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4. 既存のルールに乗ったうえで、西洋の評価基準に挑戦するヘラルボニー

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ICC KYOTO 2025のセッション「「アート」と「デザイン」がビジネスに与える本質的な価値とは何か?」、全5回の④は、契約作家のアートがパリコレのランウェイを飾り話題となったヘラルボニーの松田 崇弥さんが、あえて西洋の価値基準に乗り展開する理由を語ります。HERALBONY EUROPE設立後、国内売上が伸びた話を受けて、丹青社の石上さんは「日本人=逆輸入が大好き」と気づいたエピソードを語ります。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2026は、2026年3月2日〜 3月5日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。

【登壇者情報】
2025年9月1〜4日開催
ICC KYOTO 2025
Session 10B
「アート」と「デザイン」がビジネスに与える本質的な価値とは何か?
Supported by EVeM

(スピーカー)

石上 賢
丹青社
事業開発センター B-OWND室/プロデューサー

石川 俊祐
KESIKI
代表取締役 CDO

岩本 涼
TeaRoom
代表取締役CEO 

松田 崇弥
ヘラルボニー
代表取締役Co-CEO

(モデレーター)

琴坂 将広
慶應義塾大学
教授(SFC・総合政策)

『「アート」と「デザイン」がビジネスに与える本質的な価値とは何か?』の配信済み記事一覧


琴坂 では、松田さん、事業紹介をお願いします。

あえて西洋の評価基準に乗り挑戦、ヘラルボニー松田 崇弥さん

松田 岩本さんは6、7年前から100BANCHで一緒だったのですが、当時はこれほど天才だとは思っていなかったです。

琴坂 (笑)

岩本 同じオフィスで働いていたのです(笑)。

松田 すごいなと思いました。

改めまして、ヘラルボニーという会社を経営しています。

映しているのは、24歳の頃に見た作家の作品です。

見た時、「すごいな!」とシンプルに感動しました。

知的障害のある人は、ひたすら同じ言葉や紋様を繰り返すのですが、当時はマリメッコを想起し、デザインパターンやファブリックパターンで展開されたらすごく面白いのではないかと思い、ヘラルボニーという会社を作りました。

私は前職で、くまモンのライセンス事業を行っていたので、アパレルではなくライセンス展開できたら面白い、そして将来的に、地元の同級生にまで届くようにしたいと思いました。

ブランドはデザインとアートの集合体であり、すごく力があります。

僕の地元、岩手県の人口1万人のまちの同級生には、アートも福祉も人気がなく情報も届きにくいです。

でも、レクサスに乗っていれば、Supremeを着ていればすごいと言われるし、ルイ・ヴィトンの財布にはものすごく反応します。

ですので、ブランドという傘のもと押し出していければ変わるのではないかと考え、挑戦しています。

世界中から作品を集めるアートプライズ(HERALBONY Art Prize)も、2年続けて実施しています。

今日、議論の中でもありましたが、西洋の評価基準に挑戦しようとしている、そこに一生懸命になっている会社です。

来月(2025年9月)初めてパリコレに挑戦しますし、カンヌ・ライオンズの広告賞でもゴールドを獲りにいこうとしていますし、LVMHのイノベーションアワードで日本企業として初めて受賞し、彼らから伴走支援を受けています。

私は本当に、西洋のルールに乗ろうとしているなと思っています(笑)。

それを壊していただけたら嬉しいのですが。

このスライドのアートプライズは、「アール・ブリュット」や「アウトサイダーアート」と呼ばれる領域で、唯一アートバーゼル(※バーゼルで開催される世界最大級のアートフェア)に出ているギャラリストと一緒に、LVMHのサポートで作ったもので、今65カ国から作品が集まっています。

アール・ブリュットについて(滋賀県立美術館)

日本人は「逆輸入」が大好き?

琴坂 今日の話を聞いて、ルールに乗る挑戦をしながらも、自分で評価基準を作ろうという思いは生まれたのでしょうか?

松田 将来的には、と思っています。

でもやはり、デンマークと言えばデザイン大国という想起があるように、パリコレに出ているとすごいと思われます。

フランスに子会社(HERALBONY EUROPE)を設立してまだ7、8カ月ですが、日本国内の売上が伸びています。

琴坂 国内売上が。

松田 これはすごく面白い事象だと思います。

フランスに挑戦しているという事実が……、あ、叱咤激励をお願いします!

石上 全く同じ現状です。

10代の頃、父の絵を初めてニューヨークやベネチアに持って行った際は全く売れませんでしたが、今まで断っていた美術画廊や百貨店が一気に受け入れてくれました。

日本って逆輸入大好きじゃん、と思って。

松田 本当に、逆輸入が大好きな可能性があると思います。

石川 日本にとってのインフルエンサーがヨーロッパということですよね。

松田 そうなのかも。私もまさにそうで、ヨーロッパの評価基準に乗ろうという日々を過ごしています。

でも、LVMHから選ばれたことで国内の反応が変わるのは……、これからルイ・ヴィトンやフェンディと仕事をするため、LVMHとは商談を繰り返しているだけで、本当に、何かを一緒にしているわけではないのですが(笑)。

琴坂 でもそれが現在ドミナントな(支配的な)世界におけるルールなので、既存のルールに乗るのは定石だということですよね。

石上 守破離ではないですが、僕たちもまず乗って、その後に壊すことに挑戦しようとしています。

松田 確かにね。

アワードで最後のプレゼンをする際、「ヘラルボニーを使って、御社が世界の人権感覚を前に進めてほしい」と伝えましたので、先週、LVMHのChief Branding Officerに、建物をヘラルボニーでラッピングすることを提案しました。

こういうのも含め、世界に挑戦していければいいと思っています。

琴坂 ありがとうございます。

(続)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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