「自分の可能性に恋するくらい、自分の可能性を信じることが大切」 – INDUSTRY CO-CREATION

「自分の可能性に恋するくらい、自分の可能性を信じることが大切」

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「一歩を踏み出すことは、怖いです。でも、自分の可能性に恋するくらい、自分の可能性を信じることが大切です」と語る大学生の山口さんのミャンマーでの熱い挑戦の物語をぜひご覧ください。

登壇者情報
2016年2月17日開催
ICCカンファレンス STARTUP 2016 
Session 4 「トビタテ!留学JAPAN を活用して人生を変えろ!」
(スピーカー)
荒畦 悟     文部科学省 官民協働海外留学創出プロジェクト プロジェクトオフィサー
山口 諒真   佐賀大学経済学部経済学科

荒畦悟 氏 はじめまして。文部科学省トビタテ事務局から参りました、荒畦と申します。私は新卒でリクルートという会社に入りまして、その後商社、そしてGoogleで人事採用の仕事をしていました。ご縁あって2年前にビズリーチでこの国家プロジェクトの募集をされている時に応募して以来、このプロジェクトの立ち上げメンバーとして働いています。

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本日は「トビタテ!留学JAPAN を活用して人生を変えろ!」をテーマにお話をしたいと思います。まず最初に実際に制度を活用して海外に飛び立った佐賀大学の山口君からのプレゼンテーションを聞いていただき、最後にトビタテ!留学JAPAN について説明したいと思います。

山口諒真 氏  はじめまして! 佐賀大学経済学部2年の山口諒真と申します。僕は先ほどまでの経営者の方々のように、何かすごいことを成し遂げたり、会社をつくったりしたわけではありません。皆さんと同じ大学生という立場なので今日は等身大でお話させていただけたらと思っています。

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実は僕も朝からずっとこの会場にいて、とてもワクワクしながらお話を聞かせていただいていました。皆さんの中にも、「何かやりたい!」という気持ちになられた方がおられると思います。その「何かやりたい!」という気持ちで一歩を踏み出すためにぼくの経験が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

どうぞ、よろしくお願いいたします!僕は、文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」という奨学金をいただき、東南アジアのミャンマーという国の病院で6か月間インターンシップを行わせていただきました。

ぼくがなぜミャンマーに行くことになったのかというところから少し振り返ってみたいと思います。

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ちょっと可愛い写真が出たんですけれど、これ、10年くらい前の僕です。幼稚園の頃からレスリングをやっていました。レスリングが大好きでオリンピックに出る夢もありましたが、なかなか強くなれませんでした。

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全国大会に出てもあと一歩でいつも試合で勝てなかったんです。諦めずに練習していればもしかしたら夢は叶ったかもしれないのですが、とうとう中学3年生の時に夢を諦めてしまいました。本当に不完全燃焼でした。勉強も得意ではないし、スポーツでも挫折して、もやもやとした気持ちで高校生活を送っていました。

そんな時に、たまたま観た「情熱大陸」というテレビ番組で、ミャンマーで医療をやっている吉岡秀人という医師が紹介されていました。ミャンマーで一人一人の患者さんと向き合い懸命に治療を行う姿を見た時に、自分も一生に一回くらいはこういうところに行って、こういう人たちと働いてみたいと強く思いました。

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ただ、僕は当時パスポートも持っていませんでしたし、海外に行ったこともなかったので、ミャンマーに行くなんてハードルが高すぎて、なかなか一歩を踏み出せないでいました。

2年前のそんな時、大学生1年生の6月だったんですが小林雅さん主催のIVSで登壇されていた吉岡医師の話を直接聴くことができました。

ジャパンハート吉岡秀人さんの講演を聴いて、人生が変わった。

リーフレット3行目のこのコメント、誰のものか分かりますか?

