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会場に建築模型の展示が登場、建築家がICCサミット初登壇!そこで何を語るのか?【Road to ICC FUKUOKA 2019】

ICC サミット FUKUOKA 2019の会場に「建築模型ミュージアム」から、建築模型の展示が決定! それに伴いセッション「新進気鋭の建築家とクリエイティビティを語る」を企画しています。どのような経緯で展示をすることになったのか、登壇するのはどんな人たちなのか、どのような討論になるのか、その打ち合わせの模様をお伝えします。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は、2019年2月18〜21日 福岡開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

「建築倉庫ミュージアム」がICCサミットに登場!

こんにちは、ICCの活動を内側からお伝えする浅郷です。永田町のオフィスでは、来年2月のICCサミット FUKUOKA 2019に向けた準備が着々と進んでいます。カタパルト登壇者もすべて決まり、運営ボランティアスタッフ面接も間もなく終了、あとは準備と、企画の内容をひたすらブラッシュアップするという時期に入っています。

いつにも増して次回は特に、新たな試みが多く予定されています。そのひとつが寺田倉庫のご協力による建築模型の展示です。ウェブサイトARCHI-DEPOT(アーキデポ)では、オンラインで見るだけでもうっとりするような美しい模型が楽しめますが、その一部を会場に展示しようというのが今回の試みです。

以前に寺田倉庫一帯をご案内いただいた際に、国内唯一の建築模型に特化したミュージアム、建築倉庫ミュージアムを見せていただきました。京都での華道とLEXUSのコラボレーションに続いて、福岡で何を展示しようかと考えたとき、精巧に作られた模型の美しさを思い出したこと、参加される方々に建築が好きな方が多いことから、今回の企画に至っています。

展示に加えて、その作り手である建築家の方々にもご登壇いただこうということになり、12月某日、DOGを率いる齋藤隆太郎さん、藤井亮介さん、studio[42]を率いる酒井亮憲さん、高栄智史さんに、ご挨拶も兼ねて、打ち合わせをしてきました。

最初はお互いの様子を探りつつ……という雰囲気だったのですが、話が進むにつれて、これは面白いセッションになりそう、という期待が高まる打ち合わせになりました。勝手にその模様をレポートしたいと思います!

建築家ができる問題解決とは

写真左から、高栄さん、酒井さん、藤井さん、齋藤さん

新進気鋭の建築家の4名は、寺田倉庫 MINIKURAグループの柴田加奈子さんにご紹介いただきました。そしてクリエイティブディレクター6名をパネリストとして加え、2組に分かれてディスカッションする様子を、間近で参加者が見学(ときには参加もOK)するという、ワークショップスタイルでのセッションを予定しています。

齋藤さん 「建築模型の展示はありますが、それについて語るよりも、建築家はこんなことを考えているというのを4人がそれぞれの視点で語るなどがいいのでは」

藤井さん 「それに加えて、建築家が登壇するのは初めてとのことなので、建築界の問題とは何かなど、専門性にも触れる話を加えてみてもいいかと思います。建築の話ですが、もっと大きな意味での課題のようなものを意識して」

高栄さん 「僕らは建築家として、たとえば何もないような場所を、どうにかしてよくしていこうというような問題解決をしています。建築家はこういうこともできるというのも、セッションの中で伝えていければいいと思います」

小林雅(ICCパートナーズ)「経営者は、オフィスを作るにしても、頭に想いはあるけれども、それをどう具体的な形にするという部分には答えがない。そういうことを話せれば面白いかもしれない。思ってもみなかったことが突然出てくるほうが面白いですね。

以前にメルカリの小泉さんと電通出身のクリエイティブディレクター3人に登壇いただき、メルカリのクリエイティブを考える、ブランディングの話をしたことがありました。メルカリはテレビCMをしていますが、実際どうやってブランディングするのかを、ひたすらアイデア出しをしてみたら面白かったのです。

メルカリのブランディングを凄腕クリエイティブディレクターたちが徹底議論!【F17-7C #7】

建築家のみなさんが建物を創る、経営者が会社を創る、いずれも制約のあるなかでいろいろ考えているという意味では同じだと思います。同じ課題でも、建築的な視点ではこう考えるというのも面白いかと思いますね」

