早いということで、産業の空洞化が起こります。
しかし、観光の場合は、京都の観光をタイでやるわけにはいかないので、全く空洞化しません。
そして、地域に雇用と消費を生む、それが観光産業です。
この観光産業をコロナ禍で潰してしまうのはもったいないということで、WAmazingはこのインバウンドプラットフォーム事業を引き続きやっております。
新規事業・コスト削減でインバウンド需要回復期に備え
ただ、今は100名超のチームを維持しながら、インバウンド需要回復期に備えるというフェーズです。
WAmazingも1月と比べて、4月は98%売上ダウンとなってしまいました。
ですから、プラットフォームをピボットするわけではありませんが、今は誰も外国人旅行者の方が来ませんので、サービスをいったん休止状態にし、コスト削減、新規事業の立ち上げや資金調達などをやっております。
新規事業は、短期マネタイズ重視で受託型としています。
またプラットフォームサービスに乗り出すと、そこにかける投資金額が必要になりますので、まず目の前のお金をしっかり稼ぐことを重視しています。
外国籍社員の能力を活用して翻訳事業を開始
ところで、WAmazingは100名超の従業員のうち4割以上が外国籍社員です。
世界中の8地域から来日して、働いています。
そこで、このたび、彼らの能力を活かして、アジアローカライズサービスを開始しました。
▶訪日旅行需要減に対し、外国籍従業員の雇用を守るためWAmazing が翻訳(ローカライズ)サービスを開始(WAmazing)
簡単に言えば、翻訳事業です。
直接雇用のネイティブスタッフによる高品質な翻訳を、非常に低価格で、1文字6円という、クラウド翻訳や機械翻訳と同じぐらいの金額でご提供しています。
ぜひお仕事をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
他に行政自治体タイアップ事業やサービス開発、システム開発も行っています。
本当に皮肉なことですが、おそらく今期WAmazingは売上高としては最高を記録します。
それは、短期マネタイズにシフトしているからです。
コロナ回復後は「日本中を楽しみ尽くすAmazingな人生に」の実現に邁進!
コロナ禍から回復した暁には、必ず、「日本中を楽しみ尽くすAmazingな人生に」というビジョンの実現に向かって邁進していきたいと思います。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林弘美/戸田 秀成/SNOWLIGHT
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