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ICC KYOTO 2021 ソーシャルグッド・カタパルトに登壇いただいた、machimori 市来 広一郎さんのプレゼンテーション動画【民間主導のまちづくりで、熱海から持続可能な地域社会をつくる「machimori」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミットFUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2021 プラチナ・スポンサーのベクトル様にサポート頂きました。
▶【速報】子どもの好奇心に火をつける!新しい学び場「SOZOW」を提供する「Go Visions」が審査員号泣のソーシャルグッド・カタパルトで優勝!(ICC KYOTO 2021)
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【登壇者情報】
2021年9月6〜9日開催
ICC KYOTO 2021
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト&ラウンドテーブル
Supported by ベクトル
市来 広一郎
株式会社machimori
代表取締役
1979年熱海生まれ熱海育ち。東京都立大学大学院理学研究科(物理学)修了後、3ヶ月のバックパッカーの旅の後、IBMビジネスコンサルティングサービス(現日本IBM)に勤務。2007年熱海にUターンし、地域づくりに取り組み始める。地域資源を活用した体験交流ツアーによるまちづくりをプロデュース。2011年、株式会社machimoriを設立。空き店舗にカフェやゲストハウス、コワーキングスペースを起ち上げ運営するなどの取組により熱海銀座エリアは空き店舗が0へと再生した。熱海市の創業支援プログラム99℃〜Startup Program for ATAMI2030〜や、大手企業向けの地域課題をテーマにした次世代リーダー人材育成研修や、事業創出プログラムなども行っている。著書に「熱海の奇跡〜いかにして活気を取り戻したのか〜」(東洋経済新報社)。
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市来 広一郎さん 熱海で街づくりをしている、市来と申します。
課題先進地 熱海から、社会課題解決に取り組む
私たちは、ローカルの視点から社会課題の解決に取り組んでいます。
皆さんご存知の通り、こうして縮退してしまっている日本社会において、地方は衰退してしまっています。
私たちの街、熱海は課題先進地です。
私たちは主に、衰退してしまった中心市街地の再生をしてきました。
まだまだ良い部分がありつつも、
こういう状態なわけです。
空き店舗もたくさんあり、典型的な地方都市です。
熱海の中心市街地再生を目指しmachimoriを設立
私たちはこれまで、このようなシャッター街になってしまっている衰退した街を、再生する取り組みをしてきました。
今までの補助金頼りで行政主導のアプローチではうまくいかないところを違うやり方にしようと、10年前にmachimoriという会社を作りこの課題に挑んできました。
ポテンシャルのある小さなエリアから始めた再生
現状の調査をしながらエリア再生戦略を描き、小さいエリアからどう波及させるかにずっと取り組んでいます。
エリアのビジョンと、どういう人たちを呼び込めば一番インパクトがあるかを考えながら、エリア再生をしてきました。
空き店舗を魅力的な物件に再生
10年前から、空き店舗を借りて投資、再生した上で経営することから始め、1つ1つ積み重ねてきました。
市場にも出てこないような店舗を再生して、エリアに点を打ち続けてきたのです。
周辺エリアまで活性が波及
そうすると、だんだんエリアに波及効果が出てきて、周辺のお店も活性化されました。
そして、インパクトを与えるには何が重要かも分かってきました。
新規参入者が増え、熱海銀座エリアは地価が上昇
そしてこのエリアに、だんだん新しいプレイヤーが増えてきて、人通りも増えてきました。
その結果、空き店舗がなくなり、エリアの人口と雇用が増え、地価も上がってきています。
すごく小さなエリアが、私たちが当初目指していたように再生しました。
今はコロナで大変ですが、熱海市のその他の地域の施策とも協働しながら、宿泊客数も回復してきました。
経済面だけではなくコミュニティの再生にも取り組んでおり、お祭りなど地域の伝統文化を再生することにもなりました。
街づくりを推進する人「財」を官民連携で育成
私たちの会社だけではなく、取り組む人がもっと増えていかなければいけないと考えているため、創業支援を含め、行政と連携しながら様々な人「財」育成にも取り組んでいます。
結果、輪がどんどん広がってきており、中には起業する方もいるので、私たちも投資や経営参画をすることで街づくりを推進しています。
徐々に周辺エリアも含め、再生してきました。
それ以外にも、熱海の真ん中で起業して地域課題を解決するプレイヤーが続々と生まれています。
このコロナ禍においても、お店を出したり事業を始めたりする人が増えています。
熱海のエリア再生モデルを他エリアへと展開
ここからが、今日皆さんに投げかけたいお話です。
私たちが行ってきたエリア再生モデルでは、悪循環を好循環に変えることが、小さなエリア内ではできていました。
それが行政の課題を解決することにもつながっていましたし、これまで取り組んできたプロセスも、さまざまなノウハウが蓄積されてきました。
だからこそ、私たちはこれから、これをどう他のエリアや街に展開していくかを考えたいと思っています。
熱海の街には再生可能なエリアがまだたくさんあるので、人「財」育成と合わせて、再生を目指していきたいです。
2カ月前、熱海は土石流の災害に見舞われました。
エリア再生の取り組みは、こういった災害の復興にも役立つのではないかと思っています。
▶災害打撃も「熱海復活の仕掛け人」が悲観しない訳(東洋経済ONLINE)
静岡県内のエリア再生を支援
そして熱海内だけではなく、他の街でも色々な取り組みを始めています。
静岡県内への展開をはじめ、街を何とかしたいと思いつつも成果の出ていない若者たちのサポートをしています。
このようなモデル展開にぜひ、皆さんのリソースや知恵をお借りしたいと思っています。
地域再生モデルの進化のために共創を!
しかし、ただ展開していくだけではなく、地域再生モデルを進化させていかなければいけないと思っています。
そこで、実験ができる街へ、と考えています。
地域から、社会のサステナビリティをいかに高めていくかは、私たちのもともとのミッションでもあります。
環境面も含め、課題が進んでいくスピードが早く、私たちだけでは解決できません。
今まで私たちがやってきたことに加え、ここにいらっしゃる皆さんのお力をお借りしながら、全国一の空き家率とも言われる熱海の空き家やエネルギーなどのテーマに取り組みたいです。
しかし皆さんに頼るだけでは地域の雇用は生まれないので、今生まれてきている地域の事業者さんと一緒に事業を生み出したいと思っています。
既に、そういう取り組みを始めています。
課題先進地 熱海を実験のフィールドに
また、ある会社とは、企業研修プログラムを生み出しています。
こういったところに参画して頂きながら、課題先進地の熱海を皆さんに使って頂けたらと思います。
よろしくお願いします、ありがとうございました。
▶編集注:市来さんの取り組みが分かる【保存版】熱海の街づくりを変革する「machimori」(全4回)もぜひご覧ください。
(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸
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