HARD THINGS⑥ ベンチャーの資金調達「あるある」【F17-1D #8】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

HARD THINGS⑥ ベンチャーの資金調達「あるある」【F17-1D #8】

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「俺たちのHARD THINGS – サバイバル・ベンチャー経営論」【F17-1D】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!11回シリーズ(その8)は、資金調達におけるHARD THINGSについて議論しました。ぜひ御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
2017年2月21日・22日・23日開催
Session 1D
「俺たちのHARD THINGS」-サバイバル・ベンチャー経営論

(スピーカー)
金谷 元気
akippa株式会社
代表取締役社長

倉橋 健太
株式会社プレイド
代表取締役社長

重松 大輔
株式会社スペースマーケット
代表取締役社長

柴山 和久
ウェルスナビ株式会社
代表取締役CEO

(モデレーター)
琴坂 将広
慶應義塾大学
准教授

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最初の記事
【新】「俺たちのHARD THINGS」-サバイバル・ベンチャー経営論【F17-1D #1】

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【提言】スタートアップは優秀な人を採用しても平社員からスタートさせるべき【F17-1D #7】

本編

琴坂 長く「人」のお話をしてきましたが、”HARD THINGS”というと、他に恐らく「お金がない」ということが出てくるかと思います。

皆さんは「お金がない」とか「あと数ヶ月で資金がつきる」といった状況でどのようにストレスコントロールをしているのでしょうか?

バーンレートという言葉があるので、あまり燃やさないとそれはそれで怒られますし、でも燃やしすぎるとそれはそれで怖いですし、その辺のバランスはどのように考えられていますか?

重松 (柴山さんの方を向いて)一番集めているので。

柴山 え、私ですか?

重松 分かりませんが、多分何十億ですよね?

資金調達におけるHARD THINGS

柴山 今、累計21億円集めています。

まずお金を集めることも大変ですが、誰からもらうかですとか、どうやってもらうかも同じ位大変かなと思っています。

最初の資金調達、早い段階での資金調達の条件が、その後もずっと引きずられていく傾向があり、巻き直しはできません。不可逆なんですよね。

ですので、一番最初の段階でいくら集めるかはもちろんのこと、そこで集めすぎてもいけないと思います。

いくら集めるかは勿論のこと、どのような投資条件で集めるかということをしっかり設計しておかないと、次の時に調達ができなくなってしまいます。

最初集めすぎて、その条件が投資家にとってあまりにも有利なので、次に入ってくる投資家からみると、次に投資するときにウェルスナビのために投資をしているのか、ウェルスナビに先に投資した投資家を助けているのか、分からなくなってくるみたいな事が起きます。

そのような利害対立が発生しないようにあらかじめ設計しておく必要があります。けれど、そんなことは誰も教えてくれないんですよね(笑)。

重松 創業当初、エンジェル投資家から集めたのですか?

柴山 最初は大体6,000万円集めたのですが、ほとんどエンジェル投資家からですね。

その後に、今度は6億円調達しなければならないということが分かりました。

それを知っていたら起業しなかったですよ(笑)。

琴坂 そもそもしていなかったと(笑)。

柴山 6億円ないと、ライセンスがもらえないと知っていたら起業しないですよ。

重松 早く言ってよという感じですね(笑)。

琴坂 でも、もう集めちゃったと。

柴山 起業前のいちサラリーマンにとって6億円は気が遠くなるような額です。

最初のキメが重要

柴山 それを知らずにもう起業しているし、後にも引けないし、やるしかないという状況で進んできた訳です。

すごくラッキーだったのは、最初の6,000万円調達した段階で、とても良い投資家に入っていただいたので、その後の投資がスムーズにいくような条件になっていたんです。

知らずと幸運に恵まれていたわけですが、そのことを私は知らなくて(笑)。

琴坂 怖いですね(笑)。

良かったとしか言いようがないですね。

柴山 色々な経営者の方と話をしていても、そこで失敗をしたため次の資金調達が難しいという状態になっている方々も多いので、最初にいくら集めるかよりも、誰から出資してもらうかと、その条件がどうなっているのかがもっと重要なのではないかと思います。

そこが正しければ、後は順調に進んでいき、その次、その次というように資金調達をしていくことはわりと道筋がつきやすいかなと思います。

琴坂 皆さん感覚はどうですか?全く違いますか?

