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「最後の拍手を、一生忘れない」スタートアップ・カタパルト覇者が、新たにした事業への決意【ICC KYOTO 2020レポート】

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8月31日~9月3日の4日間にわたって開催されたICCサミット KYOTO 2020。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。今回は、DAY1の9月1日、開催史上初、同率1位が2組誕生したスタートアップ・カタパルトの模様をお伝えします。本番前のリハーサルから、入賞後までの登壇者を追いました。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2021は、2021年2月15日〜2月18日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。


厳選スタートアップ14社が集結

新型コロナウイルス感染症流行下で、ビジネスカンファレンスや、スタートアップの事業コンテストをめぐる環境がオンラインへ移行するなか、ICCサミットは従来のままのスタンスを貫いた。さまざまなスタートアップが一堂に会し、審査員たちに向けて、自らの事業を7分間でプレゼンする。審査員たちは応援したい、協業したいと思う経営者に票を投じる。

変わらないとはいえ、カタパルト登壇企業の選出面接や、プレゼン練習はオンラインも活用した。加えて、以前は枠に対してよい企業が集まった時点で募集を締め切っていたが、今回は面接直後での判断を保留して、候補者とはすべて面接を行い、選りすぐりの14社が9月1日の早朝7時半に会場に集まっていた。

おそらく眠れぬ夜を過ごした登壇者たちは、早々に会場に集まって本番前のリハーサルをしている。オンラインのイベントは多数出ていたものの、オフラインは久しぶりだというのはhomealの鬼海 翔さん。栄養バランスの取れた幼児食を宅配で、手軽な冷凍食にして提供する鬼海さんは、リアルな場のメリットをこう話す。

リハーサル中の鬼海さん(写真左)

鬼海さん「子どもと一緒にいられる時間は一瞬です。その時間を食事のことでイライラしたり、悩んだりする時間をなるべく減らしたい。今しかない愛情の時間を少しでも増やすことが私たちのヴィジョンなので、そういった思いを感じてもらいたいです。

私たちは食品のサービスなので、このリアルな場を活用して、オンラインではできない方法で魅力を伝えていきたいです」

緊張した面持ちのMiletos朝賀 拓視さんはトップバッター。ピッチコンテストは初めてに近いという。

映像コメント収録に協力する朝賀さん

朝賀さん「4年間、お客さんとプロダクトだけをひたすら見てきました。実績もできてきたので、これから外に発信していく形に転換できたらと思っています。

YouTubeの中継もあるし、審査員の方々との距離が近いので緊張します。経理監査AIというBtoBのちょっと難しいソリューションですがその内容と、うちのチームいけてるというのが伝わればと思っています」

Engoの藤井 友輝さんも塗装業界内のBtoBだ。自らも塗装工としての実務経験を積んで開発した「Paintnote」は、アナログなプロセスしかなかった受発注業務を、塗料卸向け販売管理SaaSで自動化する。リハーサルを終えた藤井さんに聞いた。

藤井さん「競合は企業というより、今までの商習慣や人々の意識ですね。そこでイノベーションが起こると思っている人の割合が、塗装業界は他の業界に比べて小さいのではないかと思います。

古い業界の中に本当に潜り込んでいけるのか?というのが評価軸として大きかったりするので、それができていることをどれだけ明確に伝えられるかが、こういう場では大事だと思っています。ITスタートアップというスマートな側面だけじゃなくて、泥臭いこともできますというのをアピールできれば」

車、賃貸住宅の初期費用やペットの医療費、美容などさまざまな場面で、融資を受けたい人と融資をしたい銀行をマッチングするプラットフォーム「クラウドローン」を提供する村田 大輔さんは、またとない機会に一生懸命思いをぶつけたいという。

直前までプレゼンの練習をする村田さん

村田さん「これだけの方々に見ていただける場を用意してくださっていることに感謝しています。ここに立たせていただくのも、事業を成長させるためにコミットしてくれたメンバーや投資家の方々、参画していただいている銀行の大きな協力があるからで、それなくして事業は成り立ちません。

