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早朝課外セッション:ブルーボトルコーヒーのカッピング体験で、強いブランドを学ぶ【ICCサミットKYOTO 2018レポート#7】

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開催レポートシリーズの7回目は、応募者多数で抽選となったブルーボトルコーヒー・カッピング体験です。カンファレンス会場から徒歩10分ほどの南禅寺近くの店舗にて、早朝から行われたカッピング体験。居心地のいい空間で、ブルーボトルコーヒーの世界に誘われた40分間の模様をお伝えします。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18-21日 福岡開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


9月5日の朝、前日の台風は京都を過ぎ、青い空が広がっていた。
ブルーボトルコーヒーのカッピング体験は、参加者に告知をした時点で大人気、抽選を行うほどだった。台風直撃予報のため、初日と翌日は早朝6時に店舗と確認をし、開催可能かどうかを確認するというフローは発生したものの、会期中の3日間を通して、奇跡的にも開催することができた。合計59名の方にご参加いただいた。

ICCサミット2日目の早朝7時半、運営担当の2人とウェスティンのロビーに集合して、お店へ向かった。店舗は前日の台風の影響は大きくなかったとのことだが、ウェスティンからお店へ向かう道すがら、桜の名所として有名な並木の、大きな枝が何本も折れて道をふさいでいた。

参加者を待つ店内

お店に着くと、店員のみなさんが総出で店舗の床に吹き込んだ水を掃き出している。10分とたたないうちに、この日のカッピング体験に参加する方々が到着し始めた。

参加者を店舗前で迎えるICC運営スタッフ

今回、カッピング体験を企画した理由は2つある。

ひとつに、サードウェーブを牽引するブルーボトルコーヒーのブランド力である。そのブランドを支えるストーリー性や豊かなユーザーエクスペリエンス体験を知ったことから、ICCサミットでもなにか一緒にできないかということで、今回1時間弱のスペシャルセッションをご考案いただいた。

もうひとつは、ウェスティン都ホテル京都から近いうえに、体験型のコンテンツをご提供できること。今回のICCサミットKYOTO2018での新しい試みは、LEXUSの試乗もそうだが、会場を飛び出して、体験しながら学ぶ機会をご提供することだった。

9月5日、朝8時開始、コーヒーカッピング体験の様子をレポートしよう。

7種類のコーヒーが並ぶ

店内に入ると、カッピング用のコーヒーがテーブルの上に準備されている。

コーヒーの粉にお湯を注いでいく

入ったコーヒーを興味深げに観察する電通の小田健児さん

お湯を注ぐことでコーヒー内の空気が泡となって出てくる

コーヒーの表面に浮かんでいるコーヒー粉をバリスタが丁寧に取り除いていく。これが口に入ってしまうと、テイスティングの邪魔になってしまうので、重要な作業だ。

2本のスプーンでクラストをていねいにすくっていく

コーヒーが気になって仕方がない参加者は、ひとつひとつ匂いを嗅いでみたり、豆の色を眺めたりしている。参加者が全員揃ったところで、カッピング体験の開始だ。

いよいよカッピング体験スタート

カッピングとは、コーヒーのテイスティングのこと。今回は7種類の豆をカッピングする。参加者は豆の種類を書いた紙、紙コップ、カッピング用のスプーンが渡され、カッピングの方法を教わる。

カッピング体験セットを受け取るミライセルフの表 孝憲さん

これからどんな体験が待っているのか…

口の中でコーヒーが霧状に広がるように、コーヒーを一口勢いよくすする。そこで香りや味、豆による違いを利き分け、メモしていく。なお、大量にカッピングするプロは、カフェインの取りすぎにならないよう飲み込まないそうだ。

早朝、開店前のカッピング体験

一匙ずつすくって味を確かめる

一口すすって考え、手元のメモに書き込む。いつも飲んでいるコーヒーと何が違うのか、自分が一番好きな味はどれか? 最後に自分で好きな味についてその理由や感想を発表し、ディスカッションすることになっているため、その表情は皆、真剣だ。

カッピングが進むほど、無口になり考え込む

2グループに分かれて実施。こちらは手前の店舗のグループ

自分の好きな味、その理由は?

