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続いて登壇したのは、ReBuilding Center JAPAN東野 唯史さんと宮坂醸造24代目の宮坂 勝彦さんによる「長野・上諏訪チーム」。歴史ある諏訪大社や御柱祭で知られるこの地で掲げたテーマは、行政や大資本に依存しない「等身大のまちづくり」。古材再生のプロと伝統ある酒蔵という異色のタッグが、地元にどんな新しい風を吹き込んでいるのか。その独自の挑戦に会場の注目が集まります。ぜひご覧ください。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは中小企業基盤整備機構です。

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【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 6E 「ローカル・コネクテッド」(シーズン4) – ICC地域コミュニティを盛り上げよう!
Supported by 中小企業基盤整備機構
プレゼンター/メイン・スピーカー/モデレーター 一覧
(プレゼンター)
① 青森エリア(青森県)
中村 公一
クロックアップ
代表取締役
▶メイン・スピーカー
古井 茉香
Senbay
代表取締役
堀江 洋生
アワイ合同会社
代表社員
② 上諏訪エリア(長野県)
東野 唯史
ReBuilding Center JAPAN
代表取締役
▶メイン・スピーカー
宮坂 勝彦
宮坂醸造
社長室室長
③ 鯖江エリア(福井県)
内田 徹
漆琳堂
代表取締役
▶メイン・スピーカー
江澤 藍莉
SOE
RENEW事務局長
山田 美玖
SOE
工芸宿SUKU運営
④ 盛岡エリア(岩手県)
松田 文登
ヘラルボニー
代表取締役Co-CEO
▶メイン・スピーカー
板垣 崇志
一般財団法人ヘラルボニー財団
理事
(モデレーター)
荒木 珠里亜
白井 智子
CHEERS
代表取締役
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リビセン東野さんと酒蔵の24代目宮坂さんによる「上諏訪チーム」
荒木 では、上諏訪チームの皆さんの準備が整ったようなので、10分間お願いします。
東野 唯史さん(以下、東野) はい、長野県の上諏訪チームです。

よろしくお願いします。
まず、我々2人の自己紹介をしたいと思います。
僕は東野 唯史といいます。

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東野 唯史
ReBuilding Center JAPAN
代表取締役
84年生まれ。名古屋市立大学芸術工学部卒。 2014年より空間デザインユニットmedicalaとして妻の華南子と活動開始。全国で数ヶ月ごとに仮暮らしをしながら「いい空間」をつくりつづけてきました。 2016年秋、地域資源のリユースショップReBuilding Center JAPANを長野県諏訪市に設立。ReBuild New Cultureを理念に掲げ、次の世代に繋いでいきたいモノと文化を掬いあげ、再構築し、楽しくたくましく生きていける、これからの景色をデザインしていきます。 2022年に株式会社すわエリアリノベーション社設立し、諏訪の空き家活用を進めています。 2023年には「リビセンみたいなおみせやるぞスクール」の開催をスタート。全国にリビセンみたいなお店が増えて、みんなの地域資源が循環する仕組みづくりのサポートをしています。
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大阪、兵庫、福岡、名古屋を転々としてからバックパッカーを1年した後、2016年に地域資源のリユースカンパニー「ReBuilding Center JAPAN」を設立しました。
2019年にグッドデザイン賞のベスト100を頂いたり、ICCのカタパルトで2回入賞させてもらったりしていますが、優勝経験はないので、今日は頑張りたいと思います。
▶受賞ギャラリー(GOOD DESIGN AWARD)
よろしくお願いします。

続いて、僕から宮坂くんのことを紹介したいと思います。
宮坂 勝彦さんです。
創業364年の宮坂醸造の24代目です。
10年前にリビセン(ReBuilding Center JAPAN)の建物を紹介してくれた僕の恩人で、彼のおかげで僕は今リビセンの事業をできていると言っても過言ではないかもしれません。
海外で、「真澄」というお酒のブランドの周知を行った後、「7号酵母」を新しく解釈した商品開発やブランディング、流通改革などを行っています。
今日はこの2名で進めていきたいと思います、よろしくお願いします。
湖上花火が有名な諏訪
東野 諏訪と聞くと、皆さん、何をイメージするでしょうか。

