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7.「Well-being採用」に舵を切れ!

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「組織のWell-beingとは何か?(シーズン3)」全9回シリーズの(その7)は、Well-beingな組織をつくるための人材採用について。「途上国から世界に通用するブランドをつくる」を理念とするマザーハウスの採用面接では、候補者の方のスキルではなく“人生”を深堀りするそうです。中には泣き出してしまう方もいるという、その面接の狙いとは? ぜひご覧ください!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2020は、2020年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録などは公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2020 プラチナ・スポンサーのリブ・コンサルティング様にサポートいただきました。


【登壇者情報】
2020年2月18〜20日
ICCサミット FUKUOKA 2020
Session 5F
組織のWell-beingとは何か?(シーズン3/90分拡大版)
Supported by リブ・コンサルティング

(スピーカー)

石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者

梅原 一嘉
佐竹食品株式会社/株式会社U&S
代表取締役社長

福田 真嗣
株式会社メタジェン
代表取締役社長CEO

松井 しのぶ
株式会社ユーザベース
執行役員 Chief People & Administrative Officer

山崎 大祐
株式会社マザーハウス
代表取締役副社長

(モデレーター)

小林 正忠
楽天株式会社
Co-Founder and Chief Well-being Officer

「組織のWell-beingとは何か?(シーズン3)」の配信済み記事一覧


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最初の記事
1. 人気シリーズ第3弾!開始早々「Well-being自己分析」が止まらない!

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6. 「仕事を愛せないリーダー」に部下はついてこない!

本編

楽天株式会社 Co-Founder and Chief Well-being Officer 小林 正忠さん

正忠 さて、壇上もすごく盛り上がっていますが、会場から、今のお話の中でこれをもうちょっと深めたい、ここを聞きたい、これはこうなのではないか?など、コメントをぜひお願いします。

参加者1 会社ではなく“自分”が何をしたいかを考えることが重要であるというお話がありました。

とはいえ、組織には上下関係やその他にも個人同士の関係もあるので、全てをオープンにしてよいのかという問題もあるように思います。

自分自身が「こうしたいです」と伝えるべきタイミングや、オープンにしてよい度合いが気になっています。

参加者2 「結局のところWell-beingは、自立して余裕のある人でないと実現できないのではないか?」「不安に苛まれた人は、現実から逃避してしまいWell-beingからも遠ざかってしまうのではないか」という意見が出ました。

参加者3 若い人たちが本当にWell-beingを目指さなければならないのか、という点ついてどうお考えですか?

例えば、「私は◯◯する」という課題に対して、率直に「自分はこうする」と言い切れる学生は大勢いると思います。

ただ社会人になると、会社におけるWell-doingに縛られてしまい、Well-beingではなくなってくるような気がします。

登壇者の世代の方々が、新人にWell-doingが必要と思われていること自体が、もしかしたら間違っているのではないかとも思うので、その辺りを教えていただきたいと思います。

株式会社メタジェン 代表取締役社長CEO 福田 真嗣さん

福田 確かに僕も、善樹さんのスライド(本セッションPart1参照)を見て、今の方と同じようなことを感じました。

「新人から3年目ぐらいまではWell-doingが大切だ」というコメントがあったかと思いますが、逆ではないのかなと感じました。

梅原 恐らくそれは、会社から求められるものによっても変わってくるのではないでしょうか。

組織からすると、新人にはまずできること(do)を増やしてほしい。

それがある程度できてきた先には、Well-doingだけではなく、自分のあり方も考えていかなければならないよ、ということだと思いました。

石川 そうです。Well-doingは、組織から求められるのです。

福田 Well-beingをもともと持っている人もいるわけですよね?

石川 そういう人は、そもそも会社には入らないと思います。

(会場笑)

福田 それはそうですね(笑)。

梅原 Well-beingは持っていてもいいけれども、Well-doingがゼロだと組織としては機能しませんからね。

だから最初は、会社側は新人にWell-doingを求めざるをえないのだと思います。

「Well-being採用」がWell-doingな組織への近道?

株式会社マザーハウス 代表取締役副社長 山崎 大祐さん

山崎 僕は“Being by Doing”だとも思っています。

Beingであろうと思えばDoingする力も必要で、その力を与えてあげるのが会社でもあります。

弊社はすごく変わっていて、新卒でも40代、50代でも面接内容が全く一緒です。

幹部候補の方にも同じ内容の面接をします。

それを弊社では「定点観測」と呼んでいて、「定点観測」をするとWell-beingであるかどうかが分かるのです。

松井 面接の型があるのですか?

