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【速報】大接戦のリアルテック・カタパルト、介護テック「aba」と素材開発ベンチャー「MI-6」同率優勝!(ICCサミット FUKUOKA 2020)

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「ともに学び、ともに産業を創る。」エクストリーム・カンファレンス「Industry Co­-Creation(ICC)サミット FUKUOKA 2020」(2020年2月18日〜20日開催)、1日目の午後に「REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える」 Supported by 小橋工業が開催されました。

第一線で活躍する審査員が注視する中、7社の研究開発型ベンチャー企業が各7分間の熱いプレゼンテーションを繰り広げました。審査員の投票の結果、においで検知する排泄センサー「Helppad」(aba)と素材開発に産業革新を起こす「MI-6」が同率優勝いたしました!

結果速報

ICCサミット FUKUOKA 2020 Session 3B 「REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える」優勝は、においで検知する排泄センサーで介護業界を革新する「Helppad」(aba)と、データサイエンスとロボティクスで素材開発を革新する「MI-6」の2社でした!

同率3位は、幹細胞を大量培養により身近で高品質な再生医療の実現を目指す「フルステム」と、電子機器の熱問題を解決する次世代型素材ベンチャー「U-MAP」の2社でした。

当日の中継映像もぜひご覧ください。

登壇サービス・プロダクト一覧

同率優勝:必要な時に必要な介護を。においで尿と便を検知する排泄センサー「Helppad」(aba)

株式会社abaは、千葉工業大学在学中だった宇井氏が介護ロボットの開発をしていたメンバーとともに2011年に設立した同大学発ベンチャー。介護者、要介護者双方にとって負担の大きい排泄ケアの負担軽減を目的に、排泄センサー「Helppad(ヘルプパッド)」をパラマウントベッドと共同開発し、2019年1月に販売を開始した。Helppadはシート状でベッドに敷くだけで、尿・便をにおいで検知し、おむつ交換のタイミングを介護者へ自動通知する。さらにアプリ上に蓄積された排泄情報から排泄の予想周期が自動作成され、適切なタイミングでの食事や入浴など個別ケアの推進にも役立つとしている。同社代表取締役の宇井氏は、現在の排泄センサー事業を出発点に介護業界の新人研修も含めた排泄ケアシステム構築、更にはおむつメーカーや製薬メーカーへのデータ提供事業へと進出していきたいと語る。


宇井 吉美
株式会社aba
代表取締役
公式HP | STARTUP DB

2011年、千葉工業大学未来ロボティクス学科在学中に株式会社abaを設立。中学時代に祖母がうつ病を発症し、介護者となる。家族介護をしている中で得た「介護者側の負担を減らしたい」という思いから、介護者を支えるためのロボット開発の道に進む。開発者の自己満足で終わらない製品作りをモットーに、まずは現場を知ることが開発への近道だと考え、介護施設へ実地研修に赴く。ボランティアを含め3年間、介護職として勤務する中で、排泄介助の壮絶な現場を見たことをきっかけとして、「排泄ケアシステム『Helppad(ヘルプパッド)』」を製品化。においに着目し、尿便検知可能かつ身体に非装着な排泄センサーは業界でも珍しい。2020年2月現在、本社所在地である千葉県を中心に限定発売中。2019年、科学技術への貢献が認められ、文部科学省 科学技術・学術政策研究所より「ナイスステップな研究者」に選出される。

宇井さんのプレゼンは中継映像の05:50から始まります

同率優勝:“マテリアルズ・インフォマティクス”と“ロボティクス”で素材開発に産業革新を起こす「MI-6」

MI-6株式会社は、データサイエンスを活用した素材開発技術「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」により、企業の素材開発を支援する2017年創業のベンチャー企業。MIを用いた素材開発では、ベイズ推定による予測アルゴリズムにより、研究者の経験や直感に基づいた従来の実験中心型の素材開発に比べ、研究開発期間・開発費を大幅に圧縮することが可能となる。社名に含まれる「6」はRoboticsを意味し、従来研究者が手作業で行っていた実験をロボットで代替していく意思を表している。代表取締役社長の木嵜氏は、これからMIとロボティクス技術の融合により素材開発の一層の効率化・自動化を実現し、研究者がよりクリエィティブな作業にフォーカスするためのインフラ構築を目指すとしている。


木嵜 基博
MI-6株式会社
代表取締役社長
公式HP | STARTUP DB

2012年京都大学卒業後、ITベンチャー企業に入社し主に事業開発として、クラウドソーシング事業の起ち上げ、ビッグデータのクレンジング業務等に従事。事業開発責任者としてマザーズ上場に貢献後、2015年オリックス株式会社、2017年モバイク・ジャパン株式会社のGM代理として国内事業を管掌。その後“素材開発に効率と創造をもたらす”MI-6を創業、社内外のテクノロジーやネットワークを活用した幅広い事業開発に一貫して従事。

