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「モバイル動画メディア/広告はどのように進化するのか?」【F17-10C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!11回シリーズ(その2)は、動画ビジネスを行う上での難しさや課題をお話いただきました。オープンエイト高松さんの問いが、セッションを通じて刺さりました。ぜひ御覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
▶「モバイル動画メディア/広告はどのように進化するのか?」の配信記事一覧
坂本 テーマはモバイルの動画ですが、動画というのは他のメディア、例えばテキストや画像、写真などと比べて、いろいろと特殊なところ、動画ならではの特性のようなものがあります。
動画ならではの難しさ、逆に動画だからこそのポテンシャル、両方があると思うのですが、その辺りをまずは議論していければと思います。
高松さんは、今も関わっているとのことですが、もともとはアイスタイル(@コスメ)で、動画ではないメディアを扱っていらっしゃいましたが、動画はこういう面が難しい、ハードルになっていると感じられることは何かありますか?
動画ビジネスのマネタイズを証明できるか
高松 2点ありまして、まず広告に関して言えば、前回のICC KYOTO 2016のセッションでもお話ししたのですが、動画広告市場というのはまだまだ完成されていません。
(参考資料:ICC KYOTO 2016 「スマホ動画メディアは収益化できるのか?」)
動画広告プレイヤー(企業)は著しく増えていますが、市場のシェアでいうとほとんど、8-9割を、最も大きいYouTubeがやはり握っています。
そこへ乱立するかのように動画広告プレイヤー(企業)が出てきたところで本当にマネタイズできるのだろうか、という点はやはり今後非常に大きなテーマになるだろうと考えています。
坂本 それでいうと、ファイブ社も含め、弊社AppLovinも動画広告の会社なので、ステージ上だけで既に3社乱立していますからね(笑)。
高松 そうなんですよね。
ですので、そこが課題だと思いますし、テーマとしても大きいと思います。
もちろん市場そのものが伸びているので、それぞれに伸びていくとは思うのですが。
もうひとつは、コンテンツに関してですが、動画である理由が本当にあるのだろうかと突き詰めて考えている会社がどれだけあるのだろうかと疑問に思います。
結論を言えば、ユーザーからするとテキストを読み、写真で見た方が早いし、情報量としても多いはずです。
明石 そうだ!そうだ!
高松 そうなんですよ。
だからコンテンツとして、動画である理由をきちんと突き詰めて、かつそれをビジネスに変えられるということを果たして証明できるのだろうかという点が曖昧なことと、若干動画に対する期待が大き過ぎるのでマネタイズを今後どうするのか、ベンチャー、スタートアップというステージでいうと、マネタイズを皆きちんと考えているのだろうかと疑問に思います。
動画というだけでバリエーションの数字が相当上がるというケースも増えてきていて、最近は特にいろいろありますが(本質的にユーザーが存在しているのか?とかマネタイズ大丈夫なのか?とか)……この辺で止めておきましょうか(笑)。
坂本 地雷だらけの話になりますからね(笑)。
それに対して、やはり動画でしょうとか、逆にこういう点も課題だと思っていますなど、何かありますか?
明石さんいかがでしょう。
「動画にすべきコンテンツ」の見極めが重要
明石 動画にする価値があるのだろうかという今の高松さんの話に関しては、我々は普段ニュースの動画を中心にやっていますが、インタビューの動画をやってくれませんか、というようなお話を非常に多くいただきます。
こういうスタイルの、これを動画にして、企業のイベントの……と様々な依頼があります。
しかし考えていただきたいことは、皆さんも「ログミー」を見ていると思うのですが、書き起こしを読んだほうが、圧倒的に自分の時間を有効に使えます。
例えば、このICCカンファレンスのセッションであれば1時間以上続きますよね。
これを全て動画で見るよりも、セッションが書き起こされた記事をNewsPicksなどで読む方が、はるかに時間を有効に使えます。
では、一方で動画の価値はと言えば、TEDのような、同じプレゼンテーションでもひとりの人が5分間でパフォーマンスをするように話すような内容については動画にする価値があると思っています。
そのような違いに、テキストメディアも含めて業界全体がまだ敏感になっていないなという点は非常に感じますね。
坂本 そもそも、こういうものは動画にした方がいいよね、こういうものは動画に適していないよね、というものがあるということでしょうか。
明石 その通りです。
坂本 なるほど。新井さんはその辺りいかがですか?
新井 恐らくこれを1時間の生放送で届けたら、また違う価値が作れると思うんですよね。
この場に来られない方々がコメントで質問するなど、ライブだからこその価値はあると思っています。
そのような観点から、弊社は現在ライブ配信コンテンツを積極的に作っています。
ただ終了したライブであれば、普通に考えると、簡単に3分にまとめて欲しいと思いますよね。
すべてのイベント書き起こしテキストを読むのも面倒くさいし、コンパクトにおいしいところだけを3分で知りたいという時には、やはり映像だからこその価値があると思います。
静止画やテキストで表現できない世界がある
坂本 なるほど、おもしろいですね。
松本さん、先ほど高松さんから広告という話も出ましたが、ファイブ社は動画に特化した広告を作成されていますよね。
敢えて動画に特化している理由について、動画にポテンシャルを感じているからこそ、そこに特化されていらっしゃるのだと思いますが、どういった点にポテンシャルを感じていますか?
松本 我々は動画広告を扱っていますが、一般的にインターネット広告の市場というのは2通り、ダイレクトコンバージョンを追うような広告と、ブランディングを行うような広告の2つに分類されると思っています。
ちょうど昨日、デジタルマーケティングがどのように進化するのかというセッションで、「バナー広告でブランディングは無理です」といった話をされていたのが、非常に印象に残っています。
私としても、バナー広告よりも動画の方が確実に世界観などを伝えられると思いますし、ブランディング広告の市場では特に静止画やテキストでは表現できない世界があると思っています。
テレビCMにはあれだけ大きな市場が存在するわけで、それを例えば単純にスマホの世界に持ってくるだけでも相当な可能性があるのではないかと思っています。
坂本 なるほど。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/鈴木ファストアーベント 理恵
続きは モバイル動画は、再生回数よりも「再生秒数」こそが重要 をご覧ください。
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【編集部コメント】
続編(その3)では、ブランディング広告の効果測定といった話題から、動画メディアにおけるKPIについて、Spotwright明石さんが熱く語りました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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