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1週間分の冷蔵おかずデリバリーで、家庭に時短と豊かさを届ける「つくりおき.jp」(ICC FUKUOKA 2024)

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ICC FUKUOKA 2024 カタパルト・グランプリに登壇した、Antway 前島 恵さんのプレゼンテーション動画【1週間分の冷蔵おかずデリバリーで、家庭に時短と豊かさを届ける「つくりおき.jp」(ICC FUKUOKA 2024)】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2024は、2024年9月2日〜9月5日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。

【速報】不要品の回収から選別・再流通まで一気通貫の循環インフラを構築する「PASSTO」(ECOMMIT)がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC FUKUOKA 2024)


【登壇者情報】
2024年2月19〜22日開催
ICC FUKUOKA 2024
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング

前島 恵
Antway
代表取締役社長CEO
HP | X(旧Twitter)

2015年4月 リクルートホールディングス(現:リクルート)に新卒入社。新規サービスのFE/BEエンジニアを経て、保険系新規サービスの開発統括、美容系予約サービスの開発統括に従事。 2018年4月よりビジネスサイドに異動し、新規事業立ち上げに従事。 2018年12月 リクルートを退社し、株式会社Antwayを創業。「あらゆる家庭から義務をなくす」というミッションを掲げ、つくりおき.jpを運営中。


前島 恵さん 時短と豊かさを両立し、家庭のギクシャクを解決する、「つくりおき.jp」の発表を始めます。

仕事+家事でギクシャク

近年、日本では共働き世帯が急激に増加しており、1,250万世帯を突破して、なお増え続けています。

専業主婦世帯と共働き世帯(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)

そんな共働き世帯の一番の悩み、それは「家事」です。

女性は平均1日3時間を家事に費やしており、その中でも60分を食事の準備に費やしています。

仕事に加えて家事もやらなければいけないので、時間も心も余裕がなくなって、ギクシャクする家庭が増えているのです。

すなわち、キャリアを築いてしっかりお金を稼いでも、それは家庭の豊かさや幸せとは矛盾しているという現状があります。

この会場の皆さんにも、忙しいゆえ、「今日もまたこれ?」「なんでも良いよ」などと言って、パートナーを怒らせた経験のある方は多いのではないでしょうか?

「時短」と「豊かさ」を両立したいという思い

そんな状況を改善するために、既にいくつかのソリューションがございます。

せっかくなので皆さん、食事の準備が面倒な時にどんなソリューションを選択するか、クイズに答えてください。

Aは5分温めれば完成するチャーハンやうどんのような冷凍食品、Bはデリバリーで5分温めれば完成する美味しそうな手料理、どちらが良いでしょうか?

Bを選んだ方が多いと思います。

では、こちらはどうでしょう?

Aは家事代行で赤の他人が自宅に入って作る美味しそうな手料理、Bはデリバリーで5分温めれば完成する美味しそうな手料理。

この場合も、Bを選んだ方が多いのではないでしょうか。

それはなぜか?

誰もが、時短を実現したいだけではなく、「時短」と「豊かさ」を両立させたいからだと思います。

冷凍食品は罪悪感があり、家事代行は人が家に入る心理的負荷があるため、この2つだと時短と豊かさが矛盾してしまうのです。

豊かさと時短を両立するための4つの必要条件

そうした時短と豊かさの矛盾を解決し、家庭のギクシャクを解決するサービス、それが「 つくりおき.jp 」です。

「 つくりおき.jp 」を作るために、50家庭以上にインタビューを実施し、どんなサービスであれば受け入れられるか探りました。

その結果、「冷蔵長期保存」「サブスク」「週替りメニュー」「デリバリー」という4つの必要条件が解明されました。

冷蔵長期保存であれば、受け取りの手間が週1回で済み、また、冷凍ではないので罪悪感もありません。

一方、デリバリーの週替わりメニューであるため、他の手段を検討しなくても全てお任せできます。

人が家に上がらないので、精神的負荷もありません。

こうして、豊かさを維持しながらも、時短が実現できるのです。

一度注文ボタンを押すと、豊かさを維持しながら食事の手間をすべて忘れられるサービス、それが「 つくりおき.jp 」です。

絶対に無理と言われた「週替り×冷蔵×大量製造」

必要条件が分かったあと、「 つくりおき.jp 」の商品を作ってくれる工場探しを開始しましたが、それは世界には存在しませんでした。

なぜなら、週ごとにメニューを変えるということは、人の手がかなり必要であるということです。

一方、たくさん作るためには、機械化、一律化が必要です。

機械化とたくさんのメニューを作ることは完全に矛盾しており、これらが同時に可能な工場は世界に存在しなかったのです。

「週替り×冷蔵×大量製造」の組み合わせは狂気の沙汰であり、絶対に無理だと、たくさんの工場長に言われました。

私はソフトウェアのエンジニアだったので、エンジニアが現場に入ってプロセス設計とデータ活用をしっかり行えば、必ず実現できるという確信が私にはありました。

既存工場の問題① 製造の「三体問題」

既存の工場には、大きく2つの問題点がありました。

一つは、製造の「三体問題」です。

物を扱うからこそ事業のKPIが非常に多く、満足度、食材原価、人件費などのKPIを同時に満たすメニューを継続的に生み出す必要がありますが、これがなかなか難しいのです。

