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「あれもやりたい、これもやりたい」病なんですが、どうしたらよいでしょうか? 【A16-2 #7】

ICCx AIESEC 2016 Session 2 「社会課題を解決する起業家になる」

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「社会課題を解決する起業家になる」【A16-2】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!10回シリーズ(その7)は、「いかにやりたいことを絞り、決めるか?」について登壇者全員で議論しました。是非御覧ください。

「ICCx AIESEC カンファレンス」は、NPO法人アイセック・ジャパン(AIESEC)とICCパートナーズが共同で開催した、AIESECに所属する大学生を対象としたカンファレンスです。当日は高い志を持った大学生250名が、ビジネスリーダー/社会起業家たちのパネルディスカッションと、質疑応答セッションに参加しました。

本年も、2017年9月15日(金)に「ICCx AIESEC 2017」を開催する予定です。参加を希望される方は、ぜひ全国25大学のAIESECの各委員会に所属ください。

Aiesec Logo


【登壇者情報】
2016年9月13日開催
ICCx AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス2016
Session 2
「社会課題を解決する起業家になる」

(スピーカー)
白木 夏子
株式会社HASUNA
代表取締役兼チーフデザイナー

矢島 里佳
株式会社和える
代表取締役

山田 敏夫
ライフスタイルアクセント株式会社
代表取締役

(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役

「社会課題を解決する起業家になる」の配信済みの記事

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【本編】

小林 では、さっそく質疑応答に入りたいと思います。

早いのも勝ちです、質問したい方は並んで下さい。

では早速始めましょう。

ご所属とお名前をお願いします。

質問者 お話しありがとうございました。

私は、日本の大学には所属していないのですが、今月からイギリスの大学に行きます◯◯と申
します。

私も起業したいと考えており、アートセラピーを日本に普及させたいと思っています。

これから大学へ行く段階ですが、現時点で「あれもやりたい、これもやりたい」と色々なアイディアが浮かんできてしまう状況です。

今、事業内容を固めるつもりはなく、色々やってみた上で決めようと考えていますが、どのような方向性やコンセプトを置き、どのように決めて会社を立ててきたのかお伺いしたいです。

いかにやりたいことを絞り、決めるか?

小林 お三方に聞きたいということですね?山田さんはどうでしょうか?

山田 ロンドンへ留学していた白木さんと合致している気がしたのですが。

小林 では白木さんから行きましょうか。

白木 私も「あれがやりたい、これもやりたい」病で、煩悩だらけの人間です(笑)。

煩悩も108ではとても足りないほど、学生時代からいつも「あれもやりたい、これもやりたい」と思い続けています。

学生時代は、「貧困問題を解決したい」、「国連常務になる」ということをとにかく考えていました。

イギリスの大学で貧困問題の勉強をし、色々な場所でフィールドワークをしていたのですが、途中から国連やNGO業界には限界があり、鉱山で起きているような現状から子ども達を救うには、国連が外部から何を言ってもあまり意味がないと感じるようになりました。

ビジネスの末端で苦しんでいる人達は、ビジネスの中で解決するしかないと思い、今に至る訳です。

ただ、学生時代からジュエリーで起業しようとは考えていませんでしたし、ジュエリーに決めるまでとても悩みました。

ずっと国連で働きたいと思っていましたが、何をすればいいのか分からず、一旦日本に戻り、投資ファンドに就職しました。

全くジュエリーとは無縁の金融業界で三年弱働き、その傍らで、色々なビジネスモデルを考え、事業計画を書きました。

社会起業家を育てるようなファンドを作ろうと思い、ファンドの構想を書いてみたり、発展途上国のリゾート地を買収し、そこに高級エコリゾートを作り、富裕層の方々にお金を落としてもらえれば潤うのではないかと考えたり。

その様なことを沢山考えた中で、一番自分がワクワクして、自分に合っていると感じたのがジュエリーブランドでした。

今、会社を立ち上げて8年目ですが、私はこれで終わる気がしていません。

勿論ジュエリーは大好きですが、「世界を良くする」、「今の姿の地球を、より良い形で次世代に引き継ぐ」ということを私はビジネスを通じて行っていきたいので、これが実現できればビジネスの形は本当に何でも良いと考えています。

現在、ジュエリーのブランドの他に、ライフスタイルビジネス、オーガニックフードや、アート関係等、色々な取り組みも手掛け始めています。

学生時代は、ありとあらゆることを吸収できる絶好の機会なので、絞らずにイギリスという場で沢山の人に触れ話を聞いて、色々な場所に行って欲しいと思います。

アートだけに限らず色々な世界の人達と会い、色々な刺激を受け、沢山考えてください。

やりたいことが沢山あるということは、すごく良いことだと思います。

そこにビジネスチャンスはあると思います。

質問者 ありがとうございます。

小林 矢島さんはどうですか?