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実はこれ、僕なんです(笑) 実際 僕も、2年前は1人の参加者として、会場の前の方の席で、セッションを聞いていました。

そこで、今まで雲の上の存在だった人と直接話すことができて、僕が「(ミャンマーに)行きたいんです」と言ったら、「君みたいな若者を待ってるよ。おいで」と言ってもらえました。

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Facebookでメッセージを送っても、「そう、ひたすらMOVE!前を見てね」と熱く激励して下さったので、早速休学届を提出しました。

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そしてミャンマーに飛び立ちました。

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吉岡さんに「僕、ミャンマーに来ましたよ!」と言ったら、僕のこと覚えてなかったんですよ(笑)。本当に勘違いから始まった第一歩で、休学への不安などもありましたが、とにかく初めて一歩踏み出すという経験ができました。

現地の病院で弟子入りし、修行を開始しました。

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日本とは全く違う医療環境です。写真をご覧になればお分かりだと思いますが、これ、入院患者さんのお部屋です。日本でしたら個室、または一部屋にベッドが4つくらいだと思うんです。でも、ミャンマーではこの会場くらいのスペースにベッドが60個くらい並んでいて、個室病室はありません。

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医療従事者の方が手術などで患者さんを助けていく中で、僕は医者でもないし看護師でもないので、ミャンマーの人の命を救えない、こんな自分に何ができるんだろうとひたすら悩んでいました。

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そんな時に僕はミャンマーの病院が抱える2つの課題に気づきました。まず、ミャンマーには医療保険の制度がなく、患者さんは入院中働いてお金を稼ぐことができないため医療費の負担が大きいこと。

2つ目に、患者さんは入院中ベッドで寝ているしかなく、もちろん子供たちは学校に行けません。日本のようにテレビやゲームなどの娯楽もありません。入院が長引くにつれ患者さんの笑顔が失われていくことに気づきました。

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そこで僕は2つの解決方法を考えました。まずは、「入院ベッドを工房に」というプログラムです。入院しているベッドの上でお金を稼げるような仕組みを作りたいと思い、ミャンマーで豊富な天然石を利用してアクセサリーをつくり販売し、患者さんが入院中にお金を稼げる仕組みを作ることにしました。
もう1つは、「入院ベッドの上を教室に」というITプログラムです。ミャンマーではホワイトカラーの仕事が増えてきており、ワード、エクセル、パワーポイント、インターネットが使えることで、子どもたちに将来仕事が見つかりやすくなります。
また、エイズやB型肝炎、C型肝炎の正しい保健知識が学べる映像授業を届けたいと思いました。先程のセッションで登壇された三輪開人さんが代表を務めるe-Educationのミャンマー担当林直人とコラボレーションさせていただきました。

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必要な資金は、クラウドファンディングで調達しました。最終的にたくさんの方からご支援いただいて、はじめはたった一人の思いつき、たった一人の想いで踏み出した一歩でしたが、最後にはみんなの夢、みんなの目標になって、このプロジェクトを実施することができました。たくさんの方々に応援、ご支援いただいたことを本当に感謝しております。本当に有難うございました。

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しかし、このプロジェクトの途中で、「これって本当に患者さんのためだけにやっているんだろうか?もしかしたら、自分自身が人から認めてもらいたいとか、人に褒められたい、そういう思いがあるんじゃないか?」と悩むことがありました。

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でも同時に、もちろん、ミャンマーの貧しい患者さんや、本当に困っている人達を助けたいという思いもありました。実際に行くことになった時には、助けたいだけの気持ちでは行けなかったと思っています。それまでの一年間の大学生活は、正直、やっぱり思っていたのとは違ったんですよね。

大学の授業もつまらないし、このままダラダラ過ごすのはちょっと嫌だなというのは感じていて、ミャンマーに行ってチャレンジしたい、何か凄い事ができるんじゃないかというエゴみたいな部分もありました。それが、最終的には自分の背中を押すかたちになったんです。