山崎 僕が何年もかけてつくってきた型があります。

ファクトから先に伝えたほうが皆さんにとって分かりやすいのでお話ししますと、僕が全員の最終面接をしますが、3人に2人は泣きます。

マザーハウスの面接では、人生について掘り下げて聞きます。

そもそも何をするために生きているのか、この会社に来るにあたっての人生の目的は何かについて、深く問う面接をしています。

面接の内容や方法は、50歳でも、22歳でも、18歳でも、全く同じです。

そうすると、先ほど会場からもご指摘があったように、大学生のほうがよほど意思を持っていると感じられるケースがあります。

スキルで採用するのは本当によくないと思っています。

ですから、先ほどとても共感したのは、Well-beingのピースである「多様性」をどうつくるかが大切だというお話でした。

ピースが上手くはまってWell-beingなチームができてくると、そのチームは一体となってdoingしていきます。

これは確かに弊社が目指しているところです。

人生で成し遂げたいことが、会社の理念につながるか

福田 おっしゃるとおりですね。

最初に、「自分がしたいことを伝えるタイミングはいつですか?」というご質問がありましたが、弊社の場合は最初の面接です。

僕がそこで毎回聞くのは、「人生において何を成し遂げたいですか?」です。

そして応募者が答えた内容に対して「それは病気ゼロ社会につながりますか?」と質問し、答えが「イエス」であれば採用です。

弊社の理念は「最先端科学で病気ゼロを実現する」で、創業者である僕の実現したいことがそのまま理念になっているのですが、自分のやりたいことがその理念に合う人を採用しています。

松井 それは弊社でも全く同じです。

採用プロセスのエントリーで、なぜこの会社を選んだのかを明確にし、そこに本人の幸せがあればいいし、なければ、会社に入らずに自分の好きなことをやればいいわけです。

私はユーザベースが3社目で6年間在籍していますが、これだけ心と頭を使う会社はないと思っています。

自分で考えなければならないことや決まっていないことが多く、自分が何をしたいのか、何をしなければならないのかなど、日々色々なことを考えます。

これをやると決まっていれば人はそこに向かって走れますが、そうでないと心が辛くなります。

ですから、Being by Doingのお話はすごくよく分かるし、年齢には関係ないと思います。

Well-doingしてみることで、Beingが見つかることも

佐竹食品株式会社/株式会社U&S 代表取締役社長 梅原 一嘉さん

石川 クオリティが高い人だけを採りたいという会社もあるだろうし、その場合はWell-being重視でいいと思います。

一方で、オペレーションがとてもしっかりしていて、どんな人が来てもはまる会社もあると思います。

梅原 弊社それに近いかもしれないですね。

松井 オペレーションが好きな人だったら、やっていて楽しいわけだから、そこでいいと思います。

梅原 逆に、Well-beingを求められることが苦痛な方もいるでしょうね。

松井 いますね。

山崎 きっと、梅原さんのところはきちんと仕事をつくって渡しているということですよね。

多分、その人の価値を見つけてあげるプロセスがあるのだと思います。

梅原 やってみて、すごく好きになる人もたくさんいます。

石川 やり続ける中で、好きになっていくんですね。

山崎 それがさっきおっしゃっていた質問に近いと思います。

やりたいことが見つかっていない人に対して、会社は何ができるか、猶予期間をどう渡すかとか。

梅原 逆に、それがこの図に表れていると思います。

やりたいことが見つかっていない人には「とりあえず、今考えずにやってよ」と。

一方で、やりたいことが見つかっている人には、違う課題が出るのかなと思います。

正忠 梅原さんのスーパーの売り場に行くと、皆さんとてもうれしそうに、楽しそうに商売をされています。

スーパーのパートさんは、物を並べるにしても、すごくうれしそうで幸せそうです。

「ファンは必ず、人につく」日本一楽しいスーパー・佐竹食品でICC参加者が学んだ、梅原社長の迷いなき経営哲学とは【ICC KYOTO 2019レポート#12】

梅原 ありがとうございます。

僕は、「この仕事が好き」という状態がWell-beingなのかなと思いました。

その仕事が楽しくて、好きだから熱中しているイメージです。

正忠 先ほどのご質問にあった、余裕がない人・不安になっている人も、やってみたら実ははまる“売り場”が見つかるのかもしれませんよね。

梅原 そうです。弊社でも、八百屋(青果部門)は合わなかったけれども、肉屋(精肉部門)とは相性がいいということもあります。

また、「管理栄養士をしているので、総菜をやりたい」という本人の希望どおりに総菜担当に入れてみると全然だめで、八百屋に行かせたら花開いたということがありました。

福田 なぜでしょうか?

梅原 タイプだと思います。

例えば肉屋は、包丁を持って色々やることが好きな職人的な人がやっています。

山崎 プロダクトによって向き不向きがあるのは面白いと思います。

学生のときには、肉屋と魚屋のどちらに向いているのかが分からないので、見つけてあげるのも会社の仕事だと思います。

梅原 好きになったら、すごくはまっていきます。

役員まで上りつめて、「やっぱり肉が切りたい」と言って、役員を辞めて楽しそうに肉屋をやっている人もいます。

山崎 職人ならではの、気質みたいなものも関係するでしょうね。

(続)

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続きは 8. Well-beingな組織をつくるためには「人生」を語り合え をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/フローゼ 祥子/小林 弘美/戸田 秀成

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