▶カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
▶新着記事を公式LINEで配信しています。友だち申請はこちらから!
▶過去のカタパルトライブ中継のアーカイブも見られます! ICCのYouTubeチャンネルはこちらから!
ICC FUKUOKA 2025 カタパルト・グランプリに登壇いただき5位に入賞した、CuboRex 嘉数 正人さんのプレゼンテーション動画【不整地でもスイスイ!労働力を補う自動搬送ロボットで製造業の現場を変える「CuboRex」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
▶【速報】アフリカから誠実な努力が報われる世界を!信用スコアで車両購入を支援する「HAKKI AFRICA」がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC FUKUOKA 2025)
▼
【登壇者情報】
2025年2月17〜20日開催
ICC FUKUOKA 2025
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
嘉数 正人
CuboRex
代表取締役
公式HP | 公式X
東京工業大学大学院 技術経営専攻 MOT 中退。2014年、個人活動で電車に載せられる電動バイク「ORIEV」、運搬一輪車電動化キット「E-cat kit」を開発。大手建設会社や水道管清掃業者、農家へ「E-cat kit」を販売。2015年 株式会社 HopeFieldを共同創業。獣害対策の効率化、電動運搬車の開発販売。狩猟免許を取得。2019年〜現在 株式会社CuboRex 代表取締役。
▲
嘉数 正人さん 「運ぶ。世界を変える。」、CuboRex(キューボレックス)です。

皆さん、重いものを運ぶ仕事をしたことはありますか?

レストランで広がる配膳ロボット派遣ビジネス
今、運ぶ仕事に大きな変化が起こっています、それはロボット化です。

5年前までは全く見かけなかったレストランのネコ型配膳ロボットは、たった5年で世界中に広がりました。

今や当たり前です。
このネコ型配膳ロボットは、ロボットを保有する企業からレストランに派遣されています。

実はこの領域は、パーソルやタイミーのような人材派遣業の市場と争っています。
これは、ロボット派遣業です。
配膳ロボットを派遣するビジネスは、わずか5年で世界中に広がりました。

ユニコーンが多数生まれています。
工場の「運ぶ課題」は山積み
配膳ロボットは、レストランの運ぶ課題を解決しましたが、まだ解決されていない、運ぶ課題があります。

工場での、運ぶ課題です。

工場には、重いもの、危ないものを運ぶ課題がまだまだたくさんあります。
ですが、工員は超不足しています。
求人倍率は驚異の2.6倍、国の調査では94%の企業が人手不足であると回答しています。

ものづくりが危ない、儲かっていても製造力を維持できなくなりはじめています。

不整地対応の自動配送ロボットを工場に派遣
我々は、レストラン業界で急速に成長したロボット派遣業のビジネスモデルを、工場に展開します。

ネコ型配膳ロボット派遣の工場版です。
ですが、工場の環境はレストランよりも過酷です。
床は油まみれ、段差だらけ、ネコ型ロボットは工場では使えません。

そこで我々は、新たな派遣ロボットを作りました。

不整地対応の自動配送ロボット「CuboRex AGV」(※) です。
▶編集注:AGVとは、Automated Guided Vehicleの略で、無人搬送車または無人搬送ロボットのこと。
狭い通路を行き来し1日4トンの金属くずを運び出し
これは工場での活用事例です。

左は従来の作業の様子で、加工中に出てくる金属くずを廃棄場へ運んでいます。
工場全体で、1日7時間以上、この作業をしています。
右は我々のロボットで自動化された様子です。
金属くずがたくさん溜まってしまう前に、自動でこまめに運び出して、廃棄します。
工場は通路が狭いので、このくらいこまめに運び出すのが重要です。
この工場では毎日、何と4トンの金属くずを運び出しており、これはアフリカゾウに匹敵する重さです。

導入により年間コストを250万円削減、初年度からROIが2倍
この大変な仕事を、これまでは人が行ってきました。
これをお金に換算すると、年間430万円のコストです。

我々の派遣するロボットで、年間コストを180万円に抑えます。

工場のロボット派遣のROI(投資利益率)は、初年度から200%を超えることができます。
愛知製鋼と共同開発したAGVをデモ
今回、デモ機を持ってきていますので、動かすところを見ていただきたいと思います。


