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ICC FUKUOKA 2026 スタートアップ・カタパルトに登壇した、enstem 山本 寛大さんのプレゼンテーション動画【ドライバーの体調変化を検知するデバイスの活用で、事故率削減に貢献する「enstem」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。
▶気候変動に打ち勝つ「次世代品種」で、グローバルで日本品質のフルーツ生産を可能にする「CULTA」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2026)
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【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Sponsored by EVeM
山本 寛大
enstem
代表取締役
公式HP | 公式X
山本寛大(やまもと・ひろたか)。株式会社enstem代表取締役。浅草で生まれ、アメリカで育ち、多様な価値観と競争環境の中で「人のパフォーマンスは才能ではなく、環境と身体状態に大きく左右される」ことを体感。帰国後、野球やマラソンなどの競技経験を通じ、疲労や体調変化が判断ミスや事故につながる現実に向き合う。Googleを経て、健康データを社会実装するためにenstemを創業。「ポテンシャルからパフォーマンスを」をミッションに、ドライバー向け「Nobi for Driver」、現場作業者向け「MAMORINU」を展開。事故が起きる前の“ヒヤリハット”段階への投資によって、事故抑止による事業継続性と社会の安全性を高める仕組みづくりに取り組んでいる。東洋経済「すごいベンチャー100」、日経クロストレンド「未来をつくる100社」に選出。
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山本 寛大さん ドライバー事故率ゼロ社会を実現する、浅草生まれシリコンバレー育ち、enstemの山本寛大です。
一人作業が生む“ヒヤッ”とする瞬間
皆様は運転中の眠気から、“ヒヤッ”とした経験はありませんか?

助手席に人がいれば、休憩することを促され、止まることもあるでしょう。
ただ、仕事になるとどうしても止まらず、無理してしまうのがプロドライバーの性です。
こういった小さな兆候を無視すると、結果として、日本は交通事故によって年間11兆円の損失を被っています。

運転中の体調変化の兆候をとらえ、振動と音で通知
そういった被害を減らすため、振動と音が、助手席のサポーターの代わりになるサービスを作りました。

今までのドライバー安全システムになかった、兆候レベルでの検知が可能です。
名前は「Nobi for Driver」と言います。

デバイスは、10円玉2枚以下の重さです。
アプリ上の入力も最低2回で、ITリテラシーが高くない人でも利用可能なシンプルなUI設計になっています。
兆候を検知した時は、このように振動と音でアラートを飛ばします。
乗車前の体調チェックで事故率削減を強化
リアルタイムのアラートもそうですが、乗車前の体調チェックも、45秒でできます。

さまざまなアラートから傾向分析することで、事故率削減に寄与しています。
ドライバーの健康起因事故は増加傾向
なぜこのマーケットで事業をするかについては、3点理由があります。

2024年問題を基軸とした「人手不足」「高齢化」、そして「温暖化」です。
▶知っていますか?物流の2024年問題 (全日本トラック協会)
昨今、健康起因事故は増加傾向にあります。
ドライバー業界は、気合や経験が評価され、無理しすぎることで事故や欠勤につながってしまうことが多い業界でした。
それに対して、Nobi for Driverは予兆を検知し介入することで、適切な人材配置まで行え、結果、稼働を守ることにつながります。

つまり、Nobi for Driverは“助手席の声かけ”を再現できるプロトコルとなります。

Nobi for Driverだけでも効果はありますが、既存のドラレコ、デジタコ(デジタルタコグラフ) とも共存することで、事故削減に、より一層貢献しております。

兆候検知からふらつき運転検知まで「20分」の時間差
弊社のサービスは、既存のサービスのように通知だけで終わらず、未然の危険を検知し、さまざまな兆候を検知することができますが、その中でも、特に眠気の兆候という点で、高い評価をドライバーに受けています。


弊社の検知する眠気の兆候からふらつき運転を検知するまでのラグが、20分程度あると言われています。
アラートは本人だけでなく、会社の管理者にも通知され、早期の対応につながります。

身体発信のヒヤリハットも検知可能です。

従来は車両挙動が中心でしたが、Nobiはドキッとした瞬間そのものを検知します。
結果として、事故数がゼロになったり、暑熱リスクも検知できたりすることから、事故なく夏を乗り越えられたという声も多く上がっています。