フィンテック=ローンの領域はまだまだ未達で、そこで損をしている消費者の方々に伝えていきたいです」

スタートアップ魂に、挑戦者として火が点いた

この事業で1回きりの機会……と思いきや、2度目のチャレンジとなるのが、トライエッティングの長江 祐樹さん。業務自動化、コード不要で導入できるAIクラウドを提供し、事業も順調に成長している長江さんは、半年前の福岡のカタパルト・グランプリで登壇したばかり(5位入賞)。なぜ舞台を変えての再チャレンジなのか。

カタパルト・グランプリからスタートアップ・カタパルトに挑戦する長江さん(写真中央)

長江さん「前回は、プレゼン慣れしている方ばかりで楽しかったのですが、自分もこなれたプレゼンをしてしまったんです。

初めての登壇だったのですが、ICCが思ったより熱かったんです! そこでゼロからスライドを作って、バッチバチの熱いプレゼンをしたいなと、久しく忘れていたスタートアップ魂に、挑戦者として火が点いてしまいました。

事業は変わらないのですが、プレゼンはほぼゼロから作り直しました。今はちょうど5年目で、売上もそこそこあるのですが、その部分も全部なくしました。

自分でも不思議な感情なんです。前回は営業できればいいやと思っていたけれど、今は純粋にチャレンジャーとしてやりたい。今日は久々に緊張しています」

出番の順に左右に振り分けられたチャレンジャーたちのなかに、前回の優勝者、アダコテックの河邑 亮太さんがいる。この日2番めの登壇者、Leaner Technologiesの大平 裕介さんとは旧知の仲だそうで、河邑さんのラクロス部の後輩が、大平さんの元同僚で、現在Leaner TechnologiesのCOOだという。

Leaner Technologiesの大平さんとアダコテック河邑さん

大平さん「前に同じピッチコンテストに出て、河邑さんにボコボコにやられました(笑)」

河邑さん「(笑)ICCで練習したプレゼンのお陰ですよ。Leanerは採用ができていて羨ましいなあ」

緊張感のあるなかで、少しだけ和やかな雰囲気が流れる。

ピッチコンテストが久しぶりという人もいれば、出張自体が久しぶりという人もいる。審査員席に一番乗りで現れたナビタイムの菊池さんは、これが半年ぶりだという。

菊池さん「東京から出たのは半年ぶりで、会社は6月から普通に通勤していますが、それ意外はあまり外にも出ませんでした。だから今回はとても楽しみなんです。コロナ禍でどういうふうにビジネスを伸ばしていくかというのを、逆にスタートアップの方々からも学びたいですね」

アイドルのような甘い顔立ちで登壇準備をしているのは、専門医シェアで地域医療格差の解消を図るMediiの山田 裕揮さん。ICCサミットに参加するために予約したairbnbが当たりだったと喜んでいる。

リハーサルを行う山田さん

山田さん「大丈夫かな?と思ったら、立地がめちゃくちゃよくて高級旅館みたいなairbnbでした! 昨日は『座禅・マインドフルネス体験』と『妙心寺 退蔵院「精進料理付き特別拝観」』の禅リトリートのプログラムに参加させていただきました。それもすごく良くて、宿に帰って、お風呂に入って、練習してから寝て…京都に何しにきたんや!という感じです(笑)」

自分にツッコミを入れながら語る山田さんだが、事業にかける想いは熱い。

山田さん「ヘルステックは、他の領域に比べて2周、3周、驚くほど遅れています。ここに集まっている更に次のステップを描いている最先端の業界の方々の力をお借りしながら、日本の環境に合わせながら、医療を届けられるきっかけをこのつながりを通して実現したいです」

開始を待つ登壇者たち

登壇者たちは、顔見知りなのか、緊張を紛らわせるためか、時折立ち上がって談笑している。女性でただ一人、登壇を勝ち取ったフィルダクト(DPEARL)の金子 奏絵さんは、プレゼン資料に目を落とし、言葉を自分に覚え込ませるように集中しており、張りつめた表情が印象的だった。

