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「グローバルスケールのビジネスをいかに構築するか?」、全6回シリーズの(その4)は、創業2年でKDDIグループ傘下に入ったソラコムの玉川さんが、その狙いを紹介します。SORACOMのSIM1枚で、世界中と繋がることを目指すために、グローバルのプラットフォームビジネスを創るというその真意とメリットを語ります。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2021 ダイヤモンド・スポンサーのノバセル にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
ICCサミット FUKUOKA 2021
Session 11B
グローバルスケールのビジネスをいかに構築するか?
Supported by ノバセル
(スピーカー)
大塚 剛司
Playco
Co-Founder, SVP, Executive Producer
児玉 昇司
ラクサス・テクノロジーズ株式会社
代表取締役社長
十河 宏輔
AnyMind Group株式会社
代表取締役CEO
玉川 憲
株式会社ソラコム
代表取締役社長
(モデレーター)
西條 晋一
XTech Ventures株式会社
代表パートナー
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最初の記事
1.グローバルに挑戦する登壇者たちが、現在進行系の取り組みを議論!
1つ前の記事
3.アメリカ市場に挑むラクサス児玉さん、東南アジアでサプライチェーンのDXを推進するAnyMind十河さん
IoT向け通信プラットフォーム「ソラコム」玉川さん
玉川 ソラコム代表の玉川と申します。
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玉川 憲
株式会社ソラコム
代表取締役社長
1976年大阪府生まれ。東京大学工学系大学院機械情報工学科修了。米国カーネギーメロン大学MBA(経営学修士)修了、同大学MSE(ソフトウェア工学修士)修了。日本IBM基礎研究所でウェアラブルの研究開発、ソフトウェア事業部での技術営業・コンサルティングを経験。2010年にアマゾンデータサービスジャパンにエバンジェリストとして入社し日本のAWS事業の立ち上げを指揮、2012年より技術部長としてアーキテクト、トレーニング、コンサル部隊を統括。2015年株式会社ソラコムを創業。「世界中のヒトとモノをつなぎ共鳴する社会へ」をビジョンに、IoTプラットフォーム「SORACOM」を展開、IoTに不可欠な通信を柔軟かつセキュアに提供。Forbes JAPANが選ぶ「日本の起業家ランキング2017」2位を受賞。『IoTプラットフォーム SORACOM入門』『Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド』『同 実装ガイド』他、著作翻訳多数。
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5年前に創業して、その前はAmazonでAWS(Amazon Web Service)の立ち上げをやっていて、その前はIBMに10年おりました。
ソラコム自体は、IoT向けの通信を提供している会社です。
ざっくり言うと、皆さんのスマホの中にSIMが入っていると思いますが、SIMをスマホではなく、車や自販機などモノ向けに出している会社です。
やり始めたきっかけは、AWSをやっているときに多くのお客さまが「モノからデータをクラウドにあげたいけど、ちょうど良いのがないよね」という悩みを抱えていらしたことです。
じゃあ作ってみようかなということで作ったのが最初のサービスで、ソラコムエア(SORACOM Air)と呼ばれるIoT向けのSIMです。
そこから、徐々に使える通信の種類を増やしたり、IoTデータを貯めるストレージ、可視化プラットフォームを始めたり、最近はもう少しハードウェアに寄って通信機器も一台から使えるようにということで、どんどんビジネスエリアを広げています。
あらゆるモノの通信を支え、200万回線を突破
玉川 どういったところで使われているかというと、POCKETALK(ポケトーク)って皆さんご存じだと思いますが、あれにもSORACOMのSIMが入っています。
世界中で繋がってクラウドで翻訳して返すという仕組みですけど、その他にもGPSトラッカーと呼ばれる専用デバイスによるバスや車の動態管理、工場の設備の稼働状況の可視化、、トマト農場の環境管理で使われたりと、本当に色々なところで使っていただいています。
