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ICC KYOTO 2025 クラフテッド・カタパルトに登壇した、オオサカポテト 渡邊 博文さんのプレゼンテーション動画【“夢シルク”で大阪をさつまいもの産地へ!都会の農業課題を解決し、地産地消の生活文化をつくる「オオサカポテト」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜3月5日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはJ.フロント リテイリングです。
▶【速報】規格外食材や地域課題を美味しく詰めこんだ“現代ソーセージ“をつくる「ハヤリソーセージ」(流行)がクラフテッド・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2025)
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【登壇者情報】
2025年9月1〜4日開催
ICC KYOTO 2025
Session 8A
CRAFTED CATAPULT 豊かなライフスタイルの実現に向けて
Sponsored by J.フロント リテイリング
渡邊 博文
オオサカポテト
代表取締役
公式HP
★大阪さつまいも農家★
1993年、愛知県岡崎市生まれ。株式会社オオサカポテト 代表 / 新規就農大阪さつまいも農家。
2016年に新卒で愛知県名古屋市の広告代理店に入社。6年間「営業」と「広告・宣伝」を勉強。
2020年の大阪転勤を機に趣味として週末農業を開始。半農半Xの生活の虜に。
2022年、「大阪さつまいも産地化プロジェクト」を計画し、脱サラ。
2023年、大阪府八尾市で新規就農者認定を受け専業農家ライフ開始。
2025年現在、関西最大規模、年間100トンのさつまいも栽培に奮闘中
【夢シルクを通して叶えたい未来】
★子ども達へ自然豊かな未来を届ける
★畑と生活者を繋げる
★耕作放棄地をなくす
▲
渡邊 博文さん 私たちは、都市大阪でさつまいも農業を始めました。

これから大阪が、さつまいもの大産地になっていく、そんなお話を今日はさせていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
週末農業で農業の魅力にはまる
まずは自己紹介です。
私は愛知県出身の31歳、前職では広告代理店に勤めており、5年前(2020年)に転勤で大阪に来ました。

その際、趣味として始めたのが週末農業でした。
ホワイトコーン、たまねぎ、ゼブラナス、いろいろな野菜を作って、どんどん農業の魅力にはまっていきました。



その様子をインスタグラムで発信したところ、たくさんの人が集まるようになりました。

週末だけでは対応しきれなくなった頃、都会の農業にもっともっと可能性を見出してみたいと思うようになり、2年前(2023年)に脱サラしてさつまいも農家になりました。

「大阪さつまいも産地化プロジェクト」を開始
大阪をさつまいもの産地にしたい、これは我々オオサカポテトのチームスローガンです。

産地化を目指す理由、それは子ども達へ自然豊かな未来を届けたい、畑と生活者を繋げたい、耕作放棄地をなくしたい、この3点です。

5つのステップを回して都会の農業課題に挑む
農業の課題は、高齢化、担い手不足、分散農地。農家の平均年齢はいよいよ69歳になりました。

▶第3節 担い⼿の育成・確保と多様な農業者による農業⽣産活動(農林水産省)
生産効率の悪いこの都会で5年後、10年後、誰が農業をするのだろう。
その課題を解決したくて、このプランを考えました。

1番、耕作放棄地をどんどん借り受けていきます。
2番、そこで、さつまいもの大規模栽培。
3番、農業体験を通し、地域を巻き込みます。
4番、地産地消の流通で消費していきます。
5 番、発生した売上は、農機具や新規就農者に再投資。
このサイクルをぐるぐると回していくことで、大阪中を、さつまいも畑で埋め尽くしていきます。
大阪府、八尾市、JAと連携
具体的に、1つずつ見ていきましょう。
耕作放棄地の借用については、大阪府、八尾市、JAなどと連携し、地域の未活用資源を集めました。

約4反からスタートしたこの活動ですが、わずか2年で40反まで広がっています。

休耕地は、まだまだ余っています。
さつまいもは作業時間の短い野菜
そこに、さつまいも大規模栽培。

いもを選ぶ理由は、作業時間が圧倒的に短いからです。

1反あたり、年間35時間。
この効率性を活かし、借りた畑を全てきれいにさつまいも畑にしていきます。
収穫体験イベントに1,000人が来場
実ったさつまいもは、農業体験を通して地域に還元します。