重松 やはり最初のキメが大事です。

バリエーション(時価総額)を高くつけすぎてしまうと次がきつくなるんですよね。

最初集めすぎないということも重要。

あとはやはり最初の投資家が、きちんと次もついてくるということも重要です。

要するに自分が引っ張るというリードがいなければ、他はついてこない。

誰か決まれば、皆「やるやる」と言うのですが、なかなか皆手を上げないんですよね。

柴山 リードは本当に重要ですよね。

琴坂 そうするとライブドアショックといった氷河期は全く違う状況になりつつあり、お金の残高の問題ではなくストラクチャーの問題であって、その時のファイナンスだけではなく、その先を読むということが、困難だという理解ですね。

柴山 そうですね。

ユニットエコノミクスを合わせるのが重要

柴山 あとは、先程バーンレートの話があり、バーンレートはギリギリに下げるということが基本だと思いますが、多分それ以上にユニットエコノミクスを合わせていくことの方が重要だと思います。

すなわち、お客様を一人獲得した場合に、それに必要な獲得費用と、そのお客様からもたらされたであろう収益が合っているのかということです。

そこを間違ったままアクセルを踏むと、調達した資金が一瞬で消えるじゃないですか?

お客様を集めれば集めるほど、ビジネスモデルが崩壊していく、発散していくということになりますよね。

定義からしても、スタートアップははじめユニットエコノミクスが合わないのですが、きちんと収斂していき、ある一定の所までくれば、そのストーリーが出来上がりますよね。

例えば最初は対面で行なっていたものがFacebook広告になり、そのうちテレビCMを持つと言うようなマーケティング戦略を立てられるようになり、そのために資金が必要となるので、資金調達ができる。

そこのユニットエコノミクスを、きちんと合わせにいくということが、バーンレートを抑えるということと同じかそれ以上に大事かと思っています。

重松 そのストーリーが見えれば、資金は出せますからね。

金谷 弊社は、前の事業になりますが2012年の一番厳しい時に、あと3ヶ月位で資金がなくなるという状況で、資金調達をしたことがあります。

その時は環境が悪かったので資金調達がとても大変でした。

僕自身はベンチャーキャピタルというものを知らなくて、資金繰りがまずいなと思い、資金繰りの本を読んでいたらベンチャーキャピタルの存在を知りました(笑)。

(登壇者笑)

そこでGoogleで「ベンチャーキャピタル 日本」と調べて、20件くらいテレアポをしたんです。

「VCをググってテレアポした」

琴坂 テレアポだったんですね。

金谷 その中の3社が会ってくれ、そのうちの1社は日本最大のベンチャーキャピタルで投資をしていただきました。

それがなければ厳しかったのですが、その結果持ち直しました。

正直なぜ投資してもらえたのか分かっていないのですが、担当者の男気だったと思うので、情熱はとにかく大事なんだなと思いました。

琴坂 逆にいうと、その時は条件ですとか、次の話ですとかはあまりなかったですか?

金谷 そんなことを考えている暇はなかったです。

あと、弊社は大阪本社なので、周りで資金調達をしている人はほぼいないんですよね。

琴坂 そうですよね。(千葉)道場とかないですよね。

▶︎編集注:重松さんと柴山さんは千葉功太郎氏が主催する千葉道場というクローズドなコミュニティに参加しており、ベンチャー経営に関する事例を共有されているそうです。

金谷 ないですね。

そういう意味では情報がほとんどなくて、資金調達の相談をしても「いや、そんな外部資本を入れたら危ないんじゃないの?」ということしか言われないですからね(笑)。

(登壇者笑)

後になってみなければ良いかどうか分かりませんが、そこまで悪いものではなかったのかなと思います。

琴坂 なるほど。

(続)

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/鎌田 さくら

【編集部コメント】

Organic Reach に強くない当サイトですが、Googleで「ベンチャーキャピタル」と調べると、10位以内にICC の過去記事がヒットしたりします。ベンチャーキャピタルというワード自体、ほとんどSEOの対象になっていないみたいで、もしワード1位取りたい方いたら、そんなに難しくないのではと思います。完全に本論と脱線しました(榎戸)

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