まず「一番やりたい」ことから始めよう

矢島 そうですね。

矢島 今日は「0から6歳の伝統ブランドaeru事業」のことをお話ししたのですが、その他にもaeru room事業、aeru oatsurae事業、aeru re-branding事業という事業も展開しています。

3年ぐらい前から準備を始め、今年正式に世に送り出した事業もあるので、今の白木さんのお話は本当に似ているなと思いながら聞いていました。

例えば、今日生まれた赤ちゃんに贈った物を、20年後その子が大人になった時、同じものが欲しいと思っても、先程の山田さんが説明なさったグラフからも分かるように、このままではおそらく残っていないと思います。

だから、本当に伝統を次世代に繋ぐためには、今もっと日常の暮らしの中で伝統に出会うことができ、多くの人がご自身の暮らしに取り入れないと続いていきません。

そこでaeru room事業では、全国のホテルの一室を、和えるがプロデュースしていく事業です。

地域の伝統産業や歴史、魅力を活かしたお部屋になっており、地域に出会うことができる場所に変わります。

oatsurae事業は、世界に一つだけのオリジナル商品を作る事業になります。

私も学生時代やりたいことが沢山ありましたが、まずどれから取り組みをすれば一番本質的な解決に近付くのかを考えました。

今日生まれた赤ちゃんに伝えるところから始めれば、日本の伝統に出逢える人が増えると考え、“0から6歳の伝統ブランドaeru”事業から始めました。

5年経ち、新しい事業に取り組むことが出来るのは、仲間がいる今だからこそ、当時構想していたことが実現し始めています。

和えるは、「和えるくん」が20歳になる2031年に10事業部位に増えていると思います。

それは、和えるのお母さんである私が、始めに考えていたことが少しずつ実現し、兄弟が生まれていくといったイメージです。

やりたい事を諦める必要はなくて、まず一番これがやりたいということから始めれば良いと思います。

だから(白木)夏子さんも新しい事業を始めたのだと思うのですが。

白木 そう、同じです。

まだ眠っている事業についても全く諦めていませんし、虎視眈眈とチャンスを狙っています。

自分一人で立ち上げるというより、他の事業に相乗りすることもあります。

矢島 一緒に取り組めますね。

白木 周りに起業家が沢山いるので、例えばホテル事業を展開したいという人がいれば、「私もやる」と挙手をするような。

矢島 そうですね。

白木 そのようなことでも出来るので、可能性は本当に無限大だと思います。

小林 可能性は無限大。

白木 はい。

Whyが定まっていればそこへの道はなんでも良い

小林 山田さん、二人で盛り上がっていますよ。

山田 (壇上で)距離を感じますね。

でも、お二人はそれぞれ愛がありますよね。

Why、なぜやりたいのかということは、多少ぼやけたとしても変わらないのだと感じました。

なぜ自分がやりたいのかを、自分が気持ち良いと感じる事、自分が心からやりたい事から考えて、Howはどんどん変化し色々な道があって良いと思います。

私は仕事を「私事」にしたいと思っています。

矢島さんが仕事を子どもの様に思うと言っていましたが、素敵な表現ですね、私は今度からその表現を使おうと思います。

矢島 ありがとうございます。

山田 Whyが定まっていれば、そこへの道は何でも良い気がしますね。

質問者 わかりました、ありがとうございました。

小林 モデレーターとして付け加えますと、皆さん「ゴールデンサークル」という言葉を聞いたことがありますか?

TEDのスピーチに出てくるのですが、Why、How、Whatとある中でWhyを中心に説明すると非常に説得力が上がり、周りの人間を動かすという内容です。

TED サイモン シネック「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」

我々のカンファレンスでも、必ず「なぜ事業をしているのか?」という事が話題になります。

ぜひTEDを検索してみて下さい。

小林 では次の方お願いします。

(続)

続きは 和える・HASUNA・ファクトリエが語る「ストーリーの伝え方」 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/鎌田 さくら

【編集部コメント】

「仕事を子どもの様に思う」っていいですね。私、以前に新聞を週刊で出すサークルに所属していたのですが、そこに新聞発行の責任者をしていた女性の同級生がいました。彼女が苦労して新聞を発行した後に「産みの苦しみを経て我が子が巣立っていく感じだ」と言っていたのを思い出します。(横井)

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