創業して40億円くらい調達して、その後、2017年にKDDIグループに入りました。
▶KDDI「200億円買収」のソラコムが急成長、IPOも視野にーーグローバル展開の秘策を語る(BRIDGE)
実はそのとき8万回線くらいだったんですけど、去年までで200万回線を超えてきまして、今どんどん増やしている状況です。
こちらがビジョンです。
いろんな世界中の通信キャリアさんと提携して、このSORACOMのSIM1枚で世界中と繋がれるようにしています。
アメリカとヨーロッパ、特にイギリス、フランス、ドイツ、このマーケットが大きいので、そこでしっかりとシェアを広げたいと考えています。
従業員数は日本が一番多くて70人くらい、アメリカとヨーロッパで10人ずつくらいで、今どんどん規模を拡張しているところです。
売上でいうと、日本を10とするとようやくアメリカやヨーロッパでもそれぞれ1ずつぐらいにはなってきているので、MRR(Monthly Recurring Revenue)がだいぶ上がってきているなという感じですね。
このまま成長させていきたいと思っています。
KDDIグループ傘下にいながら、IPOを狙う
西條 今日集まっていただいている皆さんは結構スピード感があって、大塚さん(Playco)はいきなりユニコーンバリューで100億円調達ですし、児玉さんのラクサスも設立して3年くらいで買収されましたよね。
児玉 そうですね、ローンチしてから3、4年くらいですかね。
▶ワールド、定額レンタルのラクサス・テクノロジーズを買収(日本経済新聞)
西條 十河さん(AnyMind)も4、5年で100億円超えだし、玉川さんに至っては会社を作ってKDDIグループに200億円超で入るのが2年という非常に早いスピードです。
KDDIグループに入ったときに「これはエグジットじゃなくてエントランスなんです」と、つまりそこからまた始まるって確か言っていましたよね。
玉川 そうですね。
昨年発表したのですが、グローバルでしっかりプラットフォームビジネスを作りたいと思い、KDDIの髙橋 誠社長にも相談して、グローバルの人材を惹き続けるにはSO(ストックオプション)も出さなきゃいけないし、事業会社とも資本提携して伸ばしていきたいというのもあるので、それを実現するためにIPOも検討しています。
▶「スウィングバイIPO」に向けてソラコムが6社と資本提携、世界全体の回線契約数は300万件に拡大(BRIDGE)
西條 資本政策は結構柔軟にやっていいよとなっているのですね。
玉川 はい、そうですね。
西條 海外展開においてKDDIさんが後ろに付いたっていうのは、やはり結構大きかったですか?
玉川 日本でも海外でもやはり大きいですね。
弊社のサービスは製品の中に組み込んでもらうものなので、スタートアップでやっているときは「玉川さんのところ、すごくいいんだけど10年後も使えるんだよね?」とかよく言われましたね。
「もちろんです」と言っていましたが、KDDIグループに入ってからは聞かれなくなりました。
安定感というか、それはやはりすごく大きかったかなと思います。
児玉 若干訂正したいんですけど、僕も「(ワールドに)買収されて、もうエグジットしたんだよね」って言われるのですが、僕はまだ4割弱くらい株を持っています。
まさにこれで、IPOにそのままいかないといけなくて。
西條 そのまま? そうなんですか。
児玉 そうなんですよ。
西條 なるほど。
児玉 元々IPOしますという話で、もうちょっとスパンが長い予定でしたが、コロナで早く上場してとなって、今、てんやわんやです。
西條 ソラコムさんは何%までKDDIでしたっけ?
玉川 公表していないのですが、2017年に発表されたときは過半数です。
当時、西條さんにも入れていただいたんですけどWiLも含めてその分の株をKDDIが買って過半数以上持ったので、今は完全に子会社です。
西條 創業者の持ち分を残したままIPOをやっていいよというのは、割合としては珍しいですよね。
玉川 パターンとしては、すごく珍しいなとは思っています。
ただ、我々のようにBtoB向けのインフラビジネスでロングスパンで戦っていくという中で、こういうやり方がうまく成功すれば、1つ良い実績になるのかなと思っています。
(続)
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続きは 5.コロナ禍でアメリカ進出を決めたラクサスの戦略とは をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/浅郷 浩子/戸田 秀成/SNOWLIGHT
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