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ICC KYOTO 2022 SaaS RISING STAR CATAPULT 次のユニコーンを探せ!に登壇いただき見事優勝した、クアンド 下岡 純一郎さんのプレゼンテーション動画【現地に出向いて指示する手間を省く「SynQ Remote」から、建設現場の働き方を変えていく「クアンド」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、2023年2月13日〜2月16日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはHelpfeelです。
▶【速報】遠隔施工管理で人手不足の建築業界を救う「SynQ Remote」(クアンド)がSaaS RISING STAR CATAPULT優勝!(ICC KYOTO 2022)
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【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 3A
SaaS RISING STAR CATAPULT 次のユニコーンを探せ!
Sponsored by Helpfeel
下岡 純一郎
株式会社クアンド
代表取締役CEO
1986年北九州市出身。九州大学理学部、京都大学大学院卒業後、P&Gにて消費財工場の生産管理・工場ライン立ち上げ・商品企画に従事。イタリアにてグローバルチームの一員としてパンパースの新規製造ラインの開発・立ち上げ・ロールアウトなどを行う。その後、博報堂コンサルティングに転職し、ブランディング・マーケティング領域でのコンサルティング業に従事。2017年に地元福岡にUターンし、株式会社クアンドを創業。製造業・建設業などの現場向け情報共有プラットフォーム「SynQ(シンク)」を開発。家業の建設設備会社の取締役も兼任する。サウナが好きで御船山楽園ホテルにはほぼ毎月宿泊している。
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下岡 純一郎さん 私たちは、現場のリモートコラボレーションツール「SynQ Remote(シンクリモート)」を提供しています。
まず、このような領域に取り組んだきっかけについて、お話しさせてください。
父の会社のベテラン技術者が退職
私の父は福岡で建設業を営んでいるのですが、一昨年、あるベテラン技術者が辞めてしまったのです。
理由は、彼にとにかく仕事が集中していて、忙しく、一向に改善されないからでした。
実はこれは、父の会社固有の問題ではなく、業界全体の課題です。
この20年で約30%も労働者が減っており、2030年には10万人分の人手が不足します。
▶2030年には不足数が94,157人まで拡大か 建設技術者の「2030年未来予測」(BizHint)
採用をしようにも、有効求人倍率は介護職の1.8倍ほどの6.7倍あり、全く人を採用できないのです。
忙しいのは移動や確認に時間を取られるから
貴重な労働力なのに、何に時間を取られているか、私は現場に張り付いて分析しました。
それで分かったのは、現場への移動や確認にかなり時間を取られているということです。
定期的な打ち合わせだけではなく突発的なトラブル対応などもあり、現場に出向くことは日常茶飯事でした。
ひどい時は現場まで1時間かけて行くのに、現場には5分だけいて、また1時間かけて戻ってくるということもありました。
彼らの労働時間のうち、なんと30%が、この現場への移動や確認に取られていたのです。
100人いる部署の場合、年間1.89億円ものコストがかかっています。
非常にもったいないですよね。
既存のツールで現場へ指示を出すのは難しい
これを知った時、私は正直、こう思ったのです。
「いやいや、それはLINEやZoomでできるでしょ?」と。
そこで実際にしてもらったのですが、これが難しかったのです。
なぜかと言うと、例えば現場からこういった映像が送られてきて、皆さんが遠隔で指示をするとします。
「このバルブを閉めてくれ、こう配管を通してほしい」を、どう伝えるでしょうか?
