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5.コロナ禍でアメリカ進出を決めたラクサスの戦略とは

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「グローバルスケールのビジネスをいかに構築するか?」、全6回シリーズの(その5)は、グローバル展開を意識したタイミングや、現地拠点のM&Aなど、さまざまなトピックでディスカッション。コロナ禍のなかでアメリカ進出を決めたラクサス児玉さんは、ラクサスの日米に共通する「最初の顧客層」について語ります。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2021 ダイヤモンド・スポンサーのノバセル にサポート頂きました。


【登壇者情報】
ICCサミット FUKUOKA 2021
Session 11B
グローバルスケールのビジネスをいかに構築するか?
Supported by ノバセル

(スピーカー)

大塚 剛司
Playco
Co-Founder, SVP, Executive Producer

児玉 昇司
ラクサス・テクノロジーズ株式会社
代表取締役社長

十河 宏輔
AnyMind Group株式会社
代表取締役CEO

玉川 憲
株式会社ソラコム
代表取締役社長

(モデレーター)

西條 晋一
XTech Ventures株式会社
代表パートナー

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最初の記事
1.グローバルに挑戦する登壇者たちが、現在進行系の取り組みを議論!

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4.ソラコムがKDDIグループ傘下にいながら、IPOを狙う理由

写真左から、ソラコム 玉川 憲さん、XTech Ventures西條 晋一さん

西條 では、一通り皆さんの状況が分かりましたので、ディスカッションに入っていければと思います。

大塚さんは向こうで会社(Playco)を作っているので、グローバルを目指すというよりはグローバルが前提で、日本がむしろ極東の小さな一市場みたいな感じだと思いますが。

皆さんは、どういうタイミングでグローバルを目指したのでしょうか?

最初からなのか、やはり成長を意識したときにやらなければいけないと考えたのか、どんな感じでしょうか?

まずはDeNAの経験もふまえて、大塚さんからお願いします。

Playco大塚さんがグローバル市場を目指したタイミング

Playco Co-Founder, SVP, Executive Producer 大塚 剛司さん

大塚 DeNAのときは、海外で200人規模の割と大きなスタジオを買収したのですが、日本から人を送ろうとなったときに社内で手を挙げて、行かせてくれと希望しました。

個人的にはラッキーで、それがきっかけでグローバル市場への挑戦が始まりました。

やってみて感じたのは、やはり自分と違うバックグラウンドを持った人や考え方、プロセスを持った人と働くのは最初はストレスですが、そこから得られるものはすごく大きいということです。

同じようにテーブルでディスカッションしていても全然違う発想が日々出てきて楽しいし、あと、グローバルのユーザーを相手にしていたので、それを追い求めていくのも楽しいなと。

その後DeNAを離れるわけですけど、一貫して常に、グローバルなメンバーでインターナショナルなチームを作り、グローバルな商品を展開していくというのを個人的なテーマとして追っていました。

Playcoの設立はまさに良いタイミングで同じビジョンを持った人たちと出会えたので、引き続き大きな形でチャレンジしているという流れですね。

M&Aとゼロからのチーム作り、その違いとは?

西條 日本のIT企業が海外のグローバル市場にチャレンジしようと思ったときに、どういう分野であれば勝負できるのか、僕もよく考えます。

それこそ、直近の起業家で海外で実績を出しているというと、ユニクロの柳井さんやソフトバンクの孫さんが挙げられると思います。

でも、我々世代の起業家で結果を出してきている人はまだあまりいません。

インターネットビジネスは基本サービス業的で、特にtoCのところはそういう要素があるので、日本語対応で作ったものを出していくのではなく、元からグローバル発で設計して作っていないとなかなか大変です。

ただ、例えばゲームの分野は、それこそ任天堂やSONYなど割と成果を出しているところもありますよね。

DeNAの場合はエヌジーモコ(ngmoco)という会社を300億円以上かけて買収して、当時GREEもその後にオープンフェイント(OpenFeint)とファンジオ(Funzio)という会社を2社合わせて300億円くらいかけて買収しました。

僕はサイバーエージェントで買収はしない前提で海外に行っていて、現地で苦労してスタッフを雇いながら日本人中心にチームを作ったりしてたのですが、買収した会社をマネジメントする場合と、今回のようにグローバルのチームで起業してマネジメントする場合の違いって何ですか?

要は、エヌジーモコを買って役員みたいな感じで入るのと、今回のようにスクラッチに近い形で経営チームを作ってやるとでは、変わった点はありますか?

もちろんご自身も10年経って慣れたというのはあると思うのですが。

大塚 今の方が圧倒的にやりやすいですね。

10年前の買収では、元々の組織があり、良い意味で割と癖の強い経営者がいました。

その彼のやり方と僕らDeNAのやり方はとても違っていて、言葉の壁を取っ払ったとしても、難易度はその点で非常に高かったかなと思います。

一方で今のPlaycoでは本当にゼロの部分から握り合って「じゃあ、こういうビジョンでやっていきましょうね」というところからスタートできます。

そういった意味でいうと、もちろん苦労はしますが今の方がシンプルで、やりたいことがストレートにできて、失敗しても失敗のサイクルも早く回せているかなと思います。

調整みたいなことが無いので、そこはだいぶ違うなと感じています。

西條 そういう意味でいうと、今ある程度キャッシュを調達して、例えばちょっとヒットしたタイトルを持っているチームをM&Aできる機会があったすると、そういうのは買おうという感じですか?