我々が独自に開発したキャタピラの技術によって、斜面、段差、雨、雪など、どういった環境でも安定した走行を実現します。
地面に、赤い小さなマーカーがついていますが、トヨタグループの愛知製鋼と共同開発した自動運転の技術を搭載しています。
▶工場内物流を変える次世代AGVを共同開発。 クローラー走行技術とGMPS®技術でどんな環境でも安定稼働を実現(CuboRex)
この小さなマーカーは、置くだけで、どんな環境でも、すぐに自動運転を実現することが可能になり、車、フォークリフト、雨、雪など、どんな環境でも壊れない耐久性のあるものです。
この組み合わせによって、あらゆる環境での自動運転、自動運搬を実現します。
大手企業と手を組み強靭なサプライチェーンを構築
我々のポジションについて、お話しします。

実は、この種の荷物を運ぶロボットの市場には多くの企業が参入しています。
工場向けだけで2.5兆円の大きな市場です。
その中でも我々のロボットは小型で、狭い通路でも、どんなに荒れた環境でも走り切ることができます。
ゆえに、どんな環境の工場でも、即時購入、即時導入が可能です。
さらに、トップシェアを持つモーターメーカーであるマブチモーターや愛知製鋼などの大手企業と、ただの取引先としてではなく、資本提携・共同開発という形で手を組み、強靭なサプライチェーンと販売網を構築しています。
▶現場にキツいがない世界を目指すスタートアップ企業 CuboRexに出資(マブチモーター)
B2Bでは、保守とメンテナンスがとても重要ですから、安心です。

だから、現場のキツイが解消されます。

自作品の発表に大きな反響
なぜ私がこの運ぶという課題に取り組むのかを、お話しさせてください。
私は子どもの頃から乗り物が大好きで、自分自身の移動の課題を解決するために、電動バイクや電動キックボードを自作して乗っていました。

そのような自分の趣味で作っていたものをYouTubeやテレビを通して世に発表してみると、思いもよらない反響がたくさんありました。

▶ねこ車にモーター積んでみた(ORIEV)
▶ORIEV(ORIEV)
あらゆる業界から、「来てほしい、現場を見てほしい」と呼ばれたのでたくさんの現場を訪れたところ、「運搬に課題がある、何とかしてほしい、重い、危ない、腰が痛い、もっとたくさん運びたい、早く運びたい」と、様々な声を聞きました。

びっくりしました。
ありとあらゆる現場で、みんなが「運ぶ」という仕事に困っていたのです。
下水処理場を含む500超の現場で磨いた技術
この悲痛な叫びを受けて我々は、電動の台車を販売しました。

これまで、累計5,000台販売しています。
それだけではありません、こんな場所にも足を踏み入れています。

これは、皆さんが排泄したうんこが集まる、下水処理場です。
うんこの上をロボットが走っています。
うんこの表面はぬるぬるしていて、とても滑りやすいので、その周りを歩くのがとても大変だったのです。
もちろん、ロボットにとっても過酷な環境です。
こうした過酷な環境下で、我々は技術に磨きをかけてきました。
500を超える現場と真剣に向き合い、時にうんこまみれになりながら、たどり着いたプロダクト、それがこの「CuboRex AGV」です。

工場の現場が本当に求めるもの全てが、詰まっています。
このロボットをあらゆる工場に派遣して、現場のキツイを解消していきます。
新しい地域内物流ビジネスを
トラクションです、今期の売上は2.3億円を達成、来期は4.2億円を計画しています。

これまで投資先行で進んで来ましたが黒字化が見えてきました。
さらにこの先、2028年の未来の展望は、1つの工場の課題解決にとどまらず、地域課題の解決へとソリューションが広がっています。

工場の敷地内だけではなく、道路・公道をまたいで、地域内の工場と工場をつなげます。
2028年までに、全く新しい地域内物流ビジネスを、必ず実現してみせます。
製造の現場が変わる、未来が変わる。


運ぶ課題を解決し世界を変える

これは私が10年前、初めて現場の課題と向き合った時の写真です。
まだまだ道半ばですが、やっと良い市場、良い課題、良い技術が揃いました。
応援よろしくお願いします。

「運ぶ。世界を変える。」、CuboRexです。ありがとうございました。
(終)
▶カタパルトの結果速報、ICCサミットの最新情報は公式Xをぜひご覧ください!
▶新着記事を公式LINEで配信しています。友だち申請はこちらから!
▶過去のカタパルトライブ中継のアーカイブも見られます! ICCのYouTubeチャンネルはこちらから!
編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成