続々と集まる先輩起業家たち

「ラクスルのラテが復活している!」と喜ぶFABRIC TOKYO森さんは、優勝賞品を提供

優勝賞品の提供企業や審査員も続々と着席している。回を増すごとに増えている優勝者総取りの賞品は以下の通り。

ヤッホーブルーイングから「よなよなエール賞」として、「よなよなエール」を4ケース96本
一休から「こころに贅沢させよう賞」として、ホテルやレストランで使える一休ポイントを10万ポイント
三星グループから「“23時間を快適に”賞」として、社員全員に23時間を快適にするメリノTシャツ
FABRIC TOKYO賞として、なんでもお仕立券
OKAN賞として、オフィスおかん1年分と組織改善サービス「ハイジ」1年分
住友生命から「Vitality賞」として、パートナー企業グッズ(GARMINのスマートウォッチ、スターバックスのチケット、オイシックスのプレミアムギフト、浅田姉妹のグッズなど)
RevComm賞として、MiiTel利用料300万円分
SmartHR賞として、プロプランの利用権利を、じゃんけんに勝てば100年分、あいこで10年分、負けで1年分
ノバセル賞として、企業ノベルティ一式

審査員を務めるセプテーニ・ホールディングスの佐藤さんに、登壇企業に期待することを聞いた。

佐藤さん「毎回レベルが上がっていると思うので、今回もすごいスタートアップに出会えることを楽しみにしています。今の環境を味方につけて、未来の社会を先取り、作り出すようなプロダクト・サービスを体験したいです。楽しみにしています!」

そして恒例のチャレンジャーに拍手を送るセレモニーのあと、14社のプレゼンが始まった。その模様は、当日の中継映像をご覧いただきたい。

homealのプレゼンでは、事前に鬼海さんが予告していた通り、レバー入りミートボールのトマト煮が審査員席に配られていた。幼児食とは思えない本格的な味に、驚いた方も多かったのではないだろうか。

スタッフがフェイスシールドにマスク、手袋で配布

登壇した14社はいずれも「それはおかしくないか?」「変えればもっと便利に、もっとよくなるはず」というピュアな発想とニーズに基づいて、現状を改善する事業ばかりで、いずれも練習を重ねた、熱の入ったプレゼンを披露した。どのスタートアップに投票しようかと審査員は頭を悩ませたはずだ。

プレゼンを見た、審査員の感想は

VOYAGE GROUP宇佐美さん「toBのサービスが多かったですね。Leanerがいいな」

セプテーニ・ホールディングス佐藤さん「導入したいサービスがいくつかありました! スタートアップのエコシステムは、1社がうまくいくとほかがだめになるのではなく、共創しあって世の中をよくしていくもの。そんな連携した加速感を非常に感じました」

マイクロソフト三上さん「日本は世界から10年遅れていると数人から出たのが印象的です。この皆さんとともに、よくしていきたいなと思いました」

プロノバ岡島さん「コロナの中でピッチに立つ方々はそれなりの気合いがある。幼児食、歯科などセグメント特化したものがあり、BtoCのサービスも面白かったです」

Strategy Partners西口さん「登壇企業のサービスを全部会社に入れれば、サービス効率がよくなる。無理無駄・人員が大きく削減されると思います。次のカタパルトでは、それを解決するサービスが出てきたら」

デジタルホールディングス/ Bonds Investment Group 野内さん「利用したいサービスがたくさんありました。無駄を省いて労働生産性を上げるにプラスして、新しい事業が生まれるようなデジタル化を推進していきたいと思いました」

優勝の行方は……

投票の集計が終わり、順位の発表になると異例の事態が発覚した。まれに見る激戦だったため、票が割れに割れて、1位、3位、5位が2社ずつとなったためだ。

同率5位に輝いた歯科矯正ブランド「DPEARL」のフィルダクト金子 奏絵さんは、全身の疾患に関連する口腔環境の改善を目指して、安価で続けられる歯列矯正サービスにアンダー26歳のチームで挑む。患者の負担、継続の難しさ、歯科医師、歯科技師のペインすべてを解決していくビジネスモデルは、審査員をうならせた。

