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ICC FUKUOKA 2026 新企画 – ネクストステージ・カタパルト グループAに登壇した、青葉組 中井 照大郎さんのプレゼンテーション動画【“森づくり”を企業にとっての価値に転換し、環境への投資が当たり前の時代をつくる「青葉組」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。
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【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 2A
新企画 – ネクストステージ・カタパルト グループA
Sponsored by EVeM
中井 照大郎
青葉組
代表取締役
公式HP | 公式X
1987年東京生まれ。2011年に三菱商事にて、インドネシアのLNGプロジェクトへの投資業務などに従事。再生可能エネルギーのベンチャー自然電力のファイナンス部門を経て、2017年4月岡山県西粟倉村へ移住、林業に携わり始める。2020年に森づくりに専門特化したベンチャー青葉組を創業。
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中井 照大郎さん 森林が劣化していく経済に、終止符を打つ。

青葉組の中井です。
森林価値は放置林によって劣化している
戦後、ハゲ山だったところに先人たちがたくさん木を植えてくれたおかげで、今や日本は森林大国。


その価値は、何と70兆円以上と言われています。

炭素の吸収や土砂災害の防止、水の貯留などの価値の合計です。
しかし今、それがどんどん劣化しています。

干ばつによる土砂崩れや山火事のリスクも、どんどん大きくなっています。
花粉は20年で2倍になり、クマの被害は史上最大になりました。

その原因は、先人が植えてくれた森が放置されていることです。

放置林の原因は木材価格の下落
なぜ放置されているのか。
木材価格がどんどん下落し、この40年で約7分の1になりました。

安い木材の海外からの流入によって、こうなってしまったのです。
その結果、山の所有者は山に投資することを諦め、林業者は補助金に頼らざるを得なくなり、低賃金になり、林業に人がいなくなり、放置林になっていったのです。

もはや、そもそもの構造を何とかしないと、補助金を積み上げても何ともならないのです。

絶対、放置林はなくなりません。
森を育てることで価値を生むビジネスモデル
そこで私たちが行っているのは、お金の流れそのものを変える取り組みです。
私たち青葉組は、林業で一般的な木材の伐採や販売をあえて行っておらず、木を植えて育てる点に特化しています。
創業6年で40万本以上、植林してきました。
さらに、植林だけではなく、湿地の再生にも取り組んでおり、自然そのものの価値を上げていく、自然資本の総量を増やしていくことを行っています。
現在、東日本を中心に展開しており、栃木から始まった活動は今、4県に至っています。

この春から、昨年、平成以降最大の山火事があった岩手県大船渡市でも活動をしています。

▶︎ “森づくり”の専門集団・青葉組、岩手県大船渡市に新拠点を開設します。(PR TIMES)
我々のビジネスモデルは、山の所有者からは一銭も頂かず、長期の委託を頂き、代わりに共創パートナーと呼ばれる企業や自治体から頂く資金で賄うというものです。

こういう共創パートナーには、脱炭素、ネイチャーポジティブ、水リスク対策、花粉対策、ブランディングなど、さまざまな成果に対して費用をお支払いいただきます。

30年後の姿から設計、植林、モニタリングを一貫して行う
こういう価値を生むのに一番大事なのは、森を育てる現場実行力です。

例えば、山の中に生き物を増やそうと思った時、適当に木を植えても勝手には育ちません。
きちんとその現場の環境を見て、育てなければいけません。
我々はドローンを飛ばして現場の調査をし、30年後の姿を描いて、そこから逆算して森を設計します。

そして苗木を作ってドローンで運搬、多様な樹種を植栽し、自然に生えてくる木も刈り出します。




そして湿地の再生、夏場には大変な草刈り、モニタリングを行います。



仮説、実行、モニタリングまで全て自社で行っており、これが現場実行力です。

森づくりを企業にとっての価値に転換
ではこの活動をどうやって企業の価値に転換していくのか、KDDIとの事例を紹介します。
彼らは統合報告書に、「山の上にたくさん基地局を建てなければいけないので、生態系を破壊せざるを得ない」ということを書いていました。

▶︎ 植林・育林専門ベンチャーのGREEN FORESTERSがKDDIの支援を受け、自然資本・生物多様性に配慮した森づくりを実施(PR TIMES)
彼らが欲しいのは生態系保全と、カーボンクレジットという2つの価値です。
我々が行っているのは、在来種を植林することで生態系を保全しつつ、炭素吸収量も最大化させるというハイブリッドな取り組みです。

一般的な植林費用に比べると4割くらい高いのですが、そこで生まれる生物量は8倍、希少種は29種なので、これだったら高くてもやってもいいかなと思ってもらえると思います。

さらに、さまざまなIoTデバイスを現場に設置し、環境DNAなども取得し、きちんとデータとしてお届けし始めています。

自治体との連携もしており、栃木県茂木町では、町全体の再生をする取り組みを行っています。

現状では半減まで281年、次の挑戦は花粉対策
次に我々が新たな挑戦として取り組もうとしているのが、まさに花粉です。

首都圏の経済損失だけで、2.2兆円と言われています。
しかし、それを伐採して植え替えていくという作業は、実は全然進んでいないのです。

今のペースで行くと、花粉半減まで何と281年もかかってしまいます。
我々はその頃にはいないですよね。
なぜそんなにかかってしまうのか。
経済損失をスギ1haあたりに換算すると、年間1,300万円くらいですが、それに対して、我々が対策時に受け取る金額はわずか295万円なのです。

なぜなら、現行の木材価値に、あくまで作業費補助としてお金が出るモデルでしかないからです。

そうではなくて、花粉対策として植え替えるには、それに価値を見出していただける共創パートナーと一緒に取り組まないといけないと感じています。

共創パートナーの可能性
共創パートナーとしては、例えば、医療費を削減したい健康保険組合や、観光客が増えるであろう行政、ふるさと納税であれば費用を出してもいいと言う企業などが考えられます。

環境価値への投資に変えることで、面積あたりの投資額を増やして抜本的な対策を迅速に行いたいと思います。

我々は、山主から受託をし、切って植え替えて育てるという過程をワンステップでできるので、共創パートナー候補があれば、ご紹介いただけたら嬉しいです。

環境価値への投資が当たり前の時代へ
チームとしては、三菱商事出身の私が代表ですが、ビジネスサイド、森づくりサイドともに、優秀でやる気のあるメンバーであふれています。

GMOの村松(竜)さんに応援いただいており、三井物産の共創基金からも助成いただいています。
▶︎ 【プレスリリース】村松竜氏の寄付による資金提供を受け、人材採用・地域展開を加速します(青葉組)
▶︎ 三井物産共創基金、ゆたかな自然資本を育む未来の森づくりを国内で実現する挑戦への助成決定(三井物産株式会社)
現在、企業からの受注額は1.4億円くらいですが、今後10年くらいかけて、これを10倍にしていきます。
そして、この業界ではものすごく珍しいのですが、年収1,000万円の自然インパクトプレーヤーを100人生んで、環境価値への投資が当たり前の時代をつくっていきたいと思っています。



最後になりますが、今、僕たちの世代で、自然を劣化させる経済に終止符を打ちにいかなければいけない、これを次の世代に回すわけにはいかないと思っています。

まずは花粉から、一緒に取り組ませてください。
林業を根本から変える共創パートナーを探しています。
ぜひ、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/原口 史帆/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成


