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ICCサミット KYOTO 2018の開催レポシリーズ、今回は2日目のダイジェストです。Honda Xcelerator カタパルト、そして今ICCサミットから登場したワークショップの模様、裏方スタッフの奮闘などをレポートします。ぜひご覧ください。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18-21日 福岡開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
台風から一夜明けて
台風一過で、さわやかに晴れたこの日。気持ちも新たに2日目の始まりだ。
Facebookの投稿によると、前日移動予定だった登壇者の方々のなかには、京都を目の前にして新幹線に何時間も車内に閉じ込められた方、東京へ引き返さざるを得なかった方、停車した駅で宿を取られた方、足止めになった場所から会場までタクシーを飛ばしてこられた方がいた。
前夜のパーティーの終了後は、街からタクシーが消え、スタッフもなんとか空車を見つけようと奮闘したが、ほぼ皆無のため最寄りの地下鉄駅をご案内することになった。この日、地元から参加された方は屋根が飛んだとか、ご自宅からカンファレンス会場に向かう道すがら、たいへんな惨状を目の当たりにされた方も多かったようだ。
この日の取材は、ブルーボトルコーヒーのカッピング体験から始まった。(その様子のレポート)
カッピング体験は、台風一過のさわやかさと、居心地のいい素敵な店舗、コーヒーの豊かな香りで、素晴らしい朝のスタートとなった。参加いただいた方も同様に感じて頂けたのではないだろうか。
店舗から会場まで、参加者のみなさんが楽しそうに談笑しながら歩いていく。これから再び、エクストリーム・カンファレンスの1日となる。
初開催 Honda Xceleratorカタパルト
この日のハイライトはなんといっても、2つのカタパルト。なかでもHonda Xceleratorカタパルトは、我々にとってもHondaの皆さんにとっても、これが日本初となるイベントだ。
詳細は別途レポートの通りだが、最後のオリィ研究所吉藤さんのプレゼンが終わったあとは、誇張ではなく会場が涙に包まれていた。カタパルトなどで重複する登壇者は内容を変え、どの登壇者も、Hondaと実現できるよりよい未来を考えたテクノロジーを提案し、それが審査員を始め、会場にいた方々にしっかり伝わっていたことは間違いない。
▶Hondaと協業できるのは誰か?「世界に負けない、日本の底力を感じる」Honda Xcelerator カタパルト日本初開催!【ICCサミットKYOTO 2018レポート#8】
今回審査員を務めていたユーグレナ/リアルテックファンドの永田さんのコメント「大企業のR&Dチームは、ベンチャーからの提案を『自分たちでもできる』と過小評価しやすいし、ベンチャーは大企業はイノベ―ティブなことができないと思っている」という言葉が印象的だ。それは大企業対ベンチャーという図式でなくても、たとえば先輩対後輩などでもありえるだろうし、さまざまな場面で起こりうる。
Honda Xcelerator カタパルトでは、優勝を決める側はHondaであっても、対等にお互いの求めているものをぶつけた結果が発表された。ともあれ、どの企業にもチャンスがあり、どの登壇企業とも一緒に何かできたらというのが本心であることは間違いなく、Hondaの皆さんも口々にそう言っていた。
左からHondaの杉本さん、優勝したVAAK田中さん、Hondaの森本さん
新たな試み、ワークショップ
天候の不安が去り、カタパルトの興奮が静まると、会場に落ち着きが戻ってきた。
2日目も中盤に入ると、会場を行き交う人々も顔見知りとなり、そこここで談笑している姿が見られる。スタートアップ支援のための展示コーナー、カタパルト・パークやブランド・スペースに足を止めて説明を聞く人や、セッションの続きの話をしている人、軽食をつまみながら、次に何を見るか話し合う人。和やかな雰囲気になってくるのも2日目ならではだ。
▶ICCサミットは討論のみにあらず! ブランド・スペースを全紹介【ICCサミットKYOTO 2018レポート#9】
▶登壇企業が大集合!カタパルト・パークを全紹介【ICCサミットKYOTO 2018レポート#10】
その雰囲気を作るのに、今回から導入されたワークショップが大きく貢献している。スモールグループで課題をディスカッションするものだが、取材で参加した8Eの「新しいプラットフォーム・ビジネスをともに議論」は、和気あいあいとした非常に活発なものだった。
今、自分が携わっているビジネスに関わらず、テーブルに集ったさまざまな人たちと一緒に、ゼロイチで事業を考えてみる。ディスカッションリーダー、参加者ともに目線が近い方が多いため、発想が事業プランに展開していくスピードが速い。
こんなオールスターが集まって一つのビジネスを考えるのだから、最初から精度も当然高い。実現するわけはないのだが、もったいないと思ってしまうほどのアイデアのユニークさ。仮想Co-Creationである。
