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Designed in Japanから世界へ ユニークはハードウエア製品をグローバルに展開する「Cerevo」

Designed in Japanから世界へ ユニークはハードウエア製品をグローバルに展開する「Cerevo」のプレゼンテーションをぜひご覧ください。一部デモもございますのでプレゼンテーションの動画も併せてご覧ください。

ICCカンファレンスでは「カタパルト」登壇企業を継続的に募集しております。スケジュールなどはぜひ募集ページをご覧ください。

登壇者情報

2016年3月24日開催
ICCカンファレンス TOKYO 2016
「カタパルト」(10分間のプレゼンテーション)

(プレゼンター)
岩佐 琢磨
株式会社Cerevo 代表取締役CEO

1978年生まれ、立命館大学大学院理工学研究科修了。2003年から松下電器産業(現パナソニック)株式会社にてネット接続型家電の商品企画に従事。2008年5月より、ネットワーク接続型家電の開発・販売を行なう株式会社Cerevo(セレボ)を立ち上げ、代表取締役に就任。世界初となるインターネットライブ配信機能付きデジタルカメラ『CEREVO CAM live!』や、既存のビデオカメラをライブ配信機能付きに変えてしまう配信機器『LiveShell』シリーズなどを販売。


岩佐 琢磨氏(以下、岩佐) 初めまして、株式会社Cerevo(読み:せれぼ)代表の岩佐と申します。今日はよろしくお願いします。

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まず、どういう会社なのかというのを、皆さんご存知ない前提で、話をしていけたらなと思うんですけれども、まず会社の名前なんですけど、Consumer Electronics つまり、家電ですね。家電をRevolutionしてやろうということでですね、結構大上段に構えた名前ですね。

お前、ソニー、パナソニックに喧嘩売るのかと、アップルと戦うのかと、まさにそれをやりたいと思ってですね。先ほどプレゼンテーションしたイクシーの近藤さんが元ソニーでしたけど、僕は元パナソニックで、5年くらいやった後に独立をしまして、今9期目に入った会社でございます。

古株スタートアップとか、よく分からない名前で呼ばれておりますが、なんとか生きております。

そんな名前知らんな~という方もですね、これはもしかしたら、YouTubeで流れてきた映像でですね、ご覧になったことがあるかもしれないです。 こういうおもちゃ(DOMINATOR)を作っています。

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これはちなみに8万円します。上位モデルは9万円します。発売までの初期予約で、うちの工場のキャパをオーバーしまして、今鋭意製造中ということでございます。

これなにが出来るかといいますと、結構真面目に作っていてます。映像がありますので是非ご覧ください。

どういうものかというとですね、実際スマートホンのCPUが中に入っていて、スマホのアプリと連動して、カメラが入っていて、アニメの中に登場する銃、昔ウルトラ警備隊の銃とかですね、それを精巧に再現しました。

顔を画像認識をして、スマホのアプリ上で、「こいつは悪い奴だ」とか「この人はいい人だ」とかを勝手にアプリが判断して、悪い人だと勝手にガチャンと銃が変形して、一発で人が殺せるというようなモードになります。

このような設定のアニメなんですが、既存の玩具メーカーさんが、こういうのを出していたんですけれども、ただのおもちゃで当然変形はしない、スマホとも連動しない、いわゆるIoTのデバイスの要素が全くない。

家電メーカーのテクノロジーをひたすら突っ込んで、本当に欲しい人のために作ってみようじゃないかということで、原価度外視で、いくらかかってもいいので、というのは嘘で、やっぱり99,999円以下であれば、マニアの人は買うと、僕がオタクだったのでよく分かっているので、そういう価格設定でいけばいけるだろうということで作ってみたら、今よく売れていると、こういうものを作っています。

あとですね、最近この1月にCESというアメリカの家電のイベントでデビューさせたTipronというロボット、この夏発売予定なのですが、ホームロボット作っています。

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特徴はここにプロジェクターが入っていまして、皆さんの家中の天井、壁、床、全てがディスプレイに変わります。こちらもデモ映像をご覧ください。

本当は家中にこんなディスプレイが埋まっているとマイノリティーレポートとかああいう世界が出来ちゃうんですが、それは現実的じゃなかろうと。この一式で800万円とかするんですけど、そんなの絶対出せませんようね、ということで、じゃあ家中プロジェクター歩きまわせたらどうだというので、こういうのを作っていたりしました。

結構変なものをいっぱい作っていまして、プロダクト紹介が面白くてしょうがないんですが、スノーボードのバインディング(SNOW-1)を開発しています。

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スノボやる方っていらっしゃいますか?結構いらっしゃいますね。スキーやる方?両方の方はお分かり頂けるかと思いますが、板とブーツの間をつなぐ部品なんですけど、この中にリチウムイオンバッテリーと様々なセンサーとBluetoothのモジュールが入っていて、iPhoneのアプリの上で、今どんな過荷重状態になっているか、左足に荷重がいっているとか、つま先側に荷重がいっているというのは、リアルタイムで分かります。

