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ICCサミットのワークショップでHondaとDeep Techの未来を語ろう! 【Deep Tech Meetup powered by Honda Xceleratorレポート】

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ICCサミット FUKUOKA 2019 WORKSHOPシリーズ「HONDA流ワイガヤを体験! モビリティ/ロボティックス/オープンイノベーションの今後を徹底深掘り(120分拡大版)」のイントロともいえるイベントが、2019年2月6日、HONDAウェルカムプラザ青山にて開催されました。パネルディスカッションの模様も合わせてレポートします。ぜひご覧ください。

ICCサミット FUKUOKA 2019のプレミアム・スポンサーとして、Honda R&D Innovations様に本セッションをサポートいただきます。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


2019年2月6日、HONDAウェルカムプラザ青山にて「Deep Tech Meetup powered by Honda Xcelerator」が開催されました。これは、ICCサミット FUKUOKA 2019、19日2EのSession 2EWORKSHOPシリーズ「HONDA流ワイガヤを体験! モビリティ/ロボティックス/オープンイノベーションの今後を徹底深掘り(120分拡大版)」のイントロともいえるイベントです。

前回京都では、Honda Xcelerator カタパルトを開催しましたが、今回は、HondaとICCサミット登壇者のみなさんで、ディープテック領域から展望する未来やどのようなコラボレーションの可能性があるのかをセッションでは討論します。

UNI-CABやASIMOのデモでスタート

この夜は、HONDAウェルカムプラザ青山が会場のため、UNI-CAB(ユニキャブ)やASIMOのデモンストレーションがあり、リアルテック領域の企業プレゼンあり、HONDA独自のディスカッションスタイル「オープンワイガヤ」がありと、盛りだくさんの内容でした。カッコいい車に囲まれた会場はいつもと一味違う雰囲気です。

懇親会時にUNI-CABの試乗を楽しむこともできました

ジャンプしたり、走ったりできるASIMO。最後には歌も披露

デモンストレーションのあとは、Honda Xcelerator Japan Leadの羽根田 里志さんの司会で「Deep Tech Meetup powered by Honda Xcelerator」の始まりです。

Hondaの羽根田 里志さん

はじめに本田技研工業の鎌形 信彦さんが登壇し、会場に展示されているHondaの製品紹介や、Honda Xceleratorの取り組みについてプレゼンを行いました。

Honda Xceleratorを紹介した鎌形さん

大企業であるHondaが、ディープテック領域の仲間を探しているという熱い呼びかけでプレゼンテーションは終了。その言葉に我こそはと発奮された方も多いのではないでしょうか。ICCも、こういった場からどのようなCo-Creationが生まれるのか期待をしています。

ディープテックのベンチャー4社がプレゼン

その後は本番セッションでのパネルディスカッションに参加する、メルティンMMIの粕谷 昌宏さん、エアロネクスト田路 圭輔さん、農業情報設計社の濱田 安之さん、予定していたオリィ吉藤さんが体調不良で欠席のため、急きょ未来機械の三宅徹さんの4名がショートプレゼンを行いました。

ディープテックが、今の人間の生活の可能性をいかに広げ、役立つものであるのかがわかりやすく語られました。プレゼンを聞いていると、未来は今の私達が創るものと実感できます。理系は苦手意識が強い方も、リアルテック、ディープテックはよくわからない方も、一度こちらのプレゼン動画を見ていただければと思います。

Hondaと協業できるのは誰か?「世界に負けない、日本の底力を感じる」Honda Xcelerator カタパルト日本初開催!【ICCサミットKYOTO 2018レポート#8】

プレゼン終了後の4人と羽根田さんでポーズ

HONDA伝統の「オープンワイガヤ」とは?

プレゼンが終わると、いよいよ「オープンワイガヤ」がスタート。Honda R&D Innovationsの森本作也さんをモデレーターに、Drone Fundの大前 創希さん、ユーグレナ / リアルテックファンドの永田 暁彦さん、リバネスの丸 幸弘さんが登壇です。お題は「Deep Techは人間の暮らしをどのように変えるのか?」です。ところどころ抜粋してお伝えします。

森本さん「今日のディスカッションでは、ディープテックが人の役に立つためには、どうあるべきかを話し合えればと思っています。『オープンワイガヤ』は、Hondaで伝統的に使われている議論のスタイルです。

Honda R&D Innovationsの森本作也さん

1つのテーマについて三日三晩議論し尽くして、これ以上出ないというところまで意見をぶつけあって共通認識を醸成する。うまくいくと、誰かがポロッと言った一言で、皆さんの心にストンと落ちるような見事なコンセプトが生まれる。そんな奇跡が生まれることがあります。

今回この場で実現するのは時間的に無理ではありますが、何らかのキーワードや共通認識が出てくるといいなと思っています。

まず、最初の質問です。技術が人の役に立つためには、何を、どうしなければいけないでしょうか」

技術の進化で人の生活はどうなるのか

リアルテックファンドの永田 暁彦さん

永田さん「2050年までに、テクノロジーによる生物的制約からの脱出を考えています。楽しさを追求したいときに、眠気や空腹が邪魔をする。僕は寝たくない。寝ないで働きたい」

丸さん「僕、超寝たい。寝たままで仕事できていればいいな」
(一同笑)