交通事業者をはじめとする累計300社が導入
導入社数は累計300社を超え、デバイス台数は7,000台を超えています。

今では、運送だけではなく、タクシー、バス、鉄道等、大手から中小企業までさまざまな企業で導入されています。

「過労運転防止認定機器」に3年連続採択、導入に補助金も
ビジネスモデルはシンプルで、1IDあたり月額2,000円からです。

デバイスは複数の種類から選べますが、7,800円から提供しています。
そして何より、国土交通省から3年連続で「過労運転防止認定機器」として認定され、補助金が出ます。

enstemとしては補助金のおかげで年間契約となることが多く、キャッシュフローが強固になります。
大阪大学と共同研究を開始
研究にも力を入れ、大阪大学とアラートに関する共同研究も進めています。

▶株式会社enstem、大阪大学大学院基礎工学研究科清野研究室と「運転時の眠気検知技術」に関する共同研究を開始(PR TIMES)
販路についても、攻めています。
全国で案件獲得できている理由の1つが、提携銀行が20行あることです。
世界のノンデスクワーカーまで視野に
また、ドライバーだけではなく作業員向けのサービス「MAMORINU」も2024年にリリースし、大手企業にも導入が進んでおります。

ドライバーから始まりましたが、製造、建設、インフラ等の作業員のマーケットに広がりを見せており、世界各地から問い合わせが来るようになりました。

国内のプロドライバーの業界ポテンシャルは150万人、市場規模は540億円程度となります。

これが国内の作業員になると4,000万人、1.2兆円のマーケットになります。

世界のノンデスクワーカーになると25億人、75兆円のマーケットになります。

移動データと生体データがもたらす価値
世界に出る上で、enstemの持つもう一つの価値あるデータがあります。
それは移動データです。

既に累計8,087万km以上の移動データを保有しています。

この中には、今まで検知できなかった事故未満の無数のシグナルが含まれています。
事故の手前の生体データを、ここまで持つ企業は存在しません。
2つのデータを掛け合わせることでストーリーに厚みが出て、既に、多くのステークホルダーを巻き込んで事業を推進しております。

また、今のビジネスモデルでも、類似プレーヤーがいる国では展開が可能です。

シリコンバレー育ち、MLBからスカウトが来る腕前
私には、世界を狙う理由があります。

私はシリコンバレーで育ち、野球で世界一を目指していました。

MLBからスカウトも来ました。
時代が違えば、WBCの山本由伸選手より先に“山本選手”になっていたかもしれません。
アメリカで野球に出会い、キャプテンとして多国籍チームをまとめ、突き詰めてきました。

Googleでのキャリアを経てenstemを創業
その後日本に帰国し、Googleで5年働き、2019年にenstemを創業しました。



鳴かず飛ばずの2年間、たどり着いたドライバー業界
起業直後はスマートウォッチを活用し、海外展開したものの、ものの見事にコロナ禍で頓挫、日本にまた帰国し、ノンデスクワーカーと呼ばれるお客様のほぼ全てに営業活動をしました。


鳴かず飛ばずだった時期の2年後、ドライバー業界と出会います。

その後、作業員に広げたところ、厚生労働省の義務化対策(職場の熱中症対策)による追い風を受けました。
▶職場の熱中症対策が義務化 2024年死傷者は過去最高 違反なら6カ月以下の拘禁刑(朝日新聞)

日本から世界へ。コロナ禍で頓挫した挑戦を再開
今は、海外展開を見込んだパートナーも増えてきました。

もう一度日本から世界を狙いに、日本から“世界”の事故率ゼロという新しい常識を。

enstem 45

私たちはただ事故を減らす会社ではありません。

人生から失われる時間を守り、生み出す会社です。
ぜひ一緒に、健康安全から世界中の人へ「時間」というギフトを届けませんか。
人が今日に挑戦し続けられる時間を創る
最後に少しだけ。
一番尊敬していた経営者の祖父が週末に亡くなりました。

晩年は寝たきりでした。
頭は冴えている、意思もある、でも動けない、その姿から学びました。
時間は長さだけではない。
笑い、悩み、挑戦できる時間こそが尊いのだと。
enstemはこれからも人が挑戦し続けられる時間を創ります。
Enstemの山本です、ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成