というような世界で初めてのIoTスノーボードバインディングというものを作りました。こちらも映像がございますので是非ご覧ください。

こんな感じでスノーボードの映像を撮ると、F1の中継とかでありますよね。今ギアが遅くに入っていて、横Gが3Gかかっていて、最高時速250キロ出ているぞ、みたいな同じようなパラメーターが皆様のスノーボードのビデオの上にオーバーレイ出来ると、こんな機能を提供していたります。

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もう売っております。すぐそこで、神田のスノボ屋さん、ヴィクトリアさんとかで扱っています。下にも展示しているので、是非見てみて下さい。

ORBITRECという3Dプリントとカーボンファイバーで出来た自転車を作っています。こちらも4月発売ということで、今まさに作っているんですけれども、リアルタイムで自転車の動きを、スマートホンのアプリの上で見ることが出来ると。それで何で便利かっていうのは長くなるので省略します。

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こちらも映像があるので是非ご覧ください。

他にも結構変なものを色々作っていて、ひたすらインターネットにつながる家電ばっかりを作っています。ちょうど今ライブ動画が結構またもう1回流行が来ています。

LINEさんなんかもライブ始められて、アメーバさんもまたかなり攻めてきて、ということで、世界も色々進歩していて、世界中の様々なライブキャスティングサービスにカメラ4台つないで、パチパチiPadから切り替えながら配信出来ます。 このような機器(LiveWedge)を作っています。

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これは電源タップですね。ちょっと変な形をしているんですが、全てのポートがスマートホンからオンオフを制御出来る電源タップ(OTTO)を作ってみたり。

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これ今日ちょっと持ってきたんですけど、こういう非常に小さな目覚まし時計ですね。

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面白くてですね、この目覚まし時計は止めるボタンがついていないと、で、しかもかけるボタンもなくて、秒針もないと。どういう動きをするかというと、ここまたIoTでございまして。皆さんインターネットカレンダー、グーグルカレンダーとかiPhoneのカレンダーで予定を管理しているという方いらっしゃいますか?

(会場挙手)

当然ですよね。朝9時に予定が入っていると、勝手に7時45分になるとアラームが鳴ります。朝8時からの予定が入っていると、勝手に6時45分に鳴ります。便利じゃないですか。止めるボタンがなくて、ひたすら振って止めるしかないと。

(会場笑)

結構ぶっとんだ商品企画にしました。でも、非常におしゃれでですね、出張にも持っていけると、12,800円で販売しております。

あとですね、ありがちなものなんですけど、鍵をパチッと回すとインターネットに回ったという情報が飛ぶっていうだけのデバイスですね。スマートロックでも何でもないです。こういう変なものをとにかくいっぱい作っていると。

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で、どういう戦略で、一体こいつら何をやっているんだと、よく分からないもの色々出しているということなんですが。それなりに戦略を持ってやっていまして、ユニークな戦略をとるのが僕は結構好きなので、みんなと同じことをやるのは嫌だということで、グローバルニッチという戦略をとっています。

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要は、1カ国当たり100台ずつ売れば、世界中には約200の国と地域があると言われていますが、その内100カ国をおさえたとして、1万台売れると、そんなプロダクトを100個作ればですね、100万台のビジネスだと。さきほどちょっと別のセッションを聴いていて、近いようなお話をおっしゃっていましたけど、まさにこうかなと思っています。

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いや、そんなの夢物語だろっていうことなんですが、コツコツやっているとですね、意外に50ヶ国超えてきてですね。特徴的なのはですね、多分ですね、今日国際的にご活躍の皆さま方は、こんな国ととっくにビジネスをやっているよという方も多いと思うんですが、なかなかスロベニアとビジネスやっているとかですね、コスタリカに出荷しているとか、ちょっと怪しい匂いがしますけど。

普通にコスタリカに出荷していると、武器輸出なんじゃないかという話になりますが、そんなことはなくて。ウクライナもちょっと怪しげですけれども。この辺はやっぱりライブ系の商品(LiveShell, LiveWedge等)が非常に受けていて、結構普通の日本企業さんがなかなか取引しないような所と取引するケースが多くて、売上の半分以上が今海外というようなモデルでございます。

典型的ないわゆるハードウェアスタートアップで100万台売るぞ、Fitbitだぞみたいなモデルって大体こういうモデルで。アメリカ100万台売ればいいぞ、ヨーロッパでじゃあ200万台売るぞ、というようなモデルで、そこにプロモーション費用を一気にドーンと投下すると。なぜならモノが非常にポピュラーなものなので、プロモーション費用で勝負だと。