そのエゴを現地で気づかされたんですよ。クラウドファンディングしてお金を集めて、患者さんが喜んでくれてても、「これって、人から褒められるからやってるんじゃないか?」と自分のエゴに悩みました。

その答えが出たのが、ちょうど一年前の2月17日だったんですよ。自分はこんな事をやっていて本当に意味があるのかなと思いながら5か月半やっていた中で、まさに一年前の今日、患者さんがすごく楽しそうに心の底から喜んで「チェーズーティンパーデー」(ミャンマー語でありがとう)と言いながら、ベッドの上ビーズアクササリー製作でお金を稼いでたりとか、教育を受けている姿を見たときに、少しでも患者さんのためになって、本当に喜んでくれているのを目の前で見たときに、エゴと善意の二つがあっていいんだと思ったんですよ。

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はじめはエゴを悪いものだと思って、善意だけで頑張ればいいと思っていいたんですけれど、その二つが一緒になったという感覚が、ミャンマーでの留学中の一番大きな気づきでしたね

最後に、ヤンゴン国際マラソンでのエピソードを紹介させてください。

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毎週月曜日、僕はミャンマーの視覚障がい者の職業訓練サポートをさせていただいていました。そこでお昼ご飯を食べている時に、タートゥーという名前の男の子からこう言われたんです。「僕、マラソンを走ってみたい」。

でも彼は、今までの人生で400メートルを2回だけしか走ったことがないと言います。

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ミャンマーでは目の不自由な方が自由に走ったり、運動できる環境が少ないのですが、彼はとても挑戦したがっていたので、チャレンジを応援させていただくことにしました。

少しづつ練習を始め、マラソン大会へ応募しました。そうしたら出場不可能と言われました。ミャンマーでは前例がないし、危険だからやめた方がいいと言われました。でも彼は絶対に走りたいと本気でした。

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なので僕たちは諦めることなく練習を続けながら、視覚障がい者の方にあん摩の指導をしている方やミャンマー人スタッフの協力を得て、何度もマラソン協会に交渉しました。すると、とうとう出場が許可されたんです。

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自分一人では決して出場することすらできませんでした。一歩を踏み出すことで周りも背中を押してくれるようになりました。

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当日僕たちは緊張していました。練習でもハーフマラソン21kmという距離は一度も走ったことがありませんでした。正直、僕は21kmを制限時間内に走り終えることは厳しいと考えていました。

気持ちを高めて気合いで完走するために当日の朝、タートゥーに新しいランニングシューズをプレゼントしました。(今まで上履きのような靴しか持っていなかったので。)それでテンションも上がり「絶対に完走するぞー!」と盛り上がり緊張もほぐれました。

途中走っていると僕たちを見て笑う人もいました。伴走用のロープを持って走っているので周りからは手を繋いでいたように見えたのかもしれません。でもそれ以上に「チョーザーバー」(ミャンマー語で「頑張って」の意味)と声をかけてくれたり、一緒に横で走ってくれる心優しい方も多くいました。一歩を踏み出し続けるタートゥーに声援が集まるようになったのです。
途中しんどくなり立ち止まりそうになることもありましたが、タートゥーは最後まで諦めることなく走り続け、制限時間内に21キロのハーフマラソンを完走しました。

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21kmを走れと言われると先が見えず誰もが途方に暮れてしまいます。でも、途中にある次の1km、次の1kmと目の前にある目標に向かって、小さくてもいいから一歩を踏み出し続ける。そうすると少しづつ、でも確実にゴールに近づいていきます。
「本当に大切なのは、一歩を踏み出し続けること。」タートゥーの伴走しながら、一歩でもいいから踏み出し続けることが大切なんだということを、彼から教わりました。