▶今ICCサミットでデビュー。参加者の満足度が高かった「ワークショップ」とは何か?寺田倉庫ワークショップに密着【ICCサミットKYOTO 2018レポート#11】
そんな共同作業を経て、参加者同士の距離がぐっと縮まる。早朝のブルーボトルコーヒーのカッピング体験もそういう側面があった。
ほかのワークショップの模様も写真でご紹介しよう。
リンクアンドモチベーション麻野 耕司さんがナビゲーターのWORKSHOP「組織偏差値トップクラスの経営陣による少人数座談会」
Yahoo!アカデミア 学長伊藤 羊一さんが講師を務めた「【Lead the self 】 Yahoo!アカデミア 研修体験プログラム」の様子。こちらは3人一組グループ
ミラツク西村 勇哉さんがナビゲーターのWORKSHOP「未来学の手法をともに学び、ともに未来を考えよう!」
リクルートマネジメントソリューションズ天野 徹さんがナビゲーターのWORKSHOP「事業の急成長を支える組織をつくるためのミドルマネジメント強化とは?」
和やかな空気ではあっても、緊張がゆるむといった雰囲気はない。エクストリーム・カンファレンスはまだまだ続いていく。
イレギュラー発生に運営スタッフはどう対応していたか
この日は交通機関も正常に動いたため、問題なくオペレーションが進んだが、前日は嵐のようだった。
初日の朝、正確には夜中、運営スタッフグループへの一番目の投稿がこれだ。
これを見て、スタッフはいろいろな感情を抱いたのではないだろうか。それでもサミットを成功させよう、こんなとき自分に何ができるか、ベストを尽くそう、または不安が増幅されても、まったくおかしくはない。最後に一応オチはあるが、リーダーである小林がそれを吐露していた。
私はこの投稿を見て、心配はあるけれども、少し安心もした。京都に来る3日前に、オフィスで台風が直撃しそうだという予報を確認したときに、その場でただちに川床のスペースがある「鮒鶴」のパーティ会場をキャンセルし、別会場に仕切り直すという一連の流れを見ていたからだ。今ある不安・不確定要素に最速で対応し、最短で消していくはずだと思った。
スピーカー4人が到着できず、モデレーターの占部さん以外はピンチヒッターが登壇した 5Eのセッション「『持続可能な開発目標(SDGs)』をいかに経営にビルドインするのか?」
台風で会場までたどり着けない登壇者がいたら、なるべく早い決断で、動き、伝達する。その一連の動きは、以下のようなオペレーションになっていた。
【登壇者側】
①登壇者のキャンセル連絡→②代打で登壇いただく可能性のある方への打診→③承諾の返答(NGであれば②へ戻る)→④改新されたセッション登壇者の周知
【スタッフ側】
①改新されたセッション登壇者の周知→②新規登壇者をセッション時間前に確保、スピーカーラウンジにお連れする→③見つからなければ、全会場担当者に連絡して見つける→④写真撮影→⑤セッション会場へご案内
(もちろん時間前にスピーカーラウンジまでご自身でお越しいただけた方もいた)
加えて最終日は、登壇キャンセルの出たセッションに対し、話が盛り上がりそうな登壇者の方々を見つけてお声掛けするというオペレーションまで加わった。どのセッションで誰が入れ替わり、誰がまだ来ていないか。スピーカー誘導やステージ統括のスタッフは会期中ずっとスタンバイ状態で、粛々と突発的な状況に対応し続けた。
今回のスタッフMVPはスピーカー誘導統括の今井悠介さんだが、緊張感あふれる状況のなか、臨機応変かつ余裕のあるリーダーシップを発揮し誰もが納得のMVPだった。
中央でPCを持っているのが今井さん。Session 9F「注目 ライフスタイル・メディア特集」のナビゲーターとしても登壇した
そしてMVP2位の金田拓也さんはじめとするベテランスタッフの力強いサポート、新しいスタッフの協力あってこそ可能となったオペレーションでもあった。
中央が金田さん。ワークショップが多く行われたE会場の統括を務めた
最終的な登壇のキャンセルは、3日間通してのべ25名(重複登壇あり)。しかし大きな混乱もなく運営できたことは、スタッフもそうだが、複数登壇も意に介せず、ご協力いただいた方々のご協力が本当に大きい。
前日朝イチのワークショップなど、登壇者の方々自らも、参加者を募る呼び込みをして、それを楽しんでくださったという投稿もお見かけした。組織を率いるリーダークラスの方々が、率先してこの場を盛り上げようと動いてくださった。その場にいる人たちが、限りある時間と出会いを価値あるものにしようと力を結集した。
ICC サミット KYOTO 2018は、ある意味台風の力をかりて結束力を得たが、次回は台風なしでもそれが再現できるようにしなければいけない。それはスタッフ各々も肝に銘じているところである。
(続)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成
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