木嵜さんのプレゼンは中継映像の19:15から始まります

同率3位:“不織布”で幹細胞を大量培養、身近で高品質な再生医療の実現を目指す「フルステム」

株式会社フルステムは、再生医療で使用される幹細胞の培養装置として、これまで不可能だった不織布培養からの細胞回収を実現した世界初の三次元自動大量培養装置「Achieva-CS」を開発・販売する沖縄発のバイオベンチャー企業。Achieva-CSは、高い効率での幹細胞培養を実現できるほか、既存装置に比べてより生体条件に近い培養を可能とする。自動培養機能により、装置操作スタッフ1名で患者約10名分の治療用細胞を培養できる装置として、大学病院やクリニックなどの医療機関、製薬企業への販売を行う。同社代表取締役社長の千葉氏は、幹細胞が産生するエクソソームなどの再生因子の治療効果にも着目し、同技術を「再生因子製造技術」として発展させることで、より身近で高品質な再生医療の実現を目指すとしている。


千葉 俊明
株式会社フルステム
代表取締役社長
公式HP | STARTUP DB

2003年聖マリアンナ医科大学大学院大学修了・医学博士。再生医療学会代議員・認定医を務める。博士テーマが、脳梗塞幹細胞移植による神経再生治療。学会発足前より、胚性幹細胞を始めとして、間葉系幹細胞、iPS細胞等のあらゆる幹細胞培養を自ら経験。2004年コロラド州立大学神経科学PGに留学し、ヒト胚性幹細胞から誘導したドーパミン産生細胞移植によるパーキンソン病治療の研究に従事。2005年米国パーキンソン病財団(APDA)賞およびグラント獲得、2007年帰国後2015年まで再生医学関連の国内研究費を研究代表者として継続的に獲得。2010年琉球大学大学院医学研究科准教授。2015年沖縄県一括交付金事業にて現在のシーズである“三次元多孔性足場からの培養細胞回収方法”を開発し、不織布を用いた自動大量培養技術の確立へと発展させた後、2016年株式会社フルステムを代表取締役社長として起業。

千葉さんのプレゼンは中継映像の33:34から始まります

同率3位:電子機器の熱問題を“Thermalnite”で解決する次世代型素材ベンチャー「U-MAP」

株式会社U-MAPは、電子機器部材の高熱伝導化を可能にする特殊素材の製造・販売を行う名古屋大学発ベンチャー。PCやスマートフォン、EV、データセンター等あらゆる電子機器の使用に伴う熱上昇は、性能・機器寿命・安全性の劣化を招き、世界のデータセンターの年間消費電力の約4割はサーバー冷却用の電力が占めるとされている。同社はそうした電子機器内部の熱上昇を抑える新素材として、高熱伝導性と絶縁性を兼ね備えたファイバー状窒化アルミニウム単結晶「Thermalnite」の高効率大量合成に成功した。過去2年間の累計販売額は3,000万円を超え、さらにThermalniteを使用した製品開発にMI(Materials Informatics)を導入することで、顧客の求める特性にあった製品の開発・販売を積極的に進めている。Thermalniteの販売に加え、製造業の企業とのアライアンスにより、Thermalniteを用いた製品を企画・生産していくビジネスモデルを採用している。同社代表取締役CEOの西谷氏は、“次世代型素材ベンチャー”として、素材ベンチャーながらAIベンチャーに近いスピード感で同技術の社会実装を進めると語る。


西谷 健治
株式会社U-MAP
代表取締役CEO
公式HP | STARTUP DB

石川県出身。2015年名古屋大学大学院工学研究科博士前期課程修了。株式会社バローホールディングス入社。2018年株式会社バローホールディングス退社。2018年株式会社U-MAP入社。同年代表取締役就任。現職 株式会社 U-MAP 代表取締役 CEO。独自開発した放熱素材”Thermalnite”を用いて、スマホやバッテリー、LEDなどの電子機器の小型化・高性能化による発熱(熱問題)を解決。

西谷さんのプレゼンは中継映像の41:11から始まります

次世代の神経組織培養で神経難病、ALS創薬を支援「Jiksak Bioengineering」

株式会社Jiksak Bioengineering(ジクサク バイオエンジニアリング)は、試験管外で樹立された神経組織を活用し、製薬企業・食品企業・医薬品開発業務受託機関の創薬支援をする2017年設立のバイオテック企業。社名は神経細胞の突起構造「軸索(じくさく)」に由来する。ヒトiPS細胞から作製された神経組織を、同社の独自技術でヒト体内の運動神経組織に近い性質に再現し、チップに搭載された状態で販売している。発症メカニズムが不明なALS(筋萎縮性側索硬化症)等の神経難病の治療薬開発への応用が期待され、すでに共同研究先企業のニーズに合わせた個別の神経モデル開発も進めている。同社代表取締役の川田氏は人工臓器分野の中でも、末梢神経オルガノイドのパイオニアとして、将来的には自社によるALS創薬を目指すと語る。