あるハードウェアスタートアップのアメリカの大きな経営者が、プロモーション費がなくなったら、俺たちは終わりだと。それまでに競合を全部売っちゃったら、俺たちの勝ちだというようなことをおっしゃっていて、なるほどなと思ったんですが、僕らは真逆の戦略ですね。

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グローバルペネトレーションです、と。香港の下のこの辺が(注:地図的なものではなく、スライドの図表位置を示している)

コスタリカで、この辺がドミニカ共和国なんですけど、この辺も全部やるぞと。その代わり、各国当たり本当に100台、数百台売れればいい、というようなモデルでやっております。

今90名くらいのメンバーがいまして、Japanese IoT Dream Teamという風に言っています。

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なぜかっていうと、うちは8割がエンジニアなのですが、ほとんどが日本の誇るモノづくり産業から飛び出して、さきほどの近藤さんじゃないですけれども、EXソニー、EXパナソニック、EXシャープ、EX日立…最後に男性に非常に馴染みのある会社の名前が出ていますが、冗談ではなくて、本当にいます。

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全てのデザイン、設計は東京でやりまして、組み立ては主に中国でEMSでやっていると、そして、色んな国に出荷するとこんなビジネスモデルでやっています。

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ポイントは、基本的に4人で1プロダクト作るというようなやり方でやっていまして、これが非常にユニークでございまして。

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そうすると1プロダクト当たり、それでも10ヶ月で今言ったようなものって大体平均10ヶ月くらいで出来ちゃうんですね。

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結果、90人いる訳ですから、バックオフィスのメンバーを入れても、13〜14プロダクトくらいが1年でもう出せちゃう、と。

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そうすると、NRE(デバイスの設計・製造にかかる経費の総計を指します.開発費とも呼ばれます)、人件費ポチポチ電卓をはじいて頂くと、金型代なんてこの中では大したことなく、5百万円か6百万円なんで、そうすると数千万円の前半で、NRE初期開発費で1プロダクト出来ちゃうというビジネスモデルでやっております。

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とにかく面白いのは、PRに非常に力を入れておりまして、ここが戦略の要だと思っているので、PRを念頭に置いて、どんな商品を作るか決めています。

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結果として、結構色んな国のメディアに取り上げて頂いて、グローバルの出荷台数が伸びます。

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最後にちょっとまとめますと、結構本当に真面目にやっていまして、PRを考えた商品企画は最初にやって、とにかく先ほど申し上げた高速で安価な開発スキームをばんばんばんばん回す。

CES、IFAといった国際展示会に出して、色んなメディアに何か変なもの作っている奴がいるぞ、とアームロボットにプロジェクター載せやがったとかですね、謎の銃を持ってきやがった、となります。

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というところで、結果海外からの問い合わせがいっぱい増えて、ちなみに採用人件費ゼロの求人は減っているというのも、これもまた強みなんですが、結果こういうところのエコシステムが回って、13ラインでこれを毎年繰り返す、とこんなちょっとヘンテコなモノづくりをやって、Designed in Japanから世界へということで、日本の強みを今世界に発信しているというような会社をやっております。

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ご清聴有難うございました!

(終)

プレゼンテーション終了後は第一線で活躍する経営者やベンチャーキャピタリストの方々と積極的な質疑応答が行われました。

(コメンテーター 一覧)
 株式会社アイスタイル 代表取締役社長 兼 CEO 吉松 徹郎 氏
 Asia Africa Investments & Consulting Pte.Ltd. 代表取締役/CEO 椿 進 氏
 East Ventures Partner 松山 太河 氏
 クオンタムバイオシステムズ株式会社 代表取締役社長 CEO 本蔵 俊彦 氏
 グーグル株式会社 製品開発本部長 徳生 裕人 氏
 株式会社gumi 代表取締役副社長 川本 寛之 氏
 グリー株式会社 取締役執行役員 荒木 英士 氏
 株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ 代表取締役社長 山岸 広太郎 氏
 株式会社SHIFT 代表取締役社長 丹下 大 氏
 株式会社スマートエデュケーション 代表取締役社長 池谷 大吾 氏
 株式会社ディー・エヌ・エー 執行役員 原田 明典 氏
 UBS証券株式会社 マネージングディレクター 武田 純人 氏

新しい産業をリードするトップリーダーが参加するコミュニティ型カンファレンスの特徴を最大限に活かした「カタパルト」は素晴らしい出会いの場となります。ICCカンファレンスではスタートアップのプレゼンテーションの場「カタパルト」の登壇企業を継続的に募集しております。スケジュールなどはぜひ募集ページをご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/藤田 温乃

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