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自己肯定感を取り戻す教育で、不登校の課題を解決するハイブリッド小中学校「NIJINアカデミー」(ICC FUKUOKA 2025)

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ICC FUKUOKA 2025 ソーシャルグッド・カタパルトに登壇いただき4位に入賞した、NIJIN 星野 達郎さんのプレゼンテーション動画【自己肯定感を取り戻す教育で、不登校の課題を解決するハイブリッド小中学校「NIJINアカデミー」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。

【速報】司法で社会の不合理を変える!“公共訴訟”に取り組む専門家集団「LEDGE」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2025)


【登壇者情報】
2025年2月17〜20日開催
ICC FUKUOKA 2025
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by ICCパートナーズ

星野 達郎
NIJIN
代表取締役
公式HP | 公式X

1990年生まれ、横浜市出身。「教育から世界を照らす」JAPAN EDUCATION COMPANY、ニジン代表取締役。千葉大学教育学部卒業後、JICA海外協力隊小学校教育隊員としてグアテマラに派遣。日本が大好きになり、帰国後は青森県八戸市で小学校教諭として7年間勤務。暗い顔で過ごす子どもが多いことに国の未来を憂い、教育課題を仕組みから解決するために起業。教育信念「すべてのこどもに幸せになる力と人を幸せにする力がある」を社名「NIJIN」に込め、学校の中と外から教育を変える13の事業を立ち上げ。生徒数300名のオルタナティブスクール小中一貫校「NIJNアカデミー」校長。500名の教師団体「授業てらす」代表。東京都主催アクセラレーションプログラム「ASAC」&「NEXs Tokyo」デモデイ最優秀賞。著書に「教室の心理的安全性」(明治図書/2024)。


星野 達郎さん NIJINアカデミー校長の星野 達郎です。

私たちは、オルタナティブスクールの運営を通じて、不登校問題を解決し、教育から日本の未来を照らす会社です。

▶編集注:オルタナティブスクールとは、alternative=「主流の方法に変わる新しいもの」という意味で、公立でも私立でもない、新しい選択肢の学校のこと(ツナグバ参照)。

不登校の小中学生は過去最多の約35万人

現在、不登校の小中学生は、過去最多の約35万人です。

不登校最多34万人 5年間で倍増、「通学無理せず」広がり(日本経済新聞)

皆さん、「不登校」と聞くと、どのようなイメージを持たれますでしょうか。

「甘え」「障害」「社会不適合」――不登校は、ネガティブなイメージで語られることが多く、事実、約半数の小中学生が、不登校がきっかけで、自己肯定感を下げ、生きる希望を失う子さえいます。

自分を責めて涙の止まらなかった、さきさんの変化

中学2年生だったさきさんは、苦しみながらも学校に行き続け、心も体もボロボロになり、不登校になってしまいました。

家で何もしない自分を責めて、夜は涙が止まらなかったそうです。

そのような彼女は、現在、大企業の本社で、将来の夢を語り、学園祭の実行委員長を務め、将来、ミネルバ大学進学と起業を目指して、楽しそうに生活しています。

いったい彼女は、何が変わったのでしょうか。

実は、変わったのは、彼女ではなく、教育モデルだったのです。

不登校の本質は学校にある

不登校の本質は、学校そのものにあります。

同じ年齢・地域の集団と同じ場所で過ごす「同質性」、一律の目標やルールで評価されるという「基準性」、そして、教科や授業時数、学び方を自分で決められない「非選択性」です。

NIJINアカデミーの本校舎はメタバース

そのため、私たちは、NIJINアカデミーを作りました。

「多様性」「主体性」「選択性」を土台にした、新しい教育機関です。

現時点で、全国38都道府県から累計408名が入学し、メタバースを本校舎としながら、全国13地域にリアル校を開校、53の企業・行政・機関と連携して、学校を運営しています。

自分・学び・社会を好きになる教育を共創

こちらが、教育モデルです。

多様な社会のステークホルダーと連携しながら、私たちの強みである、教師力を活かして、その子と「本来の自分」、その子と「学び」、その子と「社会」を繋いで、子どもが、自分や学び、社会を好きになるように、教育をともに作っています。

安全なおうちで教育を受け友達を作れる

自分を好きになる共創モデルでは、バーチャル(メタバース)校舎とオフィスを、oViceと共同開発しました。

不登校になると、家から出られなくなるお子さんが多い中で、心理的安全な「おうち」から豊かな教育体験や友達と出会う機会を、提供しています。

自己肯定感と親子の絆を取り戻す

花王とは、家庭科の授業「こども家事名づけ親プログラム」を、ともに作りました。

NIJINアカデミーが家事を通した不登校支援をスタート!花王株式会社協力のもと、「こども家事名づけ親プログラム」を実施することをお知らせします。(PR TIMES)

家事を手伝い、家族から「ありがとう」と言ってもらえることで、自己肯定感と親子の絆を取り戻すプロジェクトです。

こちらの映像は、花王 株式会社の公式YouTubeチャンネルにて、公開されています。

花王 「こども家事名づけ親プログラム」ーKids Name Chores program(Kao Japan YouTube)

国内最大級の教師団体「授業てらす」と連携

学びを好きになる共創モデルでは、私が代表として運営している、国内最大級の教師団体「授業てらす」と連携して、現役のトップ教員によるリアルタイム授業を、月60コマ、アーカイブは300本以上を配信することで、質の高い教科教育を、子どもが自ら選び取ることのできるようにしています。

デジタル教材による学び直しや先取り学習

TOPPANホールディングスとは、AIデジタルドリル「navima(ナビマ)」を共同研究しています。

学年に関係なく、学び直しや先取り学習が可能となりました。

企業訪問やサービス提案も

社会を好きになる共創モデルでは、ソフトバンク本社で、キャリアワークショップを開催したり、パナソニックとは、年2回のアントレプレナーシップ(起業家)教育で連携したりしています。