川田 治良
株式会社Jiksak Bioengineering
代表取締役
公式HP | STARTUP DB

2008年上智大学理工学部物理学科卒業。2014年東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻博士課程修了。東京大学生産技術研究所特別研究員を経て、2017年に株式会社Jiksak Bioengineering設立。

オーガニック米×発酵技術で“オーガニックエタノール”をつくる「ファーメンステーション」

株式会社ファーメンステーションは、休耕田で産出された米などの未利用資源(市場に出すことのできない廃棄材料)を原料とし、独自の発酵技術により“オーガニックエタノール”を製造販売する2009年創業のベンチャー。同社は米以外にもリンゴや茶殻から製造するオーガニックエタノールを製造し、いわゆる「アルコール臭」とは異なる心地よい香気成分を含んでいる。また副産物として生じる発酵粕は栄養価の発酵飼料としても活用され、製造工程における廃棄物ゼロを実現している。サステイナビリティとトレーサビリティを兼ね備えたエタノールとしての希少性を武器に、原液の製造・販売だけでなくオーガニックエタノールを活用したスプレーや化粧品等のオリジナルプロダクトの企画販売も手がける。同社代表取締役の酒井氏は、壇上から未利用資源を活用したい事業者や、サステイナブル原料の自社製品への利用を検討したいメーカーへの協業を呼びかけた。


酒井 里奈
株式会社ファーメンステーション
代表取締役
公式HP | STARTUP DB

国際基督教大学卒業。富士銀行、ドイツ証券などに勤務。プロジェクトファイナンス、M&A等を担当。発酵技術に興味を持ち、東京農業大学応用生物科学部醸造科学科に入学、醸造環境科学を学ぶ。
その後、株式会社ファーメンステーション設立。未利用資源から独自の発酵技術でエタノールと蒸留粕を製造、高付加価値のサステナブルな原材料として販売するビジネスを展開している。現在、岩手県に製造拠点、ラボを保有し、東京と岩手を往復する生活を送っている。研究テーマは簡易エタノール製造システム、未利用資源の有効活用技術の開発。第1回Japan BeautyTech Awards特別賞、第3回DBJ女性新ビジネスプランコンペティション特別賞「地域イノベーション賞」、ブリティッシュ・ビジネス・アワード(BBA)2014 Community Contribution 等を受賞。EY Winning Women 2019 ファイナリスト。好きな微生物は麹菌。好きな発酵飲料はビール。

完全オートフォーカス眼鏡“エルシオグラス”で、目から始めるヘルスケアを推進「エルシオ」

エルシオ株式会社は、フレネル型液晶レンズを用いた度数可変眼鏡「Elcyo glasses(エルシオグラス)」の製品化を目指す2019年設立の研究開発型ベンチャー。大阪大学と共同開発、特許取得済のフレネル型液晶レンズは、レンズに電圧をかけてレンズ内に並ぶ液晶分子の角度を変え光の進行方向を変えることで自由にピント調節が可能なレンズ。同社代表取締役副社長COOの李氏は、今後増加するとみられる老眼・スマホ老眼の発症者への提供からスタートし、眼鏡を掛けるだけで生活習慣の改善・病気の察知が可能なヘルスケア眼鏡や、眼病治療につながる眼鏡の開発を目指すとしている。


李 蕣里
株式会社エルシオ
代表取締役副社長COO
公式HP | STARTUP DB

1986年東京都生まれ。2017年、大阪大学大学院理学研究科博士後期課程を修了し、同大学工学研究科電気電子情報工学専攻にて特任研究員として、電気制御型の焦点距離可変レンズであるフレネル液晶レンズの開発に従事。学内アントレプレナー育成研修で結成されたチーム、LC Optels(エルシーオプテルズ)の未来2017メディカルヘルスケア部門最優秀賞等、ビジネスコンテストでの受賞を経て、2019年4月に、共同創業者の澁谷と株式会社エルシオ(Elcyo Co., Ltd.)を設立。度数可変眼鏡『エルシオグラス』により、視力に問題を抱える方への新しいソリューションの提供や、全世代のセルフヘルスケアの普及を目指す。

表彰式

(終)

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編集チーム:小林 雅/尾形佳靖/横井 一隆/蒲生 喜子/小林 弘美

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