大塚 そうですね、M&Aの戦略はいろいろ考えるところがあります。

やはりヒットしているとバリューが上がってしまうので、それよりも良い技術を持っているかどうかを見極めたいです。

例えば、HTML5の技術を持っているけれど、その技術を活かせるクライアントがいないがためにピボットを考えているチームとかですね。

そういう目線で探っていったときに、やはりパーフェクトなチームはいないし、もしいたとしても僕らが買えるようなところじゃなくなってしまします。

だから、パーフェクトじゃないところをどうやって補えるかと考えます。

それが4つも5つもあると大変なので、「ここの1つだけだったら僕らが補えるよね」というところをしっかり確かめて、相手側の経営者にも買収する前に「ここを補わないと合意できませんよね」というところから話を始めていっています。

西條 なるほど、ありがとうございます。

高級バッグのサブスクは“地球初”のサービス?

西條 児玉さんはどうですか? 今の事業モデルで、そのままグローバルにいけるのかどうかなど。

児玉 僕は2017年か2018年頃に、マンハッタンで10か所くらいをピッチして回りました。

そしたらゴールドマンサックスが「調べたらこのモデルは地球上に無いから、すぐ来てやるべきだ」と言ってくれました。

ただ、ちょうどメルカリが海外で苦戦しているときだったので、WiLの松本 真尚さんと「IPOの後にやったら」「ダブルランゲージは難しいよ」などと話していました。

そうした中で今回のM&Aがあったので、それならばということで松本さんからも「ちょっと勉強してこい」と言われて、コロナ禍ですが海外に出ることになりました。

西條 サブスク型のレンタルモデルって、いろいろありますよね。

例えば時計や車もサブスクになってきていますが、なぜ高級バッグにはなかったのでしょうか?

海外において何かオペレーションが難しいんですか?

児玉 衣料品のサブスクとしてはRent the Runwayというのがありますが、バッグも元々2日〜3日間のスポットでのレンタルサービスはありました。

ですから、私たちが発明したというよりかはスマホが出来たことで再定義したという感じです。

後からサブスクとして使いやすくしただけで、僕は何も発明していません。

単純に「高級バッグのレンタル」×「サブスク」をやったら、今の事業になったというだけの話ですね。

ラクサスの初期ユーザーは富裕層だった

写真左から、Playco 大塚 剛司さん、ラクサス児玉 昇司さん

大塚 ちょっと素人質問ですが、例えば日本だと新卒の女の子がヴィトンのバッグ持っていたりして、生活のレベルとバッグのレベルがかなり合っていないですよね。

良い意味でファッションを楽しんでいるじゃないですか。

僕はアメリカに10年住んでいますが、カリフォルニアでそういう人を見ると95%くらいはアジアの旅行客です。

そういう意味で、いわゆるサブスクモデルはお金持ちで高級バッグを簡単に買えるような人たちではなくて、どちらかというと僕ら庶民に刺さるのかなと思ったんです。

なので、例えば日本とニューヨークだとサブスクモデルの高級バッグのマーケットはどういう違いがあるのかなと興味があります。

児玉 皆さん、6,800円で40万円、50万円のバッグが使えると聞くと裕福でない人が使っているって思いがちですけど、どちらかというとエシカルなファッションなんですよ。

エシカルファッションとはどういうことかというと、要は次々に新しい物を買うのはお金があれば誰でもできるということで、それがもうかっこよくなくなってきているのです。

実は、ラクサスの最初の顧客は日本だと白金とか六本木ヒルズのレジデンスに住んでいるような人たちでした。

またニューヨークの最初の顧客は、50億円くらいのペントハウスに住んでいる人なんですよ。

「サブスクでシェアリングやっていますよ。エシカルに生活していて、私のライフスタイルってかっこいいでしょ」みたいな、そんなノリでバーッと申し込みが来ています。

ですから、どちらかというと裕福な方々がユーザー層です。

グローバル展開における労務関連のトラブル

児玉 ところで、海外で展開するときに、従業員から訴えられたりしないですか?

大塚 例えば、どういうポイントを懸念されていますか?

児玉 マテリアルワールドの矢野 莉恵さんってご存じですか?

映画『マイ・インターン』のモデルになった、ハーバードビジネススクール出身の経営者の方なのですが、彼女とディスカッションしたときに「訴えられて、初めて一人前です」と言われました。

要するに「クビだ」と言ったら訴えてくるとかですね。

それを前提に弁護士と一緒につるんで入社してくるケースもあると聞きます。

写真左から、ラクサス児玉 昇司さん、AnyMind十河 宏輔さん

十河 アジアでは、退職関連で結構あるかもしれないです。

ルールに則ったとしても「もうちょっと退職金を」みたいに、訴えるまではいかないけど交渉してくるケースはあります。

西條 アジアは会社を辞めるときや会社を閉じるときの手続きがすごく面倒くさくないですか?

十河 おっしゃる通りです。

撤退は本当に面倒くさいですし、やはり辞めるときのケアやタイミングがすごく大事です。

1年契約の場合もありますし、国によっては1年契約が使えたり使えなかったりと複雑なので、労務関連はものすごくきちんとしないといけません。

児玉 様々な国で展開されていると思いますが、それぞれで労働条件やレギュレーションが違いますよね。

それこそ、ニューヨークとカリフォルニアでも個人情報の取り扱いが違うじゃないですか。

その辺のケアはどうされていますか?

十河 労務に関しては各国にしっかりと置いていて、外部に委託する場合もあるし管理部はすごく充実させています。

玉川 それは、ヘッドクオーターチームが管理部を持っているんですか?

それとも、各国のカントリーマネージャーの下に労務部を置いているのでしょうか?

十河 管理部はリージョナルで見ています。

ただ、ローカルにももちろんメンバーがいて、グローバルチームとローカルカントリーマネージャーのダブルレポートのラインを築いています。

児玉 玉川さんのところは、どうなっているんですか?

玉川 うちはもう、試行錯誤でずっとやってきています。

(続)

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/浅郷 浩子/戸田 秀成/SNOWLIGHT

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