そうなのです、現場に対して、言葉で伝えるのが非常に難しいのです。
リモートでもストレスなくコミュニケーション可能な現場特化型ツール
これを解決するために、SynQ Remote(シンクリモート)を開発しました。
では、デモ動画をご覧ください。
SynQ Remoteは、携帯電話の電話帳から電話をかけるように、1クリックで発信することができ、URL発行など難しい手続きは一切不要です。
現場映像が画面共有され、マウスでクリックするとポインターが出現するので、「ここを見せて」と視覚的にコミュニケーションができます。
複数人が同時にシステムに入って指示もできるので、1人が現場に行って、他の人は遠隔から参加することもできます。
ポインターだけではなく、その場で撮った写真に対して、絵や図や文字を記録できるので、指摘事項などを残すこともできます。
現場は騒音がひどいので相手の声が聞こえないケースもよくあるのですが、音声文字起こし機能で指示を表示するので、うるさい場所でも正しく指示ができます。
また、実際の図面を表示し、その上にポインターを表示できるので、「図面のここが、現場ではここで」と、実際に現場で図面を見ているような体験を提供できます。
これら撮影した写真や動画は、自動的にフォルダに保存されるので、後でメールに添付して送信する必要はなく、SynQ Remote上で情報共有が完結します。
説明業務を約80%効率化した一部上場企業も
導入効果です。
一部上場の某建設会社では、現場の説明業務でご利用頂き、約80%も業務効率化できました。
部署全体だと、約7,500万円のコスト削減になります。
投資額は100万円程度なので、ROIが非常に良いと言えます。
ユーザーの声を聞くと、「痒い所に手が届く」「現場に寄り添った機能」と評価されています。
実は、我々のお客様の100%がZoomやTeamsなどのウェブ会議システムを使っていますが、それとは別に、現場用にSynQ Remoteを契約してくださっています。
つまり、ZoomやTeamsでは解決できない課題が現場には確実に存在しており、SynQ Remoteはそれを解決しているのです。
例えば、世界的なロボットメーカー安川電機は、ロボットの遠隔メンテナンスのためにSynQ Remoteを使ってくださっています。
▶安川電機のリモート保守サービスに現場特化型ビデオ通話アプリ「SynQ Remote(シンクリモート)」が導入(PR TIMES)
MRRはこの1年で500%成長、4社に1社でアップセルを実現しています。
今では1日100回以上の通話が発生し、累積10,000枚以上の写真が蓄積されています。
前後の工程を省力化、現場作業に注力できる
そして今期強化した機能は、現場の前後工程を自動化する機能です。
現場に行く前に過去の対応履歴を調べたり、現場作業の後に報告書を作ったりする作業が発生します。
これを自動化することで、現場作業者の時間を、現場でのコア業務に充てることができます。
たとえばトラブルがあった現場から電話がかかってきたシーンでは、現場の様子を映像で確認することができますが、同時に、この現場の過去の履歴を見ることができるので、今の状況と過去の履歴のどちらも見ながら、正しく指示ができます。
通話終了後は、通話中に撮影した写真を使って、報告書を作成することができます。
その場で簡単に作成できるので、オフィスに戻って資料作成をする必要はありません。
できた報告書は、チャットで送ることができます。
このように、移動を削減するだけではなくて、面倒な資料作成や情報検索の手間も省くことができます。
私たちは、遠隔支援を起点にし、得られたデータを活用し、業務効率化を図っていきます。
フィールドサービスマネジメント市場にチャレンジ
そして将来的には、さらなる領域に展開していきます。
この「フィールドサービスマネジメント」(※)と呼ばれる領域は、今でもグローバルで5,500億円の市場であり、ユニコーン企業(Zinier)も出ています。
▶編集注:フィールドサービスマネジメントとは、機械設備の設置工事や、ビル設備およびシステムソフトウェアなどを現場で保守、点検、メンテナンスするサービスの総称
▶Zinier raises $90M to automate field service management (TechCrunch)
これは、2030年までに急成長して、3.4兆円にもなる市場です。
一方、国内を見てみると、労働生産性はまだまだ低く、改善の余地があります。
つまり、伸びしろがあるとも言えます。
ターゲットとなるユーザーは600万人、これが現場業務全体となると3,900万人にもなります。
私たちは、この広大なマーケットにチャレンジしていきます。
建設で社会を支える人々がグローバルに豊かに働ける未来を
これは、フューチャービジョンです。
今日、オフィスワーカーはIT技術の進歩により、時間や空間を超えてコラボレーションできるようになりました。
この革命により、労働力はグローバルで流通し、個人は働く自由を手に入れたと思っています。
現場でもそんな世界が実現できないのか?
将来、アメリカの木造建築の監督を、日本に住む人が日本から行ったり、アジアの火力発電所のプラントメンテナンスを、高度な技術を持つ日本のプラントメーカーが行なったりする。
私たちは、インターネットの当たり前を現場の世界でも実現し、社会を支える人々がより豊かに働ける世界を目指していきます。
「現場をもっと、スマートに。」
株式会社クアンドでした。
(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成/大塚 幸