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「ソーシャル・イノベーション実現に向けて」【A16-1】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!9回シリーズ(その5)は、ユーグレナ永田さんから、ユーグレナの具体的な事業を説明いただきました。是非御覧ください。
「ICCx AIESEC カンファレンス」は、NPO法人アイセック・ジャパン(AIESEC)とICCパートナーズが共同で開催した、AIESECに所属する大学生を対象としたカンファレンスです。当日は高い志を持った大学生250名が、ビジネスリーダー/社会起業家たちのパネルディスカッションと、質疑応答セッションに参加しました。
本年も、2017年9月15日(金)に「ICCx AIESEC 2017」を開催する予定です。参加を希望される方は、ぜひ全国25大学のAIESECの各委員会に所属ください。
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【登壇者情報】
2016年9月13日開催
ICC×AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス2016
Session 1
「社会をより良くする起業家の夢の実現を支える仕事」
(スピーカー)
永田 暁彦
株式会社ユーグレナ
取締役 財務・経営戦略担当
(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役
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【前の記事】
【本編】
永田 (ユーグレナは)何を行なっているか?についてお話していきます。
まず一つ目、地球を健康にするという意味ですと、2015年に横浜市、千代田化工、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車、ANAとで国産バイオ燃料計画を発表しました。
これは、2020年の東京オリンピック時に、「本当にミドリムシ燃料で飛行機を飛ばします」ということを宣言しました。
僕達は来年(2017年)、総額100億円(※)かかるプラントを自分たちで建設を開始します。
※2017年2月10日に約58億円に金額確定
100億円のプラントを自分たちのお金で作ることができる。
これはとても幸せなことですよね?
そんなお金を誰がくれるのかという話で、これは一生懸命自分達で稼いだお金です。
小林 売上110億円ですよね?
永田 100億円余っているという話ですよね。
色々な秘密があるのですが、財務にご興味がある方はご質問下さい。
何をするかというと、国内で製造した燃料を飛行機とバスに供給する。
ANAといすゞ自動車に供給するというプロジェクトです。
元々日本はエネルギー資源がない国と言われていますが、もしも国内でエネルギーを作ることができれば、もしかすると太平洋戦争はなかったかもしれないですよね?
地球環境にも関わりますし、世界観が変わるのではないかと考えています。
これは横浜市の鶴見にプラントが建設され、2019年前半から稼働します。
どんどんCO2を削減しながら、国産のバイオ燃料ができるという世界観を実現します。
グラミンバンクとの合弁会社で農業支援
永田 さらに、出雲が18歳の時にバングラデシュへ行ってから15年かけ、なんと僕達、モハメド・ユヌスさんが創立したグラミンバンクさんと一緒に会社をやるまでになったんですよ。
小林 拍手ですね。
永田 ありがとうございます。
(会場拍手)
皆さんが、今年、例えばバングラデシュやアフリカで本当に尊敬するノーベル平和賞を取る人の所に行き「僕は本気で世界を変えますよ」と言い、18年間一生懸命研究し、ビジネスを行ない、お金を貯め、一緒に会社を作ったんですよ。
何を行なっているかというと、バングラデシュは農業国家なのですがすごく貧しいです。
僕達は東大農学部の会社なので、農業支援をすることにより豆の生産量を1.5倍にしています。
増えた分の50%を高く買い、日本向けに輸出するという産業を行なっています。
この取り組みを3,000農家さんが行なっているのですが、来年5,000農家に増やす予定です。
この事業にバングラデシュ人が30人位関わってくれています。
このことにより国内の豆の流通量を減らさずに一次産業の輸出物が生まれ、農家さんの収入も上がり豊かになるということで、「これはとても良い取り組みだ」とユヌスさんも共同社長を務めてくれています。
実際、国連のIFADという農業基金チームから、この取り組みは世界ナンバー1だということで、初めて助成金を受け、さらに農家を増やすプロジェクトを始めています。
これは、僕達民間企業が取り組みすることに責があると思っています。
きちんと会社が稼ぎ、農家さんも稼ぎ、国も儲かる。
正に三方良しです。