一番有名なのは、もしかしたら諏訪湖かもしれません。

温泉も実は有名です。

そして花火大会(諏訪湖祭湖上花火大会)がすごく有名で、人口の10倍の人がぐっと押し寄せる1日になります。

それから、最近ニュースで出る、諏訪湖全体が凍る御神渡という現象があり、600年以上観測が続けられていますが、この8年は地球温暖化の影響で現象が起こっていません。

「御柱祭」、ロケ地として高い知名度
東野 あと、諏訪にもすごいお祭りがあり、日本三大奇祭の一つと言われる御柱祭は7年に1回開催されます。

これらは皆さんも知っているかもしれません。
エアコンで有名な霧ヶ峰は諏訪に実在しており、日本一のツーリングコースとも言われています。

映画『テルマエ・ロマエII』『怪物』のロケ地であり、『君の名は。』の聖地もありますので、“片割れ時”を楽しみにしてください。



来年の朝ドラ『巡るスワン』の舞台にもなり、諏訪は今すごく盛り上がっていると言ってもいいと思います。

全国25,000社の総本山「諏訪大社」
東野 (青森チームと同じく)僕も縄文の話をします(笑)。
縄文時代、青森に負けないくらい諏訪も、人と文化が集まる、日本有数の交流の拠点だったと言われています。

なぜかと言うと、黒曜石の産地だったのが理由の一つに挙げられます。

縄文のビーナスをはじめとする国宝級の土偶や土器が発見されており、美しい造形や祈りを捧げる文化が培われる特別な場所でした。
縄文時代は、生きることに必死だったと思うのですが、こういう文化が根付いたのが諏訪の特徴だと思います。
この、自然と暮らしが寄り添って祈りが成熟していく文化は、今でも諏訪大社として残っています。

諏訪大社は、全国に25,000社ある諏訪神社の総本山で、御柱を「依代(よりしろ)」としています。

御柱とは1200年以上、7年ごとに更新し続けられているこの柱です。

本殿を持たない自然信仰の源流を伝え、豊作や安全を祈る神聖な大木として扱われてきました。
五穀豊穣を祈願する伝統的な祭事「御頭祭」
東野 自然と人が契約を結び直す祭りとして、「御頭祭(おんとうさい)」というお祭りが行われてきました。

鹿の頭が見えると思います。
五穀豊穣を祈願する伝統的な祭事で、かつては75頭もの鹿の頭が生贄として供えられてきました。
この御頭祭を仕切っていたのが、神と人をつなぐ媒介者である守矢家であり、彼らが続けてきていました。

守矢家は今でも在り、役割や世界観を表現した場所として、神長官守矢史料館があります。

諏訪出身である建築家の藤森 照信さんの、最初の作品であり、諏訪における人と自然の関係性がとても素直にデザインされた建築だと思います。
▶建築家・藤森照信(環境省)

諏訪には、藤森建築がすごくたくさんありまして、歩ける範囲にこれだけあります。

ぜひこれらも体験してもらえればと思っています。
そんな諏訪大社の祭りや神事に、地元の酒として長く寄り添ってきたのが宮坂醸造の真澄です。

宮坂さん、お願いします。
諏訪大社の御神酒を飲みながら造り続ける宮坂醸造
宮坂 勝彦さん(以下、宮坂) ご紹介いただきました、真澄を製造している宮坂です。

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宮坂 勝彦
宮坂醸造
社長室室長
1985年生まれ。酒蔵のある長野県諏訪市で育ち、大学進学に伴い上京。大学卒業後、都内の百貨店へ入社。2011年 家業である宮坂醸造株式会社へ入社し酒造りを学んだのち、英国における真澄の販売代理店 World Sake Importsにて研修。帰国後は1946年に発見された七号酵母への原点回帰を起点とした商品改革、流通改革などに着手。
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「真澄」という日本酒を造っているのですが、真澄という名前にも、諏訪大社と非常に強いつながりがあります。
諏訪大社の宝物の一つである、「真澄の鏡」が由来です。

1662年創業で、360年以上にわたり、諏訪大社の御神酒を造る事業をずっと続けてきました。

諏訪の水と空気、そして人と共に、諏訪の風土を表す酒を造り続けてきました。
この、山に囲まれた諏訪で商売をしていた私どもも、決して順風満帆な歴史を持っているわけではなく、大きな変化があったのは1904年です。

当時、諏訪ではシルクを作る産業が非常に栄えていました。
シルクを横浜の赤レンガ倉庫に運んで世界に出荷するため国鉄中央線が延伸し、それによって外からの酒も入るようになって、一気に経営が傾く状況に陥りました。
当時つぶれそうだった蔵を継いだのが私の曽祖父ですが、彼は、生き残っていくためには品質に立ち戻り、品質第一の酒造りをするしかないと考え、今の真澄があります。

