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働き方、仕事内容、チーム単位に合わせてカスタマイズ。急拡大を続けるビズリーチを支えるフレキシブルなオフィス

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ICC KYOTO 2018初日のセッション「それぞれのオフィス論から考える『なぜ今の時代にオフィスが必要なのか?』」に登壇する企業のオフィスを紹介するシリーズ、第三回目は渋谷のビズリーチです。事業と人員の急成長に伴い、オフィスも4棟に分かれて急拡大中。ITベンチャー界でもおしゃれと名高いオフィスを写真とレポートでご紹介します。ぜひご覧ください。

▶この記事は ICCサミット KYOTO 2018でフロンティアコンサルティングがスポンサーするセッション「それぞれのオフィス論から考える『なぜ今の時代にオフィスが必要なのか?』」に登壇する企業のオフィスを紹介するシリーズです。
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本編


ビズリーチは即戦力人材採用のサービスの印象が強いが、昨年は日本最大級の事業承継 M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」をリリースしたことでも話題を集めている。

そのオフィスはメディアでも数多く取り上げられており、有名だ。急成長のイメージから、機能重視のオフィスでもおかしくなさそうなのに、エントランスに海や丘がある。記事などで見知っていても、実際に見ると驚いた。取材チームがアポイントの時間より早く到着してしまったのもあるが、つい記念撮影をしたくなるスポットだ。

ビズリーチオフィスのエントランス、海を背景にした丘にて

このオフィスについて、たくさん語りたいことがあるという取締役の竹内真さんに、どうしてこういうオフィスを作ることになったのか、また今後どのようなことを考えているのかを聞いた。

エントランスに広がる「Garden」と「Ocean」

写真の中心がビズリーチ取締役の竹内さん

竹内さん「オフィスは渋谷のクロスタワーが本社としてあり、現在8フロアに入居しています。他のフロアが空くとすぐに押さえていますが、それでも間に合わないので、近くの3つのビルにもフロアを借りています。現在社員数は全体で1,300人くらいです」

ビルの構造上、中心にエレベーターがあってフロアが2分割されており、社内のチーム単位や機能単位で分かれているという。

竹内さん「2013年にこのビルに移転してきたころは、電源タップ、机、椅子すらないという状態で、オフィス空間を考える余裕もありませんでした。それからオフィス創りを考え始めて、次第に充実させていっています」

エントランスは「Garden」と「Ocean」と呼んでおり、移転当初は「Garden」側しかなかったが、その後「Ocean」側を借りることができ、現在のエントランススペースとなった。

エントランスを入って左手のこちら側が「Garden」と呼ばれるエリア

「Ocean」エリアの波はVRで投影。波は触ると赤外線が反応して動き方を変える

このエントランスエリアにはカフェも、テーブルも配置されていて、単なる待ち合いスペースというよりは、リラックスできるワークスペースになっている。訪問時はここで仕事をしている人もいた。

竹内さん「我々の事業の特性上、情報を守るために社内のネットワークや、社外と触れ合わないところで行う必要のある業務があります。でも業務中には、一息つきたい、リラックスしたいというときもあります。そういうときに外に出ていかなくても十分それができるという状況を創るというのが、この数年間、オフィス創りで大事にしてきたところです」

ビズリーチが大切にする3つの働き方

その「リラックスして働く」を含む、3つの働き方がビズリーチにあるという。

竹内さん「集中して仕事をする時間、社員同士コミュニケーションして仕事をする時間、リラックスして仕事をする時間。これを意識して社内に作り込んだところ、社外で働く人が減ってきました」

執務スペースには、その3つの働き方ができるスペースが用意されている。

1.集中して仕事をするスペース

「集中して仕事をする」ために、オフィスの一角に個人ブースがある。横だけでなく背後にもパーテーションがあり、人の動きを気にせず仕事に集中することができる。

個室状態で仕事ができるワークスペース

2.コミュニケーションして仕事をするスペース

次に「社員同士コミュニケーションして仕事をする」スペース。執務エリアのデスクとは違うハイチェアー、ハイデスクの打ち合わせスペースがオフィスに点在している。場所的な都合もあると思うが、静かに話し合える場所と、あえて人通りがある場所の両方に配置されている。