誰かのドネーション(寄付)で作るシステムは持ちません。
きちんと収益を生むモデルを作ることができていることは自分達の誇りです。
給食を食べられる子供を増やす
加えて、今、「ユーグレナGENKIプログラム」というプロジェクトに取り組んでいます。
バングラデシュ150万食のクッキーを給食として、スラム街にある給食のない学校の子供達に配布し、健康状態がどう変わるのかという血液検査を行なっています。
僕達のプロジェクトにより、今バングラデシュ、ダッカ市内にある給食がなかった小学校が半減しました。
この活動をバングラデシュ全土へ広げ、最後は世界中の人へ広げるということが僕達のプロジェクトです。
この活動も、実は皆さんが弊社商品を1個購入してくれる当たりいくらかお金をいただいており、商品の販売数が増えるだけ配布する子供も増えるというプログラムになっています。
すなわち、自分達が一生懸命営業活動をすればするほど、クッキーとして給食を食べることができる子供が増えるというプログラムになっています。
お客様からいただいたお金と同じ金額をユーグレナ社が出し、現在はバングラデシュで150万食を提供しているのですが、これを世界中に広げていこうというプロジェクトです。
これだけですと、現地の子供たちは貰うだけになってしまうので、現地の富裕層にサプリメントを販売し、少し余裕のある層にはクッキーを販売し、その儲けから現地の子供達の給食を作るというプロジェクトを実現すべく、JICAと一緒に行います。
これにより現地に対するドネーション(寄付)ではなく、現地で稼ぎ、現地で使うという経営に入れ替えるということです。
僕達の夢は、ここでストリートチルドレンになるところだった子供達をきちんと育て上げて、将来的に緑豆事業で働く人達になってくれればすごく幸せだなと思っています。
日本最大のテクノロジーファンド
永田 最後にもう一つ、これは僕が開いたファンドですが、自分達が技術系ベンチャーとして育つ過程で本当にお金に困ってきました。
誰も助けてくれない。
「ミドリムシで世界を変えます」と言っている人にお金をつけるファンドなんてない訳です。
なんて日本という国は、新しく立ち上げる人に厳しい環境なんだろうと思いました。
じゃあ僕達が支えるファンドを作ろうということで、日本最大のテクノロジーファンドを作ります。
こういうことも、次世代、次の後輩達を作ろうということで行なっている活動です。
世界を変えるためにどんな力が必要か本気で考えよう
永田 最後にまとめですが、本当にやりたいことを実現すると考えた時、皆さんが10年後に年間数十億円の研究予算を生み出していると想像できるかという話です。
僕達は、皆さんの10年後にそれを実現しました。
そのためには、様々なチームが必要で、継続する意思が必要だと思います。
そして、誰かにお願いせずに事業を続けられる力、これはとても重要です。
皆さんが10年後 今思っていることを実現するに当たり「これは僕達のやり方だから、これでやらせてもらう」と言うことができる。
本当に困っている人に届けることができる。
そういう意味では、儲けたお金で世の中を変えるという活動だと思っているので、いかに自分達が力を持つことが重要かを感じています。
そして対等な関係で連携を実施する力ということで、例えばIFAD、国連と対等にビジネスをしましょうということを今の皆さんの状況でできるか?
やはり力が必要です。
グラミンバンクと対等なベンチャーを作るにも力が必要です。
世界を変えるにはパートナーシップが必要で、そのパートナーと同じ目線でできるだけの力を身につけることがすごく大切だと思っています。
だからやはりビジョンや、世の中を変えようという想いが大切だけれど、それを本当に実現するにはどうすればいいのかということを本気で考える。
そうでなければ、ただ想っているだけの人になってしまうので、そのことがとても大切なのではないかと思います。
僕達はバイオテクノロジーで昨日の不可能を今日可能にする。
今後40年ぐらいはビジネスマンとしての人生があるので、どんどん世界を変えたいと思います。
ぜひ、皆さんもユーグレナに入り一緒に世界を変えましょう。
以上です。
(会場拍手)
小林 ありがとうございました。
それでは質問タイムに移りたいと思います。
(続)
続きは ”バカ”だと言われても「ミドリムシで世界を変えます!」と伝え続けた(ユーグレナ永田) をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸/鎌田 さくら
【編集部コメント】
18歳の時に出雲さんがバングラデシュのグラミンバンクへインターンに行ってから15年かけ、グラミンさんと一緒に会社をやるまでになったとのお話は感動的でした。出雲さんがグラミンバンクでの原体験を大事にしていたこともうかがえます。(横井)
続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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