”空間が強い”とはどういうことか

少しずつ会話が温まってくると、ICCサミットの場の雰囲気や職業柄か会場のレイアウトなどについて、4人から質問が出てきました。こちら側も、建築家の方々をお迎えするのは初めて。小林が興味津々で質問を投げかけていきました。

小林 「建築家の人たちは、普段どういう話をしているのですか?」

藤井 「昔の建築家像は、コンセプトがありきで、ひとつの作品を創るようなイメージがあると思うのですが、『作品でなければいけない』と思っているのは、僕ら世代はわりと少ないのです。逆に建築家のエゴをどう扱うかを逆に心配したり、作家性をどう消すかについて考えたりしています。建築家像は変わってきていると思います」

齋藤さん 「僕とか酒井さんは、作品について語りたいというタイプです。僕らは今の時代には少し古いのかもしれない。でも古いことは悪いことじゃなくて、空間の強さとか、質とか、そういういうことを大事にする。むしろそこばかり考えています」

小林 「”空間の強さ”とは、一体何ですか?」

齋藤さん 「”空間の強さ”とは……フルボディな感じです。ユニバーサルなところ、近代建築が叫ばれ始めたころから、”何もない”とか、”レス・イズ・モア”のデザインのよしあしが語られてきました。

それに対して僕が好きなのは、宮脇檀のような感じです。壁が多すぎ、柱が落ちすぎみたいな感じだけど、その柱があることによって、空間の組み合わせによって深遠さが生みだされるような、ごたごたと語れる空間をぼくは強いと呼んでいます」

独特な表現に注目せずにはいられません。柱が落ちすぎ?作家性を消す!? 建築家はそういうところを見て考えているのかと、脳の新たな部分が刺激される感覚です。

新進気鋭の建築家たちが感じる課題

きっといい討論が聞けるはずと思えたのは、建築家の方々の熱さ。自分の仕事や世の中に問いを立てて、正面から向かい合う言葉に、ICCサミットに登壇者する方々と同じものを感じました。

齋藤さん 「建築界では、最近、”デザイン”や”クリエイティブ”は、軽んじられる言葉になりつつあります。本当は僕は、そういう畑の方が、クリエイティブを声高に叫ぶことをよしとして、建築家はよりそっていくべきと思います。そういう想いを伝えていきたい」

その他、当事者ならではの問題意識などに、話題は広がっていきました。クリエイティブディレクターとのディスカッションが今から楽しみです!

2年前からICCサミットに参加し、セッションを聞いたり、議論に参加することで刺激を受けているという寺田倉庫の柴田さん。今回のセッション企画や展示にご協力いただいた理由を明かしてくださいました。

写真奥が寺田倉庫の柴田さん

柴田さん 「ICCサミットで、建築模型の展示はどうですか?と小林さんに言われて、我々も自身のイベントなどで忙しく、物流コストもかかると思ったのですが、それは問題ではないと思い直しました。

スタートアップイベントはたくさん増えていますが、そのなかでもICCサミットは最も参加者が多く、多様性があると思っています。日頃会えない人たちと濃密な時間を過ごして、考え方も変わりました。純粋に楽しいうえに、新しい気づき、ビジネスにつながりますから、今回建築家の方々をご紹介したいと思いました。

建築倉庫ミュージアムを作った理由に、若い建築家が食べていけないような、今までの業界のあたりまえを壊していきたいというのがあります。ICCのコンセプトと近いものがあり、コラボレーションによって、少しでも新しいものが生むきっかけになればと思っています」

次回、ICC サミット FUKUOKA 2019の新企画、建築模型の展示に加えて、2019年2月19日、Session 3Fに予定されている「新進気鋭の建築家とクリエイティビティを語る」にご期待ください。新たにご参加いただく業界やプレイヤーによる討論は、新しい視座を与えてくれるに違いありません。以上、現場から浅郷がお送りしました!

※セッションの時間帯、会場は変わる可能性がございます。最新のプログラムをご確認ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子

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