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一歩を踏み出すことは、怖いです。

今も自分自身にすごく自信があるわけではないですし、何か凄い事を成し遂げたというわけではありません。本当に小さい目標を一つ一つ積み重ねられたというのが自分の中にあります。
「あ、今日はこれできた。」とか、「一年後これもできるかもしれない。」と、小さなとこでもいいから一歩踏み出してチャレンジしてみようという想いが、「あ、できた!」「自分でもできるんだ!」という感覚に繋がると思っています。
このことを、「自分の可能性に恋する」と表現をされている方がいて、それはすごくいいなと思いました。「自分の可能性を信じる」と言えば、何かこう、自信があって揺ぎ無い目標があるようなイメージですが、「恋する」と言うのであれば、自分の可能性にわくわくドキドキしてチャレンジし続けるイメージが膨らみます。だから、一人一人が自分の可能性に恋して、毎日少しずつ一歩ずつ進めていけたらいいのかなと思います。

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ここに来られている皆さんには、素敵な夢や目標があると思います。僕自身もまだまだこれからですが、皆さんと一緒に少しずつ一歩を踏み出しながら、よりよい社会を作っていけたらと思っています。ご清聴ありがとうございました。

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荒畦悟氏 最後にトビタテ!留学JAPANというユニークな制度のご説明をします。文部科学省トビタテ事務局から参りました、荒畦と申します。私は新卒でリクルートという会社に入りまして、その後商社、そしてGoogleで人事採用の仕事をしていました。ご縁あって2年前にビズリーチでこの国家プロジェクトの募集をされている時に応募して以来、このプロジェクトの立ち上げメンバーとして働いています。

冒頭、簡単に「トビタテ」の動画を見ていただいた後に、私の方から「トビタテ」の魅力についてご紹介します。まず6分間の動画をご覧ください。

トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムの特徴は3つあります。

1つめの特徴は、自分で自由に留学計画を作ることができ、その計画を支援してもらえることです。

何が自由かというと、まず期間です。1か月から2年自由に選べます。トビタテ生は既に1期生から4期生まで募集をし、1,400人が合格をして既に500人以上が海外に飛び立っています。1年くらい海外に行っているトビダテ生は非常に充実した経験をしているので、できるだけ長く留学することをお勧めしますが、1か月からでも応募ができます。

そして、行き先も自由に選べます。自分が興味を持っている国とか、興味を持っているテーマで行き先を自由に決めることができ、語学の勉強に限らず、インターンやボランティアなど目的も自由です。行き先は複数カ国でもOK。

例えば欧米の大学で開発の勉強をして、その後アフリカに行ってNGOで働いた人もいますし、シリコンバレーのベンチャー企業で働いて、その後、インドのバンガロールでもインターンしたエンジニア学生もいました。

2つ目は、年最大約300万円の給付型の奨学金がもらえることです。これは非常に分かりやすいメリットではないでしょうか。

そして最後に紹介したい特徴は、「トビタテ」は、2020年まで毎年約1,000人を海外に送り出していく計画なので、同じ留学という夢を抱いた10,000人の仲間が出来ることです。

全国47都道府県から文系・理系半々の学生が選抜され、世界100カ国以上へ飛び立っていいます。その学生が全員SNSでつながってコミュニケーションができるプラットフォームもあり、既に色々な化学反応が起きています。

海外に留学できることも魅力ですが、この日本での人的ネットワークもトビタテの大きな魅力になっています。以上が「トビタテ!留学JAPAN」の説明です。

大学生のみなさんの中には「まだやりたいことが見つかっていない」とか、「変わりたいと思っているんだけど変われない」という人がいると思います。留学は自分を成長させる絶好のチャンスです。

何かきっかけを掴みたいなという思いでもいいので、是非「トビタテ」に応募してもらいたいなと思います。詳細が知りたいという方はぜひサイトをご覧ください。

(終)

編集チーム:小林 雅

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ICCパートナーズ(ICC Partners Inc.)は産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンフ ァレンス「Industry Co-Creation(ICC) カンファレンス」の企画・運営および新規事業創出・アライアンスなどのアドバイザー業務を行っています。