外に出て、いろんな地域のさまざまな酒蔵で学び、それらを持ち帰って真澄の品質を少しずつ高めていきました。
今でも行われている全国新酒鑑評会という日本酒のコンテストがありますが、品質第一で造った真澄が1940年代に上位入賞することによって有名になっていきます。
▶歴史(宮坂醸造)

高い品質の理由の一つが、我々の真澄の蔵で発見された「7号酵母」でして、これが今に至るまで多くの酒蔵で使われています。
外とつながって新たな価値を見出し、同時に我々自身の過去を見つめ直してきたからこそ今の真澄があると思っています。

私も今から12年前に蔵に戻りましたが、自分たちがもともと持っているものと、外とつながることを合わせて、今の真澄の品質を作っています。
諏訪という地域は、もともと湖が真ん中にあって周りを山に囲まれているので、比較的一次産業が少なく、外の地域と交易によってもの、そして産業を作り続けてきました。

我々は、これからもそれを体現していきたいと思っています。
古材や古道具、空き家を再生するリビセン
東野 10年前にReBuilding Center JAPANができました。

僕もご縁があって、2014年に諏訪に移住してきました。
その前に訪れたアメリカのポートランドにある非営利団体のReBuilding Centerに影響を受け、2016年にReBuilding Center JAPANを立ち上げます。
リビセンでは近隣の空き家から古材や古道具を買い取る、「レスキュー」という活動をしています。
引き取るものは、そのままでは廃棄されたり、燃やされたり、自然に還ってしまったりするものばかりですが、引き取った後、釘を抜いたり、清掃や掃除をしたりして、値付けをして店頭で販売します。
また、加工してオリジナルのプロダクトを制作したり、空間デザインに使用したりしています。
私たちはこのように、次世代につないでいきたいものや文化を掬い上げて再構築し、楽しくたくましく生きていけるこれからの景色を作っていくため、「Rebuild New Culture」というスローガンを掲げています。
リビセンでは古材や古道具、空き家といった地域資源をただ保存するだけではなく、編集してもう一度暮らしの中へ戻しています。



この地域から、年間700件以上のレスキューを行って、その流れの中で、徒歩5分の範囲内に、このようなお店が30件以上増えました。



若者に人気のカフェ、沖縄からの移住者が始めた古書店、創業110年のパン屋、ウェディングやフェスのデコレーションで人気の花屋、いいものがさっと買えるわざマート諏訪店があり、さらに、わざマートの上にはマイクロホテル(mitaya micro hotel)があります。






諏訪といえば麻婆豆腐と言われるようになってしまいましたが、人気の麻婆豆腐屋(麻婆食堂 どんどん)があり、(ICC代表の小林)雅さんご一家に来ていただいた時もご案内しました。


「何で麻婆豆腐?」と言われたのですが、美味しいと言ってもらえました。
最近、オランダのパンケーキ、「ポッフェルチェス」の専門店(Hoppe ポッフェルチェス)ができました。

ポッフェルチェスを知っている人は多分いないと思うのですが、蕎麦粉を使った伝統的なパンケーキでとても美味しいです。
東京の有名店、ル ブルターニュから独立したガレット屋(crêperie Caline)など、お店が次々と増えてきています。

元気な老舗もいっぱい残っており、真澄を中心に造り酒屋が5蔵残っています。


これらが全部徒歩圏内にあるので、もっと楽しめるように、ぐるぐるバザールという資源の循環が楽しめるイベントを開催しています。


リビセンだけではなく、多様な文化のあるまちに育ってきているかなと思います。


行政にも大きな資本にも頼らない「等身大の挑戦」
東野 ナショナルチェーンストアが入ってこない小さなエリアだからこそ、個人の挑戦が重なって新しい文化の兆しが出てきています。
その取り組みに共感した人たちがたくさん集まってきて、全国の70事業以上がリビセンのような店を作りたいと言って、広がっています。


諏訪を中心に始まった諏訪神社や7号酵母と同じように、諏訪から始まったリビセンみたいなお店が全国に増えていっています。

行政にも大きな資本にも頼らない、等身大の小さな挑戦を積み重ねていくことで、まちの風景が少しずつ変わってきました。

シャッターが閉まり、人通りが少なかった通りに、リビセンをはじめ、いろんなお店が入ることで多様な楽しいエリアになってきています。



この魅力に惹かれて、移住者もすごく増えている状態で、空き家や古材といった扱いづらい地域資源もしっかりと価値を生み出していくことで、まちの景色を積み重ねていっています。



ツアーの内容まで案内できなかったので、ぜひ質問してもらえればと思います。
(会場笑)
よろしくお願いします。
白井 上諏訪チーム、ありがとうございました。
では、会場の皆さん、質問をお願いします。
(続)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

