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ICC FUKUOKA 2021 REALTECH CATAPULTに登壇いただいた、テラ・ラボ 松浦 孝英さんのプレゼンテーション動画【無人航空機で、空からの広域災害支援システムの構築を目指す「テラ・ラボ」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2021 ゴールド・スポンサーのKOBASHI HOLDINGS様にサポート頂きました。
▶【速報】眼科医の眼をスマホに装着「Smart Eye Camera」のOUI inc.がリアルテック・カタパルト優勝!(ICCサミット FUKUOKA 2021)
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【登壇者情報】
2021年2月15〜18日開催
ICC FUKUOKA 2021
Session 4A
REALTECH CATAPULT
リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Supported by KOBASHI HOLDINGS
松浦 孝英
株式会社テラ・ラボ
代表取締役
1999年 モバイルITコンサルティング会社を起業し、移動体通信を活用したビジネスモデルの創出を行う。
2007年より中部大学職員となり、学生支援、キャリア支援、学部マネジメントを行う。
2016年からは中部大学国際 GISセンターの研究員として長距離無人航空機の研究を行い、現職に至る。
公共政策を専門とし、大規模災害における長距離無人航空機(固定翼機)の社会実装を目指して研究開発を行っている。
2019年2月、企業立地セミナーに参加し、南相馬市に初訪問。翌月、本社研究開発部門の機能移転として同市に支店登記。
2019年9月には福島ロボットテストフィールド研究棟第1期入居企業として研究室に入居。
2019年10月、超異分野学会にてDRONEFUNDと出会い、研究開発の意義やビジネスモデルの構築について協議を深め、2020年1月に出資を受ける。
2020年9月には福島ロボットテストフィールドを卒業して南相馬市産業創造センターへ拠点を移動。
2021年には自社工場の竣工を予定しており、地元の若い人材の雇用促進と新たな産業創出を推進し、地域貢献・震災からの復興の一助となるよう努めている。
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松浦 孝英さん 株式会社テラ・ラボの松浦です。よろしくお願いいたします。
無人航空機を災害対策活用へ
我々は、高高度で長距離飛行が可能な、無人航空機のシステムを作っています。
特に、大規模災害が発生した際、速やかに情報収集するのがとても重要だと考えています。
我々は、愛知県春日井市にある中部大学発のベンチャーです。
現在は福島県南相馬市にも拠点を置いていますが、宇宙から地球を考えることをテーマに、災害対策を先進テクノロジーを活かすことをミッションとしています。
東日本大震災の惨状を目の当たりにし創業を決意
私の原体験は、2011年3月11日の東日本大震災、これが全てのきっかけでした。
当時は大学にボランティアセンターを作り、義援金を募り、ボランティアを派遣していました。
この大規模な災害に対し、自分自身に何ができるのか、どうしていくべきかを考えたのです。
3月11日の、東日本大震災の様子です。2021年の今年は、東日本大震災から10年目です。
当時の避難所の様子です。
こうした災害は、いつ自分たちの身に降りかかるか分かりません。
近年の大規模災害は、年々数が増えるだけではなく、被災規模が大きくなっています。
長距離無人航空機と災害対策本部ダッシュボードを開発
我々テラ・ラボは、広域災害に備えるため、「長距離無人航空機」と「災害対策本部ダッシュボード」の開発を行ってきました。
まず、災害対策本部ダッシュボードについてお話しします。
これまでの取り組みとしては、先日2021年2月13日の福島県沖地震の近況報告、そして2019年10月12日の令和元年度台風19号についての社会実験があります。
福島県沖地震発生でへリから情報収集
ご存知だと思いますが、今日のプレゼンの数日前、2月13日の23時8分、福島県沖地震が発生しました。
私は翌朝すぐにヘリコプターをチャーターして、現地上空に飛びました。
最も関心があったのは、ヘリコプターでの情報収集がどれだけ有能かを検証することでした。
2月14日の6時にヘリコプターを手配、9時には名古屋空港出発、11時に栃木ヘリポートを経由し、12時に航空調査を開始しました。
17時にはクラウド解析を始め、24時には南相馬の空撮データを市役所に開示しました。
翌日9時に南相馬市役所の災害対策本部に報告、関係報道機関にも情報共有をしました。
こちらが実際のヘリでの撮影動画です。
報道ヘリの情報収集は部分的
報道ヘリは、特にも被害が大きい災害現場を最優先に撮影し、いち早く世の中に向けて報道、情報発信をします。
しかしながら、被害を受けたエリア全域をくまなく撮影、調査するわけではありません。
また、防災ヘリや消防ヘリも、災害直後、すぐに動き出せる状態ではないことが明らかになりました。
テレビでも話題になりましたが、この時、高速道路は土砂災害に見舞われ、かなり多くの箇所で通行止めになりました。
私たちは数多くの写真を撮影し、被害を受けた場所は拡大して撮影を試みるなど、現場がどうなっているかをアーカイブ化しました。
令和元年度台風19号による災害時に情報収集実験
令和元年度台風19号の際は、様々な社会実験を行いました。
被害が非常に大きかったことはご存知だと思います。
ドローンで広域に空撮動画を共有したり、大規模災害があった場所についてはウェブコンテンツとして発信しました。
こちらは、iPhoneで撮影した、土砂災害の現場を撮影した動画です。
上空から見ると、大規模な土砂災害だったことが分かると思います。
この時、山から土砂が流れてきて、下流にあった家が2軒、そして人も流されました。
我々はこの場所を、3次元データ化しました。
土砂が押し寄せ、家が2軒流され、土が堆積し、その後雨が降ったので水が右側に流れ出て、上流の家屋に浸水災害が起きるという二次災害が発生していました。
そこで我々は、テクノロジーを災害のタイムラインに組み込むことをテーマにしてきました。
2019年10月17日に情報を収集し、翌朝、災害対策本部に情報をどのような形、流れで提供できるかを検証しました。
2019年、無人航空機の飛行試験に成功
そして我々はさらに広域に長距離飛行できる無人航空機を開発し、災害情報収集機能を実装したいと考えています。
こちらは現在、開発している飛行機の設計図です。
2019年に飛行試験に成功し、制御も自動化できることを実証しました。
迅速なタイムライン形成で被害を最小限に
テクノロジーを活用した迅速なタイムライン形成は、市役所など災害対策本部の意思決定に際し、非常に重要な要素となります。
そして被害を最小限に抑えることができる点も、実証しました。
これらの開発のため、国の研究開発費7億2,400万円、そして先日調達した累計4億700万円、合わせて11億円近い資金調達を達成し、研究を行っています。
次年度より、実装化に向けての研究が始まります。
先進テクノロジーを活用した災害対策システム構築へ
愛知県でも、南海トラフ大地震がいつ来るだろうかと心配されています。
また、自然災害の4割近くが起きているのがアジア地域です。
アジアにおける災害死者数は、世界全体の8割と言われています。
私たちは、先進テクノロジーを活用した災害対策システムの構築を目指しています。
地球と共存しつつ、私たちの未来社会がより良いものになるよう切に願っております。
皆さんからご支援、ご指導頂けますよう、今後ともよろしくお願いいたします。
ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸
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