泡盛の酒粕で藻を大量培養! 食品廃棄物から植物性タンパク質やDHAを作り出す「AlgaleX」(ICC KYOTO 2021)【文字起こし版】 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

泡盛の酒粕で藻を大量培養! 食品廃棄物から植物性タンパク質やDHAを作り出す「AlgaleX」(ICC KYOTO 2021)【文字起こし版】

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ICC KYOTO 2021 REALTECH CATAPULTに登壇いただいた、AlgaleX 高田 大地さんのプレゼンテーション動画【泡盛の酒粕で藻を大量培養! 食品廃棄物から植物性タンパク質やDHAを作り出す「AlgaleX」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット KYOTO 2021 ゴールド・スポンサーのKOBASHI HOLDINGS様にサポート頂きました。

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【登壇者情報】
2021年9月6〜9日開催
ICC KYOTO 2021
Session 7A
REALTECH CATAPULT
リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by KOBASHI HOLDINGS

高田 大地
株式会社AlgaleX
CEO

早稲田大学法学部卒。大手総合商社に入社後、穀物部隊に所属。財務経理、M&A、事業再生、ベンチャー投資などを幅広く担当。事業再生時に担当した南米案件や、スタートアップ投資を通じて、世界の一次産業における環境負荷の問題や、日本の水産業の危機的状況知り、商社の視点から各種課題を解決すべく志す。その後、商社在職時投資したスタートアップ企業の一つであるPT MoBiol Indonesia にCFOとして転職し、経営全般を統括。該社はファウンダー逝去に伴い、休眠化。課題に対して解になり得る所に迫りつつ、ここで可能性を閉ざす訳にはいかないという思いから、ビジネス化を引き続き志すメンバーと株式会社AlgaleXを2021年3月に創業、現CEO。


高田 大地さん 株式会社AlgaleX の代表取締役を務めております高田と申します。

本日はよろしくお願いします。

皆様に、プレゼンを始める前にアンケートを取らせていただければと思います。

ものを捨てるたびに、何かちょっと、これもったいないなと思われる方がいましたら、挙手をお願いできますか?

では次の質問ですけれども、これからの時代、「動物性」よりも「植物性」の原料が重要になってくるのではなかろうかと思われる方がいましたら、挙手をお願いいたします。

ありがとうございます。

われわれAlgaleXは、どちらか片方にでも手を挙げていただいた皆様に対してプレゼンを作ってきましたので、聞いてください。

食品製造業の収益性を圧迫している廃棄処理コスト

「捨てられている食品廃棄物=未利用資源」

それを藻(Algae)を使ってまだ見ぬ価値(X)へと変える会社、それがAlgaleXです。

われわれが解決したい課題はこちらです。

食品は生産と同時に廃棄が発生しています。

加えて、その廃棄は当然タダではありません。

われわれはこの食品廃棄処理コストの問題を解決していきたいと思っています。

われわれはご覧の通り沖縄企業 ですので(※)、泡盛を例にとって見ていきます。

▶編集注:AlgaleXの活動拠点は沖縄県うるま市。高田さんはかりゆしウェアを着用してプレゼンされました。

泡盛は1L作るごとに2Lの泡盛粕という廃棄物が発生しています。

泡盛粕はリサイクルされているという言われ方はするのですが、実際のところ、二束三文で畑にばら撒いているだけで、近年はこの写真の通りで、非常に悪臭を放っていることもあって、なかなか引き取られづらくなっています。

泡盛の酒かすで22社共同事業 家畜飼料や健康食品開発(日本経済新聞 2011年4月1日)

