"美味しさ"と"知財"で世界を驚かす農業を!「日本農業」の挑戦(ICC KYOTO 2019 カタパルト・グランプリ)【文字起こし版】 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

“美味しさ”と“知財”で世界を驚かす農業を!「日本農業」の挑戦(ICC KYOTO 2019 カタパルト・グランプリ)【文字起こし版】

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ICCサミット KYOTO 2019 カタパルト・グランプリ、見事優勝に輝いた、日本農業の内藤 祥平さんのプレゼンテーション動画【“美味しさ”と“知財”で世界を驚かす農業を!「日本農業」の挑戦】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット KYOTO 2019 プラチナ・スポンサーのAGSコンサルティング様にサポート頂きました。


【登壇者情報】
2019年9月3日〜5日開催
ICCサミット KYOTO 2019
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ) −強者が勢揃い−
Sponsored by AGSコンサルティング

(プレゼンター)
内藤 祥平
株式会社日本農業
代表取締役
公式HP | STARTUP DB | LinkedIn

横浜生まれ、横浜育ち。両親は新潟出身。高校時代に自転車で日本縦断、農産業に魅了される。慶應大学法学部法律学科卒業。慶應大学在学中、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校農業経営学部に1年間留学。慶應大学在学中、鹿児島、茨城、ブラジルの農業法人で各1〜2ヶ月の修行。外資系経営コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。2016年10月の退社まで、日本支社の農業セクターのメンバーとして活動。2016年11月に株式会社日本農業を設立し、当社代表。