窓際の静かなスペース。バランススツールでゆらゆらと揺れながら打ち合わせ中

通路にある打ち合わせスペース

座卓スペースもある

3.リラックスして仕事をするスペース

リラックスして仕事をできる場所は、エントランスの「Garden」と「Ocean」のほかに、別館のオフィスにカフェがある。

豆を挽くいい香りが漂うカフェ。1杯200円から本格的なコーヒーを楽しむことができる

個人の作業はここで行い、打ち合わせは会議室へ移動ということもあるそう

このワークスペースでは、BGMを流し、ライティングもカフェ仕様だ。「五感を刺激するような、できるだけ会社にいない雰囲気を創る」ことに注力したそうだ。

執務スペースはチームごとにカスタマイズ

個人のデスクがある執務スペースも、その業務単位によって変えているという。

竹内さん「それぞれのチームの属性や特徴によって、働き方のスタイルも変わってくるため、そのチームにカスタマイズして作っています。

たとえば、チームメンバーの役割分担が明確になっている事業もあれば、創業間もない事業の場合、ああでもない、こうでもないと、議論を頻繁に行うチームも存在します。いろいろなチームがクロスファンクションでコミュニケーションしなければいけない事業は、それが円滑に進むような座席や形になっています」

緑があり、整然としているビズリーチ事業部のオフィス

136台のiMac Pro導入で話題を集めたエンジニアのオフィス。デュアル(時々トリプルも)モニター度が高い

オフィスの一角には勉強会などが行われるスペースもある

フロアやチームによって、カーペットやデスクの色が違ったり、観葉植物があるフロアもある。一方総務などバックオフィス系のフロアは、棚にオフィスの備品などが並び、いかにもそれらしい雰囲気だ。

新規事業や事業創造のチームが入居するオフィス

オフィスが入居している4つのビルのうち、一番規模が小さいのが「ビズリーチ・サクシード」などの新規事業が集まっているビル。2フロアを借りており、小さいとはいえ、最大130人まで入れるセミナー室などもある。

壁のレンガはバーナーでエイジング加工している

執務スペースは他のビルと同様だが、待ち合いスペースや会議室はアメリカのベンチャー企業のようなイメージで創っているそうだ。廊下の壁には、会社の歴史がたどれるような写真が飾られ、図書館のような雰囲気がある。

アンティーク調で落ち着きのあるインテリア

会議室もシックな雰囲気だ

採用広報としてのオフィス創り

再びクロスタワーのメインエントランス。「Garden」と「Ocean」の周りには様々なタイプの会議室がある

会議室の内装、家具などはひとつずつ違う

竹内さんはエンジニア出身。作業速度を格段にスピードアップさせたiMac Pro導入をはじめ、エンジニアの環境改善や採用には人一倍敏感でもある。

竹内さん「今でこそHRテックといわれますが、昔はHR領域におけるテックカンパニーの存在はあまり知られていませんでした。弊社もエンジニアの採用には苦戦することもありましたので、我々がテックカンパニーであることをどのように伝えていくべきかを常に考え続けてきました」

エントランスの「Ocean」の波を投影するテクノロジーも、世界的にみても珍しい試みで、エンジニアが見ればわかる、非常に難しい技術を駆使して実現している。それも含めて採用を重視するために、オフィス創りは「採用広報」という位置づけで、注力している。

波打ち際の表現に高度な技術が用いられている

竹内さん「現在は東京以外の2拠点のオフィス環境向上にも注力しています。いい環境を創ることで、社内のメンバーが気持ちよく働けることはもちろんのこと、採用でも良い影響に繋がればと思っています。

理想的には、事業部全体がまとまって1フロアに入れる状態が望ましいので、事業別オフィスに移行していきたいと考えています」

創業の地、渋谷で着々と拠点を広げているビズリーチ。テックカンパニーとして、オフィスの中で働く個人やチームにふさわしい環境、効率的な働き方がオフィスデザインとして実装されていることが、スタイリッシュな見た目以上に印象に残った。

【ビズリーチ オフィスデータ】

所在地 東京都渋谷区渋谷2-15-1
オフィスフロア平米数 非公開
創業 2009年
従業員数 1,291名(2018年8月1日現在)
事業内容 インターネットを活用したサービス事業

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/尾形 佳靖

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