そういう現状があるので、リサイクルに回せない余った泡盛粕は基本的に産廃処理をします。

食品製造業の平均営業利益率は約5%です。

それに対して廃棄物の廃棄処理コストは売上高対比で約1~3%ほどで、収益性を大きく圧迫しているのが現状です。

食品廃棄物で藻を大量培養する独自技術

AlgaleXは、このような食品廃棄物を引き取って藻の餌にするというソリューションを掲げていきたいと思います。

つまり、泡盛粕などの未利用資源から藻を育てる、われわれの独自の培養技術で培養します。

そうすることによって、藻から有効成分が大量生産できるというソリューションを掲げていきたいと思っています。

「百聞は一見に如かず」ですので、見ていただければと思いますが、われわれベンチャー企業の気合いの表れで、台風の中でも泡盛粕を取りに行きます。

その後、寝ている状態の種藻をフラスコを使って起こします。

フラスコを使って起こし終わった藻と泡盛粕を混ぜ合わせて、特殊機材の中で大量に藻を育てていきます。

これがわれわれの技術になります。

次に、湿った藻と栄養分を吸われた泡盛粕を分離します。

湿った藻は乾燥機の中に入れます。

乾燥機はフリーズドライができる特殊な乾燥機ですが、この中で48時間寝かせますと、パラパラした藻が出てまいります。

培養藻はタンパク質・DHA・コレステロールを含有

この藻が何になるかというと、30%がタンパク質、25%がDHA、3%はコレステロールになります。

しかもこれは通常のタンパク質、DHA、コレステロールではなく、「植物性」という枕詞がつくタンパク質、DHA、コレステロールになります。

「植物性」とつくことがなぜ重要かというと、まずマーケットの状況を見ていただければと思います。

持続可能でないとされる、動物からのタンパク質摂取

まずタンパク質です。

タンパク質は筋トレするマッスルマニアに必要なものですが、タンパク質マーケットは5兆円といわれている世界最大の原料市場で、80%は動物から供給されています。

一方、20%は植物性です。

マーケット全体の伸びは約6%、植物性のタンパクで切り出すと約10%の伸びがあります。

これはどういうことかというと、欧米を中心に動物からタンパク質を摂ることは持続可能ではなく、倫理的に問題があるという理由で、植物からタンパク質を摂っていくという需要が高まっています。

魚に代わる供給源が必須のDHA

DHAは赤ちゃんの言語系の発達や血中コレステロールの低減などに非常に効果があるといわれている物質ですが、今96%が魚から提供されています。

一方、海産魚は2048年には獲れなくなるといわれていますので、DHAマーケットは魚に代わる供給源が必須といわれている状況です。

「食卓から魚が消える日」を迎えないために豊かな海を守る取り組み(ニッスイ)

植物性原料に需要のあるコレステロール

最後にコレステロールです。

こちらは食品ではなく化粧品や医薬品の保湿剤として使われているコレステロールです。

コレステロールも例に漏れずヒツジからラノリンコレステロールというものを取り出して使っているのですが、ここも消費者の声からするとヒツジではなくて植物性の原料が欲しいといわれているのが今の状況です。

われわれはこのような植物性の需要に対して、未利用資源の泡盛粕から藻を作って植物性の原料を提供していくことで、このギャップを埋めていこうと考えています。

泡盛から生まれた植物性DHAサプリメント

では、AlgaleXは今どの段階なのかというと、こちらです。

われわれは商用化までに3ステップあると考えています。

1つ目が、まず「大量に培養」すること。

2つ目が有効成分を「抽出」していくことで、3つ目がにマーケットスペックに合うように「精製」していくこと。

この3つのステップが必要になってきます。

われわれは今第1段階の、「廃棄物から大量に藻を培養する」ところに成功しています。

今、セカンドステップの「抽出」を筑波大学と研究している段階です。

「じゃあなんだ、AlgaleXははまだ何もできていないじゃないか?」と思われるかもしれませんが、すでに泡盛粕から大量のDHAを含む藻を作ることに成功しています。

年内に、このような泡盛から生まれた植物性DHAのサプリメント「Pure VEGAN DHA」を、魚からDHAを摂れないビーガンの皆様に対して提供していきたいと考えています。

このビジネスが成功すると、誰がどう幸せになるかというところでは、われわれに原料を提供していただいている(新里酒造の)新里社長は「泡盛粕がお金になるなんて!」と。

泡盛粕を受け取る私高田社長は「原料を安く調達できた!」と。

将来的にわれわれのDHAのバイヤーになってくれるであろう油脂加工メーカーの不二製油長島さんは「環境負荷のないDHAを探していました!」という三方よしのビジネスを作っていけると考えています。

チームは、経営を私高田と副社長の日高が担当しています。僕は総合商社出身でビジネスを回していきます。

研究は多田と伊藤のチームで、筑波大学出身の藻類研究チームとなります。

われわれ4名だけではなく、最初に手を挙げてくださった皆さんと盛り上がって……一緒にアップサイクルを作りませんかということで締めさせてください。

ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

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