「ICC KYOTO 2019 カタパルト・グランプリ」の配信済み記事一覧


内藤 祥平さん(以下、内藤) 初めまして、株式会社日本農業の内藤と申します。

今日は、農業の話をします。

我々は「日本の農業で、世界を驚かす」というミッションのもと、30名で日々奮闘している2016年11月創業の農業ベンチャーです。

まず最初に、なぜ私が「農業」の分野を選んで創業したのかをご説明します。

私の農業との出会いは、高校時代でした。

自転車で日本縦断の旅をし、そこで出会った農村風景、農家の人々の営み、地域密着型の商売全てが、私の目には大変新鮮で、魅力的に映りました。

その後、アメリカのイリノイ大学農業経営学部に1年間留学し、アメリカ大規模農家のせがれたちと机を並べました。

帰国後、鹿児島と茨城の農業法人でそれぞれ1ヵ月ほどインターンシップを経験し、朝から晩まで現場で汗を流しました。

その後、ブラジルのマットグロッソ・ド・スル州で、何万ヘクタールもの土地を管理する超大規模農業法人でも経験を積みました。

大学卒業後はマッキンゼーに就職し、農業経営の戦略立案を行っていました。

日本の農業は今、幕末のごとき「分岐点」にある

まだまだ青二才ではありますが、私は、世界と日本の農業を現場と戦略面の両方から見てきて、日本の農産業の立ち位置をこう考えています。

「立ち行くのか、消え去るのかの分岐点にある」と。

戦後70年間、日本の農産業の構造は「国内で作って、国内で売る」というものでした。

しかしこれからは急速に人口が減り、自由貿易・国際競争の波がやってきます。

日本で作って日本で売るという構造では、産業が成り立つわけがありません。

そのために何をするか? 自明ではありますが、輸出をします。

輸出により市場規模を広げ、これまでリーチできていない市場にアタックすることが重要です。

我々は、日本の農産物を輸出し、世界を驚かせるベンチャーです。

リンゴの輸出に特化したバリューチェーンを独自に構築

日本には、美味しいけれど輸出されていない農産物がたくさんあります。

我々が最初に選んだのはリンゴです。

青森県産のリンゴを新市場に輸出し、青森県の農産業の構造を変え、GDPを上げようとしています。

重要なのは、輸出用のバリューチェーンを構築することです。

世界と戦うには、生産から販売まで一気通貫のバリューチェーンを構築する必要があるのです。

① 生産:高密植栽培への取組み

まず生産部分では、高密植栽培という、これまでとは違う方法での生産に取り組んでいます。

端的に言うと、生産効率が良いけれど、実際に導入して実行することが難しい方法です。

新しい苗や土地の確保、植え付けに要する年数からして、農家には捻出し難い莫大な初期投資が必要となります。

しかし、海外で多く取り扱われているこの方法を活用することで、反収及び投資回収性は従来のリンゴ栽培に比べて激的に改善されるのです。

我々はこの高密植栽培を自社農園でPDCAを回しながら最適化した上で、苗木・資材・資金の工面から栽培ノウハウの提供までをセットで農家に提供しています。

② 集荷:輸出特化型の選果・流通システムを構築

集荷については、我々は日本で唯一の輸出に100%フォーカスした拠点を運営しています。

パレットサイズや詰め方など、全てを輸出用に最適化しています。

これにより、リンゴの積載可能量が倍になりました。

③ 販売:独自ブランドの展開と小売店への直接営業

販売では、アジア各国に駐在員を置き、小売店に直接営業をしています。

これは我々の強みです。

消費者との接点については、「ESSENCE」という自社ブランドで販売を行っています。

「ESSENCE」を通して、バナナの「Dole」、キウイの「ZESPRI」のように、世界の誰もが知っている存在になることを目指しています。

駐在員が毎日、どのようなコピーで売ればリンゴの販売金額が上がるのか、日々PDCAを回しています。

ESSENCEは、アジア各国で商標権を取得済です。

この結果、東南アジアへのリンゴ輸出において一定のシェアを獲得し、存在感を示し始めています。

例えばインドネシアでは、現地で販売されている日本産リンゴが10個あれば、そのうち9個はESSENCEブランドのものです。

数量としては、2018年には2,000トン、1,000万個のリンゴを輸出しました。

今後3年間で、青森県のリンゴの総出荷量の5%に相当する1.7万トンの輸出を計画しています。

青森県のリンゴ産業全体の5%が、海外の新たな市場で売上を立てるということです。

中国・インドの巨大マーケットでの他品目展開を目指す

そして東南アジアでの成功事例を、中国とインドという莫大な市場に横展開し、トップラインを伸ばします。

さらに、他の品目へも展開します。

日本には、競争力のある品目がまだまだあるのです。

輸出のその先は「品種の知的財産」の活用

ここまで、輸出の取り組みをご紹介してまいりましたが、その先の課題として、品種の知的財産の活用があります。

日本の農産物は、本当に競争力があります。

美味しく、そして作りやすいので、消費者にとっても生産者にとってもメリットがあります。

例えば「ふじリンゴ」は、世界で最も生産されているリンゴの品種で、言わばフルーツの象徴です。

しかし知的財産の保護が追いついておらず、結果、日本で開発された品種のほぼ100%が海外に流出しています。

流出して無断栽培された農作物は、それがいくら売れたとしても、何十年もかけて開発をした農家や研究機関には当然ながら、1円もお金が入ってきません。

我々はこれを、仕組み化により解決しようと考えています。

品種を国際協定で保護し、信頼できる海外の農家にライセンシングし、彼らが生産したリンゴを「ESSENCEブランド」で販売し、販売金額に応じたロイヤリティを開発者に支払うスキームです。

こうすることで、彼らはさらなる開発のための投資が可能になります。

このスキームを今年、オーストラリアとニュージーランドで、まずはリンゴとブドウから取り組んでまいります。

日本の農業を、日本のために、世界に向けて

最後に、メンバーの紹介です。

COOで共同創業者の永田は、以前野村証券にてM&Aアドバイザリーに従事していました。

2016年より、COOとして一緒に各国へ飛び回り市場開拓をしたり、より効率の良いリンゴ生産方法を模索したり、日本の農業のために活動してきました。

我々以外のメンバーも、英語だけではなく、中国語、タイ語、インドネシア語ができるグローバルなチームで戦っています。

「日本の農業で、世界を驚かす」

まだまだ道半ばではございいますが、我々は日本の農産業の未来のために、幕末の志士の気持ちでこのミッションに取り組んでまいります。

応援のほど、よろしくお願いいたします。

ご清聴ありがとうございました。

(終)

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください!

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/戸田 秀成/小林 弘美

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