同じく5位のLegal Technology二木 康晴さんは、法律専門書のデータベース「LEGAL LIBRARY」を提供するリーガルテック。平均40件を同時進行する弁護士は、紙の書籍によるリサーチに3割の時間をとられており、それを検索可能なデータベースとした。コロナ禍でユーザーが急増しているという。

写真右から、同率3位の立石さんと布川さん、5位の二木さん

同率3位のログラス布川 友也さんと、スピークバディ立石 剛史さんは、経営管理業務と英会話習得サービスという全く異なる分野ながら、堂々と、自信あふれる口調で自分の事業を訴える姿が印象的。これなら業務が楽になる、これなら継続が容易になるという確かなイメージを、実績とともに描いて見せた。

Excel、メールの山にさよなら! ログラスは、煩雑な経営管理業務を1クリックで自動化する(ICC KYOTO 2020)【文字起こし版】

そして、優勝2社の発表となった。まずは既報の通り、Leaner Technologiesの大平さんの優勝が発表された。経費削減にあたり注目される間接費の削減クラウドサービスを提供する大平さんのプレゼンは、審査員の方々が使ってみたいと前のめりになるのが見えるようだった。

Leaner Technologies大平さん「光栄な賞をいただき、嬉しく思います。山田さんは医療で、我々はコスト削減、我々は法人の苦しいところを救い、事業を成長させるお手伝いができればと思います」

もう1社は、今回のスタートアップ・カタパルトで最もエモーショナルなプレゼンをしたと言っても過言ではないMediiの山田さんに決まった。

Medii山田さん「自分の体験が強烈なのですが(山田さん自身が難病を患っている)、誰にとっても大切な話だと思っています。だからこそ医療格差という課題を絶対に解決したい。ここにいる皆さんといろいろな形で連携して、よりよい社会を作っていく、それを担う一人になっていきたいと思います」

満面の笑みでそう話した山田さん。じつはプレゼン中にハプニングがあったそうである。

「最後にいただけた拍手を、一生忘れない」

ここから優勝賞品の授与式が始まるが、スタートアップ・カタパルトの同率優勝はICC史上初。用意されていた商品は1組だけだが、ICC小林の強いお願い(!?)により、ほぼ2社に提供いただけるような形になった。

SmartHRの賞品は優勝者2名でじゃんけんし、あいこだったため各10年分ずつが贈られた

時間が押していたため、駆け足で優勝賞品の授与と記念撮影が終了し、スタートアップ・カタパルトは終了した。引き続きリアルテック・カタパルトが予定されている会場で、大平さんに優勝の感想を聞いた。

大平さん「プレゼンが二番目で、あとからどんどんいい企業が出てきたので正直難しいかと思っていましたが、コロナという環境のなか、多くの法人を支えられるサービスをと思って創業しました。

コロナが怖くないといえば嘘になりますが、今回はこの機会を最大に活用できればと思って来ました。プレゼンは7分ですが、それまで1年、2年やってきたメンバーの頑張りが伝えられればと思いました。

評価していただけて非常に嬉しいですが、それで何かを成したわけではない。明日からも一歩一歩、お客様に価値提供していきたいです」

もう一人の優勝者、山田さんは堂々としたプレゼンからは想像できないハプニングを語ってくれた。

自身の闘病体験もプレゼンでは語られた

山田さん「持参したPCがポンコツすぎて、手元でプレゼンの台本が表示されなくなっちゃったんです。こりゃまずいなと思いました。

でも、気持ちをそのまま伝えるしかないなと切り替えて、時間配分を気にせず、思っていることを伝えました。

こういう形で前に立たせていただく機会は以前にもありましたが、医療の世界でした。今回まったく違う領域に飛び込んでいるのは、自分にとっても大きな挑戦であり、恐怖でもあったんです。

そこで大きな拍手をもらえたことは、自分にとってこれから、信念を貫くための励みになると思いました。最後にいただけた拍手を、僕は一生忘れないと思います」

ICC小林とのプレゼン練習のときに、おそらく入賞しないと言われていたが?と水を向けると、山田さんは大きく笑ってこう言った。

山田さん「あははは! ありがとうございます。期待をいい形で裏切りました!」

事業を見つめ直し、決意を固める記念すべき日

1位2組、3位2組、5位2組となった今回のスタートアップ・カタパルト。投票用紙を見ると、票が分かれたことがわかる。どの企業も7分間、自らの事業を力いっぱいプレゼンした結果だろう。

