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「ミドリムシはワカメより圧倒的に凄い」ユーグレナ出雲節が炸裂【K16-6C #3】

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「最先端テクノロジーは社会をどのように変えるのか?」【K16-6C】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!6回シリーズ(その3)は、”Chef Watson”でできることの議論を皮切りに、ミドリムシそして人間といった生命の凄さに議論が発展しました。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。


登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016
Session 6C
「最先端テクノロジーは社会をどのように変えるのか?」
 
(スピーカー)
石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者
 
出雲 充
株式会社ユーグレナ
代表取締役社長
 
福田 剛志
日本アイ・ビー・エム株式会社
理事 東京基礎研究所 所長
 
(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役

「最先端テクノロジーは社会をどのように変えるのか?」の配信済み記事一覧

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【本編】

石川 僕、最近…

小林 きました。最近ネタ。

最近というのは、いつくらいのことですか?

石川 半年くらいです。

小林 半年くらいですか。

石川 僕、ハッと気が付いたのですが、1日の殆どの時間を、コンピュータと過ごしているのです。

これだけこいつと時間を過ごしているのに、コンピュータとは何かということについて、そもそも考えたこともないことにびっくりしたんですよ。

そして、コンピュータとは何かを調べたのです。

コンピュータとは何か?

小林 石川さんらしいですね(笑)それで、どういう意味でした?!

石川 なんとですね、コンピュータというのは、「共に考える」という意味だったんです。

こいつは共に考えてくれる存在なのだと思うと、そこから急に親しみを覚えて、ただの金属の四い箱から、共に考えてくれる「友達」のようにも思えてきたんです(笑)

福田 なんと(笑)

石川 それで、考える上での一つのステップとして、「認知」があるという理解でいいですか?

福田 人間の頭の中で起こっていることのごく一部ですけれども、コンピュータはそこが非常に得意になってきました。

石川 そういえば、先ほどの図の中には、いろんなWatsonがいましたね。

資料:日本IBM講演資料から転載

福田 そうですね。

この中で挙げているのは、医療への応用や、株式投資や、市場の調査といったところや、エデュケーション(Education、教育)ですね。

そしてドラックディスカバリー(Drug Discovery、創薬)。

インシュアランス(Insurance、保険)はたまたま書いてありますけれども、今これを支払ってよいのか悪いのか等、所謂ポリシーを適用して判断するというようなことができますし、最後はカスタマーケアで、コールセンターや、今はチャットボット (Chatbot)が流行っていますね。

このように、人間との接点をコンピュータがある程度代替できるようになってきたというような応用例が書いてあります。

料理を考えてくれる「シェフ・ワトソン」

石川 料理を考える「Chef Watson(シェフワトソン)」というのはどうですか?

福田 「Chef Watson」というのは変わったというか尖ったアプリケーションです。

ご存じない方がいらっしゃるかもしれませんので申し上げますと、「Chef Watson」が今までになかったような斬新なレシピを考えてくれるのです。

ただ、美味しくなかったら仕方がないので、美味しいであろうレシピをアレンジし、栄養や風味等を考慮しながら新しいレシピを考えてくれるというアプリケーションです。

石川 僕はその「Chef Watson」を作った方に伺ったのですが、その方の結婚式での料理のメニューを「Chef Watson」に考えてもらったそうなのです。

決して美味しいものではなかったそうですが(笑)、食べて「うーん、Chef Watson!」と唸るような、ものすごく新しくて斬新な料理だったとか。

(会場笑)

やはり皆が食べたことのないようなものなんですね。

福田 他のものと同じということでは意味がないので、ある程度オリジナリティーを出しながらというところですよね。

下手すると美味しくなくなってしまうし、真逆でもつまらないものになってしまうので、そこの味付けがちょっと面白いのだと思うのですが。

小林 では「Chef Watson」にミドリムシの新しい用途を考えてもらう時代も来る訳ですよね。

出雲 「Chef Watson」というのは本当にそういうことをしてくれるものなのですか?

