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「モバイル動画メディア/広告はどのように進化するのか?」【F17-10C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!11回シリーズ(その3)は、ブランディング広告の効果測定といった話題から、動画メディアにおけるKPIについて、Spotwright明石さんが熱く語りました。ぜひ御覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
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坂本 私の会社はどちらかというと、アプリのダイレクトコンバージョンのために動画を使うお客さんが多く、あまりまだブランドの広告主と直接お話しする機会がないのですが、やはり広告主はブランディングが一番の指標、目標となって動画を活用としたいという状況なのでしょうか。
もう1点は、ブランディングとはそもそもどのように計るのでしょうか。
やって良かった、イマイチだった、というのはどのように判断していくのかという点について、どなたかご意見をいただけますか?
ブランディング広告の効果をいかに測るか
高松 それはもう非常にシンプルで、データで言えば今はブランドリフト調査が中心となります。もちろんそれ以外のデータも必要ですが。
(編集注:ブランドリフト調査とは、ブランディング広告への接触グループと非接触グループの割合を比較し、広告に触れた人が触れなかった人より効果が上がったかどうかを測る調査)
広告主は、テレビ出稿して、VR(ビデオリサーチ)を使って、キャンペーン調査を行って、ブランドリフトで認知されて、購買までどのように数値が上がったかということをデータとしてずっとストックしています。
それとの比較で効果が出なければ、結局、動画広告に意味がないよね、という結論が導かれてしまいますので、各プレイヤーともブランドリフトに関してはきちんとやらないと評価されないと思いますし、やって当然のことです。
逆に調査のコストを各社が出さないとなると、恐らくこの市場は育たないのではないでしょうか。
坂本 なるほど。
明石さん、何かおっしゃりたいことがあるようですね、マイクを手にされていますが(笑)。
明石 そのような空気が出ていましたか(笑)?
まさに高松さんのおっしゃる通りだと思っています。
更にもうひとつ問題があるなと思うのは、ブランドリフト調査自体が、各社ばらばらの指標を使っていることで、いかがなものかなと思っています。
名前を出して言うのもあれですが、最近再上場を果たした会社の行っている調査などがありますよね。
オンラインの動画の素晴らしいところは、実際に見せた人に対してどうだったかを尋ねられるところだと思います。
それは、今までのモニター調査とは違っており、直接聞けることが、テレビCMなどに対する優位性のひとつだと思っています。
弊社もやっていないのでなかなか言いにくいのですが、そこに各社がまだ踏み込んでいっていないのはどうなのだろうと思っています。
坂本 デジタルというところでは、もっとダイレクトに、調査などを別途やらなくとも、例えば分散型メディアなどはSNSにシェアされるわけですよね。
それが、ユーザーに「いいね!」されましたとか、更にシェアされて何人に閲覧されたかという数値についてはきちんと出ますよね。
これらはブランド広告主に対する指標にはならないのでしょうか?
純広告と局所的なコンテンツ広告は切り分ける必要がある
高松 恐らく2つの話があり、要はファイブ社も弊社オープンエイトもそうですが、動画広告でテレビCMと同じ素材を流している場合と、コンテンツベースでタイアップ的にやる場合とは効果指標が全く異なると思います。
「純広」(編集部注:純広告。定義はリンク先参照)はどこまでいっても「純広」なので、テレビCMのようにブロードリーチをかけるために作っているクリエイティブ素材なんですよね。
それとは別に、局所的にソーシャルメディアでシェアされるために作られているCMというのは少ないので、そこはやはり違うと思っています。
コンテンツベースの方は、シェアや「いいね!」などのユーザーアクション、ないしは再生完了率・維持率など、見ている視点が全く違うと思います。
坂本 なるほど。新井さんはいかがですか?
新井 そこは恐らくリーチ数の担保のような話だと思います。
アドネットワークをぶんまわす時なども。
新井 我々のクライアントからも、よくある話ですが「バズりたい」というようなオーダーが非常に多く、それは結局のところブランドリフトどうこうというよりも、端的に言うとネットはコストパフォーマンス(コスパ)がいいというような固定概念が結構あるのではないかと思います。
「1回の動画再生あたりの単価はどのくらいですか?」というような会話の中で、バズったら単価が下がるのでコスパがいいですよねとか、アドネットワークを効果的に回すと再生単価が下がってくるのでいいですよね、というあくまでコスパの話になります。
我々がコスパ以外の価値を創り出していかないとおもしろくないですし、マーケットも大きくならないだろうなと思っているので、結構コンテンツの方にも力を入れているというところはありますね。
坂本 なるほど。コスパ以外の価値、コストとともに価値の方の話もしたいと思いますが、何をもって動画の価値が高かったと言えるのでしょうか?
新井 そこ単体だけでは回答にならないと思うのですが、先ほどもまさに話が出ていましたが、いかに維持しているか、見続けてくれているかなど、例えばFacebookであれば「いいね!」を押してくれているか、コメントしてくれているか、ある種エンゲージメントの面での効果というのは結構見ています。
そこに対してただ見ている、傍観しているのではなく、関与して見ている、能動的なアクションのようなものは、結構大事にしたいと思っています。
再生回数よりも再生秒数こそが重要
明石 その点に関して今日絶対に発言してから帰ろうと思っていることがあり、動画の再生回数という指標は数字として大きいインパクトが出しやすいですし、2016年は特にそれが多く語られた年だと思っています。
「再生回数1億回」など、どこの宇宙の話をしているのだと(笑)。
非常に表現が難しいところですが(笑)、「あれ、そこに本当に人がいるのかな?」というようなことを常に考えています。
スライドを出していただけますか?
これは創業当時から言い続けてきたことなのですが、再生回数、言い換えればPVやインプレッションというのは当然、1995年よりも今、2017年のPVの方が絶対に多いです。
つまり、インプレッションも多いし、再生回数も増やせるのです。
これはもう、宇宙が無限に膨張していくような感じなのですが、唯一変わらないことはひとりの人間に与えられた時間で、1日が24時間であることは変わりません。
動画が素晴らしいポテンシャルがあり、それがいわゆるバナー広告などのスタティック(静的)な広告と比べて価格面で高い対価をいただける根拠になっているのは、やはり時間だと思っています。
人間の24時間は有限であり、テレビの媒体費が高いのは、その24時間のうちの何分、何時間を視聴者とエンゲージできるからです。
しかし、動画の再生時間が2秒、3秒というのでは、バナーと何も変わらないと僕は思っています。
というのは、再生回数というのはプラットフォームによって3秒で1回、2秒で1回など、全く異なるわけです。
3秒だけ見られた動画の再生回数1回というのは、バナーと何が異なるのかという問いに対して、真摯に答えていかないと、動画という産業自体が嘘っぽいものになってしまうと私は思っています。
明石 ですので、今後は再生された秒数が、KPIの主役になるのではないかと思っています。
Facebookなども今はミッドロール動画という、動画広告の対応など、いわゆる視聴秒数が長いものをアルゴリズムで上に出すようにしましょう、というような変化がプラットフォームの側でも起きています。
私は今年(2017年)はこれを押していく、という決意で挙手をしました。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/鈴木ファストアーベント 理恵
続きは 「モバイルだからこそ」の動画フォーマットとは何か? をご覧ください。
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【編集部コメント】
続編(その4)では、モバイルだからこその動画コンテンツの「フォーマット」は何か?ということを議論しました。Candee新井さんによるスマホゲーム市場との比較で見るモバイル動画市場の解説が興味深いです。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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