これは、飲食業が儲かりにくい理由でもあります。

既存工場の問題② 機材・プロセスの柔軟性

もう一つは、機材・プロセスの柔軟性です。

先ほど申し上げた通り、毎週変わるメニューを機材で受け止めなければなりませんが、そのような柔軟な機材やプロセスが、この世には存在しなかったのです。

これらの問題を解決するために、設計と改善を繰り返しながら、31億円をかけて、4年間で4つの工場を造ってきました。

対策① 日付・目標原価入力でメニューを自動決定

三体問題は、データ活用とデータ分析の力で解決しています。

お客様満足度、原料、業務等のデータを活用し、そこから自動的にパラメータを最適化するモデルを構築しました。

例えば、このようなツールを作りました。

日付と目標原価を入力すると、自動的に計算され、メニュー構成が決まります。

人間だと5~6日かかるくらいの計算量なのですが、AIがこなしてくれています。

対策② 独自の製造ラインを構築

機材、プロセスの問題には独自の製造ラインを構築して解決しています。

大量に作りながらも、メニューの柔軟性を受け止められるラインです。

また、毎週メニューが変わっても、即時に機械が習熟できる独自のレシピ形式を開発しました。

我々のレシピには、強火や弱火といった定性的な表現は一切ありません。

全て定量的な表記になっています。

機材の操作はタッチパネル式ですが、タッチ作業が可能な機材をドイツから探してきました。

営業利益率は一般的な食品製造業の6.4倍

高満足度、安定原価、高生産性により、一般的な食品製造業の6.4倍という高い営業利益率を実現しています。

リリースからわずか3.5年で、ARR35億円を既に突破しています。

お客様からも満足の声を頂いているので、ご覧ください。

(動画内音声)

篠原 健さん 「金額としては多分1週間、スーパーに行ってまとめ買いして買ってくる時とほとんど変わらないんですね、多分。

だけど考える時間とか調理する時間っていうのがもうなくなったおかげで、家族の時間がすごい多くとれるようになったんです。」

篠原 菜那未さん 「メニューを考えるとか、食事をバランス良く作るというプレッシャーから解放されたのが一番大きいです」

資金問題をフランチャイズ化でクリア

このサービスを一都三県から全国、そして世界へ広げていきたいと思っています。

しかし、ここでまた壁にぶち当たりました。

先ほどお話しした工場は、1つ造るのに4億円の投資が必要です。

これをエクイティとデットだけで乗り越えるのは、無理がありました。

そこで思いついたのが、フランチャイズ化です。

当社のノウハウを加盟法人に提供し、加盟法人には商品製造とお客様への提供を行ってもらい、当社はロイヤリティを得るというモデルです。

スタートアップにとって、フランチャイズ化は最強の資金調達手段でした。

エクイティやデットのように、利息や希薄化(※) するリスクはありません。

▶編集注:希薄化とは、増資などで発行済み株式が増加することによって1株当たりの価値が低下すること。

一方、集客など強い事業シナジーが期待できるのです。

製造拠点を地方に置き、雇用を創出

また、地方で作った商品を全国の都市部に配送すると、地方には雇用や食材仕入れが発生します。

地域経済にとっても、とても嬉しいサービスです。

営業開始からわずか半年で、既に3法人の加盟が決まり、それぞれ各4億円弱の投資を決定いただいています。

串カツ田中、料理宅配サービスと提携 総菜工場を新設(日本経済新聞)

食の領域から10兆円ブランドを生み出す

日本全国、世界にはまだまだ食事の準備で苦しんでいる人がいるので、このサービスを早く届けたいと考えています。

いずれ、磨き上げたプロダクトとオペレーショナル・エクセレンス(※) によって、衣食住の領域において、ファーストリテイリングに続く10兆円ブランドを生み出していきたいと考えています。

▶編集注:オペレーショナル・エクセレンスとは、企業がその価値創造のための事業活動の効果・効率を高めることで競争上の優位性を構築し、徹底的に磨き上げること(グロービス経営大学院)。

豊かな家庭とキャリアの両立をつくりおきで支援

僕の1つ前のチャレンジャーのSHE 福田 恵里さんと僕は、リクルートで同期でした。

彼女のような、家庭とキャリアを両立させたい方を今後も応援していきたいと考えています。

豊かな家庭とキャリアを両立し、家庭のぎくしゃく問題を解決するこのサービスを、全国に一緒に広げていきませんか?

応援よろしくお願いいたします、ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/森田 竜馬/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成

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