会場を出ると、フィルダクト金子さんに話しかけているプロノバ岡島さんの声が耳に入った。同じ女性だからではなく、事業がよく考えられていていいものだと思ったから投票した、と伝えている。トップのビジネスパーソンがスタートアップに本気の激励を送る。カタパルトが終わったあとに会場で見受ける、清々しいシーンである。

歯列矯正を考えている人は要注目の「DPEARL」をプレゼンする金子さん

後日、映像コメント班が収録した、優勝の一日を振り返る内容で収録した2人のコメントを見せてもらった。まずはこの夜、Voicy緒方さんや、ユーグレナ出雲さんと談笑していたMedii山田さんから。

山田さん「緒方さんとは東京でのICCのワークショップで、出雲さんとはここでお会いしてお話させていただくようになりました。ここではアポも取れないような方々ばかりが一堂に会しています。

優勝したあと、プレゼンを見てくれた方々からご連絡いただきました。一番驚いたのは、数年前に看ていた患者さんが、YouTubeでプレゼンを見たというコメントをしてくれたこと。スタートアップ界隈だけでなく、一般の人も見てくれたんだなと、本当にICCの幅の広さ、注目度の高さを感じました。

私にとって、今日はいい意味で記念すべき、大きな意味をもつ一日となりました。これをいかに事業に落とし込んで、僕らが思い描く世界をいかに実現させるのかがプライオリティです。

一人でも多くの人とつながって、自分たちの未来につながるような縁、知見や経験を活かして、実現へ向かっていけたらという決意ができた。そんな一日だったなと思っています」

翌日の会場でインタビューに答えてくれた大平さんは、優勝のインパクトをダイレクトに感じているようだ。

大平さん「事業でも個人でも、実際に非常に大きな反響をいただいています。日経新聞で取り上げてもらい、多くのリードやお問い合わせをいただいています。Leanerという事業を知ってもらえて、多くのお問い合わせをいただいて、実際Co-Creationしていこうという話になっています。

ここに来る前は、カタパルトで自分の事業や、チームが作った成果を知ってもらいたい気持ちで来ていました。

そこで優勝して多くの方々と話す中で、ただ関係性が作れて、知っていただくだけでなく、事業をより前に進めていく、より成長していく機会が得られて、期待以上のものが得られた2日間になっています。

2020年2月起業で、優勝したからといって事業の何かがが多く進んだわけではないのですが、明確に第一歩を踏み出せる、貴重で、記念すべき機会になりました。

7分間のプレゼンですが、本番前の練習ではICC小林さんにフィードバックをもらって直していきました。それはプレゼンのクオリティが上がる以上に、自分の事業を見つめ直すことで、貴重だったかなと思います」

◆  ◆  ◆

今のような環境下にあっても、新しいアイデアを磨き、それを実現しようとする人たちにはパワーがある。とはいっても、まだ世の中にないサービスだからこそ事業を作った起業家たちが、その正しさを世の中に証明していく道のりは気が遠くなるほど遠い。

そんな道程を行く先輩たちと、スタートアップが一同にいることで、お互いから刺激を受け、学び合い、ときに支え合い、高め合うことが、ICCサミットの意義のひとつである。

スタートアップ・カタパルトは、「7分間の、人生をかけた戦い」と銘打ち、注目度の高さも相まって、ヒリヒリするような緊迫感漂う事業コンテストである。しかしながら今回は、いつもとは少し異なる雰囲気も会場には流れていた。

会場に集まった人たちが、久しぶりのリアルイベントだったというのもあるだろう。それに加えて今だからこそ挑戦する人たちと、少しでも確かな未来を創ろうとする、先輩たちの温かな眼差しや共感が強く感じられたからである。改めて、自らの事業への決意を強くした方も多かったに違いない。

(続)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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