福田 「Chef Watson」というのは結局、料理をたくさん勉強する訳です。

過去にあった上手くいった料理というのを、沢山知っているのです。

ただ覚えているものをそのまま吐き出してもつまらないので、もう一度アレンジします。

例えば、アフリカ料理に日本の和食の食材を使ってみたらどうだろうということで、滅茶苦茶にランダムに作るのではなくて、一番良いものを見つけてきて、これとこれを組み合わせたらアフリカ風の和食ができますといったことを考えてくれるのです。

過去の知識やたくさん世界中の料理を覚えています。人間のコックがこれらを全部覚えるのは不可能で、人間の知識を超えた知識を持っているコンピュータが新しいものを考えてくれるということですね。

上手くいくケースも失敗するケースもあるようですが、そういったものですよね。

もし「Chef Watson」が過去に人類が作ったことのある料理を全部覚えているとして、ミドリムシがどこにはまるだろうかと。

もちろん面白くはめるのもよいと思いますし、無難にはめるのもよいと思いますし、そういったことが考えらえる可能性はあると思います。

ミドリムシはワカメより圧倒的に凄い

石川 ミドリムシには、味はあるのですか?

出雲 当然味はあります。

ワカメの味がします。

品種としては、ワカメや昆布やヒジキやモズクのような海藻の仲間なので。

石川 海藻なのですか?

出雲 海藻なのです。

ミドリムシはどこからどう見ても海藻です。

(会場笑)

石川 どこからどう見ても海藻ですか(笑)。

出雲 ワカメ以外の何物でもないです。

石川 そうなのですね。

出雲 本当は動くワカメちゃんという名前にしたかったのですが、他の企業とも競合しますのでそれはできないのですが。

石川 動く、ワカメちゃん(笑)

出雲 実際、ミドリムシは味もワカメだし、ワカメのような藻類なのですが、でもワカメとは違うんですよ。

動きますからね。

ワカメは絶対動かないですから、その時点でミドリムシとは相当レベルが違いますよ。

圧倒的ですよ。

(会場笑)

出雲 誰も動けないのに、ミドリムシだけ動いている。

石川 確かに自由に動いていますよね。

小林 ということは、ワカメが入っている料理だったら、組み合わせとして色々なものが考えられるということですか?

石川 例えばですけれども、フレンチには昆布やワカメを使った料理が殆どないんですね。

ですから、「フレンチ×ミドリムシ」というのはかなり面白いかもしれませんよ。

スパコンの4倍効率が良い「脳」の知性

福田 人工知能の、知能の問題を解いていかなければならないのですよね。

ミドリムシとどういう風に絡むかという点ではなかなか難しいのですけれども(笑)、知能の問題を解く必要があったら、まずはコグニションの、大きなインテリジェンスという知能の中のごく一部ができるようになってきました。

それを支えていたのはデータですよね。

プログラムしないで、データ自体がどれだけ大きかったかという話は皆さん100万回聞かれていると思うので飛ばしますが、「Watson」は巨大なスーパーコンピュータだったんですよ。

「Jeopardy!」で勝ったのは、2,880コア(Core)というすごく巨大なコンピュータ、所謂スパコンです。

電力の瞬間最大を計測したら、200キロワットでした。

隣で戦っていたKenneth Wayne “Ken” Jennings III(ケン・ジェニングス)達は、「脳」ですよね。

大体何ワットくらいですかね、20ワットとか、せいぜい80ワットとか、それくらいのワット数なんですよね。

そうすると、人間の「脳」というのは4ケタ効率がいい訳ですよ。

そして、そもそも同じ時間で答えを出すのです。

コンピュータの大きさといったら、ラックが10本立つほどなんですよね。

石川 クイズ会場の裏にはものすごい装置があったわけですね?

福田 ものすごい装置があって、それこそ発電所もいるような大きさなのに、一方の人間の「脳」は僅か何十ワットで動くのです。

サイズも2リットルくらいですかね。

それに対してコンピュータはラックが何本も立つほどで、これが4桁くらいの差なんですね。

知性を実現するということに関して、生物と人工物の差というのはもう歴然としています。

石川 ミドリムシは何グラムくらいあるのですか?

出雲 ちょっと待って下さいね。

(会場笑)

出雲 100マイクロメートルで、10億分の1グラムです。

石川 「Watson」もそれくらいになってから初めてモノ申せと。(笑)

福田 それでエネルギーが作れたら、ですね。

(続)

続きは 知の蓄積によって大学は「価値ある研究」を生み出せなくなる をご覧ください。
https://industry-co-creation.com/industry-trend/10594

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/Froese 祥子

【編集部コメント】

続編(その4)では、知の蓄積により研究の新規性や進歩性を獲得するタイミングが遅れていること等を議論しました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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