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「イノベーティブなプロダクトを生み出す開発/エンジニアリング・マネジメント」【K16-8D】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!10回シリーズ(その8)は、freee平栗さんに、カオス&メッシュを掲げるfreeeの組織づくりについてお話いただきました。ユニークな組織イメージ図にも注目です。是非御覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
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登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016「ICC SUMMIT」
Session 8D
「イノベーティブなプロダクトを生み出す開発/エンジニアリング・マネジメント」
(スピーカー)
大宮 英紀
株式会社リクルートライフスタイル
執行役員
菊池 新
株式会社ナビタイムジャパン
取締役副社長 兼 最高技術責任者
徳生 裕人
グーグル株式会社
製品開発本部長
平栗 遵宜
freee株式会社
執行役員 開発本部長
(モデレーター)
安川 健太
株式会社ソラコム
取締役CTO
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【前の記事】
【本編】
安川 では次に、平栗さんからfreee社の組織についてお話を伺いたいと思います。
イメージ図で考えるfreeeの組織
平栗 先ほどの素晴らしく綺麗なスライドから一転しますが、今日ここへ来る途中のバスの中でこの線を引いてきたので……線が曲がっているところはバスが曲がっているところです。
安川 これ手書きですか?
平栗 手書きです、すいません。
創業4年目の未熟な会社なのでまだ手探りの状況ですが、結論と言いますか、大きな方向性としてはやはりナビタイム社と同じで、事業とファンクションで、それぞれざっくりと責任者がいて、その中で皆が好き勝手やっているというイメージです。
弊社も経営メンバーにグーグル出身者がとても多いので、お互いをニックネームで呼ぶ文化があり、社長の佐々木大輔のことはDSと呼んでいます。
安川 DS……ゲーム機みたいですね。
平栗 DSがDaisuke Sasakiからきているのか、Daisukeなのかは、よく分かりません。
組織はフラットですが、カオスです。
常に組織の変動が起こるので、弊社の社員は大きな組織変動があっても、またか……というような反応で、諦めとワクワクが半分というような表情をしているのをよく目にします。
機能と事業でメッシュのようになっており、全体としては、エンジニア、セールス、サポートが3大チームになっています。
佐々木CEOは”DS”、東後COOは”SMT”
安川 ちなみに、「SMT」もどなたかの名前ですか?
平栗 SMTは、(COOの)東後澄人のSuMiToですね。
安川 ファンクションのところにあったので、ファンクション名かとも思いました。
平栗 佐々木と東後の2人が経営メンバーなので。
徳生 経営メンバーの2人から上に向かって線が出ているのは意味があるのでしょうか?
平栗 これは組織が本当にフラットだということを証明するために、経営メンバーの2人が一番下だというイメージを示しています。
弊社では、マネージャーポジションが一番下で、サポート代わりのようになっています。
平栗 ちなみに私は、Hiraguriなので、HGと呼ばれています。
安川 HG……分かりやすいですね。
ありがとうございます。やはり、機能、事業、ビジネス、実際の人事的なチームなどを考えた時には、このようなメッシュ型が理に適うということなのでしょうか。
平栗 そうですね、イノベーションを起こし続けつつ、なおかつモチベーションを維持し続けるとなると、やはり各メンバーが最ものびのびと自分の能力を発揮できるパターンが一番良いと考えています。
そのためには、統制ではなく、自律分散型の組織の方が良いと思っています。
大宮 ただ、カオスですと、カオス状態に置かれても大丈夫なメンタルの持ち主もいれば、慣れもあるかと思いますが、カオスのまま突入するとどうしていいか分からない、モチベーションが上がらないという人もいます。
カオスでいたいけれど、ある程度、ストラクチャーというかマネージメントもしなければならないという、そのようなバランスが必要になってくると思います。
この図を見ると本当にカオスだなと思いますが、弊社ではいろいろな問題が噴出しかねません。
「あいつ仕事していないんじゃないか」という人が出てきたり、お客様に向き合わなくてはならないのにできなかったり、カオスであればあるほどストレスを感じるということもありますし、その辺りをどのように解決されているのでしょうか。
メンバーを孤独にしないチーム開発が原則
平栗 最近はエンジニアに関して言えば、必ずチーム開発をしようと決めており、1人でやれば短期的には効率的なことも、必ず2人以上のメンバーで一緒にやるということを心掛けています。
それによってメンバーを孤独にさせないようにしています。
また、今まで新しく入ってきたエンジニアには原則、その時点で最も難しい課題をぶつけるという、「スーパーサイヤ人方式」と呼ばれる無茶苦茶なやり方で育ててきたのですが、もはやこれも通用しなくなってきているので、割と手厚めにサポートしていくということが最近の課題であり、少しずつ解決してきていると感じています。
菊池 freeeさんにはローパフォーマーはいますか?
平栗 もちろんいます。
菊池 カオスだと、ますますカオスになりそうな人。
平栗 そういう人については、基本的にはファンクション機能の責任者たちがピープル・マネジメントを担っているので、特にローパフォーマーの人がいれば、週に1回、1対1の話し合いをするといったことを通して、バックアップしていきます。
徳生 さぼる人はいませんか?
平栗 さぼる人はどうでしょうか、いるとは思いますが、あまり勤務形態で指導するというのは生産的でないと考えており、そのクォーター(4半期)でどういうパフォーマンスを出したか、ユーザーにどのような価値を届けたかという点において、それだけでシンプルに判断しています。
安川 それはまさに、先ほどのビジョンの話にあったアウトプットの部分ですよね。
平栗 そうですね。
徳生 採用とも絡む話だと思います。
例えば弊社では、採用時に能力だけではなく、チームで働くことのできる人かどうかという点を非常に厳しく見ていますので、それがゆえにライトウェイト(軽量)の仕組みが成り立っていると言えます。
私が以前働いていたいくつかの会社で同じことを試したら、恐らくうまくいかなかっただろうと思いますので、こういうやり方がうまくいっているというのは、素晴らしいことです。
平栗 ありがとうございます。
安川 ありがとうございます。
(続)
続きは イメージ図から考えるGoogleとAmazonの開発組織づくりの違い をご覧ください。
https://industry-co-creation.com/management/10359
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/鈴木ファストアーベント 理恵
【編集部コメント】
続編(その9)では、Google徳生さんに、Googleの組織づくりについてお話いただきました。Amazon Web Serviceに在籍していたソラコム安川さんと、GoogleとAmazonの組織の違いについての議論が盛り上がりました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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