大前さん「バッテリー問題は重要ですよね。熱をもたない、効率のいいエネルギーを使い続けることができればおもしろい」

このまま、議論が人間がディープテックにより、肉体という制限を超えていく方向へ行くのか?と思ったら、丸さんが混ぜ返します。

丸さん「基本的に僕が考えているのは、基本的に、すでによりよい世界だと思っていて、この先の“よりよい”というのは、イコール便利ではないと思うのです。僕は生命科学の人間だから、UNI-CABを見てすごいなと思う一方、歩くほうが体によいとも考えてしまいます」

研究者の思想に投資したい(リバネス丸)

リバネスの丸 幸弘さん

永田さん「リバネスと、リアルテックの丸さん(※)の言うことは違うよね。多重放送になっている。リアルテックのときは、”それは社会的インパクトがあるのか?”しか言わないもんね。一方で、研究者に『技術を捨てろ』とも言うし」

▶編集注:丸さんはリバネス 代表取締役CEOとリアルテックファンドでは共同代表(技術統括)を務めています。

丸さん「たとえばオリィの吉藤さん。彼が自分の会社に投資してほしいと、変なロボットを持ってやってきたときに僕は入院していたのですが、『丸さん、これがあれば行けないところに行けます』と言った。

そして一言、『孤独を解消したい』と言いました。意味がわからないから、僕は『孤独が解消できれば、そのくだらないロボットはいらないの?』と聞いたら、3秒で『いらない。なくてもいい』と言った。でも彼は孤独について考えていて、それを解消したいと言った。

孤独の解消のために、そのときはロボットがいいと思っていても、技術は陳腐化する。どちらがやりたいのか?と聞いたときのQ&Aが大切です。即答するのを聞いて、僕は『おぉ、いいじゃん!』とすぐに投資を決めました。おそらく出雲さん(ユーグレナ)もそうなのでは?」

永田さん「(うなずきながら)でも、一方で僕らはとあるロボットベンチャーに投資していて、二足歩行にこだわっています。完全にプロダクトアウトですが、そこでしかたどりつけないものもあると思います。さきほどのUNI-CABも同じような印象をもって見ていました。

そういう技術面の人と、これは何に使うんだろう?と問う人との複合体で、相反するものを認めないと、人は幸せにならないのだと思います」

ICCではテック系の話になると、いつも哲学的な議論へと発展するのが面白いところ。テクノロジーの発展に伴い、それはいいことなのか?根本を見失っていないのか?という提起があり、討論が深まっていきます。

世界が技術は日本にあると信じている

森本さん「人をよりよくする技術は、短期的に利益を生まない可能性が高いですよね。一方で利益を生まないと事業として成立しない。そのジレンマについてはどう考えますか?」

永田さん「エクイティ・ファイナンスに依存するのは、サステナビリティがないですよね。だからHondaは長年の研究開発活動を続けられるし、僕らはバイオジェット燃料のプラントを作ることができています。2005年くらいに、バイオジェット燃料ベンチャーの事業がたくさん出てきました。

同じ技術ジャンルで、当時アメリカのベンチャーは100億投資を集めてスタートしていましたが、日本では、出資に見向きもされませんでした。13年たった今、そのアメリカのベンチャーは残っていません」

丸さん「どう持続可能に研究を続けていくかを考えていかなければいけない。だから地道に売上を作っていけるリアルテック領域の日本は強い。モノづくり系ディープテック領域の大企業がこんなに生まれている国はないです」

Drone Fundの大前 創希さん

大前さん「ちゃんと技術があって、それを売ろうという気持ちがあれば、まだ未熟でも興味を持ってくれる大企業はあります。そういう意味では日本はとてもいい社会構造になっていると思います。日本人はそういうのが好きなのです。

丸さんや永田さんは、この会社がいいと、大企業にPRしている。するとチャンスができます。僕らももっとやらないといけません」

永田さん「僕らリアルテックファンドをやっていると、2つの海外企業から声がかかります。なぜなら、技術ソースは日本にあることをみんな信じているからです。1つは国名を言えないけれど、出資したい。もう1つは東南アジアで組みたいと言ってくる。

日本を市場として見ているわけでありません。日本にはHondaがいて、帝人がいて、旭化成がいる。インターネットベンチャーがシリコンバレーに行って、GAFA(※)に近づきたい気持ちに近いです」

▶編集注:Google、Amazon、Facebook、Appleの4社のこと。

エンジンは温まりました!続きは会場で

詳しくは、後日の書き起こし記事をお待ちいただきたいのですが、その後の懇親会も引き続き、ディープテックで日本を変え、世界を変える議論が続きました。

2月19日はこの続きを、さらにトピックを細分化してICCサミットで行います。テーマは以下の4つを予定しています。

①スタートアップアクセラレーターが生み出すイノベーションの本質とは?
②サイボーグ/ロボティクスで変わる人間の未来とは?
③人間の移動の本質とは? 新しいモビリティサービスで変わる社会
④Deep Techが誘う人間らしい暮らしとは?

テーマに沿って参加者を分け、ディスカッションを行います。この日のミートアップでもそうだったように、たとえ脱線しても、最先端を走る研究者や当事者の思考がぶつかり合うような熱いワークショップになること間違いありません。見学も大歓迎です。

その日の模様は、後日レポートしますのでお楽しみに! 以上、HONDAウェルカムプラザ青山から、浅郷がお送りしました。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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