昨年(2024年)の収穫イベント「大阪さつまいも収穫祭」では、トータル1,000人の人たちが来てくれました。

土にふれて、泥んこになって、自分たちで掘りあげたさつまいもは、一際美味しく、楽しく感じます。



地域スーパーで「夢シルク」を販売
そんな夢のような物語から生まれたさつまいもを、我々は「夢シルク」と名付けました。

今日は、テーブルにご用意させていただきました(※) 。
▶編集注:プレゼン中に、審査員席に夢シルクと夢シルクを使用したさつまいもバターが配布されました。

ぜひ、お召し上がりください。
販売先については、地域のスーパーに焦点を当てました。

大阪880万人のマーケットへ、地産地消として流通させていきます。
選ばれる理由は、味、価格、供給力。

また、他産地には真似できないのが、地元産であること、共感性があることです。
初年度より好評を頂き、ライフ、イオン、イトーヨーカドー、サンプラザなど、さまざまなスーパーでお取り扱いいただきました。

売上は設備や人材に再投資
発生した売上は、設備や人材に再投資していきます。

2年かかりましたが、ようやく機械一式が揃いました。

また、先月(2025年8月)、100トン収容できる貯蔵庫も完成しました。

1人で始めたこの活動は、今、8人の組織にまで成長しました。

嬉しいのが、農福連携(※) として、毎日12人の仲間達がやりがいを持って働いてくれていることです。
▶編集注: 農福連携とは、障害者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取り組みのこと。

さらに、食育、レクリエーションとして、夢シルクを栽培してくれる仲間達もいろいろな場所に生まれ始めました。

多数企業とコラボ、地産地消のバリューチェーンが整う
ただ、トラブルも発生しました。

子ども達が掘ったいもは、引っかき傷でスーパーには全く出荷できませんでした。
完全に盲点でした。
ただ、ピンチはチャンス。
ここで生まれたのが、さつまいもペーストです。

大阪産の加工原料には、ニーズが非常にありました。
ローソンとのコラボパンが決まり、阪急百貨店でジェラート(夢シルクジェラート)にもなりました。


さらに、JR西日本にはベーカリー(DELI CAFE)でお取り扱いをいただき、大阪・関西万博会場では夢シルククレープを販売いただきました。


今日は、スイートポテトのような味わいにした、さつまいもバターをご用意しています。

ぜひ、お召し上がりください。
この思いと産地化への可能性を受け、流通業界大手のマグチグループが大阪にペーストの加工専用工場を立ち上げてくれ、来月、ついに完成予定です。

これはかなり大きいことです。
生産、加工、販売、消費、全てのフードバリューチェーンが大阪の中に整います。
これから私たちは、大阪の産地化を一気に進めていきます。
都会でも、誰もが農業に繋がれる社会を実現
このプレゼンも終盤になりました。
今まで作ってきた、そしてこれから広げていきたい未来の景色をご覧ください。






もともとこの活動は、週末農業時代、「保育園でのいも掘りがなくなってしまったが、子ども達にいも掘りをさせてあげたくて、渡邊さんを見つけました」という、お母さん方のアンケートでの声に着想を得てスタートしました。

我々は農業の民主化と呼んでいます。
都会でも、誰もが農業に繋がれる、そんな社会を作ります。
大阪の新しい文化・風習をつくっている会社
今回、クラフテッド・カタパルトへの登壇が決まってから、自分たちは何を作っているんだろうとずっと考えていました。
私たちオオサカポテトは、さつまいも栽培を通して、大阪のこれからの新しい生活文化、風習をつくっている会社だと定義しました。

皆さん、大阪と言えば、何を連想するでしょうか。
たこ焼き、串カツ、そして、さつまいもなのです。
我々は、そんな未来を本気でつくっていきたいと思います。
ぜひ、応援、伴走いただける仲間と出会えればと思っています。
ご清聴のほど、ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成