ハイブリッド型学園祭、夏キャンプ、修学旅行も

体験やプロジェクトにも力を入れています。

「不登校」という言葉をなくしたいという、子どもたちの思いによって、実行委員が立ち上がった、ハイブリッド型の学園祭や夏キャンプを開催しました。

そして、昨日、小中学生6名が修学旅行として、このICCサミット FUKUOKA 2025のデザイン&イノベーション アワードに登壇し、見事に部門賞をダブル受賞させていただきました。

【史上初】NIJINアカデミーに通う不登校児が「ICC FUKUOKA 2025」にて部門賞をW受賞!(PR TIMES)

(会場拍手)

ありがとうございます。

出席認定率は97%、夢に向かって前進

こうした子どもたちの姿は、学びのポートフォリオとして、毎週、学校と連携(共有)しています。

出席認定率は、脅威の97%です。

出席認定(NIJIN)

「もう、私は不登校じゃない」と、読書が好きな自分を誇りに思えるようになった彼女は、市の俳句大会で優勝しました。

将棋サークルからは、三段の小学生棋士が、2人も誕生したり、VTuberとしてデビューしたり、マレーシアの中学校に進学したりする子もいます。

慈善活動ではなく持続可能な教育変革

私たちは、こういったことを、慈善活動ではなく、社会性と経済性を両立させた、持続可能な教育変革として、取り組んでいます。

ビジネスモデルは、いたってシンプルで、ご家庭から学費を頂くモデルです。

入学者数は、開校1年5カ月で400名を突破しました。

5人に1人が、保護者同士の紹介です。

教えるのは合格率3%で選ばれた先生

私たちの強みの1つ目は教師力で、毎月200名以上の応募の中から、合格率3%の選りすぐりの教師が、子どもたちの個性を輝かせています。

こうしたことが可能となっているのは、日本最大級の教師団体(授業てらす)を自社で運営することで、先生の安定採用ができるからです。

それに加えて、これまで学校に閉ざされていた先生の仕事を、先生をし続けながら、ビジネススキルを高めたり、在宅で家庭を大切にできたりするという、「先生」のイノベーションに成功しているからです。

公教育を“持ち運び可能”に

2つ目の強みは、公教育を“持ち運び可能”にしたことです。

これまで、学校に行かなければ教授がむずかしかった社会性(友達)や基礎学力、運動、そして、対話的・協働的で深い学びを、PC1台で、どこからでも受けられるようにしました。

これにより、地域の料理教室(NIJINアカデミー港区三田校)に通いながら公教育を受けることができたり、レアル・マドリードのサッカースクール(NIJINアカデミー Campo Real Madrid校)に通いながら公教育を受けることができたりと、国内のみならず海外にいても、日本の教育を受けられるようになりました。

朝、サッカースクールに登校して、そのまま学びにアクセスするといった新しい学び方を、皆さんとともに共創することによって、あらゆるジャンルで作っていくことができる、そのようなビジネスモデルを、私たちは持っているのです。

「不登校支援」から「学びの選択肢」へ

現在の不登校支援から、3年後には、全小中学生を対象とした、学びの選択肢へと成長し、さらに、これまで不可侵だと思われていた、学校(の授業)の時間帯の市場(平日日中市場)を、私たちは切り開いていきます。

2033年までに2,000教室開校を目指す

現在13校あるリアル教室ですが、すでに、新規30教室と交渉中で、(このペースですと)2033年までに、2,000教室も実現可能な数字です。

私たちの目標は、生徒数3万人を達成することです。

N高等学校が、この規模で高校の教育を変えたように、私たちも、「義務教育」を根本から変え、教育を選択できる世の中を実現します。

義務教育をまともに受けなかった自分が見つけたもの

私自身についてお話しさせてください。

私は、当時、神奈川県横浜市の最も荒れていた学校で育ちました。

義務教育をまともに受けず、小学校6年生で九九を習いました。

当時は、家族とも折り合いが悪く、自信も取り柄もありませんでした。

自分は、生きている意味がない、不正解だと思いながら生きてきました。

そして、教師になり、学校で自分を出せずに暗い顔で過ごす、大勢の子どもたちと出会いました。

そのとき、(自分の使命が)わかったのです。

義務教育をまともに受けていない私が教師になったのは、不正解だと思い込んでいる彼らの人生を希望に変えることなのだ、ということです。

私は、「すべての子どもに、幸せになる力と、人を幸せにする力がある」という教育信念を、「NIJIN」(※虹・日本人・二人の意味)という社名に込めて、仕組みから教育を変え、教育から世界を照らすために、教師を辞めて、起業家になりました。

共創ステークホルダーの数は教育の多様性

5年間、学校に行っていなかった子どもが、昨日、ICCサミット FUKUOKA 2025 デザイン&イノベーション アワードでスピーチをしました。

そのとき彼女は、泣いていたのですが、夜の打ち上げでは、これまでに見たことのない笑顔で笑っていました。

今春(2025年の春)に卒業する、冒頭でご紹介したさきさんは、「今度は、自分で会社を立ち上げて、自力でこの場所に戻ってきます」と、力強く話してくれました。

私たちは、まさに、共創ステークホルダーの数を、教育の多様性と定義しており、皆さんとCo-Creation(共創)することによって、社会全体を学び場として、子どもの不登校を希望に変えることができるのです。

すでに、2日間で、17の共創が決まりました。

(会場拍手)

ありがとうございます。

私たちの目標は、あと3つです。

「共創で、この国の未来に希望を」

ともに取り組みませんか。

ご清聴ありがとうございました。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成

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