京都カフェリードバリスタのファシリテーター、中川優さんのコーヒーの知識は深く、何を聞いても答えていただけた

全種類のカッピングが終わったら、好きだった味を発表しながら、ブルーボトルのバリスタの方からその豆のストーリーや味の特徴を聞く。

中川さん「ヘイズバレーエスプレッソがお好きだった方、挙手いただけますか? この豆は、サンフランシスコの1号店、ヘイズバレーの店にちなんで誕生したブレンドです」

といった具合だ。議論が盛り上がったのは「ベラ・ドノヴァン」という豆について。

「華やかな味ですね。コーヒーショップに来たらこういう味を飲みたい」

中川さん「それが一番の特徴です。最初に濃厚なしっかりしたボディが、その次に華やかさが感じられます」

「飲みやすい気がしました」

中川さん「飲みやすいのはそのとおりで、豆を買われたことがない人に、一番バランスが取れている豆なのでオススメすることが多いです」

嗅覚には自信がある!?ソニーのAROMASTICチーム

「華やかなのもそうなのですが、最初がリッチで深い味から、そのあとノート(香り)が分かれているように感じました。チョコレートというかガナッシュ、カカオの強い香り。最後はグレープフルーツの味。そのステップがすごく伝わりました」

中川さん「まるでバリスタのような感想ですね、びっくりしました!」(一同笑)

ちなみに、このバリスタのような感想を述べたのは、AROMASTICのデュヴェールさん。嗅覚をお仕事にしているだけあって、さすがの鋭いコメント。

中川さん「エチオピアの豆がブレンドされていて、おっしゃっているように柑橘系やベリー系の豆が特徴です」

コーヒーの味を表現する風味のスケールチャート

中川さん「スリー・アフリカズが好みだった方は? 何名かいらっしゃいますね。その理由は?」

「一番甘みを感じられたのがこれでした。普段甘いのをくださいと店で言うと、ブラジルを出されることが多いのですが、酸っぱさと違うフルーティーさがあって 毎日飲みたい味だと思いました」

中川さん「甘さというのはコーヒーにとって大事で、ブラジルも確かにそうですが、ベースになっているのはウガンダ由来の豆で、ローストしたアーモンドのような味、しっかりした甘みがあります」

「酸味の感じがちょうどよかったです。チョコレートのような香ばしさのあとに、酸味があって、味の変化が味わえる。ゆったりとした時間が楽しめると思いました」

一口ずつすすっただけでも、こんなにも議論が広がる。どんな感想、どんな質問でも豊富な知識で答えてもらえるため、コーヒーについて知ることが、どんどん楽しくなり、引き込まれる。普段のコーヒーへのこだわりがある方々なうえ、知識欲が旺盛な方々ばかりのため、好きな味を発表するだけでも、時間がいっぱいになりそうだった。

カッピング体験から自分のビジネスへ

片面ガラス張りの明るい店舗は、築100年を超える伝統的な京町屋をリノベーションしたもの

カッピング体験終了後、参加した方々に感想を聞いた。

「お酒やお茶でも応用できそうな体験だと感じましたね。お茶も煎れ方やお湯の温度で味が変わるのです。京都にはテイスティングできる場所があるんですよ」と答えてくださったのは、のぞみの藤田さん。

食に関することではGRAの岩佐さんも「初めての体験で面白かったですね!」と笑顔。

嗅覚にアプローチするパーソナル・アロマディフューザーAROMASTICで、前日に「スタートアップ・カタパルト」登壇を終えた藤田さんはリラックスした表情だ。

「香りって、わかりやすいんですよね。好き嫌いが明確に、理由なく言えるところがいいと思うのです。それぞれの個性が表れて、正解はないけれども、好きなものがある。今回のカッピング体験はとてもおもしろかったです。改めて香りは必要なものだなと思いました」

店舗の内装を写真に収めていく方も多かった

後日の体験アンケートでも、このブルーボトルコーヒーカッピング体験は、全セッションのなかで上位に食い込む高評価となった。

アンケートでは
「コーヒーについて深く考えたことがなかったが、いい機会となった」
「普段できない新しい体験」
「一緒に参加した皆さんとの距離が一気に縮まった」
「学びになるし、リラックスにもなった」
「お店の雰囲気や、教えていただいた店員の方も素晴らしかった」
など、どの回も盛況で、参加いただいた方にはとても楽しんでいただけたようだ。ご案内したスタッフのICC三木にも感想を聞いた。

「台風で直前まで開催が危ぶまれていましたが、無事に3日間実施できて、本当に嬉しかったです。事前のアンケートでも人気が高く、みなさまとても楽しみにされていました。空間やカッピングを楽しむだけではなく、少人数だからこそできるディスカッションや参加者同士の交流が生まれ、他のセッションとはまた違った充実感を得ていただけたのではないでしょうか。終了後の皆さんの目の輝きと笑顔がとても印象的でした!」

日々飲んでいるコーヒーには、さまざまなストーリーがあり、味わいがあり、語るべきことがある。
参加いただいた方には、コーヒーの世界の奥深さと面白さが、水色のブルーボトルのロゴとともに心に刻まれたに違いない。ブランディングの一つの形を体験していただく意味でも、興味深い試みが今回できたのではないかと思う。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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