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ICC FUKUOKA 2025 ソーシャルグッド・カタパルトに登壇した、PT. Cerdas Digital Indonesia (Timedoor Academy) 徳永 裕さんのプレゼンテーション動画【インドネシア発IT教育スクールで、世界に通用する即戦力IT人材を生み出す 「Timedoor Academy」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。
▶【速報】司法で社会の不合理を変える!“公共訴訟”に取り組む専門家集団「LEDGE」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2025)
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【登壇者情報】
2025年2月17〜20日開催
ICC FUKUOKA 2025
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by ICCパートナーズ
徳永 裕
PT. Cerdas Digital Indonesia (Timedoor Academy)
CEO
公式HP | 公式X
私は10年ほど前に日本の会社を辞め、海外に単身飛び込んでインドネシアで起業しました。現在はWeb・スマホアプリのオフショア開発や外国人材紹介サービスをするかたわら、発展途上国の教育に強い課題感を持ち、21世紀版の新しいKUMONを作ろうと、テクノロジーを駆使した独自の学習システムやカリキュラムと教員育成プログラムを開発し、発展途上国の子供達にIT教育サービスを提供しています。「ITと教育の力で貧しい人々の生活を豊にする事」という夢を掲げ日々奮闘中です。
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徳永 裕さん PT. Cerdas Digital Indonesia (Timedoor Academy) の徳永 裕です。
皆さん、インドネシアという国に、行かれたことはありますか?

▶インドネシア基礎データ(外務省)
私は現在、インドネシアに住み始めて10年目です。

普段は、現地の人と見分けがつかないような生活を日々送っています。

インドネシアで子ども向けIT教育を推進
インドネシアにおいて、私は子ども向けのIT教育の事業を行っています。

私たちが目指しているのは、IT版のKUMON(くもん) のような存在となって、発展途上国の方々の人生に、貢献していくことです。

ちょっと不良の少年は、大学卒業後IT企業のサラリーマンに
現在、このような事業をしている私は、日本で生まれ、ごく普通の人生を歩んできました。

普通というよりは、むしろ、少し不良少年だったかもしれません。

そのような私も、大人になり、IT企業で働くごく普通のサラリーマンとなりました。

フィリピンの子どもたちが与えてくれた気づき
サラリーマンだった私の転機となったのは、2012年のフィリピン旅行でした。

現地で、ストリートチルドレンや、ゴミ山でゴミを拾って生活する子どもたちを目の当たりにして、自分が日本で生まれ育って当たり前に送っていた生活が、とても恵まれていたことに気づいたのです。


挑戦の場に選んだのはインドネシア・バリ島
そして、勤めていた会社を辞め、次に挑戦する場所を探すため、海外へと飛び立ちました。


人口2億8,000万人の巨大なポテンシャル(将来性)を誇り、また同時に、課題の山積する、インドネシアに出会い、2014年にインドネシアのバリ島で、起業することを決めました。



自宅兼オフィスのシステム開発会社を起業
当初は、右も左もわからず、小さなシステム開発会社を起ち上げ、自宅を兼ねたオフィスで、若い社員たちとともに、作業していました。


危険な目に遭いながらもバリ島最大級のIT企業に
ときには、お金がなくなったり、社員に裏切られたり、またあるときには、本当に命の危機にさらされるような事件が起こりました。


本当に、生きていられて、よかったと思っています。
そのような状況下でも、毎日が、とても新鮮で楽しく、仲間も少しずつ増えていき、気づけば10年が経ち、現在では、バリ島における最大級のIT企業へと成長しました。



IT教育事業のきっかけとなったGIGAスクール構想
そのような私たちが、IT教育事業を始めたきっかけは、2019年に見た(開始された)日本のGIGAスクール構想でした。
▶編集注:GIGAスクール構想とは、教育ICT環境の充実を図り、教員や児童生徒の力を最大限に引き出すことを目指す取り組みのこと(SKYMENU Cloudより)。


一方、私が在住しているインドネシアという国を見ますと、ほぼすべての方が、スマートフォンを所持していますが、子どもたちの多くはYouTubeを観たり、ゲームやTikTokを楽しんだりと、娯楽の用途で使っていました。
また、オンラインギャンブルや詐欺などが情報弱者の間で蔓延し、社会課題となっていました。

ボランティア活動からITスクールへ
そのため、私は、自宅で子どもたちにテクノロジーを教えるボランティア活動を始めました。

子どもたちは、初めて触れるパソコンやプログラミング、ゲーム作りに夢中になり、このような活動は、口コミで次々と広がって、大勢の方が自宅に訪れるようになりました。



そして、私は、このような活動をさらに広めていきたいと考え、「Timedoor Academy」という、ITスクールを起ち上げました。

こういったサービスは、それまでインドネシアにはなかったため、大勢の方にお楽しみいただき、生徒数は次々と増えてきました。
インドネシアの教育の課題とは
このような形で開始した教育事業によって、私は、教育の課題に初めて気づくこともできました。

発展途上国では、お金を持っている人しか優れた教育を受けられないという教育の課題があります。

つまり、「教育」という美しい言葉が、実は、発展途上国の格差拡大の要因になっているという、悲しい現実があります。

また、地方へ行けば行くほど、リテラシーの高いITを教えられる教員が、まったくいないという現実があります。

システムとメンターの力で安価なIT教育を実現
そのため、私たちは、独自の学習システムを開発し、AIによるレビューやゲーミフィケーション(※) の要素を取り入れ、誰でも効率的に楽しく学べる形へと変えてきました。
▶編集注:ゲーミフィケーションとは、英語の「gamification」に由来し、ゲームを本来の目的としないサービスなどにゲーム要素を応用することで、利用者の意欲の向上やロイヤリティーの強化を図ること(JCSのコラムを参照)。

地方のITリテラシーの低い教員には、独自のトレーニングを施し、レクチャーとしてではなく、メンターとして、システムを活用しながら教えていただく形に変えてきました。

その結果、我々のスクールは、現在、インドネシアだけではなく、フィリピンやバングラデシュ、エジプトなど、世界5カ国・50拠点まで広がっています。
▶Offline Branch(Timedoor Academy)

現在、アクティブな生徒数は6,500名、売上も2億7,000万円まで、順調に増えています。
このペースで拠点を増やしていき、10万人・1,000拠点を目指しています。

困難な環境にある子どもたちに教育機会を
生徒には、プログラミングだけではなく、プレゼンテーションやアントレプレナーシップなど、多様なことを教えています。
その結果、国際的な大会において優勝するような子どもも、大勢現れるようになりました。


そして、現在は、現地の大学生に日本語を教え、日本でプログラマーとして働いていただく機会も提供し始めています。

また、私が海外進出するきっかけとなった、世界中の恵まれない子どもたちにも、少しずつではありますが、着実に教育の機会を提供し始めています。

インドネシアでの挑戦は続く
我々の挑戦は、まだ終わっていません。

毎年400万人が生まれる巨大なインドネシアは成長マーケットですが、失業率や平均賃金、大学進学率など、依然として数多くの課題があります。


つまり、大半のインドネシアの国民は、まだ幸せになっていないということです。

世界に即戦力人材を送り出すオンライン大学設立へ
そのため、私は、次の挑戦として、インドネシアにおいて初めての本格的なオンライン大学の設立を考えています。

誰もが、安価で、いつでも、どこでも学ぶことのできる教育システムを作っていき、発展途上国から世界に通用する即戦力人材を、次々と生み出していきます。


そして、このような新しい社会の教育エコシステムを作っていくために、日本のグローバル企業の皆さんにも、ご協力いただきたいと思っておりますので、ぜひ、ご協力をお願いいたします。

日本で働くことを夢見る子どもたちを応援
最後になりますが、こちらは、私たちがストリートチルドレンに教えている時の様子です。

このような子どもたちの中には、日本で働くことを夢見る子どもたちが大勢います。
私は、彼らの夢を叶えてあげたいと、本気で思っています。
しかし、(最終的には)自立していただかなければいけません。
自立する形で、彼らが、本当に夢を掴み取る、そういった社会を作っていきたいです。
より良い世界の実現に皆さんの力を
私は、10年間インドネシアに在住し、凡人の自分でも、社会を変えられる特別な存在になることができると学びました。

ただ、凡人である自分が大学を本当に設立することができるか、本当に1,000拠点を作ることができるのか、実際に取り組んでみなければ、わかりません。
それでも、挑戦します。
絶対に、諦めずに、やりきります。
ですから、皆さん、ぜひ力と知恵を貸してください。
本当に良い世界を、皆で作っていきましょう。
Timedoor Academyでした。
ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/中村 瑠李子/戸田 秀成